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債務整理の費用相場と払えない時の対処法

この記事で分かること

  • 債務整理の費用には「裁判所に支払う費用」と「弁護士に支払う費用(着手金・報酬金)」の2種類がある
  • 任意整理・個人再生・自己破産それぞれの費用相場と、手続きの方法によって金額が大きく異なる
  • 費用が払えない場合でも、分割払い・後払い・法テラスの活用など複数の解決策がある
  • 法テラスを利用できる収入・資産の基準と、利用時の具体的な費用目安
  • 弁護士事務所によって費用は異なるため、複数の事務所を比較することが重要

債務整理の費用は、手続きの種類(任意整理・個人再生・自己破産)や弁護士事務所によって異なります。裁判所費用と弁護士費用の両方がかかりますが、分割払い・後払い・法テラス利用など費用が払えない場合の対策もあります。まずは無料相談で費用を確認しましょう。

債務整理にかかる費用の種類と全体像

「債務整理をしたいけれど、費用がどのくらいかかるのかわからない」「お金がないから弁護士に頼めないのでは?」と不安に感じていませんか。実は、手元にお金がほとんどない状態でも、債務整理を進める方法はきちんと存在します。

まずは、債務整理にかかる費用の全体像から整理していきましょう。

債務整理の3つの方法とは

債務整理には、大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。

  • 任意整理:弁護士が債権者(貸金業者・金融機関など)と直接交渉し、利息のカットや返済計画の見直しを行う方法。裁判所を通さずに進められる。
  • 個人再生:裁判所に申立てを行い、借金を大幅に減額した上で3〜5年かけて返済する方法。自宅を手放さずに済む場合もある。
  • 自己破産:裁判所に申立てを行い、一定の財産を換価することで借金の支払い義務を免除してもらう方法。

どの方法を選ぶかによって、かかる費用は大きく変わってきます。自分の状況に合った方法を弁護士と一緒に検討することが大切です。

費用は「裁判所費用」と「弁護士費用」の2種類

債務整理にかかる費用は、次の2種類に分類されます。

  • 裁判所に支払う費用:予納金・収入印紙代・郵便切手代など(個人再生・自己破産の場合のみ発生)
  • 弁護士に支払う費用:着手金・報酬金(3つの方法すべてで発生)

任意整理は裁判所を通さないため、裁判所費用はかかりません。一方、個人再生や自己破産では、裁判所への費用も必要になります。それぞれの相場を次の章から詳しく見ていきましょう。

ワンポイントアドバイス
債務整理の費用は「裁判所費用+弁護士費用」の合計で考える必要があります。特に個人再生や自己破産では裁判所に収める予納金が大きな負担となることもあるため、事前に弁護士へ費用の内訳を確認しておくことをおすすめします。

裁判所に支払う費用の相場

個人再生・自己破産の手続きでは、裁判所に対して一定の費用を納める必要があります。任意整理は裁判所を使わないので、この費用は発生しません。

個人再生の裁判所費用

個人再生の場合、裁判所に支払う費用は以下のとおりです。

費用の種類 金額の目安
予納金(個人再生委員なし) 1万2,268円
予納金(個人再生委員あり) 31万2,268円
収入印紙代 1万円
郵便切手代 1,600円程度

個人再生委員が選任される場合とされない場合の違い

個人再生には、「個人再生委員」が選任されるケースとされないケースがあります。個人再生委員とは、中立な立場で手続きを監督する役割を担う人物のことです。

個人再生委員が選任されると、その費用(監督委員報酬)として約30万円が追加でかかります。裁判所によって運用が異なるため、申立てを予定している裁判所の扱いについて事前に弁護士に確認しておきましょう。

自己破産の裁判所費用

自己破産の場合、裁判所に支払う費用は以下のとおりです。

費用の種類 金額の目安
予納金(同時廃止) 1万584円〜1万3,834円
予納金(管財事件) 50万円〜
収入印紙代 1,500円
郵便切手代 3,000円〜1万5,000円(債権者数により変動)

