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過払い金の計算方法|引き直し計算のやり方

過払い金の計算方法|引き直し計算のやり方

この記事で分かること

  • 過払い金の計算に使う引き直し計算とは何かという基本
  • 利息制限法の上限金利に直して元本を再計算するしくみ
  • 計算に欠かせない取引履歴の取り寄せ方と見方
  • 引き直し計算の具体的な手順と押さえるべきポイント
  • 自分で計算する場合と専門家に任せる場合の違い
  • 一連計算と個別計算など取引が複数あるときの考え方
  • おおよその過払い額の見当をつけて次の判断につなげる方法

過払い金の金額は、実際に払った利息を利息制限法の上限金利に直して計算し直す「引き直し計算」で求めます。まず貸金業者から取引履歴を取り寄せ、借入と返済の記録を上限金利のルールに当てはめて元本と利息を再計算します。手作業でもできますが、取引回数が多いと複雑になり、計算ソフトや専門家の力を借りるのが確実です。正確な金額がわかれば、請求するかどうかや、どの方法で手続きを進めるかの判断材料になります。

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過払い金の計算は「引き直し計算」でわかる

「自分に過払い金がいくらあるのか知りたい」――そう思って調べ始めると、必ずぶつかるのが引き直し計算という言葉です。なんだか難しそうに聞こえますが、考え方そのものはシンプルです。過払い金の金額は、この引き直し計算をすれば求められます。この記事では、計算のしくみから具体的な手順、つまずきやすいポイントまで、順を追ってわかりやすくお伝えします。

結論を先にお伝えすると、引き直し計算とは「実際に払っていた高い金利を、法律で認められた正しい金利に直して、借入と返済を計算し直す」作業です。これによって、本来払うべきだった利息と、実際に払った利息の差――つまり払いすぎた分が見えてきます。この差額が、あなたが取り戻せる過払い金です。

計算と聞くと身構えてしまう方もいるでしょう。けれど、ご安心ください。基本の理屈さえつかめば、何が行われているのかはきちんと理解できます。そして、実際の細かい計算はソフトや専門家に任せることもできます。まずは「過払い金がどうやって計算されるのか」という全体像を、いっしょに見ていきましょう。

たとえば、ある方が昔、消費者金融から30万円を年27%で借り、毎月1万円ずつ返していたとします。年27%という金利は、利息制限法の上限である18%をはっきり超えています。この超えている9%分の利息を、本来は払う必要がなかった――というのが過払い金の発想です。引き直し計算は、この「払う必要のなかった部分」を一回ごとの取引にさかのぼって洗い出し、合計いくらになるかを明らかにする作業なのです。

補足
引き直し計算は、過払い金の調査だけでなく、任意整理で借金の残高を正確に把握するときにも使われる、債務整理の基本となる計算方法です。

引き直し計算とは何か――上限金利で計算し直すこと

もう少し詳しく、引き直し計算の中身に踏み込みましょう。鍵になるのが利息制限法という法律です。この法律は、お金を貸すときに取ってよい利息の上限を、借入額に応じて次のように定めています。

借入元本 利息制限法の上限金利(年)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

かつて多くの消費者金融やクレジット会社は、この上限を超える年25〜29%といった金利でお金を貸していました。利用者は、その高い金利のまま毎月返済していたわけです。引き直し計算では、この実際の取引を、上の表にある正しい上限金利に置き換えて計算し直します。

なぜ計算し直すと過払い金が見えるのか

少し具体的に考えてみましょう。高い金利のままだと、返済額の多くが利息に消え、元本がなかなか減りません。ところが、正しい上限金利で計算し直すと、利息が小さくなる分、毎回の返済で元本が大きく減っていきます。すると、本来ならとっくに完済できていた、という結果になることがあります。

完済したあとも返済を続けていれば、その払い続けたお金は「払いすぎ」です。これが過払い金の正体です。つまり引き直し計算とは、「正しい金利だったら、いつ完済して、いくら払いすぎていたか」を明らかにする作業だといえます。借金の整理を考えている方にとっても、この計算は残っている借金の本当の額を知るうえで欠かせません。

