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浮気相手に慰謝料請求できる?相場・条件・弁護士に相談するタイミング

この記事で分かること

  • 浮気相手に慰謝料請求できる条件
  • 離婚する場合としない場合で変わる慰謝料相場
  • 配偶者と浮気相手の両方に請求するときの考え方
  • 請求前に確認したい証拠や注意点
  • 弁護士に相談したほうがよいタイミング

浮気相手に慰謝料請求できるケースと難しいケースを整理したうえで、離婚する場合・しない場合の相場の違い、配偶者と浮気相手への請求の考え方、請求前にそろえておきたい証拠、弁護士に相談するタイミングまで確認できます。

浮気相手に慰謝料請求できる?まず押さえたい基本

不貞行為に対する慰謝料請求とは

慰謝料が認められる考え方

配偶者の浮気が発覚したとき、多くの人がまず考えるのは「相手に責任を取らせたい」ということではないでしょうか。その責任の取り方の一つが慰謝料請求です。慰謝料は、違法な行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償として認められるもので、浮気の問題では、配偶者以外の相手と肉体関係を持つ不貞行為があった場合に問題になります。単に仲がよかった、頻繁に会っていたというだけでは足りず、肉体関係があったこと、またはそれを強く推認できる事情が必要になります。

離婚慰謝料と不貞慰謝料の違い

離婚に関する慰謝料は、一つの性質だけで決まるわけではありません。不貞行為や暴力など、離婚に至る原因となった行為による精神的苦痛に対する慰謝料と、離婚そのものによって受ける精神的苦痛や生活上の不利益に対する慰謝料とを分けて考える見方があります。浮気相手に対して請求しやすいのは前者で、配偶者との不貞行為によって受けた精神的苦痛に対する部分です。この違いを押さえておくと、離婚した場合としない場合で慰謝料額に差が出やすい理由も理解しやすくなります。

離婚しなくても慰謝料請求はできる

婚姻継続中でも請求できる理由

浮気相手への慰謝料請求は、離婚が前提でなければできないと思われがちですが、実際には離婚しなくても請求は可能です。不貞行為によって精神的苦痛を受けた以上、その苦痛に対する損害賠償を求める余地があるからです。子どものことや生活費のこと、仕事や住まいのことを考えると、すぐに離婚へ踏み切れない人も少なくありません。その場合でも、不貞行為があり、当時の夫婦関係が法的に保護される状態であったなら、請求自体は考えられます。

離婚した場合との金額差

ただし、離婚しない場合の慰謝料は、離婚に至った場合より低くなりやすい傾向があります。婚姻関係を続ける場合には、不貞行為そのものによる精神的苦痛に対する慰謝料は問題になっても、離婚したことによる苦痛に対する評価は加わりにくいからです。そのため、「請求できるか」と「どの程度の金額になるか」は別に考える必要があります。離婚しない場合でも請求できることに変わりはありませんが、現実的な見通しとしては、離婚したケースより抑えめになることを前提にしておいたほうがよいでしょう。

夫婦関係が破綻していた場合は請求できないことがある

夫婦関係の破綻とは何か

不貞行為があったとしても、その時点ですでに夫婦関係が破綻していたなら、浮気相手に対する慰謝料請求が難しくなることがあります。慰謝料請求の前提には、法的に保護される夫婦関係が侵害されたことが必要だからです。すでに婚姻関係が実質的に終わっていたなら、新たに侵害された利益が小さい、あるいはないとみられる余地があります。この点は、気持ちの上で「まだやり直せると思っていた」ことと、法的に「破綻していなかった」と評価されることが必ずしも一致しないため、特に注意が必要です。

別居していなくても破綻とみられるケース

夫婦関係の破綻というと別居を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、必ずしも別居していなければならないわけではありません。家庭内別居のように、同じ家に住んでいても実質的に夫婦関係が失われているとみられることがあります。もっとも、別居は破綻を判断する重要な事情の一つであり、同居時の生活状況や別居期間なども含めて総合的に見られます。浮気相手から「その夫婦はもう終わっていた」と反論されることは珍しくないため、婚姻関係の実態をどう示すかも重要になります。

