2020/1/23 1,710view

連帯債務者とは~連帯保証人とどう違う?住宅ローン契約前に知っておくべき連帯債務の注意点

この記事で分かること
  1. 連帯債務は、複数人が共同で背負う債務である。
  2. 連帯債務者と連帯保証人は似て非なるものである。
  3. 実生活上、連帯債務者になる可能性が高いのは住宅ローンである。
  4. 連帯債務者となって住宅ローンを組むことにはメリット・デメリットがある。
  5. 連帯債務者となる以外にも住宅ローンを組む方法はあるので、状況に合った方法を選択することが重要である。

連帯債務者になると、複数人で1つの債務を背負うことになります。例えば、共働きの夫婦が住宅ローンを組むときに、共同で1つのローンを借りるようなケースが典型例です。そう考えると、私たちの暮らしにとっても意外と身近な存在といえるのではないでしょうか。しかし、連帯債務者の背負う責任は想像以上に重いものです。一人一人に債務をすべて履行する責任が発生するために、債務者の1人に想定外の事態が起きたときなどでは、思わぬトラブルに発展するリスクも秘めています。

そもそも連帯債務者とは~連帯債務の特徴をわかりやすく解説

連帯債務者とは、複数の債務者が共同で契約した債務を背負っている人のこと

そもそも連帯債務者とは、連帯債務を背負っている人を指します。

連帯債務とは、複数の債務者が共同で債務を背負うことです。債権者と複数の債務者の間で、1つの債務を負担する契約を結ぶようなイメージになります。

銀行から、複数人でお金を借りるような状況を思い浮かべると想像しやすいかもしれません。そのお金を借りた複数人、全員が連帯債務者にあたります。

連帯債務者は、それぞれ独立して債務の全責任を負う

連帯債務者となった場合、背負った債務については、各債務者は独立して全責任を負います。したがって、債権者としてはどの債務者に対しても、すべての債務の履行を請求することが可能です。

例えば、借金の場合であれば、1人の債務者に「全額返済してください」と請求することができます。請求された債務者側から、債権者に「他の債務者にも請求してください」と主張することはできません。

他の連帯債務者の存在とは関係なく、1人で債権者に借金を全額返済する必要があります。もっとも、これは債権者と債務者の関係に限定した場合の話です。

負担する割合は債務者同士の話し合いで決められる

債務者同士の関係においては、各債務者は話し合いで各自の負担分を自由に決められます。各自の収入に応じて、1人が債務の7割を、もう1人が3割について責任を負う、と決めることも可能です。

また、連帯債務者の1人が借金を全額返済したような場合は、一定の条件の下、残りの債務者に各自の負担割合に応じた金額を埋め合わせるように請求できます。

ワンポイントアドバイス
連帯債務者は、1つの債務について共同で責任を負った債務者のことをいいます。

連帯債務と連帯保証の違い

連帯債務者と似ているようで異なる存在に、連帯保証人がいます。連帯保証人とは、いわゆる借金やローンの「保証人」になっている人のことです。

連帯保証契約は、債務者が債務を履行できなくなった場合に、代わりにその債務を履行するという義務を背負う契約です。

例えば、お金を借りた本人がお金を返さないようなケースであれば、本人の代わりに金融機関にお金を返済する義務が発生します。

そして、もしそうなった場合、連帯保証人の側から「先に、債務者に請求してください」と債権者に請求することはできません。債務者の支払い能力に関係なく、自分がすべての債務を履行する責任を負うことになるのです。

