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個人再生のメリット・デメリットを弁護士が徹底解説

この記事で分かること

  • 個人再生の仕組みと、任意整理・自己破産との違い
  • 個人再生の具体的なメリット5つ(債務圧縮・自宅維持・免責不許可事由なし等)
  • 個人再生の具体的なデメリット5つ(要件の厳しさ・ブラックリスト・保証人への影響等)
  • 個人再生が向いているケース・向いていないケースの判断基準
  • 個人再生手続きの流れをSTEP別に詳しく解説
  • 護士に依頼すべき理由と費用の目安

個人再生は民事再生法に基づく法的手続きで、借金を最大5分の1まで圧縮しながら自宅を守れる可能性があります。ただし安定収入などの厳しい要件を満たす必要があり、手続きも複雑です。ブラックリストへの登録や保証人への影響など、デメリットも正しく理解した上で、弁護士に相談して選択することが重要です。

個人再生とは?他の債務整理との違いを押さえよう

「個人再生」という言葉は知っていても、任意整理や自己破産と何が違うのか、はっきりとわからないという方は多いのではないでしょうか。まずはここで基本をしっかり押さえておきましょう。

個人再生の基本的な仕組み

個人再生とは、民事再生法に基づく法的な債務整理手続きです。裁判所を通じて、抱えている借金を大幅に減額し、残った金額を原則3年(最長5年)かけて分割返済する計画を立てる手続きになります。

任意整理のように「裁判所を使わない」わけでも、自己破産のように「借金をすべてゼロにする」わけでもない。いわば、その中間に位置する手続きです。弁護士としての経験から言えば、「自宅は絶対に守りたいが、借金の額は今のままでは到底返せない」という方に最も向いている制度だと感じています。

任意整理・自己破産との比較表

項目 任意整理 個人再生 自己破産
裁判所の関与 なし あり あり
借金の減額幅 小さい(利息カットが中心) 大きい(最大5分の1) 全額免除
自宅の維持 可能 条件次第で可能 原則不可
職業・資格制限 なし なし 手続き中は一部あり
財産の処分 不要 原則不要 必要(一定額以上)
ブラックリスト期間 5〜7年 7〜10年 7〜10年
借金理由の制限 なし なし あり(免責不許可事由)
ワンポイントアドバイス
個人再生は「任意整理よりも減額幅が大きく、自己破産よりも生活への影響が少ない」という特徴を持つ手続きです。ただし、利用できる要件が厳しく、手続きも複雑なため、早めに弁護士へ相談することをお勧めします。

個人再生の5つのメリット

個人再生を選ぶ理由は人それぞれですが、弁護士としてよく伺う「なぜ個人再生を選んだのか」には、共通するポイントがあります。主なメリットを5つ、順を追って解説します。

メリット① 借金を最大5分の1(場合によっては10分の1)に圧縮できる

個人再生の最大の魅力は、何といっても借金の大幅な圧縮です。

任意整理では基本的に元金はそのままで、将来の利息カットや返済スケジュールの調整が中心になります。それに対して個人再生では、元金そのものを法律の基準に従って大幅に減額できます。具体的には下記の表の通りです。

債務総額(住宅ローン除く) 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円以上〜500万円未満 100万円
500万円以上〜1,500万円未満 債務総額の5分の1
1,500万円以上〜3,000万円未満 300万円
3,000万円以上〜5,000万円以下 債務総額の10分の1

たとえば500万円の借金がある場合、最低弁済額は100万円になります。つまり400万円分が減額されるわけです。これだけの圧縮が実現できる法的制度は、個人再生以外にはありません。

ただし注意点があります。「清算価値保障原則」といって、手持ちの財産を今すぐ全部換金したときに得られる金額よりも、少ない額での再生計画は認められません。財産の多い方は、最低弁済額がこの清算価値と同額以上になるケースもあります。

メリット② 自宅・マイホームを手放さなくて済む

個人再生を選ぶ理由として、最も多く挙げられるのがこれです。「家だけは残したい」という思いは、当然のことだと思います。

自己破産では、一定以上の価値のある財産はすべて換金処分されてしまいます。自宅も例外ではなく、住宅ローンの残っているマイホームは失うことになります。一方、個人再生では条件を満たせば自宅を維持しながら他の借金を整理できます。

住宅資金特別条項とは何か

個人再生には「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度が設けられています。これは、住宅ローンだけは通常の再生計画から切り離し、従来通りに返済を続けることで住宅を手放さなくて済む仕組みです。住宅ローン以外の借金を圧縮しながら、自宅は守れる──これが個人再生の最大の強みと言えるでしょう。

