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夜逃げが成功しない5つの理由。借金問題の解決につながらない夜逃げの効果と実際

この記事で分かること

  • 借金問題の解決方法として夜逃げはおすすめできない方法である
  • 夜逃げをしても借金問題から逃れられるとは限らない
  • 夜逃げはデメリットも大きく、しかもハイリスクな行為である
  • 借金問題を解決するのであれば、夜逃げではなく債務整理などの方法がおすすめ

「返しきれない借金を抱えて夜逃げをする」というシチュエーションはドラマやマンガではよく見るものですが、実際に真似することはおすすめできません。借金問題の根本的な解決にはつながらない上に、かえって事態を悪化させてしまうおそれすらあるからです。

借金対策に夜逃げは有効?

借金に苦しみ、夜逃げを検討したことはありませんか。
夜逃げをすれば「債権者の厳しい取り立てから逃れられるのではないか」「債権者が回収するのをあきらめて、そのまま時効で借金がなかったことになるのではないか」と期待している方もいるかもしれません。

しかし、借金対策として夜逃げはあまりおすすめできる方法ではありません。
むしろ夜逃げをしたことで借金をめぐる状況が悪化し、さらに、これまでの生活基盤が破壊されて経済的な苦境に陥る可能性もあります。

借金問題の根本的な解決を目指すのであれば、夜逃げをするよりも、債務整理で借金を減らすことを考えた方が現実的です。

ワンポイントアドバイス
借金問題の解決方法としては、夜逃げよりも債務整理が適切です。

夜逃げで借金問題は解決しない

夜逃げをしても借金問題が解決するとは限りません。その理由は2つあります。

  • 時効が完成する可能性は低い
  • 債権者から逃げ切れる保証はない

時効が完成する可能性は低い

1つは、時効の完成が現実的には期待できないことです。

借金には時効があり、金融機関からの借金であれば5年間(個人間なら10年間)経過すると時効により借金が帳消しになります。

しかし、借金の取り立てから5年間逃げおおせたとしても、必ずしも時効が完成するとは限りません。
債権者が裁判などのアクションを取ってしまうと、時効のカウントがゼロにリセットされ、時効の完成が伸びてしまうからです。

現実問題として、債権者側が何も対策をしないことは考えられないため、長期間逃げても時効で借金がチャラになる可能性は低いといえます。「逃げれば借金は帳消しになる」と安易に夜逃げするのはおすすめできません。

債権者から逃げ切れる保証はない

もう1つは、債権者から無事に逃げ切れる保証はないことです。

銀行、消費者金融、債権回収業者などの債権者側は、貸したお金の回収ができなければ会社がつぶれてしまいます。
したがって、夜逃げされてもお金を回収できるように、夜逃げした債務者を追跡するノウハウを構築しているのが普通です。
特に、今はSNSなどの情報から、逃げた債務者の足取りを追うことも容易です。さらに、友人・知人から夜逃げ先の情報がバレてしまうおそれもあります。

借金が原因で夜逃げしても、必ずしも逃げられるとは限らないのです。

ワンポイントアドバイス
夜逃げをしても、借金を踏み倒せるとは限りません。一方で抱えている借金のリスクは大きくなリ続けることを考えると、借金問題の解決策としては不確かで不十分な方法と言えるでしょう。

夜逃げが成功しない5つの理由

結論を言うと、夜逃げはあまりおすすめできません。
成功する可能性が低い上に、生活面でのデメリットも大きすぎるからです。

夜逃げが成功しないのは、以下のような

  • 夜逃げ後の生活が不安定になる
  • 人間関係も破壊されるおそれがある
  • 債権者の粘り強い追跡にあう可能性が高い
  • 借金の総額が膨れ上がってしまう
  • 精神的にも追いつめられやすい

夜逃げ後の生活が不安定になる

夜逃げにおけるデメリットの1つに、生活基盤が不安定になることがあげられます。住民票がなくなることで、健康保険などの行政サービスが受けられなくなってしまうからです。

本人・家族の住民票がなくなってしまう

夜逃げをすると、住民票がなくなってしまうおそれがあります。

夜逃げでは基本的に、住民票を移さないまま借金取りから逃げることになります。住民票を転居先に移してしまうと、そこから居場所を突き止められるおそれがあるからです。

さらに、旧住所の方では、居住実態がないと判明した時点で住民登録を取り消すため、もともと住んでいた地方自治体の方でも住民票がなくなってしまいます。

健康保険が使えない

住民票がない、住民登録もないという状況は、健康保険や年金の手続きもできないということをも意味します。病院の治療費が全額自費になるなど、経済面でのデメリットははかりしれません。

仕事が続けられなくなる

職場から居場所がバレるリスクを考えると、これまでの仕事を続けるのは難しくなります。ひっそり引っ越す、という夜逃げの性質を考えると、仕事はいったんやめざるを得ないでしょう。

さらに、その後も大変な状況は続きます。住民票がないため、住民票の提出を求められるような仕事には一切つけなくなるからです。そのため、離職後の再就職が困難になる可能性もあります。

まともな職業につける可能性が低下するため、たとえ夜逃げに成功したとしても経済的に安定した生活を送るのは難しくなってしまうかもしれません。

子供が学校に通えなくなる可能性がある

家族全員で夜逃げをする場合、子供にも悪影響があります。住民登録がなくなってしまうため、学校にも通えなくなってしまう可能性があるからです。学校に通えないことで勉強が遅れる、最終的な子供の進路にも影響が出る、といったリスクを覚悟しなければいけません。

