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個人再生の流れと必要書類|手続きの進め方

この記事で分かること

  • 個人再生が元金を大幅に圧縮し原則3年で返済していく手続きである理由
  • 依頼から受任通知・申立て・認可・返済開始までの全体8ステップの流れ
  • 申立て・収入・財産・家計の4種類に分かれる必要書類の中身と集め方
  • 最低弁済額と清算価値を比べて返済額が決まる清算価値保障の考え方
  • 個人再生委員が選ばれる場合や認可後に返済を怠ったときの取り扱い
  • 着手金や報酬と裁判所の実費に分かれる手続き費用の基本的な考え方
  • 書類の準備を早く進めるなど手続きをスムーズに運ぶためのポイント

個人再生は、裁判所を通じて借金の元金を大きく減らし、減額後の金額を原則3年で返していく手続きです。依頼から受任通知、書類集め、申立て、再生計画の認可、返済開始という流れで進みます。返済額は最低弁済額と清算価値を比べて決まります。この記事で全体の流れと必要書類、費用の考え方までまとめて整理します。

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「借金が大きすぎて、利息を止めるだけでは返しきれない」「でも、持ち家だけはなんとか守りたい」。そんな状況にある方にとって、有力な選択肢となるのが個人再生です。とはいえ、裁判所を使う手続きと聞くと、なんだか難しそう、書類をそろえるのも大変そう、と身構えてしまいますよね。

何から手をつければいいのか分からず、立ち止まっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、個人再生の手続きが依頼から完了までどのように進んでいくのかを、流れに沿ってわかりやすく解説します。あわせて、手続きに必要な書類の種類や集め方、各段階で何が行われるのかまで、弁護士の視点で丁寧に整理していきます。

読み終えるころには、個人再生の全体像がつかめ、自分が次に何を準備すればよいかがはっきり見えているはずです。専門用語はできるだけかみくだいて説明しますので、はじめての方も安心して読み進めてください。漠然とした不安の多くは、手続きの中身が見えないことから生まれます。

流れと書類を知るだけでも、気持ちはずいぶん軽くなるはずです。

個人再生とはどんな手続き?まず全体像をつかもう

個人再生とは、裁判所に申し立てて、借金の元金そのものを大幅に減らしてもらい、減った後の金額を原則3年程度で分割返済していく手続きです。任意整理が利息をカットするだけなのに対し、個人再生では元金を大きく圧縮できるのが最大の特徴です。

借金の総額にもよりますが、おおむね5分の1程度にまで減らせる可能性があります。もちろん、どれだけ減るかは状況によって異なりますが、利息だけを止める手続きとは圧縮の規模が大きく違います。

もう一つの大きな特徴が、住宅を残したまま手続きを進められる制度があることです。住宅ローンを抱えている方でも、一定の条件を満たせば、家を手放さずに他の借金だけを整理できます。これは、財産を処分する自己破産にはない、個人再生ならではの強みです。

マイホームを守りながら生活を立て直したいという方にとって、個人再生はまさにうってつけの制度といえるでしょう。

ただし、どこまで減らせるかは借金の総額や持っている財産によって変わり、誰でも一律に5分の1になるわけではありません。法律上、最低限これだけは返さなければならないという基準が定められており、その範囲のなかで減額幅が決まっていきます。

この仕組みについては、後ほど返済額の決まり方のところで詳しく説明します。まずは、元金そのものを大きく減らせる可能性がある手続きなのだと押さえておいてください。

任意整理・自己破産との違い

債務整理には個人再生のほかに任意整理と自己破産があります。それぞれの違いを押さえておくと、なぜ個人再生を選ぶのかがはっきりします。下の表で全体像を確認しておきましょう。

手続き 主な効果 裁判所 住宅・財産
任意整理 将来利息のカット 使わない 影響を抑えやすい
個人再生 元金を大幅に圧縮(おおむね5分の1程度) 使う 住宅を残せる制度がある
自己破産 支払い義務が原則ゼロ 使う 一定の財産を手放す

