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任意整理の流れと期間|手続きの始め方を解説

この記事で分かること

  • 任意整理が借金を減らせる仕組みと、自己破産・個人再生との基本的な違い
  • 依頼から和解成立までの具体的な6ステップと、各段階で何が行われるか
  • 受任通知によって督促や取り立てがいつ止まるのかという仕組み
  • 手続き開始から完了までにかかるおおよその期間の目安
  • 任意整理にかかる費用の内訳と、減額報酬の上限など費用の相場感
  • 和解後の返済方法と、完済までにかかる期間の考え方
  • 手続きを始める前に準備しておくべき書類や心構え

任意整理は、裁判所を通さず弁護士などが債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長を取りつける手続きです。依頼するとまず受任通知で督促が止まり、その後の和解で毎月の負担を軽くできます。和解後は原則3〜5年で完済を目指します。この記事では依頼から完済までの流れ・期間・費用の相場を順に整理します。

債務整理に強い弁護士を探す

「毎月の返済が苦しい」「借金を整理したいけれど、何から手をつければいいのかわからない」。そう感じている方にとって、もっとも現実的な選択肢のひとつが任意整理です。とはいえ、手続きの流れがイメージできないと、なかなか一歩を踏み出せませんよね。

この記事では、任意整理を依頼してから完済するまでの流れを、順を追ってわかりやすく解説します。受任通知で取り立てが止まる仕組みや、手続きにかかる期間・費用の相場まで、弁護士の視点で整理していきます。読み終えるころには、自分が次に何をすればよいかがはっきり見えているはずです。

難しい専門用語はできるだけかみくだいて説明しますので、債務整理がはじめての方も安心して読み進めてください。

任意整理とは?まず仕組みを正しく理解しよう

任意整理とは、裁判所を通さずに、弁護士や司法書士が代理人となって債権者(貸金業者やクレジットカード会社など)と直接交渉し、返済の負担を軽くしてもらう手続きです。

債務整理にはいくつかの種類がありますが、そのなかでもっとも利用件数が多く、生活への影響が小さいのが任意整理だと考えてください。

任意整理で軽くなる「将来利息」とは

任意整理の中心は、これから先に発生する利息、つまり将来利息のカットです。借金がふくらむ大きな原因は、元金になかなか手が届かず、利息ばかりを払い続けてしまうことにあります。将来利息がなくなれば、毎月の支払いがそのまま元金の返済に回るため、完済までの道筋がぐっと見通しやすくなります。

さらに、返済期間を3年から5年程度に延ばす交渉も同時に行います。元金そのものが大きく減るわけではありませんが、利息が止まり、返済期間が延びることで、毎月の負担は無理のない金額まで下げられるケースが少なくありません。

ワンポイントアドバイス
任意整理は「借金がゼロになる手続き」ではありません。あくまで利息を止めて返しやすくする手続きです。元金を大幅に減らしたい、あるいは返済そのものが難しいという場合は、個人再生や自己破産も含めて検討する必要があります。

自己破産・個人再生との違い

債務整理には任意整理のほかに、個人再生と自己破産があります。それぞれ効果と影響が大きく異なります。下の表で、ざっくりとした違いをつかんでおきましょう。

手続き 主な効果 裁判所 財産・保証人への影響
任意整理 将来利息のカット・返済期間の延長 使わない 対象を選べるため影響を抑えやすい
個人再生 元金を大幅に圧縮(おおむね5分の1程度) 使う 原則すべての債権者が対象
自己破産 借金の支払い義務が原則ゼロになる 使う 一定の財産を手放す・資格制限あり

このように、任意整理は手続きの対象とする借金を選べるという大きな特徴があります。たとえば、保証人がついている借金や、自動車ローンを外して交渉することも可能です。家族や職場に知られにくく、財産を手放す必要もないため、生活を維持しながら借金を整理したい方に向いています。

逆にいえば、安定した収入があってこそ選べる手続きでもあるため、まずは自分の家計でこの先も返済を続けられそうかを冷静に見つめることが出発点になります。

任意整理が向いている人・向かない人

任意整理は、安定した収入があり、利息さえカットできれば3〜5年ほどで完済できる見込みのある方に向いています。たとえば、毎月の返済そのものは続けられるけれど、利息のせいで元金がなかなか減らずに苦しい、というケースは任意整理の典型例です。