ワンポイントアドバイス
浮気相手への慰謝料請求では、不貞の事実だけでなく、「その時点で夫婦関係がどういう状態だったか」も大切です。別居の有無、会話や交流の状況、生活費のやり取りなども整理しておくと役立ちます。

浮気相手にも慰謝料請求できる条件

浮気相手と配偶者は共同不法行為になる

共同不法行為としての責任

浮気相手に慰謝料請求できる理由は、配偶者だけが一人で貞操義務を侵害しているわけではないからです。配偶者と浮気相手が共同して夫婦間の権利利益を侵害しているとみられる場合、両者は共同不法行為者として責任を負います。つまり、配偶者だけに責任を負わせるのではなく、その関係に加わった浮気相手にも法的責任を問える可能性があるということです。

配偶者だけでなく相手にも請求できる理由

浮気相手がいなければ不貞行為は成立しません。そのため、不貞行為による精神的苦痛については、配偶者だけでなく浮気相手にも請求できることがあります。特に、相手が既婚者であることを知りながら関係を持った場合には、もう一方の配偶者に対する責任を免れにくくなります。ここで大切なのは、請求相手を配偶者に限る必要はないという点です。離婚するかどうか、今後の夫婦関係をどう考えるかによっては、浮気相手への請求を中心に進めることも検討対象になります。

相手が既婚者だと知っていた場合

故意があるケース

浮気相手が「相手には配偶者がいる」と知っていながら肉体関係を持った場合は、故意があるケースとして慰謝料請求が認められやすくなります。既婚者であることを理解したうえで関係を持っている以上、夫婦関係を侵害する結果を認識していたと考えやすいからです。この場合、不貞関係がどちらから誘ったのか、恋愛感情が自然に生まれたものかといった事情は、基本的には責任の有無そのものを左右しません。

過失があるケース

浮気相手がはっきり既婚と知っていた場合だけでなく、少し確認すれば分かったのに十分に確かめなかったというような場合には、過失が問題になることがあります。たとえば、長く交際していて生活実態から既婚を疑う事情があったのに確認しなかった場合などは、「知らなかった」とだけ言えば必ず免責されるわけではありません。どの程度、既婚者であることに気づけたのか、または気づくべきだったのかが争点になります。

独身だと信じていた場合は請求が難しいことがある

相手が知らなかった場合の扱い

配偶者が自分は独身だと嘘をついており、浮気相手がそれを信じていた場合には、浮気相手への慰謝料請求が難しくなることがあります。既婚者との関係だと知らず、しかも知らなかったことに落ち度がないなら、浮気相手に故意や過失を認めにくいからです。慰謝料請求では、「実際に不貞行為があったか」だけでなく、「相手がどのような認識で関係を持っていたか」も問題になります。

どこまで確認していたかが問題になる

もっとも、「独身だと思っていた」という主張が常にそのまま通るわけではありません。交際期間の長さ、生活時間帯、休日の過ごし方、住所や家族の話、SNSの状況などから見て、既婚を疑う事情が十分あったなら、完全に責任を否定できない場合もあります。つまり、知らなかったかどうかだけではなく、知らなかったことに過失がないといえるかが大切です。この点は、証拠ややり取りの内容によって評価が分かれやすいところです。

ワンポイントアドバイス
浮気相手への請求では、「相手が既婚者だと知っていたか」が重要な分かれ目になります。交際中のやり取りや、相手の生活状況がうかがえる資料は早めに整理しておくと役立ちます。

浮気相手への慰謝料請求で知っておきたいこと

配偶者と浮気相手の両方に請求できる

請求先を一方に絞る場合

不貞行為による慰謝料は、配偶者にも浮気相手にも請求できる可能性があります。ただ、実際の進め方としては、どちらか一方に請求を集中させることもあります。たとえば、離婚後も配偶者と金銭関係をできるだけ複雑にしたくない、あるいは配偶者には別途財産分与や養育費の問題があるという場合には、浮気相手への請求を中心に進めるという考え方もあります。反対に、浮気相手の資力が乏しい、所在がつかみにくいという事情があれば、配偶者への請求を重視することもあります。

両方に請求する場合

一方で、配偶者と浮気相手の両方に請求することも可能です。共同不法行為の関係にある以上、損害賠償義務は両者に及びます。ただし、どちらへどう請求するかは、法的には可能でも、実務上は相手方の反応や資力、今後の離婚問題との関係を見ながら決めたほうが進めやすくなります。両方に請求できるということと、同じ金額を二重に受け取れるということは別の話である点も重要です。