住宅資金特別条項を使える要件

  • 住宅ローンが「住宅の建設・購入・改良」のための借入であること
  • 対象の不動産が「自己の居住用」であること
  • 住宅ローン債権者が抵当権を持っていること
  • 申立人以外の抵当権が設定されていないこと
  • 住宅ローンの返済が3ヶ月以上滞っていても、「巻き戻し条項」などで対応可能な場合あり

すべての条件を満たしているかどうかは、個別の事情によって異なります。「うちのケースで使えるか?」という判断は、必ず弁護士に確認してください。

ワンポイントアドバイス
住宅資金特別条項を利用するには、いくつかの厳しい要件をクリアする必要があります。「住宅ローンが残っているから必ず使える」というわけではありません。投資用マンションや、すでに競売手続きが相当程度進んでいる場合は利用できないケースもあります。早めに弁護士へ相談することが肝心です。

メリット③ 借金の理由を問われない(免責不許可事由がない)

自己破産では「免責不許可事由」という概念があります。ギャンブルによる浪費、浪費癖、詐術による借入など、一定の理由がある場合は免責(借金の免除)が認められないことがあるのです。

しかし個人再生にはこの制度がありません。借金の理由が何であれ、要件を満たせば手続きができます。「ギャンブルで作った借金だから自己破産できないかもしれない」と不安を抱えている方にとっては、個人再生が現実的な選択肢になることもあります。

メリット④ 手続き開始後は督促・強制執行が止まる

借金の返済に詰まってくると、毎日のように債権者からの電話やはがきが届きます。精神的に追い詰められる方も多いはずです。弁護士が受任通知を送付した時点で、基本的に債権者からの直接連絡はストップします。

個人再生の申立て後、裁判所から「中止命令」や「禁止命令」が発令されることで、強制執行や差押えも止めることができます。家計を立て直すための時間的な余裕が生まれるのは、大きなメリットです。

メリット⑤ 職業・資格の制限を受けない

自己破産では、手続き中に「資格制限」が生じます。弁護士、税理士、宅建士、保険外交員など、法律で定められた一定の職業に就くことが制限される期間があるのです。

個人再生にはこの制限がありません。仕事を続けながら手続きを進められるのは、特に職業を持つ方にとって重要な点です。「自己破産すると仕事を失うかもしれない」という理由で個人再生を選ぶ方も、実際に少なくありません。

ワンポイントアドバイス
個人再生は「自宅を守れる」「資格制限がない」「借金理由を問われない」という三拍子が揃っています。任意整理では対応しきれない借金額でも、自己破産のような生活上のデメリットを最小限にしながら借金を整理できる可能性があります。

個人再生の5つのデメリット

メリットが多い個人再生ですが、デメリットも正直に伝えておかなければなりません。「個人再生なら何でも解決できる」と思い込んで相談に来る方もいますが、現実はそう単純ではないのです。

デメリット① 利用できる要件が厳しい

個人再生は、誰でも使える制度ではありません。利用するためにはいくつかの厳しい条件をクリアする必要があります。

小規模個人再生の要件

  • 継続的または反復的に収入を得る見込みがあること(フリーランス・自営業者も対象)
  • 住宅ローンを除く債務の総額が5,000万円以下であること
  • 再生計画が債権者の書面による決議で可決されること(過半数の債権者が反対しないこと)

給与所得者等再生の要件

  • 給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあること
  • 収入の変動幅が年間20%以下と見込まれること(安定した給与収入があること)
  • 小規模個人再生の要件も同時に満たすこと
  • 過去7年以内に給与所得者等再生・ハードシップ免責を受けていないこと

収入が不安定な方や、多額の財産を持つ方は、要件を満たせないこともあります。「自分が使えるかどうか」は、弁護士に確認してから判断することをお勧めします。

デメリット② 手続きが複雑で半年以上かかる

個人再生の手続きは、申立てから再生計画の認可決定まで、通常6ヶ月〜1年ほどかかります。任意整理であれば数ヶ月で終わることが多いのと比較すると、かなり時間がかかる手続きです。

書類の収集、裁判所への申立て、再生計画案の作成、債権者への書面決議(小規模個人再生の場合)、裁判所による認可決定……と、多くのプロセスを経なければなりません。どこかで不備が生じると、手続きがやり直しになったり、期間がさらに延びたりすることもあります。