このように、個人再生は「元金を大きく減らしたいけれど、自己破産は避けたい」「家を守りたい」という方に向いた、いわば中間的な手続きだといえます。任意整理では追いつかず、かといって自己破産までは踏み切れない。そんなケースに、個人再生はちょうどはまることが多いのです。

とくに、安定した収入はあるものの借金の総額が大きく、利息のカットだけでは完済の見通しが立たないという方には、有力な選択肢になります。

小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つが小規模個人再生、もう一つが給与所得者等再生です。小規模個人再生は、おもに自営業者や個人事業主を念頭に置いた手続きですが、要件を満たせば会社員でも利用でき、実際にはこちらが多く使われています。

給与所得者等再生は、収入が安定したサラリーマンなどが対象で、債権者の同意が不要という特徴があります。どちらを選ぶかによって、返済額の決まり方や、債権者の反対があったときの扱いが変わってきます。

一般には返済額を抑えやすい小規模個人再生がまず検討され、債権者の反対が見込まれるなど事情がある場合に給与所得者等再生が選ばれる、という整理になります。自分のケースでどちらが適しているかは、専門家が収入や債権者の状況を見て判断してくれます。

個人再生の手続きの流れ【全体の8ステップ】

ここからが本題です。個人再生は、依頼から完了まで、おおよそ次のような流れで進んでいきます。一つずつ見ていけば、決して理解できないものではありません。

各段階で何が起きるのかを順番に追っていけば、自然と全体像が見えてきます。まずは全体の流れをつかんでおきましょう。

  1. 弁護士・司法書士に相談し、依頼する
  2. 受任通知の送付で督促が止まり、借金の調査を行う
  3. 必要書類を集め、申立ての準備をする
  4. 裁判所へ個人再生を申し立てる
  5. 再生手続開始の決定が出る
  6. 債権額の確定と財産の調査が行われる
  7. 再生計画案を作成し、裁判所へ提出する
  8. 再生計画が認可され、計画にもとづいて返済を始める

全体としては、申立ての準備に数か月、申立てから認可まで数か月かかり、トータルでおおむね半年から1年程度を見込んでおくとよいでしょう。期間が長く感じるかもしれませんが、その間も受任通知によって督促は止まっているため、落ち着いて手続きを進められます。

督促のプレッシャーから解放されるだけでも、気持ちはずいぶん楽になるはずです。一つひとつの段階を見ると専門的に思えるかもしれませんが、実際に申立人が動くのは主に書類を集める場面で、裁判所とのやりとりや計画案の作成といった難しい部分は専門家が担ってくれます。

全体の地図を頭に入れておけば、いま自分がどのあたりにいるのかが分かり、見通しを持って進められます。

受任通知で督促が止まる

専門家に依頼すると、まず債権者に対して受任通知が送られます。この通知が届くと、債権者からの直接の督促や取り立てが止まり、返済もいったんストップします。借金の返済と督促に追われていた生活から、ひとまず解放されるのです。

この止まっている期間に、腰を据えて書類の準備を進めていくことになります。あわせて、専門家が各債権者に取引の履歴を開示するよう求め、借金の正確な残高を調べていきます。

長く返済を続けてきた場合には、利息を計算し直すことで借金が思っていたより減ることもあり、この調査は今後の手続きの土台になる大切な作業です。督促が止まって心に余裕が生まれるこの時期を、次の段階に向けた準備期間として上手に使っていきましょう。

ワンポイントアドバイス
受任通知で督促が止まっている間は、これまで返済に充てていたお金を手元に残せます。この期間に、手続きの費用を積み立てたり、認可後の返済に備えて家計を整えたりしておくと、その後がぐっと楽になります。督促が止まって生まれた余裕を、次の段階の準備に振り向けるイメージです。

再生計画案が手続きの心臓部

個人再生の流れのなかで、もっとも重要なのが再生計画案の作成です。これは、減額された借金を、今後どのように返済していくかを示す計画書です。いくらに減額され、それを何回に分けて、いつまでに返すのか。

この計画案が裁判所に認可されることで、個人再生は成立します。計画案の内容は専門家が中心となって作成してくれるので、自分一人で組み立てる必要はありませんが、その重要性は知っておきましょう。