慰謝料の二重取りはできない

同じ損害を重ねて受け取れない理由

配偶者にも浮気相手にも請求できるとしても、同じ損害について二重取りすることはできません。たとえば、不貞行為による精神的苦痛に対する慰謝料の総額が300万円と評価された場合、配偶者から200万円、浮気相手から100万円というように分けて受け取ることはあっても、配偶者から300万円、浮気相手からさらに300万円を受け取ることはできないということです。損害は一つであり、それに対する賠償が重複してしまうからです。

一方から受け取った場合の考え方

すでに配偶者から慰謝料全額を受け取っている場合には、原則として浮気相手へさらに同じ損害分を請求することはできません。逆に、配偶者から一部しか受け取っていないなら、その不足分について浮気相手へ請求する余地があります。つまり、誰に請求するかよりも、最終的にいくらの損害賠償を回収するかが基準になります。請求の順番や分担のさせ方は選べても、総額が無制限に増えるわけではありません。

子どもからの請求は原則として難しい

原則として認められにくい理由

不貞行為によって家庭が壊れたと感じているのは、配偶者だけでなく子どもも同じかもしれません。ただ、法的には、子どもから浮気相手や不貞をした親に対する慰謝料請求は原則として難しいとされています。不貞行為と子どもが被る不利益との間に、直接の因果関係を認めにくいと考えられているためです。子どものつらさは現実に存在しても、それが直ちに法的な慰謝料請求権になるわけではないという点は押さえておく必要があります。

例外的に問題となる場面

もっとも、例外的に、子ども自身が強い精神的苦痛を受けたと評価される特別な事情があれば、子どもからの請求が問題になる余地がまったくないわけではありません。とはいえ、一般的には認められにくく、通常の不貞慰謝料の中心はあくまで配偶者本人の精神的苦痛です。子どもに関する問題は、慰謝料請求よりも、親権、監護、養育費、生活環境の安定という形で整理していくことが現実的です。

ワンポイントアドバイス
「配偶者にも相手にも請求できる」と聞くと、金額が単純に増えるように感じるかもしれませんが、実際には総額に上限があります。請求先の選び方は、回収しやすさや今後の離婚条件も含めて考えるほうが実務的です。

浮気相手に請求できる慰謝料相場

一般的な慰謝料相場

50万円〜300万円が目安になる理由

浮気相手に請求できる慰謝料額は一律ではありませんが、一般的な目安としては50万円から300万円程度の範囲が意識されます。これは、不貞行為の有無だけでなく、その結果として夫婦関係がどう変化したか、どれだけ大きな精神的苦痛が生じたかによって評価が変わるからです。婚姻を継続しているのか、別居に至ったのか、離婚に至ったのかによっても、慰謝料額は大きく動きます。

相場に幅がある理由

相場に大きな幅があるのは、個別事情の違いが大きいからです。婚姻期間の長さ、未成年の子どもの有無、不貞関係の期間や回数、どちらが主導したか、請求する側に落ち度があるかなど、多くの事情が金額に影響します。つまり、「浮気相手だからこの金額」と機械的に決まるのではなく、夫婦関係と不貞の内容全体を見て判断されるということです。

離婚しない場合の慰謝料相場

婚姻継続なら低めになりやすい

離婚しない場合は、婚姻自体は継続しているため、離婚したケースに比べると慰謝料は低めになりやすくなります。不貞行為そのものによる精神的苦痛は認められても、婚姻を失ったことによる苦痛までは評価されにくいからです。夫婦関係を続ける以上、裁判所としても「関係はなお存続している」と見るため、結果として金額は抑えめになりやすいのです。

相場の目安

婚姻継続の場合の目安は、一般に50万円から100万円程度が意識されることが多くなります。ただし、不貞関係が長期間続いていた、悪質な態様だった、発覚後の対応が誠実でなかったといった事情があると、より高めに評価される余地はあります。逆に、婚姻関係がもともと悪化していた場合や、請求する側にも一定の落ち度があるような場合には、低めにとどまることがあります。

