弁護士広場には、岐阜県内に事務所を構え、または岐阜県の案件に対応する弁護士・法律事務所を掲載しています。注力分野や最寄り駅から、あなたの条件に合う弁護士をお探しください。
岐阜県の弁護士・法律事務所の現状と法律トラブル発生の背景
岐阜県は本州中央部に位置する内陸県で、人口約191万人を擁する全国第17位の県です。北部の飛騨地方(高山・飛騨・郡上・白川郷)と南部の美濃地方(岐阜・大垣・多治見・関・恵那)の二地域に大きく分かれます。飛騨地方は世界遺産・白川郷の合掌造り集落、飛騨高山の城下町・古い町並み、下呂温泉・奥飛騨温泉郷など全国的な観光地として、美濃地方は名古屋経済圏に組み込まれた工業地帯(多治見の美濃焼・関の刃物・各務原の航空宇宙産業)として、それぞれ異なる経済構造を持っています。岐阜市・大垣市・各務原市は中京圏のベッドタウンとしての性格も持ち、JR東海道線・名鉄・東海道新幹線(岐阜羽島)で名古屋と結ばれています。林業(東濃ヒノキ)、岐阜羽島の物流業、長良川・木曽川流域の鵜飼・伝統文化など、独自の産業・文化を持つ県です。ここでは最新の公的統計をもとに、岐阜県の法律事情と弁護士を取り巻く環境を整理します。
岐阜県の弁護士数・法律事務所数
岐阜県は人口規模に対して弁護士数が控えめ

日本弁護士連合会(日弁連)が公表している弁護士会別会員数によると、2026年4月1日現在、岐阜県弁護士会に所属する弁護士は217人。これは単位会としては全国第27位の規模で、人口191万人規模の岐阜県としては相対的に少ない数字です。隣接する愛知県(名古屋)の弁護士事務所への通勤・通学アクセスが容易なため、複雑な案件では名古屋の弁護士に依頼するケースも一般的です。
岐阜県弁護士会の会員数(2026年4月1日現在)
| 項目 |
人数 |
全国比較 |
| 弁護士総数 |
217人 |
単位会で全国第27位 |
| うち女性弁護士 |
34人 |
女性比率15.7% |
岐阜県の女性弁護士比率は全国平均を下回る
岐阜県弁護士会の女性弁護士比率は15.7%で、全国平均(約20.9%)を下回る水準です。離婚・DV・セクハラ・相続など、女性弁護士に相談したい事案では、選択肢が限られる地域です。岐阜市内に女性弁護士が活動する事務所もありますが、名古屋(愛知県)の女性弁護士へのアクセス(JRで20分)を併用するケースも見られます。
岐阜県の人口に対する弁護士充足率
各都道府県の弁護士が足りているか、司法サービスを提供する環境の充足度を示す指標として「人口1万人あたりの弁護士数」という統計があります。
岐阜県の人口は2025年時点で約191万人。これに対し岐阜県弁護士会の弁護士は217人なので、岐阜県の人口1万人あたりの弁護士数は約1.1人となります。これは全国平均(約3.7人)の約3割の水準にとどまり、47都道府県の中でも特に弁護士充足率が低い県の一つです。
ただし、岐阜県は愛知県に隣接しており、岐阜県在住者でも名古屋市内の弁護士に依頼するケースが多いのが実情です。実質的なリーガルサービスへのアクセスは、愛知県の弁護士も含めて評価する必要があります。一方、飛騨地方(高山・飛騨・郡上・白川村)では弁護士事務所が極めて少なく、「司法過疎」が深刻な課題となっています。
岐阜県の人口動向
岐阜県の人口は約191万人で全国第17位の規模です。県庁所在地の岐阜市(人口約40万人)を中心に、大垣市・各務原市・多治見市・関市・恵那市・高山市など中堅都市が県内に分布しています。日本全体で人口減少が進む中、岐阜県も全体としては減少傾向にあります。一方、名古屋圏のベッドタウンである岐阜市・大垣市・各務原市は人口が比較的維持されており、県南部と県北部で人口動向が大きく異なります。
岐阜県の民事法律相談の現状

