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特定調停のデメリットとは?知らないと損する5つの落とし穴

この記事で分かること

  • 特定調停には借金がほとんど減らない、債権者の同意を強制できない、手間がかかる、強制執行のリスク、過払い請求ができないという5つの主要なデメリットがある
  • 督促がすぐに止まらない、信用情報機関に登録されて約5~8年は新規借り入れが難しくなるなど、見落としがちなデメリットも存在する
  • 特定調停と任意整理・個人再生・自己破産との違いを比較したうえで、自分の状況に合った債務整理方法を選ぶ判断基準
  • 特定調停のデメリットを最小限に抑える具体的な回避策と、弁護士に相談すべきタイミング
  • 特定調停が向いている人・向いていない人の特徴と、後悔しないための事前チェックポイント

特定調停は費用を抑えて個人でも手続きできる債務整理ですが、借金がほとんど減らないケースや、債権者の同意を得られず不調に終わるリスク、返済滞納時の強制執行、過払い請求ができないなど5つの大きなデメリットがあります。手続きに時間と労力もかかるため、安易に選ぶと後悔することも。本記事では弁護士目線で各デメリットと回避策を詳しく解説します。

借金問題に悩んでいて「特定調停」という手続きを耳にしたことはありませんか。費用が安く、自分で手続きできると聞いて検討している方も多いでしょう。しかし、特定調停には知っておくべき重大なデメリットがいくつもあります。

「とりあえず安いから特定調停にしよう」と安易に決めてしまうと、後で「思ったより借金が減らなかった」「結局、調停がまとまらなかった」と後悔する可能性があるのです。借金で悩んでいる今だからこそ、正しい知識を持って判断していただきたいと思います。

この記事では、弁護士目線で特定調停の5つの主要デメリットと見落としがちな注意点、そしてそれらを回避する方法を徹底解説します。読み終えた頃には、あなたにとって特定調停が本当に最適な選択肢かどうか、明確に判断できるようになるはずです。

特定調停とは?デメリットを知る前に押さえる基礎知識

まずは特定調停の基本的な仕組みを確認しておきましょう。デメリットを正しく理解するためには、制度の概要を把握しておく必要があります。

特定調停の仕組みと他の債務整理との違い

特定調停とは、債務者が簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所に選任された調停委員を介して債権者と話し合い、借金の返済方法について合意を目指す手続きです。「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(特定調停法)」に基づいて行われます。

債務整理には主に4つの方法がありますが、それぞれ特徴が異なります。

手続きの種類 主な特徴 裁判所の関与 専門家の必要性
任意整理 債権者と直接交渉 なし 弁護士・司法書士に依頼が一般的
特定調停 裁判所を介して交渉 あり(簡易裁判所) 個人での手続きが一般的
個人再生 大幅な債務圧縮が可能 あり(地方裁判所) 弁護士への依頼が事実上必須
自己破産 原則として借金がゼロに あり(地方裁判所) 弁護士への依頼が事実上必須

特定調停は、任意整理と似た性質を持ちながら、裁判所が関与する点で異なります。手続き自体は比較的シンプルですが、その「シンプルさ」が時にデメリットを生む原因にもなるのです。

特定調停の手続きの流れ

特定調停の大まかな流れは次のとおりです。

  1. 簡易裁判所に申立書を提出する
  2. 裁判所が調停委員を選任する
  3. 第1回調停期日に債務者と債権者が出頭
  4. 調停委員を介して話し合い(通常2〜3回の期日)
  5. 合意成立で調停調書を作成、または不調で終了
  6. 合意内容に従って分割返済を開始

申立てから調停成立まで、おおむね3〜4か月程度かかります。スケジュール感としては、それほど長くはありませんが、その間ずっと裁判所とのやり取りが続くと考えてください。

なぜデメリットを知っておく必要があるのか

「メリットだけ知っていればいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、それは危険な考え方です。

特定調停は他の債務整理に比べて費用が安く済むという大きな魅力があります。一方で、効果が限定的だったり、リスクが伴ったりする側面もあるのです。デメリットを把握しないまま手続きを始めると、途中で「やっぱり別の方法にすればよかった」と後戻りできなくなる可能性があります。