再生計画案には、減額後の総額をいくらにするか、何回に分けて返すか、いつから返済を始めるかといった、返済の根幹となる条件が盛り込まれます。ここで現実的で無理のない計画を立てられるかどうかが、認可されるか、そして認可後に返済を続けられるかを大きく左右します。

だからこそ、自分の収入や生活の状況を専門家に正直に伝え、本当に守れる計画を一緒に作り上げることが何より大切なのです。

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※ 簡易計算です。任意整理は弁護士・司法書士が交渉し将来利息のカット等を行うもので、実際の減額幅は借入先・返済状況により異なります。個人再生・自己破産では更に大きな減額が可能な場合があります。

個人再生に必要な書類とは?

個人再生の手続きでは、さまざまな書類を提出する必要があります。書類集めは手続きのなかでも手間のかかる部分ですが、何が必要かを事前に把握しておけば、慌てずに準備できます。

提出する書類は、申立人がどのような財産や収入を持ち、どのような家計で暮らしているのかを裁判所に正しく伝えるためのものです。一つひとつに意味があると考えると、準備の手間も納得して進められるはずです。ここでは、代表的な必要書類を種類ごとに見ていきましょう。

申立てに関する書類

まず、個人再生を申し立てるための基本的な書類が必要です。申立書のほか、債権者の一覧を記載した書類、借金の状況や財産をまとめた書類などがこれにあたります。これらは手続きの土台となる書類で、専門家が作成をサポートしてくれます。

記載内容に誤りや漏れがあると手続きに影響するため、正確に作ることが大切です。とくに債権者の一覧は、一社でも漏れがあると、その債権者が手続きの対象から外れてしまうおそれがあります。借入先に心当たりがある場合は、小さなものでも遠慮なく専門家に伝えておきましょう。

収入を証明する書類

個人再生は安定した収入があることが前提なので、それを裏づける書類が求められます。給与明細書や源泉徴収票、確定申告書の控えなどがこれにあたります。収入の状況は、返済を続けられるかどうかや、給与所得者等再生を使う場合の返済額の計算にも関わるため、重要な書類です。

会社員の方は勤務先から、自営業の方は確定申告の控えなどを用意します。

書類の種類 主なもの 入手先の例
申立て関係 申立書・債権者一覧・財産目録など 専門家がサポートして作成
収入関係 給与明細・源泉徴収票・確定申告控え 勤務先・自分の控え
財産関係 預金通帳・保険・不動産の資料など 金融機関・保険会社・役所など
家計関係 家計の状況を示す資料 自分で作成・記録

書類の名前を見ると難しそうに感じますが、多くは普段の生活のなかで手に入るものばかりです。どれをどこで集めるかは、専門家が一覧にして指示してくれるので、その指示に沿って一つずつそろえていけば大丈夫です。書類の取得には費用がかかるものもありますが、一つひとつは大きな額ではありません。

なお、手続き全体にかかる費用については、このあとのポイントの章でまとめて説明します。

財産を証明する書類

個人再生では、自分がどれだけの財産を持っているかも調査されます。これは、後で説明する清算価値という考え方に関わるためです。預金通帳の写し、生命保険の解約返戻金がわかる書類、不動産を持っている場合はその資料、自動車の査定書などが必要になることがあります。

財産の内容を正直に申告することが、手続きを滞りなく進めるうえで欠かせません。

家計の状況がわかる書類

毎月の収入と支出をまとめた家計の状況を示す資料も求められます。これは、申立人が本当に返済を続けられるのかを裁判所が判断するための材料になります。一定の期間、家計の収支を記録しておく必要があるため、相談を始めたら早めに記録をつけ始めるとよいでしょう。

日々の出費を意識するきっかけにもなり、家計の立て直しにも役立ちます。

確認しておきたいこと
書類のなかには、市区町村の役所や金融機関に出向いて取得するものもあります。取得に日数がかかるものもあるため、専門家から指示を受けたら、後回しにせず早めに動き始めることが、手続きをスムーズに進めるコツです。

