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交通事故の過失割合に納得できない時の対処法

交通事故の過失割合に納得できない時の対処法

この記事で分かること

  • 保険会社が提示する過失割合に納得できないとき、それが覆せる余地があるかどうかの考え方
  • 示談に合意する前にやってはいけないことと、過失割合を覆すための具体的な方法
  • 交渉で解決しないときのADR・民事調停・裁判という選択肢と、弁護士に依頼するメリット

保険会社が提示する過失割合に納得できないのはよくあることです。提示された割合は一方の主張にすぎず、ドライブレコーダーなどの客観的な証拠と事故類型の基準をもとに交渉すれば、覆せる余地があります。納得できないまま示談に合意すると覆すのが難しくなるため、合意前に弁護士へ相談するのが確実です。交渉決裂時はADRや民事調停、裁判という手段もあります。

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交通事故の示談を進めるなかで、「保険会社が提示してきた過失割合に、どうしても納得できない」と感じていませんか。「自分はちゃんと前を見ていたのに、なぜ2割も過失があることになるの?」と、釈然としない思いを抱えている方も多いはずです。事故にあった被害者なのに、なぜか責任の一部を負わされる。その理不尽さに、もやもやした気持ちを抱えるのは当然のことです。過失割合は受け取れる賠償額に直接響くため、安易に受け入れてしまうと大きく損をすることもあります。けれども、提示された割合は最終決定ではありません。適切に対応すれば、覆せる可能性は十分にあります。この記事では、過失割合に納得できないときの対処法と、提示された割合を覆すための具体的な方法を、弁護士の視点でわかりやすく解説します。

過失割合に納得できないのは、よくあること

まず知っておいてほしいのは、保険会社が提示する過失割合に納得できないのは、決して珍しいことではないということです。むしろ、被害者が「この割合はおかしいのでは」と感じる場面はとても多いのです。

その理由は、保険会社の立場にあります。保険会社は、支払う賠償額をできるだけ抑えたいという立場にあります。そのため、被害者側の過失を実際より多めに見積もって提示してくることがあるのです。決して、保険会社が悪意を持っているというわけではありませんが、提示された数字が常に適正とは限りません。

たとえば、本来なら過失がつかないような事故でも、「あなたももう少し注意していれば避けられたのでは」といった理由で、1割や2割の過失を主張されることがあります。被害者側は交通事故の交渉に不慣れなため、「プロである保険会社が言うのだから、そういうものなのだろう」と受け入れてしまいがちです。しかし、その提示が基準に照らして妥当とは限らないのです。だからこそ、「納得できない」という感覚は、決して軽視すべきではありません。

ワンポイントアドバイス
保険会社の提示する過失割合は、あくまで一方の主張です。「プロが出した数字だから正しい」と思い込む必要はありません。納得できないなら、その気持ちを大切にして、合意する前に立ち止まることが重要です。

実際、過失割合は交通事故の賠償のなかでも、特にトラブルになりやすい部分です。慰謝料の金額と違って、過失割合は「事故の状況をどう評価するか」という判断が入るため、見解が分かれやすいのです。だからこそ、被害者と保険会社の間で食い違いが起きやすく、「納得できない」という声が絶えません。あなたが感じている違和感は、多くの被害者が同じように抱えてきたものなのです。

そもそも過失割合は誰がどう決めるのか

過失割合を覆せるかどうかを考える前に、まず「過失割合がどう決まるのか」を押さえておきましょう。ここを理解しておくと、なぜ交渉の余地があるのかが見えてきます。

過失割合は、警察が決めるものではありません。実際には、双方の当事者(多くは保険会社)の話し合いによって決まります。その際、過去の膨大な裁判例をもとにした基準が参考にされます。

ここが重要なポイントです。過失割合が「話し合い」で決まるということは、裏を返せば、こちらの主張次第で変わる余地があるということです。警察が決めた絶対的な数字でも、法律で一律に定められた数字でもありません。だからこそ、根拠を示して交渉すれば、見直される可能性があるのです。

つまり、保険会社が最初に提示してくる割合は、交渉のスタート地点にすぎないのです。基準に照らして、あるいは個別の事情を主張することで、割合が見直される余地は十分にあります。過失割合がどう決まるのかについては、次の記事で詳しく解説しています。

過失割合に納得できないときにやってはいけないこと

納得できない過失割合を覆すには、まず「やってはいけないこと」を知っておくことが大切です。ここを間違えると、覆せるものも覆せなくなってしまいます。良かれと思ってした行動が、かえって自分を不利にすることもあるので注意しましょう。とくに次の2つは、覆すチャンスを自ら手放してしまう典型的な失敗です。

