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費用が気になって踏み出せない方へ
会社と争いたい気持ちはある。けれども、お金がどれだけかかるのか分からない。給料が入らなくなった状態で、これ以上の出費に耐えられるだろうか。
解雇されて収入が途絶えた方であれば、なおさら切実でしょう。次の仕事が決まるまでの蓄えを削ってまで争うべきなのか、迷って当然です。
その迷いは、決して弱気だからではありません。生活を守るための当然の計算です。
ですから、まずは計算に必要な材料を手に入れましょう。それがこの記事の役割です。
感情で決めるのではなく、数字と仕組みを踏まえて選べるようになることが大切です。
知ったうえで見送るのなら、それは立派な判断です。
問題は、分からないまま立ち止まってしまうことです。
そう考えて動けずにいる方は、本当に多いのです。相談の場でも、最初に尋ねられるのはたいていこの点です。
家族に相談すれば、そんなお金があるならやめておけと言われる。そうやって話が立ち消えになってしまうこともあるでしょう。
けれども、その判断は費用の中身を知らないままなされていることがほとんどです。
実際の負担がどれくらいなのかを示せれば、周囲の受け止め方も変わってきます。
まずお伝えしておきたいのは、労働審判の費用は、思われているほど高くはないということです。
裁判所に納める分については、訴訟を起こす場合の半分と定められています。手続きそのものが安く設計されているのです。
働く人が使いやすい仕組みにするという趣旨が、費用の面にも表れているのです。
争いを起こす側の負担が重ければ、権利があっても使えません。その矛盾を避けるための設計です。
制度としてそう作られている以上、遠慮なく利用してよいのです。
裁判所を使うことに引け目を感じる必要はありません。
そして、専門家に依頼する分についても、回収できた額から支払う仕組みを選べることが多くあります。手元にお金がなくても始められる、ということです。
最初にまとまった額を用意しなければ相談すらできない、という思い込みは捨てて構いません。
初回の相談を無料としているところも数多くあります。まずは話を聞きに行くところからで十分です。
相談したからといって、その場で依頼を決める必要もありません。
見通しだけ聞いて帰る、という使い方でも構いません。
さらに、収入が一定の水準を下回る方であれば、費用を立て替えてくれる公的な制度も用意されています。
この制度は、まさに今のあなたのような状況を想定して設けられたものです。
詳しくは後の章でお話ししますので、ここでは存在だけ覚えておいてください。
知らないまま諦めてしまう方が、あまりに多いのです。
周知が行き届いていない制度だからこそ、ここで触れておきます。
該当しそうな方は、相談の際に必ず尋ねてみてください。
ですから、費用を理由に諦めてしまうのは、あまりにもったいないのです。まずは中身を知ってから判断してください。
知らずに手を引くのと、知ったうえで選ばないのとでは、後に残るものが違います。
やらなかった理由が分からないままだと、後から悔いが残ります。
使える制度を知らずに手を引いていた、と後で気づくのがいちばんつらいのです。
この記事では、費用がどう分かれるのか、裁判所に納める分、専門家に支払う分の組み立て、見通しの立て方、抑えるための工夫、そして公的な支えについてお話しします。
金額を並べることはしません。事案によって幅が大きく、数字だけを覚えても判断の役に立たないからです。かわりに、何にどういう費用が生じるのかという構造をお伝えします。
構造が分かれば、自分の事案に当てはめて見当をつけられるようになります。
そのほうが、他人の事例の金額を眺めるよりずっと役に立ちます。
読み終えるころには、自分の場合にどれくらいの規模になりそうかの見当がつくはずです。
そして、相談に行くときに何を尋ねればよいかも分かるようになります。
聞くべきことが決まっていれば、限られた相談の時間を無駄にせずに済みます。
費用は大きく二つに分かれる
まず、全体の構造から押さえておきましょう。
ここが見えていないと、提示された金額が高いのか安いのかも判断できません。
逆に、構造さえ分かっていれば、比べることができるようになります。
複数の見積もりを並べたときに、どこが違うのかが見えてくるからです。
総額だけでなく、支払う時期の違いにも目を向けてください。
労働審判にかかるお金は、大きく二つに分けられます。裁判所に納めるものと、専門家に支払うものです。
この二つは性質がまったく違いますので、混ぜて考えないほうが分かりやすくなります。
前者は決まった額、後者は選べる額。そう捉えておけば整理しやすいでしょう。