連帯債務と連帯保証には似ている部分もあるのですが、次の点で大きな違いがあります。

契約の数

連帯債務と連帯保証の最大の違いの1つは、契約の数です。連帯債務では、債権者との契約の個数は1個です。

一方、連帯保証契約では、債務者が債権者と契約を結び、さらに保証人が債権者と連帯保証契約を結びます。つまり、契約の個数が2つになるのです。

債務の履行を求められるタイミング

連帯債務の場合、契約の時点で各債務者はそれぞれ全部の債務について責任を負います。つまり、借金であれば、借りた時点ですべての債務者に返済する義務が発生します。

一方、連帯保証では、債務者が債務の履行ができなくなるまでは、債務について責任を負うことにはなりません。

借金の例であれば、債務者が返済不能になり、債権者が連帯保証人に支払いを求めるまでは、連帯保証人に債務者の借金を返す義務は発生しないのです。

ワンポイントアドバイス
連帯債務と連帯保証は同じようなものに思えるかもしれませんが、実際の仕組みは大きく異なります。それぞれの違いをしっかり押さえましょう。

連帯債務が問題になりやすいケース

日常生活において、連帯債務が問題になりやすい場面としては、住宅ローンがあります。住宅ローンでは、借入可能額は世帯収入額に左右されます。

したがって、共働きの夫婦が住宅ローンを組むような場合、借入額を増やすために、一方を主たる債務者、もう一方をその連帯債務者としてローンを組むケースも多いのです。

連帯債務者となって住宅ローンを組むことにはメリットもあれば、デメリットもあります。後悔しないためにも、連帯債務と住宅ローンの関係についてきちんと押さえておきましょう。

ワンポイントアドバイス
住宅ローンを賢く利用するためにも、連帯債務についての理解を改めて深めておきましょう。

連帯債務者となって住宅ローンを組むメリット

夫婦、親子など家族同士で連帯債務者となって住宅ローンを組むことには、次のようなメリットがあります。

借入可能額が増える

銀行でローンを組むときの借入総額は、借り手の収入で決まります。したがって、2人分の収入があれば、借入可能額を増やすことが可能です。

住宅ローン控除額が増える

家族同士が連帯債務者となって住宅ローンを組む場合、連帯債務者となった人全員がローンの債務者になります。そのため、年収や住宅の持ち分割合に応じて住宅ローン控除を受けることが可能です。

不動産の名義を共有にできる

連帯債務者となって住宅ローンを組んだ場合、連帯して債務を背負った人全員が、負担割合に応じた住宅の所有権を獲得します。住宅を夫婦の共有にしたい場合などに便利です。

ワンポイントアドバイス
連帯債務者となって住宅ローンを組むことには、住宅ローン控除が増えるなどのメリットがあります。

連帯債務者となって住宅ローンを借りるときの注意点

一方、家族同士が連帯債務者となって住宅ローンを借りることにはデメリットもあります。

連帯債務者が死亡してもローンの残債が免除されない

連帯債務では、債務者の誰かが死亡した場合に借りたローンの残債がそのまま残ってしまうリスクがあります。

住宅ローンを借りるときには、万が一の事態に備えて「団体信用生命保険」に加入するケースが一般的です。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に債務者が死亡・高度障害を背負ってローンの返済ができなくなった場合に、保険会社が代わりにローンの残債を返済してくれるという保障制度です。

この制度を利用することで、もしローンの借り手が死亡してローンが払えなくなってしまったような場合でも、マイホームを手放さずに済みます。

団体信用生命保険は1人しか加入できない

しかし、団体信用生命保険は1人しか加入できないのが原則です。夫婦連生団信に加入できるような例外的なケースを除き、連帯債務者全員が入ることはできません。

加入していない連帯債務者が死亡した場合には、その人が収入割合に応じて負担した返済分がそのまま残ってしまいます。

離婚しても連帯債務が残る

夫婦で連帯債務を選択して住宅ローンを組んだ場合は、離婚の問題もあります。

離婚しても、夫婦がそれぞれ収入に応じて負担した債務はそのまま残ります。つまり、離婚後も、婚姻中と同様に住宅ローンをずっと支払い続ける必要があるのです。

また、一方がローンを支払えなくなった場合には、全額返済を求められる可能性もあります。もし離婚することになった場合は、マイホームを売却してローンを返済する、1人が債務者となるようにローンを借り換える、といった方法を検討する必要があります。