その場で示談に合意してしまう

もっとも避けたいのが、納得できないまま示談に合意してしまうことです。一度示談が成立すると、原則としてやり直しはできません。後から「やっぱりおかしい」と気づいても、覆すのは極めて難しくなります。

保険会社の担当者から「早く解決しましょう」と促されても、納得できないうちは合意しないことが鉄則です。サインを求められても、いったん持ち帰って検討する姿勢が大切です。担当者は交渉のプロですから、巧みに合意へ導こうとすることもあります。けれども、最終的に決めるのはあなた自身です。少しでも引っかかるなら、その場で答えを出す必要はありません。

注意
示談書にサインすると、その過失割合で確定してしまいます。「とりあえずサインして後で交渉しよう」は通用しません。納得できないなら、合意する前に専門家へ相談してください。

感情的に主張するだけで終わる

「自分は悪くない」と感情的に訴えるだけでは、過失割合は変わりません。保険会社を動かすのは、感情ではなく客観的な証拠と、基準にもとづいた論理的な主張です。気持ちは分かりますが、冷静に根拠を示すことが覆すための近道になります。

たとえば「相手が悪いに決まっている」と繰り返すより、「ドライブレコーダーの映像では、相手が一時停止を無視している」と具体的な事実を示すほうが、はるかに説得力があります。覆すためには、感情を脇に置いて、事実と根拠で勝負することが大切です。

とはいえ、被害者本人が冷静に、かつ専門的な根拠を示して交渉するのは簡単ではありません。事故にあって心身ともに負担を抱えているなかで、保険会社と理詰めでやり合うのは大きなストレスにもなります。こうした交渉こそ、専門家である弁護士に任せるのが向いている部分だといえます。

過失割合を覆すための具体的な方法

では、納得できない過失割合を覆すには、具体的にどうすればよいのでしょうか。ここからが本題です。ポイントは、証拠・基準・専門家の3つです。順番に見ていきましょう。

客観的な証拠を集める

過失割合を覆すうえで、もっとも強力な武器が客観的な証拠です。なかでもドライブレコーダーの映像は決定的な証拠になります。事故の瞬間が記録されていれば、相手や保険会社が事実と違う主張をしても、映像が真実を語ってくれます。

過失割合の争いは、結局のところ「どちらの言い分が正しいか」の勝負になります。そのとき、口頭での主張だけではどうしても水掛け論になりがちです。客観的な証拠があれば、その水掛け論を一気に決着させられます。だからこそ、証拠を集めることが覆すための第一歩になるのです。

ドライブレコーダー以外にも、次のような証拠が役立ちます。

証拠 役立つ場面
ドライブレコーダーの映像 事故の瞬間の状況を客観的に示す
事故現場の写真 車の位置・ブレーキ痕・信号や標識の状況を示す
目撃者の証言 第三者の視点から事故状況を裏づける
実況見分調書 警察が記録した事故時の状況を示す

これらの証拠がそろっていれば、保険会社の主張に対抗しやすくなります。事故直後に証拠を確保しておくことが、後の交渉を大きく左右するのです。

ここで覚えておきたいのは、証拠は時間が経つほど集めにくくなるということです。事故現場の状況はすぐに元に戻ってしまいますし、目撃者の記憶も日が経つにつれてあいまいになります。ドライブレコーダーの映像も、上書きされて消えてしまうことがあります。だからこそ、できるだけ早い段階で証拠を確保し、保存しておくことが大切です。「あとで集めればいい」と後回しにせず、気づいたときにすぐ動きましょう。

なかでも目撃者の証言は、見落とされがちですが重要です。事故の瞬間を見ていた第三者がいれば、その証言は中立的な証拠として大きな意味を持ちます。事故直後で慌ただしいかもしれませんが、周囲に目撃者がいないか確認し、いれば連絡先を聞いておくと、後々の交渉で役立つことがあります。

事故類型ごとの基準を確認する

過失割合には、事故の類型ごとに過去の裁判例にもとづく基準があります。自分の事故がどの類型にあたり、基準ではどのくらいの割合になるのかを確認しましょう。保険会社の提示が基準から外れていれば、それを根拠に交渉できます。

たとえば、保険会社が「8対2」を提示してきても、基準では「9対1」が妥当な類型であれば、その差を指摘して見直しを求められます。「基準ではこうなっているはずだ」と具体的に示せるかどうかが、交渉の成否を分けます。ただし、膨大な裁判例や基準を一般の方が正確に把握するのは簡単ではありません。ここは専門家の力を借りるのが現実的です。