デメリット③ 弁護士費用が他の債務整理より高額

個人再生は、弁護士費用が他の債務整理手続きと比べて高額になります。任意整理は1社あたり数万円程度ですが、個人再生の場合は全体で40万〜60万円程度が相場です(事務所や案件の複雑さによって異なります)。

もちろん、借金が大幅に圧縮されることを考えれば、費用対効果は高いと言えます。多くの弁護士事務所では分割払いに対応しているので、費用の工面についても相談してみてください。

デメリット④ 保証人・連帯保証人に迷惑がかかる

これは見落としがちなポイントです。個人再生を申立てた場合、保証人付きの借金については、保証人に返済義務が発生します。

申立人への取り立ては止まりますが、連帯保証人には債権者から返済を請求されることになります。しかも一括請求が来るのが通常です。「親に保証人になってもらっている」という場合、親に大きな負担をかけることになります。個人再生を選ぶ前に、保証人がいるかどうかを必ず確認し、影響をきちんと把握しておくことが必要です。

ワンポイントアドバイス
保証人への影響は、個人再生を検討する際に最も慎重に考えるべき点の一つです。保証人がいる借金については、個人再生をすると必ず保証人への一括請求が発生します。事前に保証人と話し合いの場を持ち、理解を得ておくことが大切です。

デメリット⑤ ブラックリストに7〜10年登録される

個人再生を行うと、信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)として登録されます。登録期間は7〜10年です。この間は次のような制限を受けます。

  • 新規のローン・クレジットカードの審査が通らない
  • 既存のクレジットカードが使えなくなる
  • 携帯電話の割賦契約ができない場合がある
  • 賃貸住宅の審査で影響が出ることがある(保証会社による)

ただし、登録期間が終了すれば情報は削除され、その後は通常通りにローンやクレジットカードを利用できるようになります。「一生借りられなくなる」わけではないので、必要以上に恐れることはありません。

個人再生をすると官報・信用情報機関に掲載される

「個人再生したことが周りにバレないか?」という質問は、相談の場でよく受けます。結論から言えば、完全に秘密にすることは難しい面がありますが、実生活への影響は限定的です。

官報への掲載とは?実生活への影響は?

個人再生の手続きを行うと、国の公報誌である「官報」に氏名・住所が掲載されます。掲載されるタイミングは以下の3回です。

  1. 再生手続き開始決定から約2週間後
  2. 書面決議決定から約2週間後
  3. 再生計画の認可決定から約2週間後

官報は一般の方が日常的に読む媒体ではないため、知人や職場の同僚が見つける可能性は非常に低いと言えます。ただし、官報情報をもとにダイレクトメールを送ってくる業者(闇金など)も存在するので、注意は必要です。

信用情報機関への登録(ブラックリスト)の詳細

個人再生を行った事実は、信用情報機関に「事故情報」として登録されます。この情報は金融機関・クレジット会社・保証会社などが審査の際に参照するため、実生活への影響は官報よりもずっと大きいと言えます。

登録される信用情報機関の種類

機関名 主な加盟会員
CIC(シーアイシー) クレジットカード会社・消費者金融など
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融・信販会社など
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行・信用金庫など

登録期間と登録後に制限されること

個人再生の場合、各機関への登録期間は概ね7〜10年です。任意整理(5〜7年)よりも長い点はデメリットとして理解しておく必要があります。登録中は、下記の行為が実質的にできなくなります。

  • 消費者金融・クレジット会社からの借入
  • クレジットカードの新規作成・更新
  • 住宅ローン・カーローンの新規申込
  • 携帯電話の割賦購入(端末代金の分割払い)
ワンポイントアドバイス
「官報への掲載=バレる」と過度に心配する必要はありません。一方で信用情報機関への登録は実生活への影響が大きいため、登録期間中のライフプランをあらかじめ考えておくことが重要です。車の購入やマイホーム購入を検討している場合は、時期をずらすなどの計画が必要になります。

個人再生が向いているケース・向いていないケース

「個人再生が自分に向いているかどうか」は、借金の額だけでなく、収入の状況・財産の状況・家族構成・住宅ローンの有無など、複数の要素を総合的に判断しなければなりません。ここでは、向いているケースと向いていないケースをそれぞれ整理します。

個人再生が適しているケース

ケース① 自宅(マイホーム)を残したい

住宅ローンが残っている自宅を守りたい場合、個人再生の「住宅資金特別条項」が強力な武器になります。住宅ローンを続けながら他の借金を圧縮できるのは、個人再生だけの特権です。家族のために自宅を残したいという思いがある方には、まず個人再生を検討してほしいと思います。