同時廃止と管財事件の違い

自己破産の手続きには「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、費用に大きな差があります。

  • 同時廃止:財産がほとんどない場合に適用される手続き。破産手続きの開始と同時に廃止(終了)となるため、費用が少なく済む。
  • 管財事件:一定以上の財産がある場合に適用される手続き。破産管財人が選任され、財産の調査・換価が行われる。予納金だけで50万円以上になることも珍しくない。

自分がどちらに該当するかは、弁護士に相談すれば事前に見通しを立てることができます。

ワンポイントアドバイス
管財事件になるかどうかは、申立人の財産状況や免責不許可事由の有無などによって判断されます。「管財事件になりそうで費用が心配」という方も、弁護士に相談すれば費用を抑える方法(少額管財制度の活用など)を提案してもらえる場合があります。

弁護士に支払う費用の相場

弁護士費用は、手続きの種類によって相場が異なります。着手金と報酬金の2種類に分けて確認しておきましょう。

任意整理の弁護士費用

任意整理の弁護士費用の相場は、次のとおりです。

費用の種類 金額の目安
着手金 債権者1社あたり2〜5万円
報酬金(減額報酬) 減額できた金額の10%
報酬金(過払い金) 回収できた過払い金の20%

たとえば、債権者が3社いる場合、着手金だけで6〜15万円程度になる計算です。ただし、事務所によって費用体系は大きく異なるため、あくまで目安として考えてください。

個人再生の弁護士費用

個人再生の弁護士費用の相場は、次のとおりです。

費用の種類 金額の目安
着手金 30万円程度
報酬金 減額できた金額の10〜20%

個人再生は手続きが複雑で、裁判所への書類提出も多くなります。そのため、任意整理に比べて弁護士費用が高くなる傾向があります。住宅ローン特例(マイホームを手放さずに再生する方法)を利用する場合は、さらに費用が上乗せされることもあります。

自己破産の弁護士費用

自己破産の弁護士費用の相場は、次のとおりです。

費用の種類 金額の目安
着手金(同時廃止) 20万円〜30万円程度
着手金(管財事件) 30万円〜50万円程度
報酬金 原則としてなし

自己破産は、免責が認められれば借金の支払い義務がなくなるという大きなメリットがあります。報酬金が原則不要な点も、費用面では比較的負担が少ないといえるでしょう。

弁護士費用が事務所によって異なる理由

弁護士費用は、かつて「弁護士費用報酬基準規程」によって統一されていましたが、2004年に廃止されました。現在は各弁護士事務所が自由に費用を設定できるため、同じ手続きでも事務所によって金額が大きく異なります。

だからこそ、複数の事務所を比較することが重要です。費用が安ければいいというわけではなく、対応の丁寧さや得意分野なども考慮した上で選ぶようにしましょう。

ワンポイントアドバイス
弁護士費用は「着手金」だけでなく「報酬金」まで含めたトータルコストで比較することが大切です。着手金が安くても、報酬金が高い設定の事務所では、最終的な費用総額が高くなるケースもあります。費用の内訳を事前に確認し、納得した上で依頼するようにしましょう。

弁護士事務所ごとの費用比較

実際に、複数の弁護士事務所の費用がどう違うのかを見てみましょう。以下は、いくつかの事務所の費用体系を比較したものです。

A事務所・B事務所・C事務所の費用比較表

まずは任意整理の着手金から比較してみます。

事務所 任意整理(着手金/1社) 個人再生(着手金) 自己破産・同時廃止(着手金) 自己破産・管財事件(着手金)
A事務所 1万円〜4万円(過払い有無で異なる) 38万円〜48万円 27万円 38万円
B事務所 4万円 28万円〜38万円 20万円 28万円
C事務所 4万円 30万円 28万円 40万円

このように、同じ手続きでも事務所によって数万円〜十数万円の差が出ることがあります。特に個人再生や自己破産(管財事件)は差額が大きくなりやすいので、必ず複数の事務所に確認してみましょう。

なお、申立費用(実費)として別途2万5,000円〜3万円程度が必要になる事務所もあります。見積もりを取る際は、実費も含めた総額で比較することをおすすめします。

費用を比較するときのポイント

弁護士事務所を選ぶ際に費用面で確認すべきポイントは、次のとおりです。

  • 着手金・報酬金の両方を確認する
  • 実費(申立費用・裁判所費用など)が含まれているかを確認する
  • 過払い金が発生した場合の報酬率を確認する
  • 住宅ローン特例を使う場合の費用加算があるかを確認する
  • 分割払い・後払いに対応しているかを確認する