一方で、収入が不安定で返済の見通しが立たない場合や、借金の総額が大きすぎて利息を止めても返しきれない場合には、個人再生や自己破産のほうが適していることもあります。自分がどちらに当てはまるのかを、まずは専門家に相談して見極めましょう。

手続きごとのメリットとデメリットをもう少し詳しく知りたい方は、こちらもあわせて確認してください。

任意整理の手続きの流れ【全6ステップ】

ここからが本題です。任意整理は、おおまかに6つのステップで進みます。全体像を先につかんでおくと、いま自分がどの段階にいるのかが分かり、不安が和らぎます。

  1. 法律事務所への相談・依頼:借入先・残額・毎月の返済額などを伝え、任意整理が適しているかを判断してもらいます。多くの事務所が無料相談に対応しています。
  2. 受任通知の送付:依頼を受けた弁護士などが、各債権者へ受任通知(介入通知)を送ります。これにより督促や取り立てが止まります。
  3. 取引履歴の取り寄せ・引き直し計算:債権者から過去の取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づいて正確な残額を計算し直します。過払い金が見つかることもあります。
  4. 返済計画(和解案)の作成:確定した残額と、あなたの収入や生活費をふまえて、無理なく返せる返済計画を組み立てます。
  5. 債権者との和解交渉:将来利息のカットや返済期間について、債権者と交渉します。合意できれば和解契約を結びます。
  6. 和解にもとづく返済の開始:和解した内容に従って、原則3〜5年かけて返済し、完済を目指します。

引き直し計算で過払い金が見つかることも

ステップ3の引き直し計算は、見落とせない大事な工程です。かつて利息制限法の上限を超えるグレーゾーン金利で取引していた場合、払いすぎた利息、いわゆる過払い金が見つかることがあります。過払い金があれば、それを借金の元金と相殺でき、場合によっては手元にお金が戻ってくることもあります。

長年にわたって借入と返済を繰り返してきた方ほど、一度確認しておく価値があります。とくに、2010年より前から同じ業者と取引を続けてきたような場合は、過払い金が発生している可能性があります。

受任から和解までは代理人が窓口になる

ステップ2以降は、債権者とのやり取りをすべて代理人が引き受けます。あなた自身が業者と直接話す必要はなくなり、督促の電話に出ずにすむようになります。精神的な負担が一気に軽くなったと感じる方が多いのは、この段階です。

鳴り止まなかった電話や、ポストに届く督促状におびえる毎日から解放されるだけでも、冷静に今後を考える余裕が生まれます。

この段階で確認しておきたいこと
和解案を作る前に、毎月いくらまでなら無理なく返せるかを正直に整理しておきましょう。背伸びした返済計画は、後で再び滞納を招く原因になります。家計の実態に合った金額を代理人に伝えることが、成功の第一歩です。

弁護士・司法書士に依頼してから完了までの期間

任意整理にかかる期間は、依頼から和解成立までで、おおむね3か月から6か月程度が目安です。ただし、債権者の数や交渉の難しさによって前後します。和解後はそこから数年かけて返済していくため、完済までを含めると数年単位の取り組みになると考えてください。

段階 おおよその期間 主な内容
相談〜受任通知 数日〜2週間 方針決定・受任通知の送付で督促が止まる
取引履歴の取り寄せ 1〜2か月 履歴開示・引き直し計算で残額確定
和解交渉 1〜3か月 債権者ごとに条件を交渉・合意
和解後の返済 原則3〜5年 和解内容に沿って完済を目指す

「思ったより時間がかかる」と感じたかもしれません。けれども、受任通知を送った時点で督促はすでに止まっています。返済を一時的にストップして家計を立て直しながら、落ち着いて交渉を進められる点は、任意整理の大きな安心材料です。

期間が長引きやすいケース

債権者の数が多い場合や、過去の取引履歴の開示に時間がかかる場合、あるいは業者が強硬な姿勢を崩さない場合には、和解までの期間が長引くことがあります。とはいえ、その間も督促が再開することはありません。焦らずに代理人へ任せておけば大丈夫です。

