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離婚の弁護士費用はいくら?相場と抑えるコツ

この記事で分かること

  • 離婚の弁護士費用の内訳と相場
  • 着手金と報酬金が決まる仕組み
  • 手続き別の費用総額の目安
  • 弁護士費用を抑える5つのコツ
  • 払えないときの法テラス活用法

離婚を弁護士に依頼すると、相談料・着手金・報酬金・実費・日当がかかり、協議か調停か裁判かで総額はおおむね30万円台から120万円程度まで幅があります。本記事では費用の内訳と相場、報酬金が経済的利益で決まる仕組み、料金体系のパターン、費用を抑えるコツ、そして払えないときの法テラスや分割払いの選択肢まで、契約前に知っておきたいお金の全体像を分かりやすく解説します。

離婚に強い弁護士を探す

離婚の弁護士費用は「何に・いくらかかるのか」全体像をつかもう

「離婚を弁護士に頼みたいけれど、費用がどれくらいかかるのか分からなくて踏み出せない」。そんな不安を抱えている方は、とても多いものです。費用の見通しが立たないまま相談に行くのは、たしかに勇気がいりますよね。

結論からお伝えすると、離婚の弁護士費用は「相談料」「着手金」「報酬金」「実費」「日当」という複数の要素で構成されています。そして、その金額は手続きが協議で済むのか、調停・裁判まで進むのかによって大きく変わります。まずは、お金の全体像を整理することから始めましょう。

かつては日本弁護士連合会の報酬基準という共通のものさしがありましたが、これは2004年に廃止され、現在は各弁護士・各事務所が自由に費用を設定しています。そのため「どこに頼んでも同じ金額」ということはなく、同じ依頼内容でも事務所によって差が出ます。だからこそ、相場感を持って比較することが欠かせません。

費用の幅が生まれる理由は、事務所の方針や所在地域、そして事案の難しさにあります。都市部の事務所はやや高めの傾向があり、地方では比較的抑えめなこともあります。とはいえ、安いから悪い、高いから良いという単純な話ではありません。離婚を多く扱っている弁護士は、見通しを立てるのが早く、結果として総額が抑えられることもあります。金額の数字だけでなく、「その金額で何をどこまでやってくれるのか」をセットで確認することが、後悔しない選び方につながります。

費用の種類 支払うタイミング 性格
相談料 相談時 30分〜1時間あたりの料金。無料の事務所も多い
着手金 依頼時(最初) 結果に関わらず発生する。返金されないのが原則
報酬金 事件終了後 得られた成果(経済的利益)に応じて発生する
実費 随時・精算時 収入印紙・郵便切手・交通費・戸籍取得費など
日当 出張・出廷時 遠方への出張や長時間拘束に対する対価

このうち、依頼者が最も気にすべきなのは「着手金」と「報酬金」です。この二つで費用の大部分が決まると言っても過言ではありません。一つずつ、相場と仕組みを見ていきます。

相談料の相場と「無料相談」の賢い活用法

相談料の目安は30分5,000円前後

弁護士への法律相談は、かつては30分5,000円(税別)が一つの目安とされてきました。今でもこの水準を採用している事務所は少なくありません。ただ、離婚分野では初回相談を無料にしている事務所が増えており、なかには何度でも無料という事務所もあります。

有料か無料かで内容の質が大きく変わるわけではありません。無料だから手を抜く、という弁護士はまずいないと考えてよいでしょう。むしろ、無料相談をうまく使えば、複数の弁護士の見立てや費用を比べたうえで依頼先を選べます。

無料相談を最大限に活かすコツ

限られた相談時間を無駄にしないために、行く前の準備が重要になります。次のような資料を持参すると、話がスムーズに進みます。

  • 戸籍謄本や住民票(家族関係を正確に伝えるため)
  • 夫婦の収入が分かるもの(源泉徴収票・給与明細・確定申告書など)
  • 預貯金・保険・不動産・ローンなど財産が分かる資料
  • これまでの経緯や言い分をまとめたメモ
  • 不倫やDVなどがある場合は、その証拠の一覧

