債務整理すべきタイミングは?借金の整理を判断する基準

この記事で分かること
  1. 債務整理は、タイミングにかなうことが成功の秘けつである。
  2. 債務整理をためらうと、ブラックリスト・強制執行・過払い金未収のリスクがある。
  3. タイミングにかなう債務整理を行うには、弁護士の支援が欠かせない。
  4. 無料法律相談、費用立替え制度を使えば、少ない負担で弁護士に依頼できる。

債務整理を成功させる一番のポイントは、タイミングを逃さないことです。タイミングよく債務整理を行うには、債務整理についての法律知識と実務経験が欠かせません。借金が重なって困ったら、まず借金問題や債務整理に詳しい弁護士に相談しましょう。

債務整理をすべき9つのタイミング

借金など、たくさんの債務を抱えた人の負担を減らし、生活の立て直しを目指す手続として、個人再生・自己破産・任意整理の3つがあり、これらをまとめて債務整理といいます。

債務整理では、いつやるか、つまりタイミングがとても大事です。債務整理のタイミングを一言でいえば、「いつまでたっても借金がなくなりそうになく、生活苦から抜け出せないことがはっきりしたとき」ということができます。

具体的な債務整理のタイミングとして実務で用いられることが多いのは、次の9つです。

  • 借金を返すため、新たな借金をしている
  • 月収の3分の1以上が借金返済に回っている
  • 3社以上から借金をしている
  • 毎月の返済が利息だけで元金が減っていない
  • 病気などで仕事を続けられなくなった
  • 1年以上借金返済をしている
  • 結婚することになった
  • 借金と返済を繰り返している
  • 借金を完済した

それぞれについて解説します。

借金を返すため、新たな借金をしている

借金を返すために新たな借金をしているのなら、債務整理をしましょう。

ひとつの借金がなくなっても、次の借金が残り、その借金がなくなれば、また次の借金が残るという繰り返しが延々と続き、生活苦から抜け出せないことになるからです。

月収の3分の1以上が借金返済に回っている

月収の3分の1以上が借金返済に回っている状態は、債務整理をするべき時といえます。

月収の残り3分の2しか生活費に回せないとなると、家計が苦しくなり、新たな借金をせざるを得ず、その借金がまた家計を苦しめることになるからです。

貸金業法が「貸金業者は、借主の年収3分の1を超える金額の貸付けをしてはならない」としているのは、まさにこうした考え方の表れといえます。

3社以上から借金をしている

金融機関、クレジットカード会社、消費者金融など3つ以上の会社から借金をしているとしたら、債務整理を考えましょう。

3社以上からの借金は月々の返済が高額となるのが普通で、月収ではまかないきれず、次の借金をしてしまい、生活苦に拍車をかけることになるからです。

毎月の返済が利息だけで元金が減っていない

毎月、利息の返済だけが行われ、元金が返済されていないのは、債務整理をするべき状況といえます。

元金が返済されず減っていかないとしたら、そこから利息も延々と生まれ、いつまでたっても借金がなくならず、生活苦が続くことになるからです。

病気などで仕事を続けられなくなった

借金のある人が病気やケガ、あるいは失業により仕事を続けられなくなったら、債務整理が一番の方法といえます。

借金をする人は、預貯金のないのが普通であって、借金返済の財源は月々の給料だけです。休業や失業によって給料が減ったりなくなったりすれば、借金を返済できなくなります。すると、返済期限を過ぎた分の利息が上乗せされ、借金全体がふくれ上がって、生活はますます苦しくなるからです。

1年以上借金返済をしている

1年以上にわたって借金返済をしているとしたら、まさに債務整理のタイミングでしょう。

1年以上という長期間、借金を返済しているのは、借金の金額が多いからであって、これからも返済と生活苦が続くことは明らかです。債務整理によって借金を少しでも減らし、余裕ある生活を取り戻すことをおすすめします。

結婚することになった

結婚は、債務整理に踏み切る絶好の機会といってよいでしょう。

特に男性の場合、一家の大黒柱として、家計を担っていかなければなりません。そこにたくさんの借金があると、返済に振り回されて、家計を担うどころではなくなってしまいます。そうした状態は、夫婦間の亀裂を生じさせ、最悪の場合、離婚という結末を迎えるのは、実際のたくさんのケースが物語るとおりです。

女性の側からしても、相手にたくさんの借金があることは、結婚生活への大きな不安となるものです。債務整理は、結婚相手との愛をつなぎとめる切り札といっても言い過ぎではないでしょう。

借金と返済を繰り返している

借金を返済しても、お金が足りなくなればまた借金をする、というパターンを繰り返しているなら、債務整理をぜひおすすめします。

こうした借金癖のある人は、債務整理をしても、お金を返せなくなればまた借金をしてしまうことが十分に考えられます。借金が減っていくことは、期待できません。むしろ、こうした人が債務整理を行うメリットは、過払い金(法律の限度を超えて支払い過ぎていた利息)を取り戻せることにあるといえます。

取り戻した過払い金で借金をすべて返済(完済)できる場合があります。完済で余ったお金はそのまま帰って来るので、新たな借金をしなくてすみます。こうして、債務整理が、借金癖に別れを告げ、生活苦を抜け出すチャンスになり得るわけです。

借金を完済した

借金を完済した場合でも、債務整理のメリットがあります。
そのメリットとは、これまでお話しした8つのタイミングのケースのように債務を減らして生活苦から抜け出すことではなく、過払い金を返してもらえることです。
借金を完済して借金苦から抜け出した後でも、債務整理をすることで過払い金が戻って来て生活費の足しになることは、とても喜ばしいことといえます。