もし手続きの途中で返済が難しくなりそうなときの対応については、次の記事も参考になります。

任意整理を始める前に準備しておきたいこと

相談をスムーズに進めるために、事前に整理しておくとよい情報があります。完璧にそろえる必要はありませんが、手元にあるものだけでもまとめておくと、初回相談での話が早く進みます。

  • 借入先の一覧(貸金業者名・クレジットカード会社名)
  • それぞれの借入残高と、毎月の返済額
  • 借入を始めたおおよその時期
  • 収入がわかるもの(給与明細など)と、毎月の生活費の概算
  • 督促状や請求書など、債権者から届いている書類

こうした情報がそろっていると、どの借金を任意整理の対象にするか、返済計画をどう組むかといった検討がスムーズになります。借入先がうろ覚えでも、信用情報を開示すれば借入状況を確認できますので、その点は心配いりません。

どの借金を対象にするか考えておく

任意整理は対象を選べる手続きなので、すべての借金を必ず入れなければならないわけではありません。たとえば、保証人に迷惑をかけたくない借金や、手元に残したい自動車のローンは、あえて対象から外すという判断もできます。気になる点があれば、相談の段階で代理人に伝えておきましょう。

受任通知で督促・取り立てが止まる理由

任意整理を依頼して最初に実感できる効果が、督促や取り立てが止まることです。これは気休めではなく、法律にもとづいた効果です。

貸金業法では、弁護士や司法書士から受任通知を受け取った貸金業者は、原則として債務者本人へ直接、支払いを請求してはならないと定められています。違反すれば行政処分の対象になり得るため、業者は通知を受け取った時点で督促を止めるのが通常です。

これは正規の貸金業者であれば必ず守るべきルールであり、通知が届いたあとも執拗に取り立てを続ける業者がいれば、それ自体が問題のある対応だといえます。

補足
督促が止まるのは、あくまで受任通知が債権者に届いた後です。依頼してから通知が各社に行き渡るまでには数日かかることがあります。その間に届いた請求については、自己判断で対応せず、まず代理人に相談しましょう。

督促が止まっている間に家計を立て直す

受任通知後は、和解が成立して返済を再開するまでのあいだ、いったん返済をストップできるのが一般的です。この期間を使って、滞っていた家賃や光熱費を整えたり、生活費の見直しをしたりと、家計の土台を立て直しておくとよいでしょう。

和解後の返済を無理なく続けるための、大切な準備期間になります。具体的には、滞納していた税金や公共料金を優先して片づけたり、固定費を見直して毎月の支出を下げたりしておくと、返済が始まってからの家計運営がぐっと楽になります。

任意整理にかかる費用の内訳と相場

気になるのが費用ですよね。任意整理の費用は、大きく着手金と報酬金に分かれます。事務所によって金額の設定は異なりますが、費用の考え方そのものは共通しています。

費用の種類 内容
着手金 手続きを始めるときに支払う費用。対象とする債権者1社ごとに設定されるのが一般的
報酬金(解決報酬金) 和解が成立したときに支払う成功報酬。こちらも1社ごとに設定されることが多い
減額報酬金 交渉で借金が減った場合に、減額分に応じて発生する報酬

費用の上限については、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会が指針を定めています。たとえば減額報酬金は、減額できた金額の一定割合(おおむね1割程度)が上限の目安とされています。依頼前には必ず見積もりを取り、着手金・報酬金・減額報酬の合計がいくらになるのかを確認しておきましょう。

費用は分割で支払えることが多い

まとまった費用を一度に用意できないという方も多いはずです。実際には、着手金や報酬金を分割で支払える事務所がほとんどです。受任通知によって督促が止まり、返済が一時的にストップしている期間を利用して、毎月少しずつ費用を積み立てていく形が一般的です。

そのため、いま手元にお金がないことを理由に、相談をあきらめる必要はありません。

注意
「費用が払えないから相談できない」と感じる必要はありません。多くの事務所では、費用を分割で支払える仕組みを用意しています。受任通知で督促が止まり返済が一時的にストップする期間に、費用を積み立てていく形が一般的です。

費用の内訳や相場をもう少しくわしく知りたい方は、こちらもご覧ください。

ここまで読んで、自分の場合は借金がどのくらい減らせそうか、気になってきた方も多いのではないでしょうか。下の無料診断なら、いくつかの項目を入力するだけで減額の目安を確認できます。手続きを決める前の判断材料として、まずは気軽に試してみてください。