イメージをつかむために、ごく単純化した例で考えてみましょう。10万円を借りて、高い金利のまま返していると、毎月の返済のうち利息に取られる割合が大きく、元本は少しずつしか減りません。ところが、上限金利の18%で計算し直すと、同じ返済額でも利息が小さくなり、元本がぐんぐん減っていきます。その結果、実際の取引では「まだ借金が残っている」とされていた時点で、正しい計算では「とっくに完済している」ということが起こります。完済後に払い続けた分が、まるごと過払い金になるわけです。

このとき大切なのは、「払っていた金利がいくらだったか」と「いつまで返済を続けたか」の二つです。金利が高く、返済期間が長いほど、払いすぎは膨らみます。あなたの取引がどうだったかは、次に説明する取引履歴を見ればはっきりします。

そもそもなぜ「正しい金利」で計算し直せるのか

「契約のときに高い金利で合意したのだから、いまさら計算し直すのはおかしいのでは」と疑問に思う方もいるかもしれません。けれど、利息制限法の上限を超える利息は、もともと法律上は無効とされています。かつては一定の条件を満たせば有効とみなす規定もありましたが、最高裁判所がその条件を非常に厳しく解釈したため、実際にはほとんど認められなくなりました。つまり、上限を超えて払った利息は「払う必要のなかったお金」と整理されるのです。だからこそ、正しい金利で計算し直して、払いすぎを取り戻すことが認められています。引き直し計算は、思いつきの計算ではなく、こうした法律の裏づけのうえに成り立っているのです。

計算に必要な「取引履歴」を取り寄せる

引き直し計算をするには、材料が必要です。その材料こそが取引履歴です。取引履歴とは、いつ・いくら借りて、いつ・いくら返したかを時系列で記録したもの。これがなければ、正確な計算はできません。

取引履歴の取り寄せ方

取引履歴は、お金を借りていた貸金業者やクレジット会社に対して「開示してほしい」と求めれば、出してもらえます。手続きの流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 借入先に連絡する――電話や書面で、過去の取引履歴の開示を申し込みます。本人確認のための書類を求められることがあります。
  2. 業者が履歴を作成する――申し込みから、おおむね数週間で履歴が送られてきます。費用は無料か、ごく少額のことが多いです。
  3. 履歴を受け取る――借入日・返済日・金利・残高などが並んだ一覧を受け取ります。これが計算のもとになります。

「業者に直接連絡するのは気が引ける」と感じる方もいるかもしれません。実際、本人が請求すると、業者が過払い金の発生を察して身構えることもあります。心理的なハードルが高いと感じるなら、最初から専門家に取り寄せを任せてしまうのも一つの手です。専門家の名前で開示請求をすれば、本人が直接やり取りする必要がなくなり、手続きの負担も軽くなります。

なお、取引履歴の開示は、貸金業法でも業者の義務とされています。「履歴は出せない」と断られることは基本的にありません。もし業者が開示に応じない、あるいは一部しか出してこないといった対応をしてきた場合は、それ自体が交渉や訴訟で不利に働くこともあります。臆せず、全期間の履歴を求めてかまいません。

確認しておきたいこと
取引履歴は「全期間」を取り寄せることが大切です。一部の期間だけだと、過払い金を正しく計算できません。古い取引まで含めて、漏れなく開示してもらいましょう。

取り寄せた履歴は、ただ眺めるだけでなく、内容に抜けがないかをひととおり確認しておくと安心です。借入を始めた最初の日付から記録が始まっているか、途中の期間が飛んでいないか、完済した時期があればその前後がつながっているか――こうした点を見ておくと、計算の段階でつまずきにくくなります。もし古い時期の記録が抜けていると感じたら、その期間についてあらためて開示を求めることもできます。材料がそろっているかどうかで、計算の正確さは大きく変わります。最初の段階で履歴をていねいに確認しておくことが、結果的に正しい金額にたどり着く近道になります。

引き直し計算の具体的な手順

材料がそろったら、いよいよ計算です。引き直し計算は、取引履歴に並んだ一回一回の取引を、順番に正しい金利で計算し直していく作業です。流れをイメージできるよう、大きな手順に分けて説明します。