あらかじめ「何を聞きたいのか」を箇条書きにしておくと、緊張していても聞き漏らしを防げます。相談の場では、見通しだけでなく「総額でいくらかかりそうか」「分割払いはできるか」まで遠慮なく尋ねてください。費用の説明をきちんとしてくれるかどうかも、信頼できる弁護士かを見極める材料になります。

知っておきたい料金体系の3つのパターン

事務所によって、費用の組み立て方そのものが違うことがあります。見積もりを比較するときに「同じ土俵で比べているか」を確かめるためにも、代表的な3つのパターンを押さえておきましょう。

着手金+報酬金型(もっとも一般的)

最初に着手金を払い、終了時に成果に応じた報酬金を払う、もっともオーソドックスな形です。離婚事件の多くがこの方式で、本記事の相場もこれを前提にしています。着手金で当面の活動費をまかない、うまくいったぶんだけ報酬で精算する、という分かりやすさが特徴です。

完全成功報酬型(着手金ゼロ)

着手金をとらず、成果が出たときだけ報酬を払う方式です。手元にお金がなくても依頼しやすい反面、報酬の割合が高めに設定されていたり、「成功」の定義が事務所に有利に決められていたりすることがあります。何をもって成功とするのかを、契約前に細かく確認してください。慰謝料が一円でも取れれば成功なのか、希望額に届いて初めて成功なのかで、支払額は大きく変わります。

タイムチャージ型(時間制)

弁護士が実際に動いた時間に応じて費用を計算する方式です。1時間あたり2万〜4万円程度が一つの目安で、企業法務などでよく使われます。離婚では主流ではありませんが、見通しが読みにくい複雑な事案で採用されることがあります。作業時間が読めない分、総額が膨らみやすい点に注意が必要です。

どの方式が得かは、事案の見通しによって変わります。短期で決着しそうならタイムチャージが安く済むこともあれば、長期戦が予想されるなら定額に近い着手金+報酬型が安心、というように一概には言えません。だからこそ、「自分のケースだとどの方式が向いているか」を弁護士に率直に尋ねるのがいちばんの近道です。

着手金の相場|協議・調停・裁判でどう変わるか

着手金は、依頼した時点で支払うお金です。最大の特徴は、たとえ望む結果が得られなかったとしても返ってこないという点にあります。「成功したら払う」ものではなく、「動いてもらうために最初に払う」ものだと理解してください。

なぜ最初に払う必要があるのか、疑問に思うかもしれません。弁護士は、依頼を受けたその日から書類を読み込み、方針を立て、相手方と交渉を始めます。結果が出るまでには数か月から1年以上かかることもあり、その間の活動を支えるのが着手金です。いわば、成果が出る前の地道な作業に対する対価だと考えると、納得しやすいのではないでしょうか。

離婚事件の着手金は、手続きの段階が進むほど高くなる傾向があります。協議より調停、調停より裁判のほうが、弁護士の手間と期間が増えるためです。おおまかな目安は次のとおりです。

手続きの段階 着手金の目安 主な作業内容
協議離婚(交渉) 20万〜30万円程度 相手や相手方弁護士との交渉、離婚協議書の作成
離婚調停 30万〜50万円程度 申立書類の作成、家庭裁判所への同行、調停委員への主張
離婚裁判(訴訟) 40万〜60万円程度 訴状・準備書面の作成、証拠提出、尋問対応

注意したいのは、協議から調停、調停から裁判へと段階が上がるたびに、追加の着手金が必要になる場合があることです。たとえば協議で着手金を払ったあと、まとまらずに調停へ移行すると、調停用の着手金が別途かかる事務所もあれば、差額だけで済む事務所もあります。契約前に「段階が変わったらどうなるのか」を必ず確認しておきましょう。

裁判まで進んだ場合の費用については、さらに詳しく知っておくと安心です。

報酬金の相場|「経済的利益」で決まる仕組み

報酬金は、事件が終わったあとに、得られた成果に応じて支払うお金です。ここでいう成果は「経済的利益」と呼ばれ、慰謝料・財産分与・養育費などで実際に獲得できた(または支払いを免れた)金額を指します。

一般的には、経済的利益の10%〜20%程度を報酬金とする事務所が多く見られます。これに加えて、離婚そのものが成立したことに対する「基本報酬」として、20万〜30万円程度を設定しているケースもあります。具体例で考えてみましょう。