特に、借金問題で精神的に追い詰められている状況では、「とにかく早く解決したい」という気持ちが先行しがちです。だからこそ、冷静なうちにデメリットを正確に把握しておくことが大切なのです。

特定調停の5つの主要デメリット一覧

ここからが本題です。特定調停の主要なデメリットは大きく分けて5つあります。順番に詳しく見ていきましょう。

デメリット1|借金がほとんど減らないケースがある

「借金を減らしたいから特定調停をする」のに、ほとんど減らない場合があるとしたらショックですよね。実は、これは特定調停で最もよくある誤解の一つです。

利息制限法を超えていない取引では効果が薄い

特定調停では、利息制限法に基づいて借金の引き直し計算を行います。利息制限法が定める上限金利は次のとおりです。

元本の額 上限金利(年利)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

過去にこの上限を超える金利(いわゆるグレーゾーン金利)で取引していた場合は、引き直し計算で借金が大きく減ります。しかし、貸金業法が改正された2010年6月以降の借入では、ほとんどの貸金業者が利息制限法の範囲内で貸付を行っているため、引き直し計算をしても借金はほぼ減らないのです。

たとえば、2015年以降に消費者金融から借りた借金については、引き直し計算による減額効果はほぼ期待できないと考えてよいでしょう。「特定調停をすれば借金が半額になる」といった誤った情報を信じて手続きを始めると、期待外れの結果に終わることになります。

将来利息のカットに応じない債権者もいる

引き直し計算で借金が減らないとなれば、せめて今後発生する利息(将来利息)をカットしてもらいたいところです。任意整理では将来利息のカットが基本的な交渉内容になります。

ところが、特定調停では将来利息のカットに応じない債権者もいるのが現実です。なぜなら、特定調停は債権者にとって応じる義務のない手続きだからです。「裁判所が関与しているから利息は必ずカットされる」と思いがちですが、それは大きな誤解です。

強硬な姿勢の債権者にあたると、月々の返済額がほぼ変わらず、結局負担が軽くならないという事態も起こり得ます。

ワンポイントアドバイス
特定調停による借金減額の効果は、ご自身の借入時期と取引内容に大きく左右されます。2010年6月以降の借入が中心であれば、減額効果は限定的と考えておきましょう。

デメリット2|債権者に同意を強制できない

特定調停の最大の弱点とも言えるのが、債権者の同意を強制できないという点です。裁判所が関与しているにもかかわらず、なぜそうなるのでしょうか。

不調に終わるケースが多く成立率は低い

特定調停は名前に「調停」とついているとおり、あくまでも当事者間の話し合いです。判決のように裁判所が一方的に結論を出すわけではありません。そのため、債権者が「合意できない」と言えば、それで調停は終わってしまうのです。

近年は特定調停の成立率がかなり低いと言われており、不調に終わるケースも珍しくありません。特に、近年は特定調停を嫌う消費者金融も増えており、最初から非協力的な姿勢で臨んでくる債権者もいます。

不調に終わった場合、これまで支払っていなかった利息や遅延損害金が積み重なり、かえって借金が増えてしまう可能性もあるのです。「特定調停をやってみてダメだったら別の方法にしよう」という軽い気持ちで始めると、思わぬダメージを受けることになります。

17条決定も異議申し立てで無効になる

調停がまとまらない場合の救済措置として「17条決定」というものがあります。民事調停法第17条に基づき、裁判所が職権で当事者間に相当な解決案を提示できる仕組みです。

「裁判所の決定なら従わなければならないのでは?」と思いますよね。ところが、当事者は決定の告知を受けてから2週間以内に異議申し立てをすれば、その決定を無効にできるのです。債権者が異議を出せば、17条決定は何の意味も持たなくなります。