別居した場合の慰謝料相場

別居が与える影響

不貞をきっかけに別居に至った場合は、婚姻関係に重大な影響が生じたことを示す事情として重く見られやすくなります。別居は、夫婦関係が大きく揺らいだ結果であり、精神的苦痛も婚姻継続の場合より深いと評価されやすいからです。もっとも、別居したからといって自動的に高額になるわけではなく、別居前の関係や別居の原因が不貞にどこまで結びついているかも見られます。

相場の目安

別居に至った場合の慰謝料は、100万円から200万円程度が目安として意識されることがあります。婚姻はまだ法的に続いていても、実態として夫婦生活が分断された影響は小さくないためです。別居後に修復が見込めない状況が続けば、その後の離婚に近い評価へ動くこともあります。相場はあくまで目安ですが、「別居に至った」という事実は金額を考えるうえで大きな要素になります。

離婚に至った場合の慰謝料相場

離婚まで至ると高くなりやすい

不貞行為が原因で離婚に至った場合は、慰謝料が高めに評価されやすくなります。婚姻関係そのものが失われたという結果が生じるため、精神的苦痛もより重いと考えられるからです。浮気相手が離婚原因を作った第三者であるとみられるなら、その責任は軽くありません。離婚という結果は、婚姻継続や別居よりも一段重い事情として扱われます。

相場の目安

離婚に至った場合は、200万円から300万円程度が相場として意識されやすくなります。ただし、これはあくまで目安であり、必ずその範囲になるとは限りません。婚姻関係が長かったか、不貞関係がどれだけ続いたか、未成年の子どもがいたかなどによっても変わります。また、浮気相手の責任が配偶者より副次的とみられれば、配偶者より低い金額にとどまることもあります。

ワンポイントアドバイス
慰謝料相場は、離婚したかどうかだけでなく、その前後の夫婦関係や不貞の悪質性でも動きます。金額だけを先に決めつけず、自分の事情がどこに当てはまりそうかを整理しておくと交渉しやすくなります。

慰謝料が増減しやすい事情

婚姻期間の長さ

婚姻期間が長いほど高くなりやすい理由

婚姻期間が長いほど、慰謝料は高くなりやすい傾向があります。長年築いてきた夫婦関係や生活基盤が不貞によって侵害されたとみられるため、精神的苦痛も大きいと評価されやすいからです。短期間の婚姻でも苦痛が軽いとは限りませんが、一般には婚姻期間が長いほうが、失われたものの大きさが重く見られやすくなります。

未成年の子どもの有無

子どもがいる家庭で影響が重く見られやすい理由

未成年の子どもがいる場合も、慰謝料額を左右する事情になります。不貞行為によって夫婦だけでなく家庭全体が不安定になり、子どもの生活環境にも影響が及ぶためです。特に、子どもの監護や養育に現実的な負担が生じた場合には、精神的苦痛の大きさもより深く評価されやすくなります。親の裏切り行為が家族全体へ及ぼす影響は小さくありません。

不貞行為の期間や悪質性

交際期間の長さ

不貞関係が長く続いていた場合は、それだけ悪質性が高いとみられやすくなります。一度限りの関係と、継続的な関係とでは、受ける精神的苦痛の重さが違ってくるからです。長期間続いていたなら、裏切りの程度も深く、夫婦関係への影響も大きいと考えられます。

回数や態様の悪質性

どちらが主導したか、計画的だったか、発覚後も関係を続けたかなども金額に影響します。たとえば、既婚者であることを明確に知りながら長く関係を継続したような場合は、浮気相手の責任がより重く見られやすくなります。逆に、短期間で終わり、発覚後すぐに関係が解消され、誠実な対応がとられた場合には、一定の減額事情として考慮されることがあります。

精神的苦痛の大きさ

別居や離婚への影響

不貞行為によって別居や離婚に至った場合、精神的苦痛は重いと判断されやすくなります。単に裏切られたという気持ちだけでなく、生活そのものが崩れた結果が生じているからです。住まいを分けざるを得なくなった、子どもの生活環境が変わった、仕事にも影響が出たといった事情は、精神的苦痛の大きさを裏づける材料になります。