申立てから再生計画認可までの流れを詳しく

書類がそろい、いよいよ裁判所への申立てに進みます。ここからは、裁判所が関わる手続きの流れを、もう少し詳しく見ていきましょう。専門家が代理人として動いてくれるので、難しそうに見えても、実際に自分が対応することはそれほど多くありません。

裁判所への申立てと開始決定

準備した書類を裁判所に提出して、個人再生を申し立てます。裁判所が内容を確認し、個人再生を進めてよいと判断すると、再生手続開始の決定が出されます。この決定が出ることで、手続きが正式にスタートします。

裁判所によっては、申立人の事情を確認する手続きが入ることもありますが、専門家がしっかり準備をしてくれていれば、過度に心配する必要はありません。申立てから開始決定までは、おおむね数週間から1か月程度が一つの目安ですが、書類の内容や裁判所の運用によって前後します。

個人再生委員が選ばれることもある

裁判所によっては、手続きの公正さを確保するために、個人再生委員という専門家が選任されることがあります。個人再生委員は、申立人の財産や収入の状況を確認したり、再生計画が適切かどうかを裁判所に報告したりする役割を担います。

とくに弁護士をつけずに申し立てた場合や、一部の裁判所では、原則として選任される運用がとられています。選任されると、その分の費用が別途必要になることがあるため、自分の申し立てる裁判所でどのような運用になっているかは、事前に専門家に確認しておくと安心です。

委員がつく場合でも、専門家の指示に従って対応すれば、特別に身構える必要はありません。

債権額の確定と清算価値の調査

手続きが始まると、各債権者がいくらの債権を持っているかを確定させる作業が行われます。あわせて、申立人が持っている財産の価値、つまり清算価値が調査されます。この清算価値は、最終的に返済する金額を決めるうえで重要な役割を果たします。

財産が多いと、その分だけ返済すべき金額も大きくなる仕組みになっているためです。

個人再生で返す金額は、借金の総額に応じて決まる最低弁済額と、いま持っている財産の価値である清算価値とを比べて、高いほうが基準になります。これを清算価値保障の原則といいます。

もし自己破産をしていたら債権者は財産の分だけは回収できたはずなので、個人再生でも最低限それと同じだけは返しましょう、という考え方です。そのため、預貯金や解約返戻金、不動産などの財産が多い方ほど、返済額が大きくなる傾向があります。

逆に、めぼしい財産がほとんどない場合は、借金の総額に応じた最低弁済額が基準となります。自分の場合にいくらまで減るのかは、財産の状況によって変わるため、専門家による試算で確認するのが確実です。

再生計画案の提出と認可

債権額と清算価値が固まると、それらをもとに再生計画案を作成し、裁判所に提出します。小規模個人再生の場合は、債権者による書面決議が行われ、反対する債権者が一定の数や金額を超えなければ、計画が認められます。

給与所得者等再生の場合は、債権者の同意は不要で、裁判所が内容を審査して判断します。計画が認可され、その決定が確定すれば、いよいよ計画にもとづいた返済が始まります。ここまでくれば、個人再生の手続きはひと区切りです。

なお、認可の決定が出てから確定するまでには少し時間がかかり、その後に返済が始まるという流れになります。あとは計画に沿って返済を続けていくだけなので、ここまで来れば大きな山は越えたといえるでしょう。

再生計画認可後の返済について

再生計画が認可された後は、その計画にしたがって返済を続けていくことになります。ここが、借金問題を本当に解決していく実践の段階です。どのように返済が進むのか、注意点とあわせて見ていきましょう。

原則3年で返済していく

再生計画にもとづく返済は、原則として3年で行います。事情によっては、最長5年まで延長できる場合もあります。減額された借金を、決められた回数に分けて、計画どおりに返していきます。

任意整理と同じように、返済を確実に続けることが、手続きを成功させる最後の鍵になります。減額されたとはいえ、返済が残っていることに変わりはないので、無理のない家計の運営を心がけましょう。

返済は、債権者ごとに振り込む方法や、代行してくれる仕組みを利用する方法などがあり、自分に合った形を専門家と相談して決められます。返済が始まったら、毎月の支払いをカレンダーやアプリで管理し、うっかり忘れることのないようにしておくと安心です。