結局のところ、特定調停は債権者の協力なしには成り立たない手続きなのだと理解しておく必要があります。

ワンポイントアドバイス
特定調停を申し立てる前に、対象となる債権者が特定調停にどのような姿勢で臨む傾向があるか、可能な範囲で情報収集しておくと安心です。

デメリット3|手続きに大きな手間と時間がかかる

「個人で手続きできる」というのは特定調停のメリットとして語られることが多いですが、それは裏を返せば、すべての作業を自分でこなさなければならないということです。これは想像以上に大きな負担になります。

必要書類の作成は自分で行う負担

特定調停の申立てには、次のような書類が必要になります。

  • 特定調停申立書
  • 関係権利者一覧表
  • 財産の状況を示す明細書
  • 収入や支出の状況がわかる資料
  • 借入時の契約書や取引履歴
  • 住民票
  • その他、裁判所が指定する書類

慣れていない方にとって、これらの書類を漏れなく正確に作成するのは決して簡単ではありません。書類に不備があれば裁判所から補正を求められ、その都度やり直しが発生します。

仕事や家事で忙しい中、慣れない法律書類と格闘する時間を確保するのは、想像以上のストレスになるものです。「自分でやれば費用が浮く」と考えていても、時間と労力という形で大きなコストを支払うことになります。

平日に何度も裁判所へ出頭が必要

特定調停では、通常2〜3回の調停期日が設けられ、債務者は毎回簡易裁判所に出頭する必要があります。借入先が複数あれば、それぞれの債権者ごとに別個に調停が進むため、出頭回数も増えていきます。

そして、調停は原則として平日の日中に行われます。会社員の方であれば、その都度有給休暇を使ったり、半休を取ったりしなければなりません。職場によっては、頻繁に休みを取ることが難しいケースもあるでしょう。

「裁判所に行く理由」を職場で説明するのに困る方も少なくありません。借金問題を周囲に知られたくない方にとっては、これも大きなストレス要因となります。

デメリット4|返済が滞ると強制執行のリスクがある

特定調停が成立すると、合意内容を記載した「調停調書」が作成されます。この調停調書には、知っておくべき重要な特徴があります。

調停調書には判決と同じ強制力がある

調停調書は「債務名義」と呼ばれる強制執行の根拠となる文書です。法的には判決と同じ効力を持ちます。これは民事調停法第16条に基づくものです。

つまり、合意した返済計画どおりに支払いができなかった場合、債権者は裁判をやり直すことなく、すぐに強制執行の手続きに入れるのです。これは特定調停特有の重大なリスクと言えます。

2回以上の遅延で給与・財産が差し押さえられる

調停調書には通常、「2回以上の支払い遅延があった場合は、期限の利益を喪失する」という条項が入ります。期限の利益を喪失するというのは、簡単に言えば「分割払いの権利を失い、残金を一括で支払わなければならなくなる」ということです。

そして一括返済ができなければ、債権者は強制執行に踏み切ることができます。差し押さえの対象になるのは次のようなものです。

差し押さえの対象 具体例
給与 手取り額の4分の1まで(月額44万円超は超過分全額)
預貯金 銀行口座の残高
不動産 持ち家、土地など
動産 自動車、貴金属、高額家電など

給与を差し押さえられると、勤務先に債務整理をしていることがバレてしまうことにもつながります。任意整理の場合の和解書には判決のような強制力はないため、この点は特定調停固有のデメリットと言えるでしょう。

ワンポイントアドバイス
調停成立後の返済計画は、無理のない範囲で組むことが何より重要です。「ぎりぎり払えそう」ではなく「余裕をもって払える」金額で合意できるよう、調停の場で粘り強く交渉しましょう。

デメリット5|過払い金請求が同時にできない

長年借金を返済してきた方の中には、利息を払いすぎている「過払い金」が発生している場合があります。特定調停の手続きの中でも、引き直し計算によって過払い金の存在は判明します。

特定調停の対象範囲外である理由

特定調停で行われるのは、次の2つに限定されます。

  • 返済方法の決定(残債がある場合)
  • 債務が存在しないことの確認(過払いの場合)