そして、選べるほうが額としては大きいのです。
だからこそ、そちらに時間をかけて検討する価値があります。
前者は、手続きを利用するために必ず必要になります。金額は法律と規則で決まっており、交渉の余地はありません。
誰が申し立てても同じ計算になります。ここは見通しが立てやすい部分です。
先に確かめておけば、驚くこともありません。
後者は、依頼するかどうかによって変わります。自分だけで進めるのであれば、この部分は発生しません。
依頼する場合も、どういう組み立てにするかで負担の重さが変わってきます。
ここに交渉の余地があるということです。
提示された条件をそのまま受け入れる必要はありません。
そして、額として大きいのは後者のほうです。ですから、費用の話をするときは、まずここを整理する必要があります。
裁判所に納める分ばかりを気にしていると、全体像を見誤ります。
逆に、専門家への費用だけを見て高いと感じるのも早計です。回収できる額と合わせて考える必要があります。
もうひとつ、忘れられがちなものがあります。裁判所へ出向くための交通費や、資料を用意するための実費です。
書類の写しを取る費用、記録を取り寄せる費用。ひとつひとつは小さくても、積み上がれば無視できません。
依頼する場合は、これらも実費として精算されることになります。
あらかじめ預けておく形か、後でまとめて精算する形か。取り決めによって変わります。
期日は複数回になることがありますし、遠方の裁判所であれば負担も増えます。細かなことですが、見込んでおいてください。
仕事を休んで出向くのであれば、その日の収入が減ることもあるでしょう。目に見えにくい部分ですが、計算に入れておく価値があります。
有給を使えるのであれば、その負担は避けられます。
裁判所に納める費用
次に、必ずかかる部分を見ていきます。
自分だけで申し立てる場合には、ここだけで済むことになります。
そう考えると、入り口の負担はかなり軽いと言えるでしょう。
争うかどうかを決めかねている段階でも、この程度なら試せると感じる方もいるはずです。
ただし、自分だけで進める場合の負担は費用とは別に生じます。そこも踏まえて考えてください。
書面の作成にかかる時間も、相応のものになります。
まず必要になるのが、申立ての手数料です。これは収入印紙を貼る形で納めます。
申立書に貼り付けて提出する形になりますので、あらかじめ用意しておくことになります。
郵便局などで購入できます。額が大きい場合は、取り扱いのある窓口を確かめてから出向いてください。
不足があると受け付けてもらえませんので、事前に金額を確かめておきましょう。
手続きが進むなかで追加を求められることもあります。
金額は、請求する額に応じて段階的に上がっていく仕組みです。求める額が大きくなれば、そのぶん手数料も増えていきます。
とはいえ、請求額に比例して青天井に上がるわけではありません。額が大きくなるほど、加算の割合は緩やかになる仕組みです。
ですから、請求額が大きい事案ほど、手数料の重みは相対的に軽くなります。
少額の請求だからといって、手続きが使いにくいわけでもありません。
数か月分の未払い賃金といった規模でも、十分に利用できます。
ただし、先ほど触れたとおり、訴訟を起こす場合の半分と定められています。同じ内容で訴えるよりも、負担は軽く済むのです。
働く人が使いやすい手続きにするという配慮が、ここにも表れています。
解雇を争う事案では、従業員としての地位の確認と、その間の賃金の支払いを求める形が基本になります。この場合、賃金の請求部分を基準に算定されます。
どこまでの期間の賃金を求めるかによって、手数料も変わってきます。この点も含めて組み立てを考えることになります。
解決までに時間がかかりそうな事案では、この期間の見積もりが難しくなります。
迷ったら、まず確実に主張できる範囲から組み立ててみてください。
手続きのなかで上積みを図る余地も残されています。
次に必要なのが、郵便切手です。裁判所から双方へ書類を送るために、あらかじめ預けておくことになります。
裁判所の窓口で購入できることもありますし、あらかじめ買って持参する形を求められることもあります。
切手の種類ごとの枚数まで指定されることが多いので、指示に沿ってそろえてください。
金額や組み合わせは裁判所ごとに決まっていますので、申立てをする裁判所に確かめてください。使わなかった分は後で返ってきます。
電話で問い合わせれば教えてもらえます。申立ての前に一度確かめておくと、当日の手戻りを防げます。
これらを合わせても、専門家への費用に比べれば小さな額に収まります。裁判所を使うこと自体のハードルは、それほど高くないのです。
裁判所と聞いて身構える方が多いのですが、入り口の費用という意味では、案外開かれた場所なのです。