公式サイトに費用を明示している事務所も増えていますが、個別の事情によって変わることもあります。無料相談を活用して、自分のケースに当てはめた具体的な費用を確認するのが確実です。

ワンポイントアドバイス
弁護士費用の比較は、金額だけでなく「何が含まれているか」を確認することが重要です。安い着手金を提示されていても、別途で費用が発生する場合があります。見積もりを依頼するときは「総額でいくらになるか」を必ず質問するようにしましょう。

債務整理の費用が払えない場合の対処法

「弁護士に頼みたいけれど、今すぐ払えるお金がない」という状況に置かれている方も多いはずです。借金の返済で生活が苦しくなっているからこそ、弁護士費用まで用意できないという方もいるでしょう。

しかし、費用を理由に債務整理をあきらめる必要はありません。主に3つの対処法があります。

分割払いを利用する

多くの弁護士事務所では、弁護士費用の分割払いに対応しています。債務整理の手続きが始まると、債権者への返済がいったん止まるため(受任通知の送付後)、その分を弁護士費用の分割払いに充てることが可能になるケースもあります。

月々数万円ずつ支払えれば対応できる事務所も多く、現在の収入で手続きを進められる可能性は十分にあります。まずは「分割払いはできますか?」と事務所に確認してみてください。

後払い制度を利用する

弁護士費用の後払いを認めている事務所もあります。手続きが終わった後、少しずつ支払っていくという方法です。経済的に困窮している方の事情は弁護士もよく理解していますので、支払い方法について柔軟に相談に乗ってくれる事務所も少なくありません。

「今すぐお金が出せない」という方も、まず相談してみることが大切です。相談することで、思っていたより早く手続きが進められることもあります。

法テラスを利用する

法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕のない方が法的トラブルを解決できるよう支援する国の機関です。一定の収入・資産基準を満たす方は、弁護士費用の立替制度を利用することができます。

法テラスを利用するメリット

法テラスを利用することの主なメリットは、次のとおりです。

  • 手持ちのお金がなくても弁護士費用を立て替えてもらえる
  • 弁護士費用が通常の相場より大幅に安くなる
  • 立替費用を月額5,000円程度の分割払いで返済できる
  • 無料で法律相談が受けられる(最大3回)

特に費用の安さは大きなメリットです。通常の弁護士費用と比べて半額以下になる場合もあります。

法テラスを利用できる収入・資産の基準

法テラスの費用立替制度を利用するためには、収入と資産が一定の基準以内である必要があります。

収入の基準(手取り月収額)は以下のとおりです。

家族の人数 手取り月収の上限 大都市(東京・大阪等)の場合
1人 18万2,000円以下 20万200円以下
2人 25万1,000円以下 27万6,100円以下
3人 27万2,000円以下 29万9,200円以下
4人 29万9,000円以下 32万8,900円以下

また、家賃・住宅ローンを支払っている場合は、一定額が上限に加算されます。

資産の基準(資産合計額)は以下のとおりです。

家族の人数 資産合計額の上限
1人 180万円以下
2人 250万円以下
3人 270万円以下
4人 300万円以下

借金で生活が苦しくなっている方の多くが、これらの基準を満たしているケースがほとんどです。「自分は該当しないかも」と思わず、まずは確認してみることをおすすめします。

法テラス利用時の費用目安

法テラスを利用して債務整理を行った場合の費用目安は以下のとおりです。

手続きの種類 債権者数 実費 着手金
任意整理 1社 1万円 3万2,400円
任意整理 2社 1万5,000円 4万8,600円
任意整理 3社 2万円 6万4,800円
任意整理 5社 2万5,000円 10万8,000円
個人再生 1〜10社 2万3,000円 16万2,000円
自己破産 1〜10社 2万3,000円 12万9,600円

通常の弁護士事務所の相場と比べると、大幅に安い費用で手続きを進められることがわかります。また、これらの費用も月額5,000円程度の分割払いで返済できるため、手元にお金がなくても安心です。