借金減額シミュレーター

100万円
3万円
3年

任意整理後の月々の返済額目安

2万円

毎月の減額 -1万円
総返済額の削減目安 約20万円

※ 簡易計算です。任意整理は弁護士・司法書士が交渉し将来利息のカット等を行うもので、実際の減額幅は借入先・返済状況により異なります。個人再生・自己破産では更に大きな減額が可能な場合があります。

和解後の返済と完済までの流れ

和解が成立すると、いよいよ返済のスタートです。将来利息がカットされ、返済期間が組み直された新しい条件のもとで、毎月一定額を返していきます。期間は原則として3年から5年が一つの目安です。

返済を滞らせないための工夫

せっかく和解しても、その後の返済を再び滞らせてしまうと、和解が解除され、残額を一括で請求されるおそれがあります。そうならないために、口座振替を活用する、ボーナス払いに頼りすぎない、返済日を給料日の直後に設定するといった工夫が有効です。

生活のリズムに無理なく組み込むことが、完済への近道になります。もし途中でボーナスが減ったり出費が重なったりして返済が厳しくなりそうなときは、自己判断で滞納する前に代理人へ連絡しましょう。早い段階であれば、返済日の調整など柔軟に対応できる場合があります。

完済後に信用情報はどうなる

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリストの状態になります。この情報は、完済してから一定期間が経過すると削除され、その後は新たにローンやクレジットカードの審査を受けられるようになります。

つまり、ブラックの状態が一生続くわけではなく、きちんと完済すれば、いずれ元どおりの信用を取り戻せるということです。登録される期間や、その間の生活への影響については、次の記事で具体的に解説しています。

期間の目安はおおむね5年程度とされますが、完済の事実がきちんと反映されているかを、あとから信用情報の開示請求で確認しておくと安心です。

任意整理の具体例|返済額はどれくらい変わる?

言葉だけではイメージしづらいので、モデルケースで考えてみましょう。あくまで一例ですが、任意整理によって毎月の返済額がどう変わるのかを数字で見ると、ぐっと分かりやすくなります。

たとえば、5社から合計300万円を借り入れ、年15%前後の利息を払いながら、毎月8万円ほどを返済しているAさんを想定します。利息の負担が重く、返しても返しても元金がなかなか減らない、という典型的な状況です。

項目 任意整理前 任意整理後(一例)
借入残高 約300万円 約300万円(元金は基本的に変わらない)
将来利息 年15%前後が発生 原則カット(0%)
返済期間 利息込みで長期化しやすい おおむね3〜5年(約60回)に設定
毎月の返済額 約8万円 約5万円前後まで下がるケースも

ここで大切なのは、元金そのものは原則として減らないという点です。任意整理が軽くするのはあくまで利息であって、借りたお金がなくなるわけではありません。それでも、利息が止まって返済が元金に集中することで、完済までの総支払額は大きく抑えられます。

毎月の返済額が下がれば家計に余裕が生まれ、滞納に追われる生活から抜け出すきっかけにもなります。

利息がカットされる効果を数字で見る

仮に300万円の借金に年15%の利息がつき続けると、返済が長引くほど利息の総額はふくらみ、場合によっては数十万円から百万円単位の差になることもあります。将来利息のカットは、この払わなくてよくなる金額を生み出す効果だと考えてください。

毎月の家計だけでなく、完済までのトータルで見ると、その恩恵の大きさが実感できるはずです。

返済期間を延ばすと月々はこう変わる

同じ元金でも、返済期間を3年で組むか5年で組むかによって、毎月の返済額は変わります。期間を長くすれば月々の負担は軽くなりますが、その分だけ返済を続ける期間も長くなります。家計に無理のない範囲で、できるだけ短い期間に設定するのが、完済を早めるコツです。

代理人と相談しながら、自分の生活に合ったバランスを見つけましょう。

任意整理は自分でできる?専門家に依頼すべき理由

費用を抑えたいから自分で任意整理できないだろうか、と考える方もいるかもしれません。結論からいうと、法律上は本人が直接、債権者と交渉することも不可能ではありません。ただし現実にはいくつものハードルがあり、専門家に依頼するのが一般的です。