3年という期間を計画どおりに走りきることが、個人再生を本当の意味で成功させる条件になります。

返済を怠るとどうなるか

再生計画どおりに返済しないでいると、せっかく認可された計画が取り消されてしまうおそれがあります。計画が取り消されると、減額される前の借金額に戻ってしまうこともあり、それまでの努力が水の泡になりかねません。

そうならないために、返済が苦しくなりそうなときは、放置せず早めに依頼した専門家に相談することが大切です。状況によっては、返済期間の延長など、取りうる対応を一緒に考えてくれます。

また、病気や失業など、自分の責任とはいえない事情で返済がどうしても続けられなくなった場合に、残りの返済を免除してもらえる救済の仕組みが用意されていることもあります。いずれにせよ、苦しくなったときに一人で抱え込んで返済を止めてしまうのが最もよくない対応です。

早めに相談しさえすれば、取りうる手立ては残されているので、遠慮なく専門家を頼ってください。

注意
再生計画の認可はゴールではなく、ここからが返済のスタートです。計画どおりの返済を3年間続けてはじめて、借金問題が本当に解決します。認可されたことで気を緩めず、最後まで計画を守り抜くことが何より大切です。逆にいえば、ここを乗り越えれば、借金に追われる生活から確実に抜け出せます。

個人再生をスムーズに進めるためのポイント

個人再生は手続きが多く、書類も多いため、進め方によってはつまずくこともあります。ここでは、手続きを滞りなく進めるために意識しておきたいポイントをお伝えします。どれも難しいことではなく、ちょっとした心がけで効果があります。

手続きにかかる費用の考え方を知っておく

個人再生にかかる費用は、大きく分けて、専門家に支払う費用と、裁判所に納める実費とで構成されます。専門家への費用は、依頼時に支払う着手金と、手続きが成功したときの報酬という形が一般的です。

裁判所に納める実費には、申立ての手数料や、債権者への通知に使う費用、さらに個人再生委員が選ばれた場合にはその費用などが含まれます。具体的な金額は、事務所の方針や、住宅資金特別条項を使うかどうか、申し立てる裁判所などによって変わってきます。

多くの事務所では分割払いに応じてくれるほか、収入が一定以下の方は、費用の立替えなどを行う公的な制度を利用できる場合もあります。費用が不安な場合は、最初の相談の段階で総額の見込みと支払い方法をはっきり確認しておくことが、安心して手続きを進める第一歩になります。

書類の準備は指示が出たらすぐ動く

個人再生でもっとも時間がかかりがちなのが、書類集めです。役所や金融機関で取得する書類は、申請してから手元に届くまで日数がかかることがあります。専門家から「これを用意してください」と指示が出たら、後回しにせず、すぐに取りかかりましょう。

書類がそろわないと申立てに進めないため、ここでのもたつきが手続き全体の遅れにつながります。

財産や収入は正直に伝える

個人再生では、財産や収入を正確に申告することが求められます。隠したり、ごまかしたりすると、手続きそのものが認められなくなるおそれがあります。正直に伝えることが、結果的に自分を守ることにつながります。

専門家には、不利に思えることも含めて、ありのままを話しましょう。そのほうが、より確実で適切な手続きを進めてもらえます。専門家には守秘義務があるため、話した内容が外部に漏れる心配はありません。

安心して、ありのままを打ち明けてください。

手続き中は新たな借入をしない

個人再生の手続き中に、新たに借金をするのは絶対に避けてください。手続きの公正さに疑問が生じ、計画の認可に悪影響を及ぼすおそれがあります。生活が苦しくても、新たな借入には頼らず、まずは専門家に相談することが鉄則です。

手続きが終わるまでは、借りないという姿勢を貫きましょう。

個人再生の流れと書類に関するよくある質問

手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?

個人再生は、申立ての準備から再生計画の認可まで、おおむね半年から1年程度かかるのが一般的です。書類集めにかかる時間や、裁判所の混み具合によっても変わります。期間は長く感じるかもしれませんが、その間は受任通知によって督促が止まっているため、精神的な負担は大きく軽くなります。

焦らず、一つずつ進めていきましょう。なお、ご自身で書類を早く集められると、その分だけ準備期間が短くなり、手続き全体のスピードアップにつながります。期間を少しでも縮めたい場合は、専門家からの指示にすぐ反応することを心がけてみてください。

必要書類は自分ですべて集めるのですか?