問題は、その先で専門家に依頼するかどうかという判断になります。
次の章では、そちらの費用について見ていきましょう。
ここからが、判断の本番です。
なお、資料として登記の記録などを取り寄せる場合には、その取得にかかる費用も発生します。
会社の所在地や代表者を確かめるために必要になることがあります。
とはいえ、大きな負担になる額ではありません。
専門家に支払う費用の組み立て
ここが、費用の中心です。仕組みを理解しておきましょう。
項目の名前を覚える必要はありませんが、何にいくらかかるのかという構造は知っておく価値があります。
提示された見積もりを読み解けるようになるからです。
説明を聞いても分からないまま契約するのは避けたいところです。
分からない項目があれば、その場で尋ねて構いません。
一般的には、いくつかの項目に分かれています。順に説明します。
すべてが必ず発生するわけではありません。組み立て方は依頼先によって異なります。
見積もりを受け取ったら、どの項目が含まれているかを確かめてください。
- 相談料。最初に事情を聞いてもらう段階の費用です。無料としているところも多くあります。
- 着手金。依頼を受けて動き始めるときに支払うものです。結果にかかわらず発生します。
- 報酬金。解決したときに、得られた成果に応じて支払うものです。
- 日当。期日に出向くことへの対価として定められている場合があります。
- 実費。郵送や交通、記録の取得などにかかった費用です。
このうち、依頼するかどうかを判断するうえで重要なのが、着手金と報酬金の組み合わせです。
総額が同じでも、いつ支払うかが違えば、負担の感じ方はまったく変わるからです。
とくに、収入が途絶えている時期に着手金を求められるのは重いはずです。
着手金を低く抑え、そのぶん報酬金の割合を高くする。逆に、着手金をしっかり受け取り、報酬金を抑える。どちらの組み方もあります。
どちらが有利かは、回収の見込みによって変わります。多くを取り戻せそうな事案であれば前者が重くなり、そうでなければ後者が重くなる、という関係です。
結果が読みにくい事案では、後払いの割合を高くしておくほうが安心感はあります。
ご自身の生活の状況と合わせて、どちらが向いているかを考えてみてください。
いま支払える額がいくらまでなのかを、はっきりさせておくとよいでしょう。
手元に余裕がないのであれば、前者を選べるかどうかを尋ねてみてください。着手金を受け取らない形に応じているところもあります。
尋ねること自体は失礼にあたりません。事情を伝えれば、それに応じた組み立てを提案してもらえることが多いのです。
言い出しにくければ、支払いの時期について相談したい、という形で切り出せば足ります。
費用について率直に話せる相手かどうかは、その後の関係にも影響します。
数か月から年単位で付き合うことになる相手ですから、遠慮しすぎないほうが結局はうまくいきます。
報酬金は、実際に回収できた額を基準に計算されるのが通常です。ですから、何も得られなければ発生しない、という建て付けになります。
この仕組みであれば、手元に入ってきたお金のなかから支払うことになります。持ち出しになる心配は小さくなります。
ただし、実費については別に精算されるのが通常です。この点も確かめておいてください。
解雇を争う事案では、復職という結果をどう評価するかも決めておく必要があります。金銭が動かない解決の場合に、どう算定するのか。
この点は、契約の前に必ず確かめてください。後から食い違いが生じやすい部分です。
復職を勝ち取った場合に、将来受け取る賃金を基準に計算するのか。それとも別の考え方を取るのか。ここを曖昧にしたまま進めないでください。
解決金という形で決着した場合の計算方法も、あわせて確かめておきましょう。
実務ではこの形での決着がもっとも多いので、いちばん起こりうる場面です。
そして、これらの取り決めは書面で交わすことになっています。口頭の説明だけで進めようとするところは、避けたほうが無難でしょう。
書面を受け取ったら、その場で署名せずに持ち帰って読み込んで構いません。急かされるようであれば、それ自体が気になる兆候です。
分からない部分は印を付けておいて、まとめて質問すればよいのです。
費用の見通しを立てるときの視点
金額そのものより、考え方をお伝えします。
ここを押さえておけば、どんな事案にも当てはめられます。
金額の目安を覚えるより、はるかに役に立ちます。
大切なのは、費用の額だけを見ないことです。見るべきは、支払う額と、手元に残る額の関係です。
費用が高くても手元に多く残るのであれば、それは良い選択です。逆に、費用が安くても取り戻せなければ意味がありません。
比べるべきは、支払う額ではなく差し引き後の額なのです。
