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過失割合と慰謝料の関係|過失相殺の計算方法を解説

過失割合と慰謝料の関係|過失相殺の計算方法を解説

この記事で分かること

  • 過失割合が慰謝料を含むすべての賠償額に影響する過失相殺の仕組み
  • 受け取れる金額=損害額−(損害額×過失割合)という過失相殺の計算方法と過失割合別の金額の違い
  • 過失相殺で損しないための注意点と、過失割合の見直しと慰謝料増額を同時に進める弁護士相談のメリット

過失割合は、慰謝料を含むすべての賠償額に影響します。自分に過失があると、その割合に応じて賠償額が差し引かれる過失相殺が行われます。受け取れる金額は損害額から(損害額×過失割合)を引いて計算します。過失割合が1割違うだけで金額は大きく変わり、損害額が大きいほど影響も深刻です。過失割合と損害額の両方を適正にすることが、適正な賠償につながります。

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交通事故の示談を進めていると、「過失割合があると、慰謝料はどのくらい減るの?」と気になりますよね。せっかく慰謝料の相場を調べても、過失割合によって減らされてしまうと、実際に受け取れる金額は変わってきます。「相場どおりもらえると思っていたのに、思ったより少なかった」とがっかりしないためにも、過失割合の影響を理解しておくことが大切です。過失割合と慰謝料・示談金は、切っても切れない関係にあります。この記事では、過失割合が慰謝料や示談金にどう影響するのか、過失相殺の計算方法を具体例を交えて、弁護士の視点でわかりやすく解説します。ご自身の慰謝料の目安は、ページ内の自動計算シミュレーターでも確認できます。

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※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。

過失割合と慰謝料・示談金の関係

まず押さえておきたいのは、過失割合は、慰謝料を含むすべての賠償額に影響するということです。自分に過失があると判断されると、その過失の分だけ、受け取れる金額が差し引かれます。この仕組みを「過失相殺」といいます。

たとえば、慰謝料や治療費などの損害額が合計300万円だったとします。このとき、自分の過失割合が2割(過失割合8対2)なら、300万円から2割が差し引かれ、受け取れるのは240万円になります。

つまり、いくら慰謝料の相場が高くても、過失割合が大きければ、最終的に手にする金額は減ってしまうのです。慰謝料の金額だけでなく、過失割合もあわせて考えることが、受け取れる金額を正しく把握する鍵になります。慰謝料の相場だけを見て「これだけもらえる」と思っていると、過失相殺で減らされたときに大きなギャップを感じることになります。

過失割合と慰謝料の関係は、「相場」と「実際の受取額」が違ってくる原因の一つです。ネットで調べた慰謝料相場や、計算機で出した金額は、あくまで過失相殺を考慮する前の数字であることが多いものです。そこに過失割合という掛け率がかかって、はじめて実際に手にする金額が決まります。この順序を理解しておくと、保険会社から提示された金額が高いのか低いのかを、より正確に判断できるようになります。

ワンポイントアドバイス
慰謝料の相場を調べるときは、過失割合もセットで考えましょう。「相場は100万円」でも、過失割合が3割あれば、実際に受け取れるのは70万円になります。過失割合を抜きに金額を考えると、思わぬ誤算につながります。

それでは、過失割合が慰謝料や示談金にどう影響するのか、過失相殺という仕組みから順番に見ていきましょう。仕組みを理解しておけば、保険会社から提示された金額が妥当かどうかを、自分なりに判断できるようになります。

過失相殺とは何か

過失相殺について、もう少し詳しく見ていきましょう。言葉は聞いたことがあっても、仕組みまでは知らないという方も多いはずです。

過失相殺とは、事故の損害について、被害者にも過失がある場合に、その過失の割合に応じて賠償額を減らす仕組みのことです。交通事故では、被害者にもいくらかの不注意があったと判断されることが少なくありません。その場合、「お互いの責任に応じて、公平に負担しましょう」という考え方から、過失相殺が行われます。

たとえば、自分が被害者でも、ちょっとした不注意で過失が1割つくことがあります。すると、本来受け取れる金額の1割が差し引かれます。「自分は被害者なのに、なぜ減らされるの?」と感じるかもしれませんが、これは双方の公平をはかるための制度なのです。たとえ相手のほうが圧倒的に悪い事故であっても、自分にわずかでも不注意があれば、その分は差し引かれるという考え方です。とはいえ、その「わずかな不注意」がどれだけの過失にあたるかは、慎重に判断されるべきものです。