ケース② 債務額が大きく任意整理では対応できない

月々の収入に対して借金の総額が大きすぎて、任意整理の返済計画では到底追いつかないという場合にも個人再生が向いています。たとえば総額300万円以上の借金があり、任意整理では月々10万円以上の返済が必要になってしまうような場合、個人再生で100万円程度まで圧縮して月々2〜3万円の返済に変えることが可能です。

ケース③ ギャンブルなど免責不許可事由に該当する借金がある

ギャンブル・浪費・詐術による借金は、自己破産では免責が認められないリスクがあります。しかし個人再生ではそのような制限がないため、借金の原因を問わず手続きができます。「ギャンブルで作った借金だから自己破産できないかもしれない」と不安を持つ方にとっては、個人再生が現実的な出口になることがあります。

個人再生が向いていないケース

住宅ローンも払えない場合は自己破産を検討

住宅ローンを含めてすべての借金が返済できない状況にある場合、個人再生で自宅を守ることは難しくなります。住宅資金特別条項を利用するには、住宅ローンだけは従来通り返済し続けることが大前提です。ローンの返済自体が困難なら、自己破産を選択する方が結果的に生活の立て直しが早くなることもあります。

安定収入がない場合

個人再生の利用には「継続的な収入の見込み」が必要です。現在無職で収入がない状態、あるいは収入が非常に不安定で今後も見通しが立たない状況では、個人再生の要件を満たせません。こうした場合は自己破産が現実的な選択肢になります。

「自己破産が嫌だから個人再生」は危険な発想

相談の場で、こういう方が一定数います。「自己破産はイメージが悪いから個人再生にしたい」というケースです。気持ちはわかります。でもこれは危険な考え方です。

個人再生では、借金が圧縮されても「残った金額は必ず返済しなければならない」という義務が残ります。再生計画が認可された後に返済が滞れば、計画が取り消される可能性もあります。取り消されると、元の借金総額について対応しなければならなくなるのです。「とりあえず個人再生」ではなく、「返済できる見込みがあるから個人再生」でなければなりません。

また、非減免債権(税金・罰金・養育費など)は個人再生でも圧縮の対象外です。借金の中身が何かによって、個人再生の効果は変わります。必ず弁護士と一緒に整理してから判断してください。

ワンポイントアドバイス
個人再生と自己破産のどちらが向いているかは、「自宅を守れるか」「安定した収入があるか」「残った借金を返し続けられるか」の3点で判断するのが基本です。感情や世間体で選ぶのではなく、自分の状況に合った手続きを冷静に選びましょう。

個人再生の手続きの流れを弁護士が解説

「個人再生は手続きが難しい」とよく言われますが、具体的にどんな手順を踏むのかを知っておくと、見通しが立ちやすくなります。弁護士に依頼した場合の一般的な流れを、ステップごとに説明します。

STEP1 弁護士への相談・受任

まず弁護士に相談し、個人再生が自分の状況に適しているかどうかを確認します。債務の状況、収入、財産、家族構成などを整理して伝えましょう。弁護士が受任(依頼を正式に引き受ける)した時点で、受任通知が各債権者に送られます。これにより、債権者からの直接連絡がストップします。

STEP2 受任通知の送付と返済ストップ

受任後は、手続きが完了するまでの間、借金の返済を一時的にストップすることが一般的です。この間に手続きに必要な費用を積み立てます。弁護士費用を分割で支払う場合は、この期間中に積み立てていくケースが多いです。

STEP3 必要書類の収集と申立て

個人再生の申立てには、多くの書類が必要です。主な必要書類は以下の通りです。

  • 申立書・財産目録・債権者一覧表
  • 給与明細・源泉徴収票・確定申告書(収入を証明するもの)
  • 預金通帳(直近2〜3年分)
  • 不動産登記事項証明書・固定資産税評価証明書(不動産がある場合)
  • 住民票・戸籍謄本
  • 借入に関する資料(契約書・残高証明書など)

これらを揃えて地方裁判所に申立てを行います。書類に不備があると申立てが受理されないため、弁護士のサポートが不可欠です。

STEP4 再生手続きの開始決定

申立てが受理されると、裁判所が審査を行い、再生手続きの開始を決定します。この時点で、強制執行の中止命令も発令されます。個人再生委員が選任される裁判所では、面談や家計収支の報告が求められることがあります。