書類のうち、役所や金融機関で取得するものは、基本的にご自身で集めていただくことになります。ただし、何をどこで集めればよいかは専門家が一覧にして指示してくれますし、申立書などの作成は専門家が行います。

すべてを一人で抱え込むわけではないので、指示に沿って一つずつそろえていけば大丈夫です。分からないことがあれば、その都度確認できます。

家族に知られずに個人再生できますか?

個人再生は官報に掲載されるため、任意整理に比べると家族に知られる可能性はあります。ただし、官報を日常的に見ている人は多くないため、それだけで家族に発覚するとは限りません。

一方、同居している家族の収入を証明する書類が必要になる場合があるなど、協力を求める場面が出てくることもあります。家族に知られたくない事情がある場合は、相談の段階でその旨を伝え、どこまで配慮できるかを確認しておきましょう。

連絡の方法や郵便物の宛先などについても、希望を伝えておけば可能な範囲で対応してもらえることが多く、最初に相談しておくほど選べる工夫の幅は広がります。

住宅ローンがあっても個人再生できますか?

はい、できます。むしろ、住宅ローンを抱えている方が家を残しながら他の借金を整理できる点が、個人再生の大きな魅力です。住宅資金特別条項という仕組みを使うことで、住宅ローンはこれまでどおり払い続け、その他の借金を減額する形をとれます。

ただし、利用には一定の条件があるため、自分のケースで使えるかどうかは専門家に確認してください。たとえば、住宅ローンを払っている家であることや、その家に住宅ローン以外の担保がついていないことなどが求められます。

条件を満たすかどうかの判断には専門的な確認が必要なので、家を残したいという希望は、相談の最初の段階ではっきり伝えておくとよいでしょう。

申立ての後、裁判所に行く必要はありますか?

裁判所に出向く必要があるかどうかは、申し立てる裁判所の運用や個別の事情によって異なります。専門家が代理人として手続きを進めるため、本人が裁判所に出向く場面は限られることが多いですが、ケースによっては事情を確認するために出席を求められることもあります。

必要があれば専門家が事前に教えてくれるので、指示に従って準備すれば問題ありません。仕事の都合などで出席が難しい事情がある場合も、まずは専門家に相談してみてください。スケジュールの面も含めて、現実的な進め方を一緒に考えてくれます。

途中で書類に不備があったらやり直しですか?

書類に不備があった場合でも、すぐにやり直しになるわけではなく、多くは補正、つまり訂正や追加の提出で対応できます。専門家がついていれば、提出前に内容をチェックしてくれるため、大きな不備が生じることは少なくなります。

万が一不備が見つかっても、慌てずに専門家の指示に従って補えば、手続きを進められます。書類の不備は、はじめての手続きであれば誰にでも起こりうることなので、過度に恐れる必要はありません。大切なのは、指摘を受けたときに後回しにせず、すぐに対応することです。

個人再生が認められないことはありますか?

個人再生にも一定の要件があり、それを満たさない場合や、再生計画案が認められない場合には、手続きが認可されないこともあります。たとえば、安定した収入が見込めない場合や、提出された計画案が実行可能でないと判断された場合などです。

だからこそ、申立ての前に専門家とよく相談し、自分のケースで個人再生が適切かどうか、無理のない計画が立てられるかを確認しておくことが大切です。事前の準備が、手続きの成否を大きく左右します。

逆にいえば、収入が安定していて、無理のない返済計画が立てられる状況であれば、個人再生が認められる見込みは十分にあります。自分のケースで通る見込みがあるのかどうかも含めて、まずは専門家に率直に相談してみることをおすすめします。

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※ 簡易計算です。任意整理は弁護士・司法書士が交渉し将来利息のカット等を行うもので、実際の減額幅は借入先・返済状況により異なります。個人再生・自己破産では更に大きな減額が可能な場合があります。

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