つまり、「過払い金を返してもらう」ということは特定調停の対象範囲外なのです。これは制度設計上の限界であり、調停内でいくら過払い金があると分かっても、その場で返還請求はできません。

調停終了後に別途請求する必要がある

過払い金がある場合は、特定調停を終わらせた後で、改めて過払い金返還請求を行う必要があります。これには次のような方法があります。

  1. 債権者と直接交渉して任意に返還してもらう
  2. 支払督促を申し立てる
  3. 過払い金返還請求訴訟を提起する

いずれの方法を選ぶにしても、特定調停とは別の手続きが必要になり、二度手間になってしまいます。任意整理であれば、債権者との交渉の中で過払い金請求も同時に進められるため、この点は特定調停の明らかな弱点です。

さらに、過払い金には10年という消滅時効があります(最終取引から10年)。特定調停に時間を取られている間に時効が完成してしまうリスクもゼロではありません。

特定調停のさらに見落としがちなデメリット

主要な5つのデメリット以外にも、見落とされがちな注意点があります。これらも把握したうえで判断することが大切です。

督促がすぐに止まらない

借金問題で精神的に追い詰められている方にとって、債権者からの督促が止まることは大きな救いです。任意整理では弁護士に依頼すれば、その日のうちに「受任通知」が債権者に送られ、ほぼ即座に督促が止まります。

一方、特定調停では実際に裁判所に申立書を提出するまで督促は止まりません。申立てに必要な書類の準備に時間がかかると、その間も督促電話や請求書が届き続けることになります。

「とにかく取り立てから解放されたい」と切実に願っている方にとって、この点は大きなマイナス要素となるでしょう。

信用情報機関への登録(ブラックリスト)

特定調停も債務整理の一種である以上、信用情報機関への登録(いわゆるブラックリスト入り)は避けられません。日本には主に次の3つの信用情報機関があります。

信用情報機関 主な加盟会員 登録期間
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融、信販会社など 申立日から5年
CIC クレジットカード会社、信販会社など 完済から5年
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行、信用金庫など 完済から5年

登録期間は最長で約8年に及ぶことも

注意したいのは、JICCとCIC・KSCで登録期間のカウント開始時点が異なる点です。CICとKSCは「完済から5年」となるため、特定調停後の返済期間(通常3年)と合わせると、申立てから事故情報が消えるまで実質的に約8年かかる計算になります。

この間は次のような制限を受けます。

  • 新しいクレジットカードの作成ができない
  • 住宅ローン・自動車ローンの審査に通らない
  • 携帯電話の分割払いができない場合がある
  • 賃貸住宅で信販系の保証会社が必要な物件を借りにくい
  • 連帯保証人になれない

これは特定調停に限ったデメリットではなく、債務整理全般に共通するものですが、それでも生活への影響は決して小さくありません。

過払い金がある場合の調停条項の注意点

先ほど過払い金請求が特定調停では同時にできないとお伝えしましたが、実はもう一つ重大な注意点があります。

片面的清算条項にしないと過払い請求ができなくなる

調停調書には通常、当事者間に債務関係がないことを確認する「清算条項」が記載されます。しかし、過払い金がある場合、通常の清算条項を入れてしまうと取り返しのつかないことになります。

なぜなら、過払い金がある状態というのは「相手方(元債権者)が申立人(元債務者)に対して過払い金返還義務を負っている」状態だからです。「互いに何の債務もない」という清算条項に合意してしまうと、後から過払い金返還請求をしようとしても、「すでに清算した」と反論されて請求できなくなる恐れがあります。

これを避けるため、調停条項では「貸付金債務は存在しない」という形にとどめる必要があります。これを「片面的清算条項」または「片面的債務不存在条項」と呼びます。

清算条項の種類 記載内容 過払い請求の可否
通常の清算条項 「当事者間に何らの債権債務関係もないことを確認する」 後の過払い請求が困難
片面的清算条項 「申立人の相手方に対する貸付金債務は存在しないことを確認する」 過払い請求が可能