具体的にどんなときに過失がつくかというと、たとえば「前をよく見ていれば避けられたかもしれない」「もう少し減速していれば被害が小さくなったかもしれない」といった事情があると、被害者側にも一定の過失が認められることがあります。完全に過失ゼロ(10対0)になるのは、停車中の追突や信号無視の相手との事故など、限られたケースです。多くの事故では、被害者にも何らかの過失がつくと考えておいたほうがよいでしょう。

ただし、ここで大切なのは、「過失がつくのは仕方ない」とすべて受け入れる必要はないということです。保険会社が主張する過失割合が、本当に妥当なのかは別の問題です。本来1割でよいはずが、2割や3割と主張されているなら、それは交渉で見直すべきです。過失相殺という制度があること自体は受け入れつつ、その割合が適正かどうかはしっかり吟味する。この姿勢が、適正な賠償を受け取るうえで欠かせません。割合をうのみにするか、きちんと確認するかで、受け取る金額は大きく変わってきます。

過失相殺の計算方法

過失相殺の計算は、それほど難しくありません。基本の考え方を押さえておきましょう。自分のケースでいくら受け取れそうか、おおよその見当をつけられるようになります。

計算の流れは次のとおりです。まず、慰謝料や治療費などをすべて合計した「損害額」を出します。次に、その損害額に「自分の過失割合」を掛けて、差し引かれる金額を計算します。最後に、損害額からその金額を引いたものが、実際に受け取れる金額になります。

なお、ここでいう「損害額」には、次のような項目が含まれます。

  • 入通院慰謝料(入通院による精神的苦痛への補償)
  • 後遺障害慰謝料(後遺障害が残った場合の補償)
  • 治療費(病院での治療にかかった費用)
  • 休業損害(ケガで仕事を休んだことによる減収)
  • 逸失利益(後遺障害による将来の減収分)

これらをすべて合計したものが損害額となり、その全体に過失割合が掛かります。慰謝料だけが過失相殺されるわけではない点に注意しましょう。治療費や休業損害といった実費まで含めて差し引かれるため、過失割合の影響は想像以上に大きくなることがあります。

式にすると、次のようになります。

受け取れる金額 = 損害額 −(損害額 × 自分の過失割合)

たとえば、損害額が400万円で、自分の過失割合が3割(30%)の場合を計算してみましょう。

項目 金額
損害額 400万円
差し引かれる金額(400万円 × 30%) 120万円
受け取れる金額 280万円

このように、過失割合が3割あると、400万円のうち120万円が差し引かれ、受け取れるのは280万円になります。過失割合が金額に大きく影響することが分かります。

ポイントは、過失割合は損害額の「全体」に掛かるということです。慰謝料だけ、治療費だけ、というように一部に掛かるのではなく、すべての損害を合計した金額に対して過失相殺が行われます。だからこそ、損害額が大きいほど、差し引かれる金額も大きくなるのです。自分のケースでいくら差し引かれるのかを知りたいときは、損害額の合計に過失割合を掛けてみると、おおよその見当がつきます。

たとえば、慰謝料80万円、治療費40万円、休業損害30万円のケースなら、損害額の合計は150万円です。ここに過失割合2割が掛かると、差し引かれるのは30万円。受け取れるのは120万円となります。このように、自分の損害額がいくらで、過失割合がどのくらいかが分かれば、おおよその受取額は自分でも計算できます。まずは損害額の全体像をつかむことが、適正な金額を知る出発点になります。そのうえで過失割合を確認すれば、自分が本当に受け取れる金額が見えてきます。

過失割合ごとに受け取れる金額はどう変わる?