STEP5 再生計画案の作成と提出

開始決定後、債権者の債権届出をもとに債権額を確定させ、返済の計画案(再生計画案)を作成します。最低弁済額・清算価値保障原則・返済期間(原則3年以内)などを満たした計画案でなければなりません。弁護士と一緒に慎重に作成する必要があります。

STEP6 書面決議(小規模個人再生の場合)

小規模個人再生の場合、再生計画案について債権者による書面での賛否決議が行われます。債権額の過半数かつ債権者の過半数が反対しなければ可決となります。

給与所得者等再生の場合は、この書面決議は不要です。ただし、最低弁済額の計算方法が異なり、「可処分所得の2年分」という条件が加わります。

STEP7 再生計画の認可決定と返済開始

再生計画案が認可されると、いよいよ計画に基づいた返済が始まります。原則3年(最長5年)かけて、圧縮後の債務を分割返済していきます。返済が完了すれば、残りの借金はすべて免除されます。

認可後は裁判所の関与がなくなります。計画を守れるかどうかは、すべて自分次第です。返済が滞ると個人再生が取り消されるリスクがあるため、生活の収支管理を徹底することが重要です。

ワンポイントアドバイス
個人再生の申立てから認可決定まで、通常6ヶ月〜1年程度かかります。書類の不備があるとさらに時間がかかるため、弁護士のサポートのもとで準備を進めることが大切です。手続きの途中で行き詰まらないよう、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

個人再生と他の債務整理を選ぶ基準まとめ

どの債務整理を選ぶかは、「借金の総額」「収入の状況」「財産の有無」「自宅・保証人の有無」によって変わります。以下のチェックリストを参考にしてください。

状況別・おすすめの債務整理比較チェック

あなたの状況 向いている手続き
借金の額は少なめで、利息カットで対応できそう 任意整理
自宅(住宅ローン)を守りたい 個人再生(住宅資金特別条項)
借金が多すぎて任意整理では返済できない 個人再生 or 自己破産
ギャンブル・浪費などが借金の原因 個人再生(自己破産は免責不許可のリスクあり)
安定した収入がない・収入見込みが低い 自己破産
住宅ローンも含めてすべて返済できない 自己破産
資格・職業制限を避けたい 個人再生 or 任意整理

この表はあくまでも目安です。実際の状況は複合的な要素が絡み合っているため、「自分はどれが向いているのか」という判断は必ず弁護士と一緒に行ってください。

個人再生後の生活はどうなる?知っておくべきポイント

再生計画が認可されれば、ひとまず大きな山は越えたことになります。ただし、その後の生活にもいくつか押さえておきたいポイントがあります。「手続きが終わったら終わり」ではなく、むしろそこからが本番とも言えます。

返済中の生活費管理が鍵になる

再生計画では、月々の返済額が決まっています。たとえば圧縮後の借金が100万円であれば、3年間で割ると月々約2万8千円の返済になります。この金額を毎月確実に支払い続けるには、家計の管理が欠かせません。

返済が2〜3ヶ月滞ると、個人再生の取り消しリスクが生じます。取り消されると、圧縮される前の元の借金総額について対応しなければならなくなるため、計画の履行は必須です。返済期間中は節約意識を高め、家計簿をつけるなど支出を把握する習慣を持つことが大切です。

クレジットカードが使えない期間の対処法

ブラックリストに登録されている7〜10年の間は、クレジットカードが使えません。日常生活ではデビットカードや電子マネーを活用することで、現金やカード払いが必要な場面に対応できます。最近はスマートフォンのQR決済なども利用しやすいので、生活に大きな不便はないという方も多いです。

ただし、一部の決済サービスはクレジットカードと紐づいていないと使えないものもあります。自分が普段利用しているサービスを事前に確認しておくと安心です。

マイホームのローンは続けて支払う

住宅資金特別条項を使って自宅を守った場合、住宅ローンの返済は個人再生の手続き中も、認可後も、変わらず続けます。他の借金が圧縮されて家計に余裕ができるとはいえ、住宅ローンの返済だけは絶対に滞らせないようにしましょう。滞納が続くと抵当権が実行されて、せっかく守った自宅が競売にかけられる事態になりかねません。

登録期間終了後は通常の生活に戻れる

信用情報機関への登録が消えれば、ローンやクレジットカードの利用が通常通り可能になります。個人再生はあくまでも「経済的な再スタート」の手続きであり、登録期間が終われば社会的な信用が回復します。「一度個人再生したら一生終わり」ということは決してありません。むしろ、借金を抱えたまま返済に追われ続けるよりも、早期に手続きをして生活を立て直した方が、長い目で見てプラスになるケースがほとんどです。