この視点を持っているだけで、判断の質はぐっと上がります。
費用が高いという印象だけで手を引くことがなくなります。
回収できる見込みが大きい事案であれば、費用がかかっても手元に残る額は増えます。逆に、回収の見込みが乏しければ、費用が上回ってしまうこともあります。
相手の会社に支払う体力が残っているかどうかも、この見込みを左右します。判決を得ても回収できなければ意味がないからです。
会社の経営状態が危ういのであれば、その点も含めて進め方を考える必要があります。
ですから、最初の相談では、いくらくらい取り戻せそうかを尋ねてください。そのうえで、費用がどれだけかかるのかを聞くのです。
見込みを示すには材料が要りますので、給与明細や契約書を持参してください。手ぶらで行くと、一般論しか聞けません。
数か月分の明細と、解雇の理由が書かれた書面。この二つがあれば、かなり具体的な話ができます。
手元にないものは、会社に写しを求めておいてください。
この順序で確かめれば、進めるべきかどうかの判断がしやすくなります。
逆に、費用の話だけを先に聞くと、額の大きさに驚いて判断を誤ることがあります。
回収できる額が示されていなければ、費用の妥当性は測りようがないからです。
もうひとつ見ておきたいのが、時間です。手続きに数か月かかるあいだ、あなたにも負担がかかります。
お金には表れませんが、これも確実に支払っているものです。
どこまで耐えられそうかを、あらかじめ見積もっておいてください。
途中で力尽きてしまえば、それまでの支出も無駄になりかねません。
期日に出向くために仕事を休む、資料を集めるために時間を割く、精神的に張り詰めた状態が続く。これらも見えないかたちの費用です。
次の仕事を探しながら手続きを進める方であれば、負担はなおさら重くなります。無理のない範囲で進められるかも考えておいてください。
代理人を立てれば、この負担はかなり軽くなります。会社とのやり取りを引き受けてもらえるからです。
率直に見通しを話してくれるかどうかは、依頼先を選ぶうえでの手がかりにもなります。良い話ばかりを並べるところは、慎重に見てください。
こちらの主張の弱い部分についても触れてくれるか。そこを見ると、相手の姿勢が分かります。
回収の見込みが乏しいのであれば、その旨をきちんと伝えてくれる。そういう相手を選びたいものです。
依頼を受けることが目的になっている相手では、後で困るのはこちらです。
厳しい見通しを伝えてくれる相手のほうが、結局は信頼できます。
費用を抑えるための工夫
実際に負担を軽くする方法をいくつか挙げます。
どれも今日から始められることばかりです。
相談に行く前の準備が、そのまま費用を左右します。
手をかけた分だけ、負担は軽くなります。
ひとつめが、資料を自分でそろえておくことです。給与明細、雇用契約書、就業規則、勤務の記録。これらが整理されていれば、その分の作業が減ります。
散らばった状態で持ち込むより、時系列に並べて渡すほうが話は早く進みます。
費用の計算に作業量が反映される場合には、この差がそのまま金額に響きます。
封筒に入れて渡すだけでも、何もしないよりはるかに親切です。
二つめが、経緯を自分で書き出しておくことです。いつ何が起きたのかを一覧にしておけば、聞き取りの時間が短くて済みます。
日付、出来事、誰が関わったか。この三つを並べるだけで構いません。
手書きでも十分です。整った書式である必要はありません。
三つめが、請求する内容を絞ることです。あれもこれもと欲張ると、そのぶん手数料も作業量も増えます。
裁判所に納める手数料は請求額に連動しますので、絞ることが直接の節約につながります。
もっとも、絞りすぎて本来取り戻せるものを諦めては本末転倒です。この判断は相談しながら決めてください。
争点を絞ったほうが、審判員にも伝わりやすくなります。費用と結果の両面で効いてくる工夫です。
すべてを取り戻そうとして焦点がぼやけるより、確実な部分を押さえたほうが結果は良くなることがあります。
四つめが、複数のところで話を聞いてみることです。費用の組み立て方には違いがありますので、比べてみる価値があります。
比べるといっても、金額を並べるだけではありません。説明の丁寧さや、見通しの立て方も見比べてください。
話を聞いてもらえたと感じられるかどうかも、長い手続きを共にするうえでは大切な要素です。
ただし、安さだけで選ばないでください。労働の分野を扱ってきた経験があるかどうかは、結果に直結します。
安く済ませたつもりが、取り戻せる額が減ってしまっては本末転倒です。
その分野を扱ってきた経験があるかどうかは、遠慮せずに尋ねてよい点です。
五つめが、加入している保険を確かめることです。日常生活のトラブルに備える特約が付いていて、費用の一部が支払われる場合があります。