過失割合の基準は、信号の有無、道路の幅、優先関係、スピード違反の有無など、さまざまな条件で細かく分かれています。同じ「交差点の事故」でも、条件が少し違うだけで基準上の割合が変わります。この細かさが、一般の方には分かりにくく、保険会社の提示をうのみにしてしまう一因にもなっています。だからこそ、基準に精通した専門家に確認してもらうことが、適正な割合を知る確実な方法なのです。

実況見分調書を取り寄せる

警察が作成する実況見分調書には、事故時の状況が記録されています。これは過失割合を判断する重要な資料になります。自分の認識と調書の内容が食い違っていないか確認し、必要に応じて証拠として活用しましょう。実況見分への臨み方は、次の記事で詳しく解説しています。

人身事故として扱われている場合、実況見分調書は刑事記録の一部として作成されます。これを取り寄せることで、事故時の車の位置や進行方向などの客観的な情報が得られます。自分の主張を裏づける内容であれば、過失割合を覆す有力な材料になります。取り寄せには一定の手続きが必要ですが、弁護士に依頼すればスムーズに進められます。

弁護士に交渉を依頼する

過失割合を覆すうえで、もっとも確実なのが弁護士への依頼です。弁護士は事故類型ごとの基準や裁判例に精通しており、証拠をもとに適正な割合を論理的に主張できます。本人交渉では動かなかった保険会社が、弁護士が入ったとたんに態度を変えることは珍しくありません

被害者本人が「おかしい」と主張しても、保険会社はなかなか取り合ってくれないことがあります。ところが、弁護士が代理人として基準や証拠を示しながら交渉すると、保険会社も無視できなくなります。保険会社任せにせず、専門家を味方につけることが、過失割合を覆す近道なのです。保険会社任せの危険性については、次の記事もご覧ください。

弁護士が交渉に入ると、保険会社は「このまま争えば裁判になるかもしれない」と意識します。裁判になれば、保険会社にとっても時間とコストがかかりますし、基準どおりの判断が下される可能性が高くなります。そのため、弁護士が相手だと、保険会社も早い段階で適正な割合に歩み寄ることが多いのです。これが、本人交渉と弁護士交渉の大きな違いです。

また、弁護士に依頼すれば、過失割合の交渉だけでなく、慰謝料や休業損害など、ほかの賠償項目もまとめて適正な金額を主張してもらえます。過失割合だけにとらわれず、賠償全体を見渡したうえで交渉を進められるのも、専門家に任せる大きなメリットです。煩雑な書類のやり取りや保険会社との連絡も任せられるため、被害者は治療や日常生活に専念できます。

弁護士に依頼するメリット
弁護士は過失割合の基準を熟知しており、証拠にもとづいて適正な割合を主張できます。過失割合が見直されれば、慰謝料を含む賠償額が大きく増えることもあります。弁護士費用特約を使えば、自己負担なく依頼できることも多いです。

「弁護士に頼むと費用が高そう」と心配する方もいますが、多くのケースでその心配は不要です。自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、相談料や依頼費用を保険でまかなえます。ご自身の保険だけでなく、家族の保険の特約を使える場合もあるので、まずは確認してみましょう。特約がなくても、過失割合の見直しで増える金額が費用を上回ることは少なくありません。

交渉で解決しないときの選択肢

弁護士が交渉に入っても、保険会社とどうしても折り合いがつかないことがあります。そんなときは、交渉以外の解決手段もあります。交渉が決裂したからといって、泣き寝入りする必要はありません。次のような手段が用意されています。

ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する

ADRとは、裁判によらずに第三者機関が間に入って紛争の解決をはかる手続きです。交通事故に関するADR機関では、中立的な立場の専門家が双方の主張を聞き、解決案を示してくれます。裁判より手軽で費用も抑えられるのが特徴です。

交通事故では、損害保険に関する専門のADR機関などが利用できます。中立の立場で判断してもらえるため、保険会社との交渉で平行線をたどっているときに、突破口になることがあります。ADRのしくみについては、次の記事で詳しく解説しています。

ADRの大きな利点は、裁判に比べて時間も費用も抑えられることです。当事者同士の交渉では感情的になりやすい場面でも、第三者が間に入ることで冷静な話し合いが進みやすくなります。「裁判は大げさだけれど、このままでは納得できない」というときの有力な選択肢になります。

民事調停を申し立てる

民事調停は、簡易裁判所で調停委員を交えて話し合う手続きです。示談交渉が決裂したときの選択肢の一つになります。裁判ほど大がかりではなく、当事者の合意による解決を目指すのが特徴です。