  1. 取引を時系列に並べる――借入と返済を、日付の順にすべて並べます。
  2. 正しい上限金利を当てはめる――そのときの残高に応じて、利息制限法の上限金利を使います。残高が減れば適用される上限が上がることもあるため、こまめに確認します。
  3. 各取引ごとに利息と元本を計算する――前回の取引日からの日数に応じた利息を計算し、返済額からその利息を差し引いた残りを元本の返済に充てます。
  4. 残高を更新していく――この作業を、取引の最後まで一回ずつ繰り返します。
  5. 残高がマイナスになった分が過払い金――計算上、元本がゼロを下回ったら、そこから先の返済はすべて払いすぎ。その合計が過払い金です。

文字にすると複雑に見えますが、やっていることは「正しい金利で家計簿をつけ直す」ようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。一回ごとの計算自体は単純な足し引きです。ただし、取引の回数が何十回、何百回とある場合は、その分だけ手間がかかります。

もう少しだけ中身を補足します。利息は「残高×金利×日数÷365」という形で、前回の取引日からの経過日数に応じて計算します。返済があったときは、まずこの利息に充て、残った分を元本の返済に回します。借入があれば、その分だけ残高が増えます。この「利息を計算して、返済を充てて、残高を更新する」という一連の流れを、取引の数だけ繰り返すわけです。やり方さえ決まっていれば機械的な作業なので、表計算ソフトの得意分野でもあります。

ごく簡単な計算イメージ

言葉だけだとつかみにくいので、思い切り単純にした例を示します。実際の計算はもっと細かいのですが、流れの感覚をつかむためのものと考えてください。

取引 実際の金利での扱い 上限金利での扱い
借入直後 残高が大きく利息も高い 残高は同じだが利息は低い
返済を続ける 利息に多く取られ元本が減りにくい 元本が早く減っていく
一定期間後 まだ借金が残っている すでに完済している
その後の返済 返済を続けている 払いすぎ=過払い金が積み上がる

このように、同じ取引でも、適用する金利が違うだけで「いつ完済したか」が変わります。そのズレの分が過払い金になる、というイメージを持っておくと、計算結果も理解しやすくなります。

計算の結果、過払い金が出るのではなく、まだ借金が残るという結論になることもあります。その場合は、残った借金をどう整理するかが次の課題になります。返済を続けるのが難しいなら、任意整理で利息をカットしてもらう方法も検討できます。

取引が複数あるときの考え方(一連計算と個別計算)

同じ業者から、完済と借入を何度か繰り返している方もいるでしょう。たとえば、一度完済したあと、しばらくしてまた借りた、というケースです。このとき問題になるのが、これらの取引をひとつながりのものとして計算するか、別々に計算するかという点です。

計算方法 考え方 過払い金への影響
一連計算 複数の取引をひとつながりとみなす 過払い金が大きくなりやすい
個別計算 取引ごとに分けて計算する 過払い金が小さくなりやすい

一連計算ができれば、前の取引で生じた払いすぎを後の取引に充てられるため、過払い金が大きくなる傾向があります。一方、業者は「取引は別々だ」と主張して個別計算を求め、過払い金を小さく見せようとすることがあります。どちらの計算になるかは、完済から次の借入までの期間や、契約の内容などをもとに判断されます。

ここは、過払い金の額を大きく左右する重要な論点です。専門家であれば、過去の裁判例をふまえて一連計算を主張し、より多くの過払い金を取り戻せるよう交渉してくれます。複数回の取引がある方ほど、この点で差がつきやすいことを覚えておきましょう。借金がいくつもあって整理が必要な場合には、個人再生のように返済総額そのものを圧縮する手続きが向くこともあります。

一連計算が認められるかどうかは、過去の取引と新しい取引が「実質的にひとつながりといえるか」で判断されます。判断の材料になるのは、たとえば完済から再借入までの空白期間の長さ、契約書が同じか別か、カードを返したか持ち続けていたか、といった事情です。空白期間が短く、同じカードを使い続けていたようなケースでは、一連計算が認められやすくなります。逆に、完済から何年も空いていて、まったく別の契約を結び直しているような場合は、個別計算とされることもあります。