毎月の返済額自体は増える

複数人が連帯債務者となって住宅ローンを借りた場合、それぞれの収入が合算されるため借入可能額も増えます。ただ、借入可能額が増えるということは、毎月の返済額も増えるということです。

連帯債務者どちらかの転職や失業で返済できなくなるリスクも

例えば、妻が正社員からパートになる、夫が失職する、といったように、連帯債務者となった一方の支払い能力が大きく下がった場合、毎月の返済が思うようにできなくなるリスクがあります。

したがって、一方の収入が下がる可能性があることがすでにわかっているのであれば、連帯債務以外の方法で住宅ローンを組むことも検討するべきです。

例えば、妻の収入が下がる可能性があるのであれば、夫を債務者、妻を連帯保証人として住宅ローンに加入するといった方法が考えられます。

ワンポイントアドバイス
連帯債務者となって住宅ローンを借りる場合には、デメリットについてもあらかじめ検討しておきましょう。

連帯債務者となる以外の方法で住宅ローンを借りるには

住宅ローンの組み方には、家族同士で連帯債務者になる以外にも、一方が債務者・もう一方が連帯保証人になる、ペアローンを組むといったパターンがあります。

一方が債務者・もう一方が連帯保証人になるパターン

例えば、夫婦の片方が債務者となって住宅ローンを借り、もう一方がその連帯保証人になるパターンが該当します。配偶者の収入が低い場合におすすめの方法です。

収入合算ができず、また住宅ローン控除も1人分しか受けられないという注意点はあるものの、団体信用生命保険に加入できるというメリットがあります。なお、住宅の所有権は債務者となった人の単独名義になります。

ペアローンを組むパターン

住宅ローンをペアローンで組むパターンも考えられます。ペアローンとは、住宅ローンを組むときに、同居している親族(夫婦、親子など)が別々にローンを組むことです。

例えば、全部で5000万円の借り入れを行う場合であれば、夫のAは3000万円、妻のBは2000万円のローンをそれぞれ自分の名義で組みます。

さらに、ペアローンを組んだ人はお互いがお互いの連帯保証人になります。先ほどの例では、夫Aが妻Bの、また妻Bが夫Aの連帯保証人になります。

ペアローンのメリットとデメリット

ペアローンのメリットは、住宅ローン控除が2人分受けられ、しかもそれぞれが団体信用生命保険に入れることです。また、借入時の基準となる収入も2人分となるので、借入額も増えます。

その代わり、ローン契約が2つになるので契約時の手数料が増える、片方が退職したときに返済の負担が重くなる、といったデメリットもあります。

ペアローンは債務者全員に経済力がある場合に有効

連帯債務者となって住宅ローンを組む場合と同様、債務者となる人全員に経済力がある場合に向いている方法です。なお、住宅の所有権は、ローンの返済義務を負った人全員が獲得します。

ワンポイントアドバイス
住宅ローンは組み方によって、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。連帯債務型以外のパターンが向いているケースも考えられますので、実際に住宅ローンを組む上では自分たちの状況に合った方法を探すことが大切です。

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連帯債務や連帯保証は複数の人が責任を負うことになるため、1人の債務者に問題が発生すると大きなトラブルになりがちです。さらに、夫婦で住宅ローンを組むような場合には、パートナーとの離婚や死別の問題も関わってきます。

こうしたケースでは、マイホームを売却してローンの返済資金を作る、それでもローンの返済が難しい場合は債務整理も検討する、といったように、それぞれの状況に応じた解決方法を考える必要があります。

さらに、離婚の場合は離婚時の財産分与や不動産の名義をどうするか、死別の場合は相続と、住宅ローン関連以外の問題が同時に発生するケースも多いものです。いずれにしても、法律的な知識が関わってくる問題ですので、解決には専門家のサポートが不可欠といえます。

弁護士は借金の問題から相続、離婚まで、様々な法的トラブルの解決をサポートしています。もし不安なこと、困ったことがありましたら、一度弁護士までご相談ください。

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