過失割合が変わると、受け取れる金額はどのくらい変わるのでしょうか。損害額を400万円として、過失割合ごとに比べてみましょう。

過失割合(自分) 差し引かれる金額 受け取れる金額
0割(10対0) 0円 400万円
1割(9対1) 40万円 360万円
2割(8対2) 80万円 320万円
3割(7対3) 120万円 280万円
4割(6対4) 160万円 240万円

この表を見ると、過失割合が1割増えるごとに、受け取れる金額が40万円ずつ減っていくのが分かります。0割と4割では、なんと160万円もの差が生まれます。過失割合がいかに大きな意味を持つか、実感できるのではないでしょうか。

この「1割で40万円」という差は、損害額が400万円の場合の数字です。損害額がもっと大きければ、1割あたりの差もさらに広がります。たとえば損害額が800万円なら、1割の違いは80万円の差になります。だからこそ、過失割合をめぐる交渉は、金額が大きいケースほど重要になるのです。

だからこそ、保険会社が示す過失割合が適正かどうかは、慎重に確認する必要があります。過失割合の決まり方については、次の記事で詳しく解説しています。

なお、差し引かれる前の損害額には、慰謝料の金額が大きく影響します。慰謝料の具体的な計算方法は、次の記事も参考にしてください。

慰謝料の金額が大きいほど、過失相殺の影響も大きい

過失相殺は、損害額に対して一定の割合で差し引かれます。そのため、もとの損害額が大きいほど、差し引かれる金額も大きくなります。これは当たり前のようでいて、見落とされがちな大切なポイントです。

たとえば、同じ過失割合2割でも、損害額が100万円なら差し引かれるのは20万円ですが、損害額が1,000万円なら差し引かれるのは200万円です。後遺障害が残るなどで損害額が大きくなるケースでは、過失割合の影響がより深刻になるのです。

とくに、後遺障害が残ったケースや死亡事故では、損害額が数千万円規模になることもあります。そうなると、過失割合がわずか1割違うだけで、数百万円もの差が生まれます。重大な事故ほど、過失割合をめぐる争いが激しくなるのは、このためです。損害額が大きいケースでは、過失割合を適正にすることが、受け取る金額を大きく左右します。

逆に言えば、軽いケガで損害額が小さいケースでは、過失割合の影響もそれほど大きくありません。たとえば損害額が30万円なら、過失割合が1割違っても差は3万円です。一方、損害額が1,000万円なら、1割の違いは100万円の差になります。自分のケースで過失割合をどこまで争うべきかは、損害額の大きさも考慮して判断するとよいでしょう。

慰謝料は、計算基準によって大きく変わります。弁護士基準で計算すれば、自賠責基準の2倍以上になることもあります。損害額そのものを適正な水準にすることも、受け取れる金額を増やすうえで重要です。慰謝料の計算基準については、次の記事で詳しく解説しています。

ご自身のケースの慰謝料の目安は、下のシミュレーターで確認できます。

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※ 簡易計算です。実際の金額は治療実日数・後遺障害の有無・休業損害などにより異なります。任意保険基準は各社非公開のため業界平均値で算出しています。

過失相殺で損しないための注意点

過失相殺で不当に損をしないために、知っておきたい注意点があります。ポイントは、過失割合と損害額の両方に目を向けることです。どちらか一方が不当でも、受け取れる金額は少なくなってしまいます。

保険会社の提示する過失割合をうのみにしない

保険会社は、支払いを抑えたい立場にあります。そのため、被害者の過失割合を実際より多めに見積もって提示してくることがあります。過失割合が1割増えるだけで、受け取れる金額は大きく減ります。提示された割合が適正かどうか、必ず確認しましょう。

被害者本人は交通事故の交渉に不慣れなため、「保険会社が出した数字だから正しいのだろう」と受け入れてしまいがちです。しかし、その数字が基準に照らして妥当とは限りません。少しでも「おかしいのでは」と感じたら、うのみにせず確認することが大切です。

とくに、過失割合は金額に直結するだけに、保険会社にとっても譲りたくない部分です。被害者が知識を持たずに交渉すると、保険会社の主張がそのまま通ってしまうこともあります。だからこそ、過失割合の基準を知っておくこと、そして必要なら専門家に確認することが、損を防ぐ鍵になります。

注意
保険会社が「あなたにも2割の過失がある」と言ってきても、それが正しいとは限りません。過失割合は交渉で変わる余地があります。納得できないまま示談すると、その割合で確定してしまうため、合意する前に確認が必要です。