調停は、裁判のように勝ち負けを決めるものではなく、あくまで話し合いによる歩み寄りを目指す手続きです。費用も比較的安く、自分で申し立てることもできます。「裁判までは起こしたくないが、このままでは納得できない」というときの中間的な選択肢といえます。民事調停での解決については、次の記事をご覧ください。

調停では、調停委員という中立の立場の人が間に入り、双方の主張を整理しながら解決案を探ってくれます。当事者だけでは折り合えなかったことも、第三者が入ることでまとまることがあります。ただし、調停はあくまで話し合いなので、相手が応じなければ成立しません。その場合は、最終的に裁判で決着をつけることになります。

裁判で決着をつける

どうしても解決しない場合は、最終的に裁判で争うことになります。裁判では、提出された証拠をもとに裁判所が過失割合を判断します。時間と費用はかかりますが、適正な割合を勝ち取るための最後の手段です。弁護士に依頼していれば、裁判への移行もスムーズに進められます。

裁判というと身構えてしまうかもしれませんが、損害額が大きく、過失割合の差が賠償額に大きく響くケースでは、裁判で争う価値があることもあります。どの手段を選ぶべきかは、ケースによって異なります。弁護士に相談すれば、交渉・ADR・調停・裁判のうち、どれが最適かを見極めたうえで進められます。

なお、裁判になっても、必ずしも判決まで争うとは限りません。途中で裁判所から和解案が示され、双方が合意して解決するケースも多くあります。裁判を起こすことが、かえって適正な解決への近道になることもあるのです。いずれにせよ、こうした手続きは専門的なので、弁護士のサポートを受けながら進めるのが安心です。

「納得できない」と感じやすい典型ケース

過失割合に納得できない場面には、いくつかの典型パターンがあります。ご自身のケースが当てはまらないか、確認してみてください。これらに当てはまる場合、過失割合を覆せる可能性が比較的高いといえます。

停車中・信号待ちで追突されたのに過失をつけられた

信号待ちなどで停車中に追突された場合、本来は被害者の過失はゼロです。それなのに「車間が近かった」などの理由で過失を主張されたら、納得できなくて当然です。こうしたケースは、覆せる可能性が高い典型例といえます。

停車中の追突は、被害者にできることがほとんどありません。前を向いて止まっていただけなのに過失を問われるのは理不尽です。基準上も、こうしたケースは加害者の過失が10割とされるのが原則ですから、毅然と主張すべき場面といえます。

青信号で進んでいたのに過失を主張された

自分は青信号で進行していたのに、相手の信号無視による事故で過失をつけられるケースもあります。この場合、信号の状況を示す証拠があれば、過失割合を大きく見直せる可能性があります。ドライブレコーダーの映像が決め手になることも多いです。

信号の色は、過失割合を左右する決定的な要素です。「自分は青だった」と主張しても、相手が「いや、こちらが青だった」と言えば、証拠がなければ水掛け論になります。だからこそ、信号の状況を客観的に示せる証拠が、ここでも重要になるのです。

相手の言い分だけで割合が決められた

自分の言い分が十分に聞かれないまま、相手の主張をもとに過失割合が決められてしまうこともあります。一方的な情報だけで割合が決まっているなら、こちらの証拠や主張を示すことで、見直しを求められます。

特に、事故直後に自分が入院などで対応できず、相手側の説明だけが先に保険会社に伝わってしまうと、不利な割合が前提になってしまうことがあります。そうした場合でも、後から証拠を示して主張すれば、見直される余地は残されています。諦めずに、自分の側の事実を伝えることが大切です。

過失割合を覆せた場合、賠償額はどう変わる?

過失割合が見直されると、受け取れる賠償額はどのくらい変わるのでしょうか。具体的な例で見てみましょう。数字で見ると、過失割合を覆す意味が実感できるはずです。

損害額が400万円のケースで、保険会社が当初「8対2(被害者の過失2割)」を提示していたとします。この場合、受け取れるのは320万円です。ところが、証拠をもとに交渉し、過失割合が「9対1」に修正されたとすると、受け取れる金額は360万円になります。その差は40万円です。

過失割合ごとに受け取れる金額を整理すると、次のようになります。

過失割合(加害者:被害者) 受け取れる金額(損害額400万円の場合)
8対2(当初の提示) 320万円
9対1(修正後) 360万円
10対0(過失ゼロ) 400万円