比較項目 自分で行う場合 専門家に依頼する場合
督促の停止 受任通知を出せず、督促が続く 受任通知ですぐに督促が止まる
交渉力 業者が応じにくく、条件も不利になりがち 交渉実績をふまえて有利に進めやすい
手間・時間 履歴の取り寄せや計算をすべて自分で行う 煩雑な手続きをまとめて任せられる

自分で行う場合の流れと難しさ

自分で進める場合も、取引履歴を取り寄せ、引き直し計算をして、各社と返済条件を交渉するという流れ自体は変わりません。しかし、本人からの連絡では督促が止まらないため、交渉中も請求に追われ続けます。

また、業者は専門家が相手のほうが交渉に応じやすい傾向があり、本人だけでは将来利息のカットに合意してもらえないことも珍しくありません。

専門家に依頼する3つのメリット

専門家に任せる最大のメリットは、受任通知によって督促がすぐに止まることです。これだけでも、精神的な余裕はまったく違ってきます。加えて、債権者ごとの交渉の勘どころを押さえているため、より有利な条件を引き出しやすく、面倒な書類のやり取りもすべて代わりに行ってくれます。

費用はかかりますが、その分の価値は十分にあると考えてよいでしょう。誰に相談すべきか迷っている方は、こうした点も判断材料にしてみてください。

任意整理で後悔しないための注意点

任意整理を成功させ、後で困らないために、押さえておきたい注意点がいくつかあります。どれも難しいことではありませんが、知らずに進めると和解後のトラブルにつながりかねません。

手続き中に新たな借入をしない

受任通知を送ってから和解が成立するまでの間に、新しく借入をするのは避けてください。信用情報に事故情報が登録されている状態で借入を申し込むと、審査に通りにくいだけでなく、整理の対象が増えて手続きが複雑になります。

返済が苦しいときは、追加の借入ではなく、まず代理人に相談するのが鉄則です。

対象から外した借金は今までどおり払う

任意整理は対象を選べる手続きですが、外した借金については、これまでどおり返済を続ける必要があります。たとえば保証人付きの借金や自動車ローンを対象から外した場合、その支払いを止めてしまうと、保証人に請求が行ったり、車を引き上げられたりするおそれがあります。

どの借金を対象にし、どれを外すのかは、影響をよく確認したうえで決めましょう。

財産や収入について正直に伝える

返済計画は、あなたの収入や生活費をもとに組み立てます。ここで実態と異なる情報を伝えると、無理な計画になって後で行き詰まる原因になります。専門家はあなたの味方です。

家計の苦しい部分も含めて、ありのままを正直に話すことが、結果的に自分を守ることにつながります。

返済が再び苦しくなったら早めに相談する

和解後にリストラや減収などで返済が苦しくなることもあります。そんなときに最もやってはいけないのが、連絡を絶って滞納を放置することです。早めに代理人へ相談すれば、返済条件の見直しや、個人再生・自己破産への切り替えなど、打てる手はまだ残されています。

ひとりで抱え込まず、状況が変わった時点で声を上げることが、生活を守る何よりの近道です。

任意整理の流れに関するよくある質問

家族に知られずに手続きできますか?

任意整理は裁判所を通さず、官報にも載らないため、家族に知られずに進めやすい手続きです。代理人とのやり取りを携帯電話やメールに限定したり、書類の郵送先を工夫したりすることで、同居の家族に気づかれるリスクをさらに抑えられます。気になる場合は、相談の段階でその旨を伝えておきましょう。

手続き中に新しく借り入れはできますか?

任意整理の手続き中、そして完済後しばらくの間は、信用情報に事故情報が登録されているため、新たな借り入れやクレジットカードの利用は難しくなります。手続き中に安易に借入を増やすと、せっかくの整理が台無しになりかねません。

返済が苦しいときは、追加の借入ではなく、まず代理人に相談してください。

収入が少なくても任意整理はできますか?

任意整理は、和解後に返済を続けられることが前提の手続きです。そのため、まったく返済の見込みが立たない場合には、任意整理ではなく個人再生や自己破産が適していることもあります。どの手続きが向いているかは、収入と借金のバランスによって変わります。

たとえば、家計を切り詰めても毎月の返済に回せるお金がほとんど残らないようであれば、利息のカットだけでは解決が難しく、元金そのものを圧縮できる手続きを検討したほうがよいでしょう。利用できる条件については、こちらを参考にしてください。

途中で別の手続きに切り替えられますか?