なお、過払い金が返還された場合には、別途報酬金が発生することもあります。

法テラスを利用するための流れ

法テラスを利用する際の手順は以下のとおりです。

  1. 法テラスに連絡し、無料法律相談の予約をする
  2. 弁護士との無料相談を受ける(最大3回まで)
  3. 収入証明書類などを提出し、審査を受ける
  4. 援助開始の決定を受け、弁護士費用の立替えが行われる
  5. 弁護士が債務整理の手続きを進める
  6. 手続き終了後、立替費用の分割払いを開始する

手続き自体は比較的わかりやすい流れになっており、弁護士が丁寧にサポートしてくれます。一人で抱え込まず、まずは相談の一歩を踏み出してみてください。

ワンポイントアドバイス
法テラスを利用する場合、自分で弁護士を選ぶことも可能です。「法テラスで弁護士費用の援助を受けながら、希望の弁護士に依頼したい」という方は、その弁護士が法テラスの契約弁護士かどうかを事前に確認しておきましょう。契約弁護士でなければ法テラスの費用立替は利用できません。

債務整理の費用に関するよくある疑問Q&A

ここでは、債務整理の費用について多くの方が抱く疑問にお答えします。

相談料はいくらかかる?

弁護士に相談する際の相談料は、一般的に1時間あたり5,000円〜1万円が相場とされています。ただし、債務整理を取り扱う弁護士事務所の多くは「初回無料相談」を実施しています。費用をかけずに相談できる事務所は非常に多いため、まず無料相談から始めてみることをおすすめします。

「相談だけでも費用がかかるのでは」と思って足踏みしている方も、安心して相談してみてください。

着手金と報酬金の違いは?

弁護士費用には大きく分けて「着手金」と「報酬金」の2種類があります。

  • 着手金:弁護士に事件を依頼する際に支払う費用。結果に関わらず発生する。
  • 報酬金:手続きが成功した場合(借金が減額された場合など)に支払う費用。成功報酬とも呼ばれる。

自己破産の場合は、免責が認められれば報酬金は原則発生しないことが多いです。一方、任意整理では減額できた金額に応じた報酬金が発生するケースが一般的です。

費用の総額はどうやって確認すればよい?

費用の総額を確認するには、弁護士事務所に無料相談を申し込み、自分のケースに当てはめた見積もりを出してもらうのが最も確実です。債権者の数・借入総額・手続きの種類によって費用は変わるため、一般的な相場だけでは判断が難しい場合もあります。

複数の事務所で見積もりを取り、費用だけでなく対応の質も見比べた上で依頼先を決めることが大切です。

ワンポイントアドバイス
「相談だけでは費用がかかる」と思い込んで相談を先延ばしにするほど、借金の利息は膨らみ続けます。弁護士への依頼が決まれば、受任通知の送付により取立てや返済がいったん止まるため、精神的な負担も大きく軽減されます。費用の不安は相談の中で解消できますので、早めに動くことをおすすめします。

まとめ:費用を気にせず、まず弁護士に相談を

債務整理の費用について、ここまでさまざまな角度からご説明してきました。改めて要点を整理しましょう。

  • 債務整理の費用は「裁判所費用」と「弁護士費用(着手金・報酬金)」の2種類
  • 任意整理は裁判所費用がなく、3つの手続きの中では最も費用を抑えやすい
  • 個人再生・自己破産は裁判所費用も加わるが、借金の大幅減額や免除という大きなメリットがある
  • 弁護士費用は事務所によって異なるため、複数の事務所で比較することが重要
  • 費用が払えない場合は、分割払い・後払い・法テラスという3つの解決策がある
  • 法テラスを利用すれば、通常より大幅に安い費用で月5,000円程度の分割払いが可能

「費用が用意できないから、債務整理は諦めるしかない」と思っている方、そんなことはありません。弁護士も事務所も、借金に苦しんでいる方をサポートするための方法を一緒に考えてくれます。

大切なのは、一人で悩み続けないことです。借金問題は放置するほど状況が悪化します。まずは債務整理に強い弁護士に無料相談を申し込み、費用を含めたあらゆる疑問を相談してみてください。あなたの状況に合った最善の解決策を、必ず見つけることができるはずです。

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