ここまでは弁護士数・法律事務所数を通じて岐阜県の司法サービスの充実度・環境を見てきました。続いては、飛騨と美濃の二地域構造を持つ岐阜県で、どのような法律トラブルが発生しているのかを統計データから読み解きます。
日本司法支援センター・法テラスが公開している「代理援助事件の事件別内訳(民事法律扶助)」のデータから、近年の岐阜県の法律相談の実態を確認していきましょう。
代理援助・民事法律扶助とは
法テラスのWEBサイトで、「民事法律扶助」とは下記のように説明されています。
民事法律扶助業務とは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です。(総合法律支援法第30条第1項2号)
「代理援助事件の事件別内訳(民事法律扶助)」とは法テラスが実施する無料法律相談を受け、実際に弁護士・司法書士の費用立替えを受けた事案の数を、事件内容別にカウントしたものです。
岐阜県の法テラスにおける代理援助の実施状況
岐阜県の法テラスにおける代理援助では、近年、多重債務事件と家事事件(離婚・相続等)の利用が大きな割合を占めています。全国的にも同様の傾向ですが、岐阜県では特に、美濃焼(多治見・土岐)・関の刃物・美濃和紙など伝統工芸の事業承継、白川郷・飛騨高山の世界遺産関連の権利問題、飛騨牛・東濃ヒノキの林業・畜産業の継承、各務原の航空宇宙産業の労務問題などが特徴的に発生しています。
岐阜県の多重債務事件
法テラスはそもそも、経済的な問題で弁護士へ相談しづらい方への支援サービスという側面があります。そのため、法テラスで対応される事件として、多重債務、債務整理や借金に関するものが多いのは自然なことです。
岐阜県もその例に漏れず、代理援助の利用数では多重債務事件が多くを占めます。物価高・非正規雇用の増加、コロナ禍以降の家計悪化など複合的な要因により、自己破産・個人再生のニーズは継続的に発生しています。観光業(飛騨高山・白川郷・下呂温泉)の景気変動による収入変動も家計悪化の要因となります。
岐阜県の家事事件と伝統工芸・観光業の継承
法テラスの代理援助立替基準によると、家事事件とは、
と定義されており、離婚・相続といった家庭にまつわる事件を指す項目とされています。
厚生労働省の人口動態統計によると、岐阜県の離婚件数は近年、年間3千件前後で推移しています。協議離婚で解決できないケースでは、財産分与・親権・養育費などをめぐって調停・審判に発展することも少なくなく、離婚問題に関する弁護士相談のニーズは一定数存在します。
また、相続問題については、岐阜県ならではの特殊事情があります。美濃焼(多治見・土岐の窯元)・関の刃物・美濃和紙・飛騨春慶塗・郡上紬など伝統工芸の事業承継、白川郷の合掌造り家屋(世界遺産)の権利関係、飛騨高山の老舗旅館の事業承継、東濃ヒノキの林業継承、飛騨牛の畜産業継承、長良川の鵜飼漁の権利継承など、地域特性に応じた多様な案件が発生しています。とくに白川郷の合掌造り家屋は世界遺産として保存と相続の両立が複雑で、専門性の高い弁護士の関与が重要です。
岐阜県の交通事故発生数
岐阜県は山岳道路と東名高速の事故が課題

自動車の運転は、私たちの日常生活の中で最も法律の問題にぶつかりやすい行動のひとつです。岐阜県の民事事件の発生状況に続いては、県内における交通事故の発生状況を見てみましょう。
警察庁の交通事故統計によると、岐阜県の道路交通事故の発生件数は近年、年間4千件前後で推移しています。東海北陸自動車道・東海環状自動車道・名神高速道路・中央自動車道・国道19号線・国道21号線など主要幹線道路の交通量が多く、これが事故発生リスクを高めています。
東海北陸自動車道の山岳区間は、急なカーブ・トンネル区間・冬季の積雪事故が多発する区間として知られています。飛騨高山・白川郷など観光地周辺では、観光バス事故・レンタカー事故・外国人ドライバーの事故も発生します。
岐阜県の地域固有の交通特性
岐阜県では、飛騨地方の冬季豪雪事故(東海北陸道のホワイトアウト)、美濃地方の名神・東名・中央道の通過交通事故、白川郷・飛騨高山の観光バス事故、奥飛騨の山岳道路事故など、地域特性に応じた事故リスクがあります。被害者側が保険会社から提示される示談金は、いわゆる「任意保険基準」で算定されることが多く、弁護士に依頼して「弁護士基準(裁判基準)」で交渉することで賠償金額が大きく増額するケースは少なくありません。多くの自動車保険には弁護士費用特約が付帯しており、自己負担なく依頼できる場合もあります。
岐阜県の犯罪・刑事事件
岐阜県の刑事事件発生数