さらに、過失割合が「10対0」まで覆れば、400万円全額を受け取れます。当初の提示と比べて80万円もの差です。過失割合を覆すことが、いかに大きな意味を持つかが分かるはずです。

しかも、弁護士に依頼すれば、過失割合の見直しと同時に、慰謝料そのものの増額も期待できます。過失割合を覆して賠償額のベースを上げ、さらに慰謝料を弁護士基準で計算し直せば、最終的に受け取る金額は二重に増えることになります。弁護士が交渉に入ることで賠償額が増えるしくみは、次の記事をご覧ください。

補足
過失割合の見直しは、慰謝料だけでなく、治療費や休業損害、車の修理費など、すべての賠償項目に影響します。そのため、損害額が大きいケースほど、過失割合を覆す効果も大きくなります。

つまり、後遺障害が残るなどで損害額が大きいケースでは、過失割合を1割でも覆せれば、数十万円から数百万円単位で受け取る金額が変わることもあります。「たった1割」と思うかもしれませんが、その1割が大きな金額の差を生むのです。納得できない過失割合をそのまま受け入れることは、それだけの金額を手放すことを意味します。だからこそ、覆せる可能性があるなら、しっかり向き合う価値があるのです。

過失割合に納得できないときのよくある質問

最後に、過失割合に納得できない方からよく寄せられる質問をまとめました。同じ悩みを抱える方は多いので、参考にしてください。

保険会社の提示した過失割合は変えられますか?
変えられる可能性があります。提示された割合は一方の主張にすぎず、客観的な証拠や事故類型の基準をもとに交渉すれば、見直されることがあります。弁護士に相談するのが確実です。
ドライブレコーダーがないと覆せませんか?
ドライブレコーダーがあれば有利ですが、なくても覆せる可能性はあります。事故現場の写真、目撃者の証言、実況見分調書など、ほかの証拠を組み合わせて主張することができます。
すでに示談してしまいました。今からでも覆せますか?
一度成立した示談を覆すのは原則として困難です。ただし、錯誤や新たな事実の判明など、例外的に認められる場合もあるため、不安があれば早めに弁護士へ相談してください。
過失割合の交渉だけでも弁護士に頼めますか?
頼めます。過失割合は専門的な判断が必要なため、弁護士に任せると適正な主張がしやすくなります。慰謝料の増額とあわせて依頼するケースが多いです。
交渉が決裂したらどうすればいいですか?
ADR(裁判外紛争解決手続)や民事調停、最終的には裁判という選択肢があります。弁護士に依頼していれば、状況に応じて適切な手段を選んで進められます。
弁護士に頼むと費用倒れになりませんか?
弁護士費用特約を使えば、自己負担なく依頼できることが多いです。特約がなくても、過失割合の見直しや慰謝料の増額で得られる金額が費用を上回るケースが少なくありません。
過失割合に納得できないとき、まず何をすべきですか?
まずは示談に合意しないことです。そのうえで、手元にある証拠を確認し、早めに弁護士へ相談しましょう。合意してしまう前に動くことが何より大切です。

まとめ

保険会社が提示する過失割合に納得できないのは、決して珍しいことではありません。保険会社は支払いを抑えたい立場にあるため、被害者側の過失を多めに見積もってくることがあるからです。提示された割合は一方の主張にすぎず、交渉によって覆せる余地があります。「納得できない」というあなたの感覚は、決して間違っていないかもしれないのです。

過失割合を覆すには、ドライブレコーダーの映像などの客観的な証拠を集め、事故類型ごとの基準に照らして主張することが重要です。納得できないまま示談に合意してしまうと覆すのが難しくなるため、合意する前に立ち止まることが何より大切です。交渉で解決しなければ、ADRや民事調停、裁判といった手段もあります。

自分一人で交渉するのが難しいと感じたら、弁護士への相談がもっとも確実です。弁護士が基準や証拠をもとに交渉すれば、過失割合が見直され、慰謝料を含む賠償額が大きく変わることもあります。過失割合は受け取る金額に直結する、決して軽く見てはいけないものです。「自分は悪くないはずなのに」という思いを抱えているなら、一人で抱え込まず、まずは専門家に確認することから始めてみてください。その一歩が、あなたが本来受け取るべき金額を取り戻すことにつながります。

事故にあっただけでも大変なのに、過失割合まで争うのは、心身ともに負担の大きいことです。けれども、正しい知識を持ち、適切に行動すれば、納得のいく結果に近づけることは十分にできます。提示された割合に少しでも疑問を感じたら、合意してしまう前に確認する。その一手間を惜しまないことが、後悔しないための何よりの備えになります。

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