自動車の保険や、火災の保険に付いていることがあります。証券を確かめてみてください。
加入している共済に同じような仕組みがある場合もあります。
労働組合に加入しているのであれば、そこで相談窓口が用意されていることもあります。
社内に組合がなくても、個人で加入できる組合があります。相談の入り口として使えることがあります。
手持ちがなくても使える公的な仕組み
最後に、いちばんお伝えしたい部分です。
費用を理由に諦めようとしている方に、必ず知っておいてほしい仕組みがあります。
収入や資産が一定の水準を下回る方については、国が費用を立て替える制度が設けられています。
司法を、お金のある人だけのものにしない。そういう考え方に基づいて設けられた制度です。
この制度を使えば、着手金や実費を立て替えてもらったうえで、後から分割で返していくことができます。
毎月の返済額は、無理のない範囲で決められます。生活を圧迫するような額にはなりません。
返済は、手続きが終わった後から始まるのが通常です。ですから、いま手元にお金がなくても始められるということです。
取り戻したお金のなかから返していく、という形にもなり得ます。
さらに、生活保護を受けている方などについては、返済が猶予されたり、免除されたりする場合もあります。
該当しそうであれば、その旨を伝えてください。制度を知らないまま使わずに終わる方が少なくありません。
利用するには審査があります。収入の状況と、勝つ見込みがあるかどうかが見られます。
見込みといっても、確実に勝てることを求められるわけではありません。争う意味があるかどうかが判断されます。
ですから、まず相談に行って、この制度が使えそうかを尋ねてみてください。手続きを手伝ってもらえることがほとんどです。
申込みの書類は自分で書くことになりますが、書き方の助言は受けられます。ひとりで抱え込む必要はありません。
費用の話を切り出すことに、遠慮は要りません。むしろ、その質問にきちんと答えてくれるかどうかが、相手を見極める材料になります。
答えを濁す、あるいは後で説明しますと先送りにする。そうした対応であれば、依頼を見送るという判断もあり得ます。
お金の話を最初にはっきりさせておくことは、良い関係を築くうえでも大切です。
労働審判の費用に関するよくある質問
自分だけで申し立てることはできますか
できます。専門家に依頼しなければならない決まりはありませんので、裁判所に納める分だけで手続きを始めることは可能です。ただし、この手続きは短期での決着を前提に組まれており、申立ての時点で主張と裏づけをそろえきっておく必要があります。第一回の期日では審判員から直接質問が投げかけられ、その場で話し合いによる解決を促されることも多いでしょう。相手方が代理人を立ててくる場合も少なくありません。書面の作り方や、当日の受け答えに不安があるのなら、一度だけ相談して形を確かめ、あとは自分で進めるという使い方もできます。
着手金を用意できません。それでも依頼できますか
方法はあります。まず、着手金を低く抑えて報酬金の割合を高くする組み立てに応じてくれるところを探すという道があります。着手金を受け取らない形にしているところもありますので、尋ねてみてください。もうひとつが、収入や資産が一定の水準を下回る方を対象とした、国が費用を立て替える制度です。着手金や実費を立て替えてもらい、手続きが終わった後から分割で返していく仕組みになっています。利用には審査がありますが、手続きの手伝いも受けられます。手元にお金がないことを理由に諦めないでください。
負けた場合、相手の費用まで払うことになりますか
その心配は要りません。この手続きでは、相手方が支出した専門家への費用を負担させられる仕組みにはなっていないからです。裁判所に納めた手数料についても、話し合いによる解決であれば、その扱いを合意のなかで決めることになります。ですから、思ったような結果にならなかったとしても、支出が膨らんでいくという事態にはなりません。もっとも、自分が依頼した専門家への着手金は、結果にかかわらず発生します。この点は契約の際に確かめておいてください。
結局、全体でどれくらいかかるのでしょうか
事案によって幅がありますので、一律の目安としてお示しすることはできません。裁判所に納める分は請求する額に応じて決まりますし、専門家への費用は回収できた額を基準に計算されるのが通常だからです。ただ、考え方はお伝えできます。見るべきは費用の額そのものではなく、支払った後に手元へどれだけ残るかです。ですから、最初の相談では、いくらくらい取り戻せそうかを先に尋ね、そのうえで費用を聞いてください。この順序であれば、進めるべきかどうかを自分で判断できます。