具体例:慰謝料300万円を獲得できた場合

仮に、相手に請求していた慰謝料300万円を満額獲得できたとします。報酬金を経済的利益の15%とする事務所であれば、300万円×15%=45万円が慰謝料部分の報酬金になります。ここに離婚成立の基本報酬が加わるイメージです。

養育費は「総額」で計算されることも

養育費のように毎月支払われるものは、報酬の計算方法に注意が必要です。たとえば月5万円の養育費を子どもが20歳になるまで(あと10年間)受け取れることになった場合、総額は600万円にのぼります。事務所によっては、この総額や数年分を経済的利益として報酬を算定することがあるため、思った以上に金額が大きくなることがあります。

具体例:財産分与で持ち家を確保できた場合

財産分与では、現金だけでなく不動産が成果になることもあります。たとえば、夫名義の自宅(評価額2,000万円・住宅ローン残債1,000万円)について、ローンを引き継ぐ形で妻が自宅を取得できたとしましょう。この場合、差し引きの純資産1,000万円のうち、本来の取り分を上回って確保できた部分が経済的利益と評価されます。不動産がからむと評価額の算定自体が争点になりやすく、その分だけ弁護士の作業も増えます。報酬がどの金額を基準に計算されるのかを、見積もりの段階ではっきりさせておきましょう。

算定表に基づく養育費の相場や計算方法そのものを知りたい方は、専門の解説もあわせて確認しておくとよいでしょう。費用の見積もりを読み解くうえでも役立ちます。

獲得した経済的利益 報酬金の目安(15%の場合)
100万円 15万円程度
300万円 45万円程度
500万円 75万円程度
1,000万円 150万円程度

金額が大きくなりそうな場合は、報酬の割合を引き下げてもらえないか交渉したり、上限額を設けてもらえないか相談したりする余地があります。見積書を受け取ったら、報酬の計算根拠を一つずつ説明してもらってください。

見落としがちな「実費」と「日当」もチェック

着手金と報酬金にばかり目が向きがちですが、実費や日当も積み重なると無視できない金額になります。実費とは、手続きを進めるために実際にかかる費用のことです。

  • 収入印紙代:調停申立てで1,200円程度、訴訟ではさらに高額になる
  • 郵便切手代:裁判所に予納する数千円程度
  • 戸籍・住民票の取得費用:1通数百円
  • 不動産の評価費用や鑑定費用:財産分与で争いがある場合
  • 交通費・通信費

日当は、弁護士が遠方の裁判所へ出張したり、長時間拘束されたりした場合に発生します。1回あたり3万〜5万円程度を設定している事務所が多いものの、近隣の裁判所であれば日当は発生しないことがほとんどです。お住まいの地域と弁護士事務所の場所が離れている場合は、念のため確認しておきましょう。

実費は、一つひとつは小さくても、調停や裁判が長引くほど積み重なります。とくに財産分与で不動産の価値が争いになると、不動産鑑定士による鑑定費用として数十万円かかることもあり、無視できない金額になります。見積もりを受け取ったら、「実費はおおよそいくらを見込んでおけばよいか」をあわせて尋ねておくと、あとから「こんなにかかるとは思わなかった」と慌てずに済みます。なお、実費は弁護士の取り分ではなく、あくまで手続きに必要な実額です。領収書をきちんと保管し、精算の際に内訳を確認する習慣をつけておくと安心でしょう。

手続き別「費用総額」のリアルな目安

ここまでの要素を足し合わせると、手続きごとの総額がイメージできます。あくまで一例ですが、おおまかな目安は次のとおりです。実際の金額は事案の複雑さや争点の数で変動します。

手続き 費用総額の目安 こんなケース
協議離婚 30万〜50万円程度 話し合いはできるが、条件交渉や書面作成を任せたい
調停離婚 50万〜80万円程度 当事者だけでは折り合えず、裁判所を介して話し合う
裁判離婚 70万〜120万円程度 相手が離婚自体に応じない、争点が多く対立が激しい

調停の費用や流れについては、別途まとまった解説があります。調停は離婚で最も利用されている手続きですので、検討している方は目を通しておくと安心です。

「裁判まで進んだら100万円を超えることもある」と聞くと、ひるんでしまうかもしれません。ただ、弁護士が入ることで慰謝料や財産分与が増額され、結果的に費用を上回るメリットが得られるケースは珍しくありません。費用は「支出」だけでなく、「投資」という視点でも見てみてください。

