弁護士広場には、栃木県内に事務所を構え、または栃木県の案件に対応する弁護士・法律事務所を掲載しています。注力分野や最寄り駅から、あなたの条件に合う弁護士をお探しください。
栃木県の弁護士・法律事務所の現状と法律トラブル発生の背景
栃木県は北関東を構成する重要な県の一つで、人口約187万人を擁する全国第18位の県です。県南の宇都宮市を県庁所在地として、足利市・栃木市・佐野市など歴史ある中堅都市が南西部に集まり、北部には日光・那須など世界的観光地を抱えています。日産自動車・本田技研工業・キヤノンなど自動車・精密機器の生産拠点が集積する内陸工業県としての性格に加え、いちご(とちおとめ)・かんぴょうなどの農業生産も盛んです。県北の那須・日光地域は別荘・観光施設の集積地、県南の小山・佐野は東京通勤圏として独自の経済構造を持っています。ここでは最新の公的統計をもとに、栃木県の法律事情と弁護士を取り巻く環境を整理します。
栃木県の弁護士数・法律事務所数
栃木県は北関東で群馬県に次ぐ規模

日本弁護士連合会(日弁連)が公表している弁護士会別会員数によると、2026年4月1日現在、栃木県弁護士会に所属する弁護士は236人。これは北関東3県(茨城・栃木・群馬)の中では群馬県(330人)に次ぐ規模で、茨城県(304人)より少ない数字です。県南の足利・小山などは東京都内の弁護士事務所へのアクセスも良いため、地域によって弁護士の選択肢が大きく異なる特徴があります。
栃木県弁護士会の会員数(2026年4月1日現在)
| 項目 |
人数 |
全国比較 |
| 弁護士総数 |
236人 |
単位会で全国第23位 |
| うち女性弁護士 |
37人 |
女性比率15.7% |
栃木県の女性弁護士比率は全国平均を下回る
栃木県弁護士会の女性弁護士比率は15.7%で、全国平均(約20.9%)を下回る水準です。離婚・DV・セクハラ・相続など、女性弁護士に相談したい事案では、選択肢が限られる地域です。宇都宮市内を中心に女性弁護士が活動する事務所もありますが、東京都・埼玉県の女性弁護士へのアクセスも併用するケースが見られます。
栃木県の人口に対する弁護士充足率
各都道府県の弁護士が足りているか、司法サービスを提供する環境の充足度を示す指標として「人口1万人あたりの弁護士数」という統計があります。
栃木県の人口は2025年時点で約187万人。これに対し栃木県弁護士会の弁護士は236人なので、栃木県の人口1万人あたりの弁護士数は約1.3人となります。これは全国平均(約3.7人)の約3割の水準にとどまり、47都道府県の中でも特に弁護士充足率が低い県の一つです。
とくに県北の日光・那須塩原・那須町などでは、近隣に弁護士事務所が少ない「司法過疎」が課題となっており、宇都宮市の弁護士に出張対応を依頼するケースも一般的です。一方、県南の小山・栃木・足利・佐野などはJR宇都宮線・東武日光線で東京都心へ1時間圏内のため、東京都内の弁護士事務所を利用する選択肢もあります。
栃木県の人口動向
栃木県の人口は約187万人で全国第18位の規模です。県庁所在地の宇都宮市(人口約51万人)が県人口の約4分の1を占め、小山市・足利市・栃木市など複数の中核都市が県内に分散しています。日本全体で人口減少が進む中、栃木県も全体としては減少傾向にありますが、宇都宮市は2023年に開業した宇都宮ライトレール(次世代型路面電車)の沿線開発もあり、都市部の人口は比較的維持されています。一方、北部の山間地域では人口減少が深刻化しており、地域格差が課題となっています。
栃木県の民事法律相談の現状