心身への影響

不貞行為によって心身の不調が出た場合も、慰謝料を考えるうえで重要な事情になります。たとえば強い不眠、食欲不振、通院が必要なほどの精神的不調などがあれば、精神的苦痛の深さを示す一要素になります。もちろん、すべてのケースで医療記録が必要になるわけではありませんが、どれほど生活に影響したかは金額に反映されやすい部分です。

ワンポイントアドバイス
慰謝料額を考えるときは、「不貞があったか」だけでなく、「その不貞が自分の生活や家族にどう影響したか」を具体的に整理しておくと、請求の根拠が伝わりやすくなります。

浮気相手への慰謝料請求を進めるときの注意点

証拠が不十分なまま請求しない

肉体関係を裏づける証拠の重要性

慰謝料請求を進めるうえで最も重要なのは、不貞行為を裏づける証拠です。示談であっても、相手が争う姿勢を見せたときには、最終的に裁判を見据えた証拠の強さがものを言います。特に肉体関係があったことを示す資料は重要で、ラブホテルへの出入りを示す写真や映像のように、客観的で分かりやすいものほど強い証拠とされやすくなります。反対に、親しそうなメッセージだけでは「交際していただけ」「冗談だった」と反論される余地が残ることがあります。

感情的に動くリスク

浮気が分かった直後は、相手を問い詰めたり、不倫相手に連絡したりしたくなるものです。ただ、証拠が十分でない段階で感情的に動くと、証拠隠滅のきっかけを与えることがあります。メッセージが消される、会う頻度が変わる、関係を口裏合わせされるといったことが起きると、後で立証しにくくなります。請求したい気持ちが強いときほど、まず証拠の整理を優先したほうが結果的に有利になりやすいといえます。

相手に既婚者と伝えていたかが争点になる

既婚の認識がある場合

浮気相手が既婚であることを知っていたなら、慰謝料請求は認められやすくなります。既婚者との関係であると分かっていながら肉体関係を持った以上、夫婦関係を侵害する認識があったとみられやすいからです。既婚であることを伝えていたメッセージ、SNSでのやり取り、生活状況が分かる記録などがあると、この点を主張しやすくなります。

知らなかったと反論される場合

一方で、浮気相手から「独身だと思っていた」と反論されることは珍しくありません。その場合には、本当に知らなかったのか、知らなかったことに落ち度がなかったのかが問題になります。交際期間や会う時間帯、連絡の取り方、家族の話の有無などから、既婚を疑うべきだったかどうかが見られます。この争点は、慰謝料請求できるかどうかそのものに関わるため、早い段階で資料を整理しておくことが重要です。

請求の時効にも注意する

慰謝料請求の時効の考え方

浮気相手への慰謝料請求には時効の問題があります。不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から3年間行使しないとき、または不法行為の時から20年間行使しないときは時効によって消滅します。浮気相手が誰か分かった時期と、不貞行為の時期をどう捉えるかによって、実際の判断は変わることがありますが、「まだ迷っているうちに何年も経っていた」ということがないよう注意が必要です。

離婚と時効の関係

不貞を原因とする離婚では、浮気相手への請求だけでなく、配偶者への請求や離婚条件の整理も並行して進むことがあります。そのため、離婚するかどうかを迷っているうちに、慰謝料請求の時効が近づくこともあります。離婚問題全体をどう進めるかと、浮気相手への請求をいつ始めるかは切り分けて考えたほうが安全です。少なくとも、時効が迫っていないかだけは早めに確認しておいたほうがよいでしょう。

ワンポイントアドバイス
浮気相手への慰謝料請求では、証拠と時効の二つを早めに意識しておくことが大切です。迷っている間に不利になるのは避けたいところです。

浮気相手への慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

訴訟や交渉を進めやすくなる

相手との直接交渉を減らせる

浮気相手への慰謝料請求は、感情的になりやすい問題です。自分の家庭を壊した相手と直接話し合うのは、精神的に大きな負担になります。弁護士に依頼すれば、示談交渉や書面のやり取り、電話対応などを代理してもらいやすくなり、相手と直接向き合う場面を減らせます。慰謝料請求を進めたいけれど、相手と顔を合わせたくないという人にとっては、それだけでも大きな意味があります。