損害額の計算も適正かを確認する

過失相殺の前提となる「損害額」が低く見積もられていると、受け取れる金額も少なくなります。慰謝料が低い基準で計算されていないか、請求できる項目に漏れがないかも確認しましょう。過失割合と損害額の両方が適正であって、はじめて適正な金額になります。過失割合ばかりに気を取られて、損害額の妥当性を見落とすケースは意外と多いので注意が必要です。

たとえば、慰謝料を自賠責基準という低い基準で計算されていると、その時点で損害額が低くなっています。さらにそこから過失相殺で差し引かれると、受け取れる金額は二重に少なくなってしまいます。過失割合だけでなく、損害額の計算基準にも目を向けることが大切です。

請求できる項目に漏れがないかも、あわせて確認しましょう。たとえば、通院交通費や休業損害を請求し忘れていると、その分だけ損害額が小さくなり、受け取れる金額も減ってしまいます。請求できるものをきちんと請求してこそ、適正な損害額になるのです。

過失割合と損害額はセットで交渉する

過失割合だけ、あるいは慰謝料だけを見るのではなく、両方をあわせて交渉することが大切です。弁護士に依頼すれば、過失割合の見直しと慰謝料の増額を同時に進められるため、トータルで受け取れる金額が大きく変わることもあります。

過失割合と損害額は、いわば掛け算の関係です。損害額が大きくても過失割合が大きければ受取額は減り、損害額が小さくても過失割合がゼロなら全額受け取れます。どちらか一方だけを見ていては、最終的な金額は分かりません。両方を適正にして、はじめて納得のいく金額になるのです。保険会社任せにすることの危険性については、次の記事もご覧ください。

過失相殺がある場合こそ弁護士に相談を

過失割合がからむ事故では、弁護士に相談するメリットが特に大きくなります。過失相殺によって金額が減らされる場面だからこそ、専門家の力が生きるのです。

弁護士は、過失割合の基準に精通しているため、保険会社の提示が適正かどうかを見極められます。過失割合を適正に見直せれば、差し引かれる金額が減り、受け取れる金額が増えます。さらに、慰謝料を弁護士基準で計算し直すことで、損害額そのものも増やせます。

被害者本人が「過失割合を見直してほしい」と主張しても、保険会社はなかなか応じてくれません。けれども、弁護士が裁判例や基準を示しながら交渉すると、保険会社も無視できなくなります。過失割合と損害額の両面から、専門知識にもとづいて交渉できることが、弁護士に依頼する最大の強みです。

つまり、過失割合の見直しと慰謝料の増額という二重の効果で、最終的に受け取る金額が大きく変わる可能性があるのです。

具体例で考えてみましょう。当初、保険会社から「損害額300万円、過失割合8対2」と提示され、受け取れるのは240万円とされていたとします。ここで弁護士が、過失割合を「9対1」に見直し、さらに慰謝料を弁護士基準で計算し直して損害額を400万円に増やしたとします。すると、受け取れる金額は400万円の9割で360万円になります。当初の240万円と比べて、120万円も増える計算です。これが、過失割合と慰謝料を同時に見直すことの効果です。

弁護士に相談するメリット
弁護士は過失割合の基準と慰謝料の計算の両方に精通しています。過失割合を適正に見直し、慰謝料を弁護士基準で計算し直すことで、受け取れる金額が大きく増えることもあります。弁護士費用特約を使えば、自己負担なく依頼できることも多いです。

弁護士費用が心配な方も多いですが、弁護士費用特約に入っていれば、自己負担なく依頼できることがほとんどです。特約がなくても、過失割合の見直しと慰謝料の増額で得られる金額が、弁護士費用を上回るケースは少なくありません。とくに損害額が大きいケースでは、費用倒れになる心配は小さいといえます。まずは無料相談を利用して、自分のケースで増額が見込めるかを確認してみるとよいでしょう。