新しい銀行口座も作れなくなる

住民登録がなくなってしまうため、新しく銀行口座を作ることもできなくなります。生活する上で不便なこともあるかもしれません。

人間関係も破壊されるおそれがある

夜逃げ行為は、経済的に安定した生活だけでなく、これまで築いてきた人間関係をも破壊します。

連帯保証人に迷惑がかかる

まず考えておかないのは、連帯保証人になった人への影響です。連帯保証人がいる状態で夜逃げをした場合、債務者の代わりに連帯保証人に全額請求がいってしまいます。そうなってしまえば、善意で連帯保証人を引き受けてくれた家族や親族、友人、知人に多大な迷惑をかける事態は避けられません。

家族・親族と断絶する、友人・知人から恨みを買うなど人間関係への悪影響ははかりしれないものがあります。

これまでの交友関係もリセットされる

連帯保証人になった人以外との人間関係にも、少なからぬ悪影響があります。友人・知人から居場所の情報がバレる可能性も考えると、誰にも行く先を告げずに夜逃げする必要があるからです。

これまで築いてきた人間関係を一度リセットして逃げることになる以上、人間関係への影響は避けられません。結果的に社会から孤立し、精神的に苦しい状況に追い込まれる可能性も考えられます。

債権者の粘り強い追跡にあう可能性が高い

先ほど述べたように、夜逃げしたからといって最後まで逃げおおせられるとは限りません。債権者側による粘り強い追跡にあい、居場所を突き止められるたびに夜逃げを繰り返すことになる可能性もあります。

もちろん逃げ切れず、苦労して夜逃げをした意味がなくなってしまう……というリスクも考えられるところです。

借金の総額が膨れ上がってしまう

債権者側がきちんと対策をしていれば、夜逃げをした債務者の借金が時効で帳消しになるようなラッキーな事態はまず考えられません。つまり、夜逃げをしても借金がなくなる可能性は低いということです。

むしろ、逃げている期間分の利息や遅延損害金が加算され、借金の総額が膨れ上がってしまうおそれもあります。数年間返済をせずに借金から逃げ続けた結果、最終的な支払額が莫大な金額になってしまう可能性も捨てきれません。

精神的にも追いつめられやすい

夜逃げをした場合、「いつ借金取りが押し寄せてくるのか」という不安の中で生きることになります。頼りになる友人・知人とも縁が切れてしまっている中、精神的にも追い込まれる可能性もあります。

ワンポイントアドバイス
夜逃げをしても借金から逃げられる保証はありません。それどころか、これまで築いた生活基盤や人間関係が破壊されるため、かえって悲惨な結果を招くおそれもあります。

借金問題を解決するなら夜逃げより弁護士への相談が効果的

夜逃げして終始ビクビクして生きるくらいなら、夜逃げをする前に一度弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は借金問題解決のプロです。依頼者のために、借金の整理から闇金への対応、債務整理後の生活再建まで様々なサポートを行うことができます。
自己破産で借金をゼロにする、もしくは個人再生などで借金を減額する、といった対処をすることも可能です。

返せそうにない借金があるからといって、夜逃げをする必要はありません。

債務整理で借金を減らせる

債務整理をすることで、借金の減額が期待できます。自己破産で免責が認められれば、合法的に借金をチャラにすることも可能です。また、個人再生が利用できる場合はマイホームを残しつつ、借金の大幅な減額を実現できます。

闇金から借りた借金にも対処してもらえる

弁護士のサポートがあれば、闇金から借りた借金にも対処できます。そもそも違法な闇金から借りた借金については、返済する義務がありません。弁護士が業者と交渉することで、借金地獄から逃れられる可能性があります。

生活再建の相談にも乗ってもらえる

借金を整理した後の生活再建についても、弁護士は力になってくれます。

ワンポイントアドバイス
借金問題に関して、法律のプロである弁護士だからこそできる支援の形があります。

一人で夜逃げを悩むなら、まず弁護士に相談を

もし借金のせいで夜逃げしたいほど苦しい思いをしているのなら、一度弁護士に話を聞いてもらいましょう。

弁護士費用が手元になくても弁護士に相談することは可能

費用が不安だ、という方もいるかもしれませんが、相談料を無料にしてくれる弁護士や、弁護士費用の分割払いに対応してくれる弁護士もたくさんいます。
相談までのハードルは思ったよりも高くありません。
また、「お金がまったくない」という方については、法テラスの民事法律扶助を利用する方法もあります。

債務整理の相談である以上、相談者にお金がないことは弁護士も当然理解しています。
弁護士に相談することで、生活再建を考慮した上で実現可能な借金問題解決のプランを提案してくれるでしょう。

借金問題の解決方法として、夜逃げを選ぶことは少なくともベストな方法ではありません。
弁護士の力を借りれば合法的に借金を減額でき、さらに、借金取りにおびえることなく人生を再スタートできます。
借金の悩みがあるのであれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

債務整理は弁護士に相談を
あなたの借金問題解決を法律のプロがサポート
  • 借入先が複数ある多重債務で返済が苦しい
  • 毎月の返済が利息で消え、借金が減らない
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  • 家族にバレずに債務整理したい
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上記に当てはまるなら弁護士に相談