自分のケースで一連計算ができそうか、過払い金がどれくらいになりそうか、まずは大まかに知りたい方も多いはずです。下の無料診断なら、いくつかの項目を入力するだけで、過払い金や減額の目安を確認できます。計算を始める前の見当づけに、気軽に使ってみてください。

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100万円
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任意整理後の月々の返済額目安

2万円

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※ 簡易計算です。任意整理は弁護士・司法書士が交渉し将来利息のカット等を行うもので、実際の減額幅は借入先・返済状況により異なります。個人再生・自己破産では更に大きな減額が可能な場合があります。

自分で計算する方法と、その限界

引き直し計算は、法律上、本人が自分で行うこともできます。費用をかけたくない方にとっては、選択肢のひとつです。では、自分でやる場合はどうすればよいのでしょうか。

無料の計算ソフトを使う

インターネット上には、引き直し計算用の表計算ソフトが無料で公開されています。多くは、取引履歴に記載された日付・借入額・返済額を入力していくと、自動で利息と残高を計算してくれるしくみです。一回ずつ手計算するより、はるかに正確で速く済みます。電卓だけで全部を計算するのは現実的ではないため、こうしたソフトを使うのが一般的です。

自分でやる場合の注意点

ただし、自分で計算するにはいくつかの壁があります。入力を一か所でも間違えれば、結果は大きくずれてしまいます。先ほどの一連計算と個別計算のような判断も、自分でしなければなりません。さらに、計算した金額をもとに業者と交渉し、場合によっては訴訟まで進める必要があります。計算はできても、その先の交渉でつまずく方は少なくありません。

また、自分で計算した金額が正しいかどうかを、自分で検証するのは意外と難しいものです。入力ミスや、上限金利の当てはめ間違いに気づかないまま、本来より少ない金額で請求してしまうこともあります。せっかく時間をかけて計算しても、肝心の金額が低ければもったいない結果になりかねません。正確さに自信が持てないときは、計算だけでも専門家にチェックしてもらうという使い方も考えられます。

計算の結果、借金が残ってしまい、しかも返済の見通しが立たない――そんなときは、自己破産という選択肢もあります。財産を手放す代わりに、借金そのものをゼロにできる手続きです。どの方法が自分に合うかは、状況によって変わります。

また、住宅を手放したくない、けれど借金は大きく減らしたいという方には、個人再生という方法が向くこともあります。引き直し計算で正確な残高を出しておけば、こうした手続きを選ぶ際にも、より実態に合った再生計画を立てやすくなります。計算は、過払い金を取り戻すためだけでなく、借金全体を見直すうえでも土台になるのです。

計算ツールや専門家に任せるという選択

「計算は苦手」「正確にやれる自信がない」――そう感じるなら、無理をせず専門家に任せるのが安心です。多くの法律事務所では、取引履歴の取り寄せから引き直し計算までを引き受けてくれます。過払い金の調査だけなら無料で対応してくれるところもあります。

専門家に任せる最大のメリットは、計算の正確さと、その先の交渉力です。プロは、業者が個別計算を主張してきても、裁判例を根拠に一連計算を主張します。交渉が決裂すれば訴訟も辞さない姿勢で臨むため、結果として手元に残る金額が大きくなりやすいのです。自分で6割の和解に応じてしまうのと、専門家を通じてほぼ満額を回収するのとでは、最終的な差は小さくありません。

加えて、過払い金には返還までに利息(これを過払い利息と呼びます)が付くことがあります。専門家はこの過払い利息も含めて請求するため、請求できる総額がさらに増えることがあります。細かな論点まで漏れなく主張してくれるのは、専門家に任せる大きな利点だといえるでしょう。費用はかかりますが、その分しっかり回収できれば、十分に元が取れることも珍しくありません。

「いきなり依頼するのは不安」という方は、まず無料相談を活用するとよいでしょう。多くの事務所では、過払い金の調査や見積もりまでは無料で対応してくれます。話を聞いたうえで、自分でやるか任せるかを決めても遅くはありません。大切なのは、わからないまま放置して時効を迎えてしまわないこと。気になっているなら、相談だけでも早めに動いておくと安心です。