ワンポイントアドバイス
個人再生後の生活で最も重要なのは「再生計画の返済を絶対に守る」ことです。計画が取り消されると元の借金総額に戻る可能性があります。返済中は家計管理を徹底し、少しでも返済に不安を感じたときは早めに弁護士へ相談することをお勧めします。

個人再生に関するよくある質問(Q&A)

個人再生を検討している方からよく寄せられる質問を、弁護士目線でまとめました。

Q1. 自営業・フリーランスでも個人再生はできますか?

A. できます。個人再生の要件は「継続的または反復的に収入を得る見込みがある」ことなので、給与所得者でなくても問題ありません。ただし収入が非常に不安定な場合は、要件を満たせないと判断されることもあります。また、給与所得者等再生(収入の変動幅が年間20%以内)は利用できないため、小規模個人再生が対象となります。

Q2. 個人再生の申立てにはいくら費用がかかりますか?

A. 裁判所への申立費用(収入印紙・予納金など)は、おおよそ2〜3万円程度です。弁護士費用は事務所によって異なりますが、総額40〜60万円前後が一般的な相場です。住宅資金特別条項を使う場合や債権者数が多い場合は、費用がやや高くなることもあります。多くの事務所では分割払いに対応しているため、相談の際に確認してみてください。

Q3. 個人再生をすると家族にバレますか?

A. 手続き上、家族への通知は必要ありません。ただし、書類の準備などで配偶者に協力を求めることが多く、実際には家族に打ち明けるケースがほとんどです。また、クレジットカードが使えなくなることや、家計のやりくりが変わることで、家族が気づくことも考えられます。秘密にしたまま手続きを進めるのは現実的に難しい面があります。

Q4. 住宅ローンの返済が少し遅れているのですが、個人再生で自宅を守れますか?

A. 住宅ローンが数ヶ月滞納されている場合でも、「巻き戻し条項(ロールバック条項)」や「期限の利益回復条項」などを使うことで、住宅資金特別条項が適用できるケースがあります。ただし、競売手続きが相当程度進んでいる場合などは難しくなります。滞納が続く前に早めに弁護士へ相談してください。

Q5. 個人再生をしても税金・養育費は払い続けなければなりませんか?

A. はい、払い続ける必要があります。税金・罰金・養育費・損害賠償金(故意による不法行為)などの「非減免債権」は、個人再生では圧縮の対象外です。これらは再生計画の対象にはならず、個人再生後も全額の支払義務が残ります。借金の中にこうした性質のものが含まれているかどうかも、弁護士に確認しておきましょう。

個人再生を検討するなら弁護士に相談すべき理由

最後に、もう一度はっきり伝えておきたいことがあります。個人再生は、弁護士なしで進めることが事実上不可能に近い手続きです。

個人再生は弁護士なしでは事実上不可能

書類の種類も多く、再生計画案の内容は法律の規定に厳密に従わなければならず、書面決議の対応や債権者との交渉など、法律の専門知識が求められる場面が随所に登場します。個人再生委員が選任されるケースでは、裁判所からの報告・面談の対応も必要です。

弁護士に依頼することで、こうした手続きをすべて代理・サポートしてもらえます。費用はかかりますが、手続きが失敗するリスクを大幅に下げることができますし、再生計画の内容を最大限に有利にするためのアドバイスも受けられます。

初回無料相談を活用しよう

「弁護士に相談するのは敷居が高い」と感じている方も多いかもしれません。しかし、多くの弁護士事務所では初回無料相談を実施しています。まず相談するだけであれば費用はかかりません。

借金問題を抱えたまま一人で悩んでいても、状況は改善しません。むしろ時間が経てば経つほど、延滞損害金が積み上がったり、督促が激しくなったりして、状況が悪化することの方が多いです。「まずは話を聞いてもらうだけ」という気持ちで、債務整理に強い弁護士への相談を検討してみてください。

ワンポイントアドバイス
個人再生の手続きは複雑で、書類の収集から再生計画案の作成まで、法律の専門知識が欠かせません。弁護士に依頼することで手続き全体をサポートしてもらえるだけでなく、自分の状況に最も合った債務整理の方法を選ぶためのアドバイスも受けられます。まずは初回無料相談から始めてみましょう。


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