ワンポイントアドバイス
自分が債務整理のタイミングにあるかどうか迷ったら、本文を予備知識に、債務整理に詳しい弁護士に相談しましょう。

債務整理を躊躇すると起こりうるリスク

債務整理は、タイミングよく行えば、債務が減るメリットがあります。

一方で、あやふやな安心感や手抜きによって債務整理のタイミングを逃し、債務をそのままにしておくと、思いがけないリスクにさらされます。ここでは、実務でよく見られる3つのリスクを紹介します。

ブラックリストにのせられる

債務整理をしないでおくと、ブラックリストにのせられることがあります。

「ブラックリストにのせられる」とは、金融機関・クレジット会社・消費者金融が加盟する信用情報機関(わが国には3つの信用情報機関があります)に登録された自分の情報の中に「事故情報(返済が滞っている、破産したなど)」がのせられてしまうことです。「ブラックリスト」という名のリストがあるわけではありません。

債務整理をしないまま借金の返済を滞り、その状況が信用情報機関での「事故情報」の条件に当てはまると、ブラックリストにのせられます。

ブラックリストにのせられると、「債務の返済について信用できない人」として、新しいクレジットカードが作れない、家や車のローンが組めないといった不自由にみまわれてしまうのです。

債務整理をためらうことは、その後の生活にまで影を落とすことを覚えておきましょう。

強制執行を受ける

債務整理をしないことで、強制執行という物々しい事態になることが考えられます。

強制執行とは、裁判所が、債務者の財産を差し押さえて勝手に処分できなくしたうえで、競売というセリにかけ、落札者と呼ばれるセリ落とした人が支払った代金を借金など債務の弁済に当てる手続です。

家の落札者が決まれば、家は落札者の物になるので、債務者は出ていかなければなりません。給料を差し押さえられれば、債務者は、差し押さえた残りの給料しかもらえなくなります。しかも、勤め先に差押えがバレてしまうのです。

債務整理をしないまま借金の返済をしないでいると、こうした苦しみが待ち受けていることを忘れてはなりません。

過払い金が取り戻せなくなる

債務整理をしていれば取り戻せた過払い金が、債務整理をためらったばかりに、取り戻せなくなることがあります。

過払い金を取り戻す相手は、普通、クレジットカード会社や消費者金融です。これらも会社である以上、業績悪化による倒産や経営不振があり得ます。そうした状態の会社に過払い金を返すよう求めても、「ない袖は振れぬ」のことわざどおり、返してもらえなくなってしまうのです。

取り戻せたはずのお金を取り戻せなくなるのは、とても悔しい結果といえるでしょう。

ワンポイントアドバイス
債務整理をためらうことによるリスクは、思いのほか大きいことが分かります。こうしたリスクを背負わないためには、債務整理に詳しい弁護士に相談することが一番の手立てです。

債務整理は無料で相談できる

債務整理をしたいと思っても、ひとりでは自信がない方がほとんどかと思います。そんな時に強い味方となってくれるのが、債務整理に詳しい弁護士です。

弁護士との最初の出会いは、法律相談です。ただ、「弁護士に相談したいけど、お金がかかるのでは」という不安から、相談に踏み出せない方もいるかもしれません。そこで、なるべくお金をかけずに弁護士に相談する方法を2つ紹介します。

相談無料の法律事務所を探す

弁護士の法律相談料は、法律事務所ごとに決めることになっています。そこで、法律相談無料の法律事務所を探しましょう。

探す方法は、テレビ・ラジオ・チラシ・電話帳・電車やバスの広告のほか、インターネットも便利です。「弁護士 相談 無料」で検索すれば、無料で法律相談をしている法律事務所を探すことができます。

実際に検索してみると、無料で法律相談をしている法律事務所がいくつかあることが分かります。

日本司法支援センター(法テラス)に相談する

日本司法支援センター(通称:法テラス)で無料法律相談を行っています。
法テラスは、政府が設立し、法務大臣が管理する公的な法人です。東京にある本部のほか、すべての都道府県に事務所を設けています。

法テラスでは、弁護士・司法書士による無料法律相談だけでなく、弁護士・司法書士に支払う費用の立替えなども行っています。
無料法律相談や費用立替えを受けるには、経済状況などいくつかの条件があるので、法テラス・サポートダイヤルまたは最寄りの法テラス事務所に確認しましょう。確認先については、法テラスのWEBサイトで紹介されています。
参考リンク:日本司法支援センター(法テラス)WEBサイト 「相談をご希望の方へ」

ワンポイントアドバイス
債務整理を考えるほどの人はお金に余裕がなく、弁護士の相談費用もばかになりません。
経済苦から抜け出すための相談によって経済苦が増すのでは、本末転倒です。ここに紹介した無料相談や費用立替えを利用し、弁護士に味方に付いてもらって、債務整理を有利に進めましょう。

借金の悩みを負担に感じたら、まずは弁護士に相談を

借金が増えて完済の目途が立たない場合、タイミングよい債務整理が一番の方法であることが分かりました。とはいえ、実際に自分がその立場に置かれたとき、債務整理をするべきタイミングはいつなのかは、素人には判断つきかねる問題です。

やはり「餅は餅屋」のことわざのとおり、「法律問題は法律家」です。借金の悩みを負担に感じたら、まず借金問題や債務整理に詳しい弁護士に相談することから始めましょう。

債務整理は弁護士に相談を
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