ここまでは弁護士数・法律事務所数を通じて栃木県の司法サービスの充実度・環境を見てきました。続いては、内陸工業県・観光県・農業県という多面的な性格を持つ栃木県で、どのような法律トラブルが発生しているのかを統計データから読み解きます。
日本司法支援センター・法テラスが公開している「代理援助事件の事件別内訳(民事法律扶助)」のデータから、近年の栃木県の法律相談の実態を見ていきましょう。
代理援助・民事法律扶助とは
法テラスのWEBサイトで、「民事法律扶助」とは下記のように説明されています。
民事法律扶助業務とは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です。(総合法律支援法第30条第1項2号)
「代理援助事件の事件別内訳(民事法律扶助)」とは法テラスが実施する無料法律相談を受け、実際に弁護士・司法書士の費用立替えを受けた事案の数を、事件内容別にカウントしたものです。
栃木県の法テラスにおける代理援助の実施状況
栃木県の法テラスにおける代理援助では、近年、多重債務事件と家事事件(離婚・相続等)の利用が大きな割合を占めています。全国的にも同様の傾向ですが、栃木県では自動車関連製造業の景気動向に伴う多重債務、観光業(日光・那須)の繁閑差による収入変動に起因する債務整理、農業の事業承継に関わる相談が特徴的に発生しています。
栃木県の多重債務事件
法テラスはそもそも、経済的な問題で弁護士へ相談しづらい方への支援サービスという側面があります。そのため、法テラスで対応される事件として、多重債務、債務整理や借金に関するものが多いのは自然なことです。
栃木県もその例に漏れず、代理援助の利用数では多重債務事件が多くを占めます。物価高・非正規雇用の増加、コロナ禍以降の家計悪化など複合的な要因により、自己破産・個人再生のニーズは継続的に発生しています。
栃木県の家事事件と農地相続の傾向
法テラスの代理援助立替基準によると、家事事件とは、
と定義されており、離婚・相続といった家庭にまつわる事件を指す項目とされています。
厚生労働省の人口動態統計によると、栃木県の離婚件数は近年、年間3千件前後で推移しています。協議離婚で解決できないケースでは、財産分与・親権・養育費などをめぐって調停・審判に発展することも少なくなく、離婚問題に関する弁護士相談のニーズは一定数存在します。
また、相続問題については、いちご農家・かんぴょう農家など特産品ブランドを支える農地・農業権の相続、那須・日光の別荘地・観光施設の相続、宇都宮市内の不動産価格上昇に伴う相続紛争など、地域特性に応じた多様な案件が発生しています。とくに県北部では戦前から続く広大な山林・農地の所有者不明土地問題も深刻化しており、複雑な権利関係を整理する案件が多く見られます。
栃木県の交通事故発生数
栃木県は車社会で交通事故も多発

自動車の運転は、私たちの日常生活の中で最も法律の問題にぶつかりやすい行動のひとつです。栃木県の民事事件の発生状況に続いては、県内における交通事故の発生状況を見てみましょう。
警察庁の交通事故統計によると、栃木県の道路交通事故の発生件数は近年、全国の都道府県別ランキングで上位に位置しています。東北自動車道・北関東自動車道・国道4号線・国道50号線など主要幹線道路の交通量が多く、これが事故発生リスクを高めている要因です。日光・那須など観光シーズンには観光客の交通量が一気に増加し、特に紅葉シーズンの渋滞起因事故、冬季の山間部スリップ事故も多発します。
一般財団法人自動車検査登録情報協会が発表している都道府県別の自動車保有台数では、栃木県は人口規模に対して保有台数が多めです。1家族あたり複数の自動車を保有する世帯が多く、車社会としての性格が極めて強い地域です。鉄道網が限定的なため、自動車が生活の必需品となっています。
栃木県は観光地・山間部の事故にも注意
栃木県は日光・那須・鬼怒川などの山岳観光地を擁し、急なカーブ・凍結路面・霧の発生しやすい区間での事故が発生しやすい環境です。観光客が運転する不慣れな道路での事故、レンタカー・観光バス事故などにも注意が必要です。被害者側が保険会社から提示される示談金は、いわゆる「任意保険基準」で算定されることが多く、弁護士に依頼して「弁護士基準(裁判基準)」で交渉することで賠償金額が大きく増額するケースは少なくありません。多くの自動車保険には弁護士費用特約が付帯しており、自己負担なく依頼できる場合もあります。
栃木県の犯罪・刑事事件
栃木県の刑事事件発生数と事件内訳