はい、可能です。任意整理を進めるなかで、想定より借金が大きいことが分かったり、収入が下がったりした場合には、個人再生や自己破産へ方針を切り替えることもあります。状況に応じて最適な方法を選び直せるのも、専門家に依頼するメリットです。

手続きの流れが気になる方は、個人再生についても確認しておくとよいでしょう。

任意整理をすると会社にバレますか?

任意整理は裁判所を使わず、官報にも掲載されないため、会社に知られる可能性は低い手続きです。勤務先に連絡が行くこともありません。ただし、すでに給料を差し押さえられている状態を放置していたり、社内貸付を任意整理の対象にしたりすると、会社が関わることになります。

心配な事情がある場合は、相談のときに伝えておくと安心です。

任意整理の後、住宅ローンは組めますか?

任意整理をすると信用情報に事故情報が登録されるため、その期間中は住宅ローンの審査に通るのは難しくなります。ただし、これは一生続くものではありません。完済後、登録期間が過ぎて事故情報が消えれば、改めて審査を受けられるようになります。

将来マイホームを考えている方も、まずは目の前の借金を整理し、計画的に信用を回復させていくことが大切です。

和解後に返済が一度でも遅れたらどうなりますか?

和解契約には、原則として2回分の支払いを怠ると残額を一括で支払う、といった条項が入るのが一般的です。これを期限の利益の喪失といいます。うっかりの遅れがただちに一括請求につながるわけではありませんが、滞納が続けば残りを一度に請求されるおそれがあります。

返済が難しくなりそうなときは、放置せず、早めに代理人へ連絡してください。状況によっては条件の見直しを相談できることもあります。

任意整理中にカードが使えなくなったら生活はどうすればいいですか?

クレジットカードが使えなくなっても、デビットカードやプリペイドカード、口座振替を使えば、公共料金の支払いや日常の買い物は問題なく続けられます。スマートフォンの料金も、端末代金を分割払いにしなければ契約を維持できます。カードが使えない期間は一時的なものです。

現金とデビットカードを中心とした家計に切り替える、よい機会だととらえてみてください。

任意整理をすれば誰でも必ず減額できますか?

必ずしもそうとは限りません。任意整理で軽くできるのは主に将来利息であり、もともと利息の負担が小さい借金や、すでに利息が低く設定されている借金では、減額の効果が限定的なこともあります。また、和解に応じるかどうかは最終的に債権者の判断にもよります。

とはいえ、多くのケースで将来利息のカットには応じてもらえるのが実情です。自分の借金でどの程度の効果が見込めるかは、引き直し計算をしたうえで代理人が見通しを示してくれます。

一度始めた任意整理を途中でやめることはできますか?

和解が成立する前であれば、方針を変更すること自体は可能です。ただし、すでに支払った着手金が戻らない場合があるほか、督促が再開する点には注意が必要です。

状況が変わって返済の見通しが立たなくなったときは、やめるという選択ではなく、個人再生や自己破産といった別の手続きへ切り替える方向で、代理人と相談するのが現実的です。

ここまで、任意整理の流れを依頼から完済まで順番に見てきました。ポイントは、受任通知で督促が止まること、和解までは数か月・完済までは数年という時間感覚を持っておくこと、そして無理のない返済計画を立てることの3つです。借金の悩みは、抱え込むほど解決が遠のいてしまいます。

少しでも返済が苦しいと感じたら、できるだけ早い段階で専門家に相談することをおすすめします。早く動くほど、選べる選択肢は多く残されています。受任通知ひとつで督促が止まり、久しぶりにぐっすり眠れたという方も少なくありません。

まずは無料相談を利用して、自分の状況を客観的に整理することから始めてみてください。専門家と一緒に道筋を描ければ、いま抱えている不安の多くは、きっと軽くなっていくはずです。

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※ 簡易計算です。任意整理は弁護士・司法書士が交渉し将来利息のカット等を行うもので、実際の減額幅は借入先・返済状況により異なります。個人再生・自己破産では更に大きな減額が可能な場合があります。

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