こうした細かいテクニックを個人で適切に処理するのは非常に難しく、知らずに通常の清算条項で合意してしまい、何百万円もの過払い金を取り戻せなくなったというケースも実際に発生しています。

ワンポイントアドバイス
過払い金が発生している可能性がある方は、特定調停より任意整理の方が圧倒的に有利です。長年返済を続けている方は、まず引き直し計算をしてもらうことから始めましょう。

特定調停のデメリットを他の債務整理と比較

特定調停のデメリットを正しく評価するためには、他の債務整理方法との比較が欠かせません。それぞれの特徴を見ていきましょう。

任意整理との比較

特定調停と最もよく比較されるのが任意整理です。両者は「借金の返済方法を交渉する」という点では似ていますが、多くの違いがあります。

比較項目 特定調停 任意整理
手続き場所 簡易裁判所 債権者と直接交渉
督促停止のタイミング 申立て時 受任通知発送時(即日)
過払い金請求 同時にできない 同時にできる
強制執行リスク あり(調停調書に基づく) 原則なし
費用 1社あたり数千円程度 1社あたり3〜5万円程度
専門家への依頼 個人で行うのが一般的 弁護士・司法書士に依頼するのが一般的

費用面では特定調停が有利ですが、それ以外の項目では任意整理の方が優れている点が多いことが分かります。費用差を考慮しても、トータルで見れば任意整理の方が良い結果につながるケースが多いと言えます。

個人再生との比較

個人再生は、借金を大幅に圧縮できる強力な債務整理手続きです。特定調停とは性質がかなり異なります。

  • 個人再生では原則として借金を5分の1〜10分の1程度まで減額できる
  • 住宅ローン特則を使えば住宅を残したまま手続きが可能
  • 裁判所が関与する正式な再生手続きで、債権者の個別同意は不要
  • 反対する債権者がいても、法律の要件を満たせば再生計画は認可される

借金の総額が大きく、返済が極めて困難な状況では、特定調停よりも個人再生の方が抜本的な解決につながります。

自己破産との比較

自己破産は、原則として借金をすべて免除してもらう手続きです。最も強力な債務整理方法と言えます。

  • 原則として借金がすべてゼロになる
  • 一定額以上の財産は処分する必要がある
  • 免責不許可事由(ギャンブルでの借金など)があると免責されない可能性がある
  • 一部の職業では制限がかかる期間がある

収入が乏しく、どう頑張っても返済が困難な場合は、特定調停ではなく自己破産を検討すべきです。返済の見込みがないのに特定調停をしても、結局途中で破綻して強制執行されるリスクが高いだけです。

特定調停のデメリットを回避する方法

特定調停を選ぶにしても、デメリットを最小限に抑える工夫はできます。具体的な回避策を見ていきましょう。

事前に自身の借金状況を正確に把握する

まず大切なのは、自分の借金の全体像を正確に把握することです。具体的には次の点を整理しましょう。

  • 債権者ごとの借入残高
  • 初めて借入をした時期
  • 最終取引日
  • 当初の金利と現在の金利
  • これまでの返済総額
  • 過払い金が発生している可能性の有無

特に、2010年6月以前から取引が続いている債権者がある場合は、過払い金が発生している可能性があります。その場合は特定調停よりも任意整理を選ぶ方が、過払い金も同時に取り戻せて有利です。

債権者の対応傾向を確認しておく

債権者によって、特定調停への対応姿勢は大きく異なります。協力的な債権者もいれば、特定調停を嫌って合意を渋る債権者もいるのです。

事前に、対象となる債権者が特定調停にどのような姿勢で臨む傾向があるか、ネット上の情報や弁護士への無料相談などで確認しておきましょう。非協力的な債権者ばかりであれば、最初から任意整理を選ぶ方が賢明です。

必要に応じて弁護士に依頼する

「特定調停は個人でやるものだから弁護士は不要」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。次のようなケースでは弁護士への依頼を検討すべきです。

  • 借入件数が多く、書類作成や調停期日への対応が困難
  • 仕事の都合で平日の出頭が難しい
  • 過払い金が発生している可能性がある
  • 債権者が非協力的で交渉が難航しそう
  • 強制執行のリスクを最小限に抑えたい