ワンポイントアドバイス
専門家に依頼するときは、費用の体系を最初に確認しましょう。着手金や成功報酬の割合、その上限を聞いておけば、「戻ったお金がほとんど手元に残らなかった」という事態を避けられます。

引き直し計算でよくあるつまずきと注意点

引き直し計算には、知らないと損をしてしまう落とし穴があります。代表的なものを挙げておきます。

  • 取引履歴の取り寄せ漏れ――一部の期間しか取り寄せないと、計算が不正確になります。全期間を漏れなく開示してもらいましょう。
  • 古い取引の履歴がない――業者が古い記録を破棄していることがあります。その場合でも、推定で計算する方法があるため、あきらめる必要はありません。
  • 一連計算の主張を忘れる――複数取引があるのに個別計算で済ませてしまうと、本来取り戻せる過払い金を取りこぼします。
  • 時効を見落とす――計算に手間取っているうちに、最後の取引から10年が過ぎて時効を迎えてしまうことがあります。

とくに見落とされがちなのが、時効です。引き直し計算をして「過払い金がある」とわかっても、すでに時効が完成していれば請求できません。だからこそ、計算には早めに着手することが大切なのです。心当たりがある方は、のんびり構えている時間はないと考えておきましょう。

もう一つ、見落とされやすいのが「業者の経営状態」です。過払い金が計算上いくら出ていても、肝心の業者が倒産してしまえば、満額を回収するのは難しくなります。計算に時間をかけているあいだに業者の経営が傾いてしまう、ということも起こり得ます。正確に計算することはもちろん大切ですが、計算が終わるのを待ちすぎて回収のタイミングを逃さないよう、全体のスピード感も意識しておきたいところです。

「完璧に計算してから動こう」と考える方ほど、かえってタイミングを逃しがちです。まずは取引履歴を取り寄せて、おおよその金額の見当をつけ、請求できそうなら早めに着手する――この順番を意識するだけで、時効や業者の倒産といったリスクを避けやすくなります。

注意
業者から提示される金額や和解案は、業者にとって都合のよい計算になっていることがあります。提示をそのまま受け入れる前に、自分の引き直し計算の結果と照らし合わせることが大切です。

計算結果をどう読み、次にどう動くか

引き直し計算が終わると、結果は大きく三つのパターンに分かれます。それぞれで、次に取るべき行動が変わってきます。

計算結果 意味 次の行動
過払い金が発生 払いすぎたお金がある 業者に返還請求する
残高がほぼゼロ 正しい金利では完済済み 過払い金の有無を精査する
借金が残る 正しい金利でもまだ債務がある 債務整理を検討する

過払い金が出た場合は、その金額をもとに業者へ返還を求めます。一方、計算の結果まだ借金が残るとわかったときは、無理に過払い金にこだわるより、残った借金をどう整理するかに頭を切り替えるのが現実的です。引き直し計算で正確な残高がわかっていれば、任意整理や個人再生といった手続きをスムーズに進められます。信用情報への影響が気になる方は、その点もあわせて確認しておくと安心です。

残高がほぼゼロという結果になったときは、ほんのわずかな計算の差で過払い金が出るかどうかが分かれることがあります。こうしたケースでは、一連計算の主張や過払い利息の扱いなど、細かな点まで丁寧に精査することで、結果が変わる可能性があります。微妙なラインだからこそ、専門家の目で見直してもらう価値があるといえるでしょう。

過払い金の計算に関するよくある質問

引き直し計算は誰でも無料でできますか?

計算ソフトは無料で手に入りますし、取引履歴の開示も無料か少額で済むことが多いため、自分でやる分には大きな費用はかかりません。専門家に依頼する場合は費用がかかりますが、調査だけなら無料という事務所もあります。

取引履歴がないと計算できませんか?

履歴があるに越したことはありませんが、業者が古い記録を破棄しているなどで一部が手に入らない場合でも、残っている資料から取引を推定して計算する方法があります。履歴が完全にそろわなくても、計算をあきらめる必要はありません。

引き直し計算と利息の再計算は同じものですか?