民事事件・交通事故に続いては、よりダイレクトに法律へ触れる行為、岐阜県の犯罪・刑事事件の発生状況を見ていきましょう。
警察庁の犯罪統計によると、近年の岐阜県の刑法犯認知件数は年間6千件前後で推移しています。コロナ禍以降、特殊詐欺・サイバー犯罪・SNS関連犯罪などが増加傾向にあり、犯罪の質的変化が見られる点も特徴です。
岐阜県は観光地での窃盗・特殊詐欺被害への対応も重要
岐阜県の刑法犯のうち、依然として最も多くを占めるのは窃盗事件です。世界遺産・白川郷、飛騨高山などの観光地が多い岐阜県では、観光客を狙ったスリ・置き引き、不在中の住宅を狙った侵入窃盗が特徴的です。一方で、近年は特殊詐欺やサイバー犯罪、SNSを介した投資詐欺・ロマンス詐欺などの「知能犯」が増加傾向にあります。被害者・加害者いずれの立場でも、事件に巻き込まれた際には早期の弁護士相談が重要です。
岐阜県の法的問題解決・リーガルサービスの現状と課題
ここまで、岐阜県の弁護士・法律事務所の現状と法律トラブル発生の背景を、最新の統計情報を元に見てきました。
飛騨と美濃の二地域・世界遺産・伝統工芸を持つ岐阜ならではの法律ニーズ

岐阜県は、北部の飛騨地方(白川郷世界遺産・飛騨高山・下呂温泉)と南部の美濃地方(美濃焼・関の刃物・各務原航空宇宙産業)の二地域構造、東濃ヒノキの林業、飛騨牛の畜産業、長良川鵜飼の伝統文化という多面性を持つ独特な県です。それぞれの分野で異なる法律ニーズが発生し、伝統工芸の企業法務・知的財産・継承、世界遺産・観光地の権利関係、林業・畜産業の事業承継、各務原航空宇宙産業の労働問題、温泉旅館の継承など、地域特性に応じた専門性が求められます。
とくに白川郷の合掌造り集落は世界遺産として保存と現代生活の両立が課題で、家屋の相続・売買・改修など独特の法律問題が発生します。美濃焼(多治見・土岐の窯元)の事業承継、関の刃物の知的財産・国際取引、長良川鵜飼の伝統的権利継承など、岐阜県ならではの法律相談分野が存在します。
岐阜県の法的トラブルの傾向
岐阜県では、車社会・山岳地帯としての性格から交通事故関連の法律相談が多く、また飛騨と美濃の地域特性を反映した相続・事業承継関連の相談が継続的に発生します。地方経済の停滞による多重債務、観光業の繁閑差による経済的トラブル、特殊詐欺被害なども継続しています。
人口1万人あたりの弁護士数は全国平均を大きく下回りますが、隣接する愛知県(名古屋)の弁護士へのアクセスも考慮すれば、リーガルサービス自体は十分に受けられる環境にあると言えるでしょう。一方、飛騨地方の司法過疎は今後も継続的な課題です。
相談したい分野に強い弁護士・法律事務所を見極める
相談者の立場で考えると、自分の悩みに合う、相談したい分野に強い弁護士・法律事務所かどうかが弁護士選びにおいてとても重要な要素となります。
刑事事件はもちろん、離婚や遺産相続、債務整理であれ、人が法律の壁にぶつかる時というのは、その人の人生を左右するような重要なタイミングであることが多いです。人生の一大事への対応を預ける以上、弁護士を自らの吟味なしに選ぶことは得策とは言えません。自分の相談したい内容・分野に強く、自分が置かれている状況を遠慮なく相談できる、信頼のおける弁護士に依頼するのが理想です。
弁護士にも、人によって得意な分野・不得手な分野がある
弁護士は、司法試験を通過したという一点では誰でも同じですが、弁護士としての実務能力は、各人のキャリア経験・性格や考え方により、一人ひとりまったく異なります。通常、債務整理を多く扱っている弁護士が、離婚問題の解決にも強いとは限りません。弁護士ごとに得意な分野もあれば不得手な分野があるのです。
岐阜県での法律に関する悩みは、内容にあった弁護士に相談を
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