弁護士費用は「払い損」になる?費用対効果を具体例で考える

「費用をかけても、結局自分でやるのと変わらないのでは」と疑う気持ちもあるでしょう。たしかに、争点がほとんどなく相手も協力的なら、弁護士を入れずに済むこともあります。一方で、対立がある事案では、弁護士費用を大きく上回る成果が得られるケースが少なくありません。

慰謝料が増額された具体例

たとえば、配偶者の不倫が原因で離婚するケースを考えます。相手方からは当初「慰謝料100万円で離婚してほしい」と提示されていたとしましょう。ここで弁護士が証拠を整理し、不貞行為の悪質性や婚姻期間を主張した結果、最終的に慰謝料300万円で合意できたとします。差額は200万円です。仮に弁護士費用が着手金30万円・報酬金45万円の合計75万円かかったとしても、手元に残る金額は自分で交渉した場合より125万円多くなる計算になります。

金銭以外のメリットも大きい

費用対効果は、お金だけで測れるものではありません。弁護士に依頼すれば、相手と直接やり取りせずに済み、精神的な負担が大きく軽くなります。とくにDVやモラハラがある場合、相手と顔を合わせなくてよいというだけで、心の安全が守られます。書類作成や裁判所とのやり取りに費やす膨大な時間と労力を肩代わりしてもらえることも、見えにくいけれど確かな価値です。

もちろん、すべてのケースで費用を回収できるわけではありません。獲得できる金額がもともと小さい事案では、費用倒れになることもあります。だからこそ、相談の段階で「弁護士を入れると、入れない場合と比べてどれくらい結果が変わりそうか」を率直に聞き、費用に見合うかを冷静に判断することが大切です。

弁護士費用を賢く抑える5つのコツ

「できるだけ費用を抑えたい」という気持ちは当然です。質を落とさずにコストを下げるための、実践的なポイントを紹介します。

  1. 無料相談を複数活用して比較する。費用も見立ても事務所ごとに違うため、2〜3か所で話を聞いてから決めると失敗が減ります。
  2. 依頼する範囲を絞る。すべてを丸ごと任せるのではなく、書面作成だけ、交渉だけ、といった部分的な依頼に対応してくれる事務所もあります。
  3. 自分でできる準備は自分でやる。証拠や資料を整理して渡せば、弁護士の作業時間が減り、結果として費用を抑えられることがあります。
  4. 料金体系を契約前に書面で確認する。「追加でかかる費用はあるか」「段階が変わったらどうなるか」を委任契約書で明確にしておきます。
  5. 法テラスの利用を検討する。収入が一定以下なら、費用の立替制度を使える可能性があります(後述)。

安さだけで選ぶのは危険ですが、適正な範囲で工夫する余地は十分にあります。納得できるまで質問することが、いちばんの節約につながります。

もう一つ意識したいのは、「何を自分でやり、何を任せるか」の線引きです。たとえば、戸籍や住民票の取り寄せ、相手とのやり取りの記録の整理、財産目録の作成といった作業は、時間さえあれば自分でも進められます。こうした下準備を済ませて弁護士に渡せば、専門家でなければできない交渉や書面作成に集中してもらえ、結果として作業時間が減り、費用の圧縮につながります。逆に、法的な判断が必要な場面まで自己流で進めてしまうと、あとで修正が必要になり、かえって割高になることもあります。任せる部分と自分で担う部分のバランスを、相談の最初に弁護士とすり合わせておくと、無駄のない依頼ができるでしょう。

弁護士費用が払えないときの選択肢

法テラスの民事法律扶助を使う

「まとまったお金を今は用意できない」という方にとって、心強い味方になるのが法テラス(日本司法支援センター)です。民事法律扶助という制度を使えば、弁護士費用を法テラスが立て替え、依頼者は毎月分割(おおむね月5,000円〜1万円程度)で返していくことができます。

利用するには、収入・資産が一定の基準以下であることなどの要件があります。たとえば収入要件は世帯人数によって変わり、家族が多いほど基準額は上がります。ひとり親世帯であれば利用できる可能性は十分にありますので、まずは無料の法律相談(法テラスでは一定の要件のもとで無料相談も実施しています)から始めてみてください。