弁護士に依頼する場合、特定調停よりも任意整理を選ぶ方が結果的に良いケースも多いです。法律の専門家に相談することで、自分にとって最適な債務整理方法を見極められます。

特定調停が向いている人・向いていない人

これまでのデメリットを踏まえて、特定調停が向いている人と向いていない人を整理しておきましょう。

特定調停が向いている人の特徴

次のような条件に当てはまる方は、特定調停を選んでも比較的問題が少ないと言えます。

  • 借入件数が1〜2社程度と少ない
  • 借金総額が比較的少なく、返済の見込みがある
  • 債権者が特定調停に協力的な傾向がある
  • 平日の昼間に裁判所に行ける時間的余裕がある
  • 書類作成などの事務作業を自分でこなせる
  • 費用を極力抑えたい
  • 過払い金が発生している可能性が低い

特定調停が向いていない人の特徴

逆に、次のような方には特定調停はおすすめできません。

  • 借入件数が多く(3社以上)、調停期日への対応が大変
  • 仕事を頻繁に休めない
  • 長年借金を返済してきて過払い金が発生している可能性がある
  • 返済が滞る不安があり強制執行を絶対に避けたい
  • 督促を一刻も早く止めたい
  • 借金総額が大きく抜本的な解決が必要
  • 住宅ローンを抱えていて、住宅を残したい

たとえば、3社から合計300万円を借りていて、毎月の返済が15万円という状況の40代会社員の方を想定してみましょう。仕事を休んで何度も裁判所に通うのは現実的ではありませんし、3社全てが特定調停に協力的とは限りません。このようなケースでは、弁護士に任意整理を依頼する方が、はるかに効率的で確実な解決につながります。

特定調停で困ったら弁護士への相談を検討しよう

特定調停にはこれまで見てきたとおり、無視できないデメリットが多くあります。だからこそ、安易に決めずに専門家の意見を聞くことをおすすめします。

弁護士に依頼するメリット

債務整理を弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 受任通知の送付により即日で督促が止まる
  • 書類作成や債権者との交渉を全て任せられる
  • 裁判所への出頭も代理してもらえる
  • 過払い金がある場合は同時に取り戻せる
  • 個別の事情に応じた最適な方法を提案してもらえる
  • 強制執行のリスクを最小限にする調停条項を作れる

「弁護士費用が高そう」と心配する方も多いですが、最近は分割払いに対応している事務所も多く、費用面でのハードルは下がっています。法テラス(日本司法支援センター)を利用すれば、収入要件を満たす方は弁護士費用の立替制度も利用可能です。

無料相談を活用して最適な方法を選ぶ

多くの法律事務所では、債務整理に関する無料相談を実施しています。まずは無料相談を利用して、自分の状況を正直に話してみましょう。

弁護士は次のような視点から最適な解決策を提案してくれます。

  1. 借金の総額と返済能力のバランス
  2. 過払い金の有無と発生可能性
  3. 所有財産の保全の必要性
  4. 家族や職場への影響をどこまで抑えたいか
  5. どれくらいのスピードで解決したいか

こうした要素を総合的に判断したうえで、特定調停・任意整理・個人再生・自己破産のいずれが最適かをアドバイスしてくれます。一人で悩まず、専門家の視点を借りることが、最短で借金問題を解決する近道です。

借金の悩みを抱え込んで眠れない夜を過ごしている方も多いでしょう。今すぐ完璧な答えを出す必要はありません。まずは「相談してみる」という小さな一歩から始めてみてください。多くの方が「もっと早く相談すればよかった」と話されているのが現実です。

特定調停は確かに費用が安く、自分のペースで進められる手続きです。しかし、本記事で解説してきた5つの主要デメリットと見落としがちな注意点を考えると、誰にでもおすすめできる方法ではないことが分かります。借金からの解放という目的を達成するために、最も適した方法を選ぶこと。それが、これからの人生を取り戻すための最初の重要な判断になります。

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