ほぼ同じ意味で使われます。引き直し計算は、利息を法律どおりに計算し直す作業ですから、利息の再計算と呼ばれることもあります。呼び方は違っても、やっていることは「正しい上限金利で借入と返済を計算し直す」という同じ作業です。

計算した金額がそのまま戻ってきますか?

計算で出た過払い金は、あくまで「請求できる金額」です。業者との交渉や訴訟を経て、実際にいくら戻るかが決まります。交渉だけだと満額より低い金額で和解することもありますが、訴訟まで進めればより満額に近づきやすくなります。

金利が何%だったか覚えていません。どうすればいいですか?

当時の金利を覚えていなくても問題ありません。取引履歴には、その時々の金利が記録されています。履歴を取り寄せれば、自分がどの金利で借りていたかは正確にわかります。

計算にはどのくらい時間がかかりますか?

取引履歴の取り寄せに数週間、そこから計算自体は、取引回数が少なければ短時間で終わります。ただし取引が多い場合や、一連計算かどうかの判断が必要な場合は、もう少し時間がかかります。全体としては、履歴の取り寄せを含めて1〜2か月程度を見ておくとよいでしょう。

複数の会社から借りていた場合、計算はどうなりますか?

会社ごとに取引履歴を取り寄せ、それぞれ別に引き直し計算をします。ある会社では過払い金が出て、別の会社ではまだ借金が残る、ということもあります。全体を整理したうえで、過払い金の請求と借金の整理をどう組み合わせるかを考えていくことになります。

計算結果は業者の出す金額と一致しますか?

必ずしも一致しません。業者側も独自に計算してきますが、一連計算か個別計算かといった前提の置き方や、過払い金に付ける利息をどう扱うかによって、こちら側の計算と差が出ることがあります。業者から示された金額をそのまま受け入れる前に、自分の側でも引き直し計算をしておけば、提示額が妥当かどうかを判断する材料がそろいます。金額に開きがあるときは、その差がどこから生じているのかを確認することが大切です。

過払い金に利息は付きますか?

払いすぎたお金には、本来、年5パーセントの利息(民事法定利率による遅延損害金)を付けて請求できると考えられています。長期間にわたって払いすぎていた場合、この利息部分も決して小さくありません。ただし、交渉だけで解決するときは、この利息を付けずに元本部分だけで和解することも多く、利息まで含めて回収したい場合は訴訟を視野に入れることになります。どこまで求めるかは、戻る金額と手間のバランスを見て決めるとよいでしょう。

計算を専門家に頼むと、必ず請求まで進めないといけませんか?

そのようなことはありません。まず引き直し計算だけを依頼して、過払い金がどれくらいあるのかを確認し、その金額を見てから請求するかどうかを決める、という進め方もできます。計算の結果、過払い金がほとんどなかったり、借金のほうが残ったりすることもあります。その場合は、過払い金請求ではなく別の債務整理を検討するなど、状況に合わせて方針を切り替えれば問題ありません。

まとめ――まずは正確な計算から始めよう

過払い金の金額は、引き直し計算によって明らかになります。実際に払っていた高い金利を、利息制限法の正しい上限金利に直して計算し直すことで、払いすぎた分が見えてくる――これが計算の核心です。そのためには取引履歴という材料が欠かせず、複数取引がある場合は一連計算か個別計算かという判断も結果を大きく左右します。

自分で計算ソフトを使って進めることもできますが、正確さや、その先の交渉まで考えると、専門家に任せるほうが安心で、結果的に得になることも多いものです。そして何より、時効が来てしまえば計算しても請求できません。「自分にどれくらい過払い金があるのか」を知りたいなら、まずは取引履歴を取り寄せ、早めに正確な計算を始めることが、損をしないための第一歩になります。

計算と聞くと構えてしまうかもしれませんが、しくみさえ理解してしまえば、何が起きているのかは難しくありません。あとは、その作業を自分でやるか、専門家に任せるかを選ぶだけです。どちらを選ぶにしても、出発点はいつも「正しい金利で計算し直す」こと。あなたの取引に眠っているかもしれない払いすぎを、正確な計算で明らかにすることから始めてみてください。

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