もう少し具体的にイメージしておきましょう。手取り月収の基準は、単身世帯でおおむね18万円台、二人家族で25万円台というように、人数が増えるごとに引き上げられます。さらに、家賃や住宅ローンを負担している場合は、その金額の一部を控除して判定してもらえることもあります。預貯金などの資産にも上限がありますが、これも世帯人数で変わります。「自分は対象になるだろうか」と迷ったら、基準を自己判断であきらめず、まず問い合わせてみることをおすすめします。立替えてもらった費用は、毎月少しずつ返していく仕組みで、生活状況によっては返済が猶予されたり、生活保護を受給している場合などには免除されたりすることもあります。

分割払いに応じてもらう

法テラスを使わない場合でも、着手金の分割払いに応じてくれる事務所はあります。最初に全額を用意できなくても、相談の段階で「分割は可能か」と正直に伝えてみましょう。事情を踏まえて柔軟に対応してくれる弁護士は少なくありません。

自分で手続きを進める(本人訴訟)

費用をかけられない、争点がシンプルといった場合には、弁護士に依頼せず自分で手続きを進める道もあります。とくに離婚裁判を自分で行う「本人訴訟」は、費用を大きく抑えられる選択肢です。ただし、書面作成や法廷でのやり取りをすべて自分で行う負担は小さくありません。メリットと負担の両面を理解したうえで判断しましょう。

そもそも弁護士に頼むべき?依頼の判断材料

費用がかかる以上、「本当に弁護士が必要なのか」と迷うのは自然なことです。次のような状況に当てはまるなら、依頼を前向きに検討する価値があります。

  • 相手が離婚自体に応じない、または話し合いにならない
  • 相手方に弁護士がついた
  • DVやモラハラがあり、直接やり取りするのが怖い
  • 財産分与や慰謝料、養育費の金額で大きく対立している
  • 親権を争っている

反対に、夫婦間で条件におおむね合意できていて、書面の体裁だけ整えたいという段階であれば、相談のみや書面作成だけの依頼で足りることもあります。なお、弁護士を「女性にすべきか男性にすべきか」で悩む方も多いですが、相性や得意分野のほうが性別より重要だと考えてよいでしょう。

ここで一つ、よくある思い込みを解いておきます。「弁護士に頼むと話が大ごとになり、かえって相手を刺激してしまうのでは」と心配する方がいます。たしかに相手の反応は読めませんが、実際には弁護士が間に入ることで感情的な衝突が減り、冷静な話し合いに切り替わることのほうが多いものです。当事者同士だと感情が先に立ってまとまらない交渉も、専門家を介すると論点が整理され、結果的に早く決着することがあります。費用をかける価値があるかどうかは、こうした「進めやすさ」も含めて判断するとよいでしょう。

委任契約書で必ず確認したい7つのポイント

費用トラブルの多くは、契約時の確認不足から生まれます。弁護士に依頼すると「委任契約書」を交わしますが、その内容をきちんと読み込むことが、後悔を防ぐ最大の防御策です。サインする前に、次の7点を一つずつチェックしてください。

  1. 着手金の金額と支払時期。一括か分割か、いつまでに払うのかを確認します。
  2. 報酬金の計算方法。何を「経済的利益」とし、何%で計算するのかを具体的に確かめます。
  3. 段階が変わったときの追加費用。協議から調停、調停から裁判へ進んだ場合に、いくら追加でかかるのかを明記してもらいます。
  4. 実費と日当の扱い。実費の概算と、日当の発生条件・金額を確認します。
  5. 途中で解約した場合の精算。依頼を取りやめたときに、着手金が返るのか、どこまで支払うのかを把握します。
  6. 報告の頻度と方法。進捗をどのように知らせてくれるのかも、安心して任せるための大事な要素です。
  7. 連絡が取れる時間帯や窓口。担当弁護士に直接連絡できるのか、事務局を通すのかを確認しておきます。

少しでも分からない条項があれば、その場で遠慮なく質問してください。誠実な弁護士であれば、納得できるまで丁寧に説明してくれます。逆に、費用の説明をあいまいにしたり、急かしてサインを求めたりする事務所は、慎重に見極めたほうがよいでしょう。契約書は、あなたと弁護士の約束を形にしたものです。お互いの認識をそろえておくことが、信頼関係の出発点になります。

離婚の弁護士費用に関するよくある質問

着手金は本当に返ってこないのですか?