民事事件・交通事故に続いては、よりダイレクトに法律へ触れる行為、栃木県の犯罪・刑事事件の発生状況を見ていきましょう。
警察庁の犯罪統計によると、近年の栃木県の刑法犯認知件数は年間8千件前後で推移しています。コロナ禍以降、特殊詐欺・サイバー犯罪・SNS関連犯罪などが増加傾向にあり、犯罪の質的変化が見られる点も特徴です。
栃木県は窃盗事件・詐欺事件への対応が重要
栃木県の刑法犯のうち、依然として最も多くを占めるのは窃盗事件です。広い県土と車社会としての性格から、自動車盗難の被害も発生しやすい特徴があります。一方で、近年は特殊詐欺やサイバー犯罪、SNSを介した投資詐欺・ロマンス詐欺などの「知能犯」が増加傾向にあります。被害者・加害者いずれの立場でも、事件に巻き込まれた際には早期の弁護士相談が重要です。
栃木県の法的問題解決・リーガルサービスの現状と課題
ここまで、栃木県の弁護士・法律事務所の現状と法律トラブル発生の背景を、最新の統計情報を元に見てきました。
内陸工業県・観光県・農業県の三面性を持つ栃木ならではの法律ニーズ

栃木県は、宇都宮・小山・上三川の自動車・精密機器産業、日光・那須の観光地、いちご・かんぴょうなどの農業地帯という三面性を持つ独特な県です。それぞれの分野で異なる法律ニーズが発生し、製造業の企業法務・労働問題、観光業の契約・労務、農業の事業承継・農地法関連など、地域特性に応じた専門性が求められます。
とくに日光・那須は外国人観光客も多く、観光トラブル・国際取引・在留資格関連の相談も発生します。また、宇都宮ライトレール開業に伴う沿線開発・不動産取引のトラブルなど、近年の都市開発に伴う新しい法律相談も増加傾向にあります。
栃木県の法的トラブルの傾向
栃木県では、車社会としての性格から交通事故関連の法律相談が多く、また広い県土を反映して農地・山林を含む相続関連の相談も継続的に発生します。製造業に絡む労務・契約問題、観光業の繁閑差による経済的トラブル、特殊詐欺被害など、地方都市部に共通する法律ニーズも存在します。
人口1万人あたりの弁護士数が全国平均を大きく下回るため、近場で適切な弁護士が見つからない場合は、宇都宮市の弁護士へのオンライン相談や、東京都・埼玉県の弁護士へのアクセスも選択肢となります。
相談したい分野に強い弁護士・法律事務所を見極める
相談者の立場で考えると、自分の悩みに合う、相談したい分野に強い弁護士・法律事務所かどうかが弁護士選びにおいてとても重要な要素となります。
刑事事件はもちろん、離婚や遺産相続、債務整理であれ、人が法律の壁にぶつかる時というのは、その人の人生を左右するような重要なタイミングであることが多いです。人生の一大事への対応を預ける以上、弁護士を自らの吟味なしに選ぶことは得策とは言えません。自分の相談したい内容・分野に強く、自分が置かれている状況を遠慮なく相談できる、信頼のおける弁護士に依頼するのが理想です。
弁護士にも、人によって得意な分野・不得手な分野がある
弁護士は、司法試験を通過したという一点では誰でも同じですが、弁護士としての実務能力は、各人のキャリア経験・性格や考え方により、一人ひとりまったく異なります。通常、債務整理を多く扱っている弁護士が、離婚問題の解決にも強いとは限りません。弁護士ごとに得意な分野もあれば不得手な分野があるのです。
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