弁護士が交渉に入ることで金額が増えるしくみは、次の記事をご覧ください。

過失相殺と示談金のよくある質問

最後に、過失相殺と示談金についてよく寄せられる質問をまとめました。同じ疑問を持つ方は多いので、参考にしてください。

過失割合があると慰謝料はどのくらい減りますか?
損害額に自分の過失割合を掛けた金額が差し引かれます。たとえば損害額400万円で過失割合2割なら、80万円が差し引かれ、受け取れるのは320万円です。過失割合が大きいほど減額も大きくなります。
慰謝料だけは過失相殺されないのですか?
慰謝料も過失相殺の対象です。治療費や休業損害と同じく、慰謝料も自分の過失割合に応じて差し引かれます。すべての損害項目が対象になると考えておきましょう。
自分は被害者なのに、なぜ減らされるのですか?
被害者でも、事故に一定の過失があれば過失相殺されます。これは双方の公平をはかるための制度です。ただし、本来より過失を多くつけられている可能性もあるため、提示された割合の確認が大切です。
過失割合を減らせば受け取れる金額は増えますか?
増えます。過失割合が下がれば、差し引かれる金額が減るため、受け取れる金額は増えます。損害額が大きいケースほど、その効果は大きくなります。
示談する前に確認すべきことは何ですか?
提示された過失割合が適正か、損害額(慰謝料を含む)が適正に計算されているか、の両方です。どちらかが不当だと、受け取れる金額が少なくなります。不安があれば、示談前に弁護士へ相談しましょう。
治療費も過失割合に応じて自己負担になりますか?
はい。治療費も過失相殺の対象です。自分の過失分は、相手に請求できず自己負担になります。ただし、健康保険を使うなどして自己負担を抑える方法もあります。
過失相殺されると弁護士に頼む意味はありますか?
むしろ意味が大きくなります。弁護士なら過失割合の見直しと慰謝料の増額を同時に進められるため、過失相殺がある場合でも、最終的に受け取る金額を増やせる可能性があります。

示談のタイミングにも注意

過失相殺をふまえた適正な金額を受け取るには、示談のタイミングも重要です。治療が終わる前に示談してしまうと、損害額が確定しないまま過失相殺され、本来より少ない金額で終わってしまうおそれがあります。

たとえば、まだ治療中なのに示談してしまうと、その後にかかった治療費や、後から判明した後遺障害の分を請求できなくなります。損害額が確定していない段階で過失相殺されると、本来受け取れたはずの金額を取りこぼすことになるのです。

示談は、治療がすべて終わり、損害額が確定してから行うのが原則です。焦って早く示談する必要はありません。示談を始めるタイミングについては、次の記事で詳しく解説しています。

まとめ

過失割合は、慰謝料を含むすべての賠償額に影響します。自分に過失があると、その割合に応じて賠償額が差し引かれる「過失相殺」が行われます。受け取れる金額は、「損害額 −(損害額 × 自分の過失割合)」で計算されます。慰謝料だけでなく、治療費や休業損害なども含めた損害額の全体に、過失割合が掛かる点を押さえておきましょう。

過失割合が1割変わるだけで、受け取れる金額は大きく変わります。損害額が大きいケースほど、その影響は深刻になります。だからこそ、慰謝料の相場だけでなく、過失割合もあわせて考えることが大切です。

過失相殺は、被害者にとっては不利に感じられる制度かもしれません。しかし、その割合が適正である限りは、公平のための仕組みとして受け入れざるを得ないものです。問題は、その割合が本当に適正かどうかです。保険会社の提示が基準より不利になっていないか、損害額が低く見積もられていないか。この2点を確認するだけで、受け取れる金額が変わってくることもあります。

過失相殺で損をしないためには、保険会社が示す過失割合が適正か、損害額が適正に計算されているか、の両方を確認する必要があります。過失割合の見直しと慰謝料の増額を同時に進められる弁護士への相談は、過失相殺がからむケースで特に有効です。まずはご自身の慰謝料の目安を確認し、提示額と見比べることから始めてみてください。

交通事故の賠償は、慰謝料の相場だけを見ても、本当に受け取れる金額は分かりません。そこに過失割合という要素が加わって、はじめて最終的な金額が決まるからです。「相場どおりにもらえるはず」という思い込みで示談してしまうと、後で「思ったより少なかった」と後悔することにもなりかねません。過失割合と慰謝料、その両方に目を向けて、納得のいく解決を目指してください。提示された過失割合や金額に少しでも疑問を感じたら、示談を急がず、まずは専門家に確認することをおすすめします。一度示談すると後戻りはできません。だからこそ、合意する前のひと手間が、あなたの受け取る金額を守ることにつながります。この記事が、その判断の助けになればうれしく思います。

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