原則として返金されません。着手金は「結果」ではなく「活動」に対する対価だからです。ただし、依頼後すぐに事情が変わって辞任する場合など、一部が返金されるケースもあります。委任契約書の返金条項を確認しておきましょう。

相手に弁護士費用を負担させることはできますか?

離婚に伴う慰謝料請求などでは、原則として各自が自分の弁護士費用を負担します。不法行為に基づく損害賠償が認められる場合に、損害額の一部として弁護士費用相当額(おおむね1割程度)が加算されることはありますが、かかった費用が全額相手持ちになるわけではない点に注意してください。

見積もりより費用が膨らむことはありますか?

当初は協議で済む想定でも、相手の態度によって調停・裁判へ進めば費用は増えます。だからこそ、契約時に「段階ごとの費用」を確認しておくことが大切です。途中で追加費用が発生しそうなときは、必ず事前に説明を受けられるよう取り決めておきましょう。

支払った費用は誰かに知られますか?

弁護士には守秘義務があり、依頼内容や費用が外部に漏れることはありません。家族に内緒で相談したいという場合も、その旨を伝えれば配慮してもらえます。

離婚が成立しなかった場合でも報酬金は発生しますか?

報酬金は成果に対して払うものなので、離婚が成立せず経済的利益も得られなかった場合は、原則として発生しません。ただし、契約内容によっては「一定の活動をしたこと」自体に対する報酬を定めていることもあります。成立しなかったときにどうなるのかも、契約前に確認しておくと安心です。

夫(妻)の財産が分からないのですが、調査も頼めますか?

相手が財産を隠していると疑われる場合、弁護士会を通じた照会制度や、裁判所の手続きを使って財産を調べることができます。こうした調査には別途実費や手間がかかりますが、隠し財産が見つかれば財産分与の対象が増え、結果的に取り分が大きくなることもあります。財産の全体像が分からず不安なときこそ、専門家の力が役立ちます。

相談だけして、依頼しなくても大丈夫ですか?

もちろん問題ありません。相談したからといって依頼を強制されることはなく、見立てや費用を聞いたうえで「やはり自分で進める」「他の事務所も見てから決める」という選択も自由です。まずは情報を集めるつもりで、気軽に相談の場を活用してください。

弁護士に相談するベストなタイミングは「迷った今」

「ある程度自分で進めてから、行き詰まったら相談しよう」と考える方は多いものです。けれども、実際には早い段階で相談しておいたほうが、結果的に費用も時間も抑えられることが少なくありません。

たとえば、感情的なやり取りの末に不利な条件で離婚協議書にサインしてしまったあとでは、取り消すのは容易ではありません。別居や財産分与についても、最初の動き方を誤ると、後から挽回するのに余計な労力がかかります。早めに弁護士の見立てを聞いておけば、「やってはいけないこと」「今のうちに準備しておくべきこと」が分かり、無駄な遠回りを避けられます。

費用が心配で相談をためらっているなら、まずは無料相談だけでも受けてみてください。話を聞くだけなら費用はかかりませんし、見通しが分かるだけで気持ちはずいぶん軽くなります。動き出すかどうかは、それから決めれば十分です。

まとめ:費用の不安は「事前確認」で解消できる

離婚の弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金・実費・日当で構成され、協議か調停か裁判かによって総額は30万円台から120万円程度まで幅があります。金額だけを見ると不安になりますが、内訳と仕組みを理解すれば、決して見通しの立たないものではありません。

大切なのは、契約前に費用を書面で確認し、納得できるまで質問することです。無料相談を複数活用して比較し、必要に応じて法テラスや分割払いも検討してみてください。費用を抑える工夫は、質を落とさずに十分可能です。

一人で抱え込むと、不安はどんどん大きくなります。まずは気軽に弁護士へ相談して、あなたのケースで「いくらかかり、いくら取り戻せそうか」を具体的に聞いてみることから始めましょう。その一歩が、後悔のない離婚への近道になります。

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