裁判になった場合の対応を任せやすい

相手が示談や内容証明に応じなければ、調停や訴訟へ進むことがあります。その場合、自分だけで手続を進めるのはかなり負担が大きくなります。特に訴訟では、相手方が弁護士をつけてくることもあり、自分だけで対応すると不利になりやすい場面もあります。弁護士に依頼していれば、主張や証拠提出の整理を含めて対応しやすくなります。調停でも、調停委員にどのように事情を伝えるかは重要であり、法的な整理があるかどうかで伝わり方が変わることがあります。

証拠の整理や請求額の判断を任せやすい

証拠の評価を受けやすい

浮気相手への請求では、どの証拠がどの程度有効かを判断することが重要です。自分では強いと思っていても、法的には不十分なことがありますし、逆に複数の弱い資料を組み合わせることで全体として立証力が高まることもあります。弁護士に依頼すれば、証拠の強弱や使い方を整理しやすくなります。また、必要に応じて興信所などの利用を検討する際にも、どういう資料があればよいか見通しを立てやすくなります。

相場を踏まえた請求がしやすい

慰謝料請求では、高すぎる金額を出してもまとまりにくく、低すぎると本来得られるはずの解決を逃すことがあります。弁護士が入ることで、婚姻期間、子どもの有無、不貞の期間や回数、別居や離婚の有無などを踏まえた現実的な請求額を考えやすくなります。感情だけで金額を決めないためにも、相場観を持った第三者の視点は役立ちます。

配偶者との離婚問題もあわせて相談しやすい

慰謝料だけでなく離婚条件も整理しやすい

浮気相手への慰謝料請求だけで問題が終わるとは限りません。現実には、配偶者と離婚するのか、婚姻を続けるのか、離婚するなら財産分与や養育費、親権をどうするのかといった問題が同時に出てくることが多いものです。弁護士に相談すれば、浮気相手への請求だけでなく、配偶者との離婚問題も一つの流れとして整理しやすくなります。請求だけを先行させると、離婚条件とのバランスが取りにくくなることもあるため、全体で見てもらえる意味は小さくありません。

親権や財産分与まで見通せる

特に子どもがいる場合や、財産関係が複雑な場合は、浮気相手への慰謝料請求だけを切り離して考えるのが難しいことがあります。離婚後の生活設計まで含めて考えたとき、どの順番で何を進めるべきかを見通せることは大きなメリットです。慰謝料だけを取れればよいという問題ではなく、その後の生活の安定まで含めて判断したい場面では、全体を見ながら進められることに意味があります。

ワンポイントアドバイス
浮気相手への請求は「お金の問題」に見えても、実際には離婚や子どもの生活ともつながりやすい問題です。全体を一緒に整理できるかどうかで、進めやすさが変わります。

弁護士に相談するタイミング

不貞の証拠をつかんだとき

証拠の使い方を誤らないために

配偶者の不貞を疑っていて、ある程度の証拠が集まった段階は、弁護士へ相談する一つのタイミングです。証拠があるからすぐ請求するのではなく、その証拠でどこまで言えるのか、追加で何を押さえるべきかを確認したほうが、後で無駄が少なくなります。証拠の使い方を間違えると、相手に警戒されて関係を隠されたり、やり取りを消されたりすることもあるため、早い段階で見通しを持っておく意味があります。

離婚するかどうか迷っているとき

離婚した場合としない場合の違いを整理する

離婚するかどうか迷っているときも、相談する意味があります。浮気相手への請求は離婚しなくても可能ですが、離婚した場合としない場合では慰謝料額の考え方も変わりますし、配偶者との今後の関係、財産分与、養育費なども絡んできます。自分一人で考えていると、「離婚するなら請求する」「離婚しないなら何もしない」と極端になりやすいところですが、実際には中間の整理もありえます。迷っている段階だからこそ、選択肢を比較しやすくなります。

相手方が請求に応じないとき

交渉が進まない場合の対応

自分で示談交渉を始めたものの、相手が無視する、話に応じない、開き直るといった場合は、早めに相談したほうがよい場面です。内容証明、調停、訴訟と進め方の選択肢はありますが、どこで見切りをつけて次の手段に移るかは判断が難しいことがあります。特に、相手方に弁護士がついた場合や、こちらの主張を否定してきた場合は、自分だけで進める負担が急に大きくなります。交渉が止まった時点で、一度整理し直す意味があります。

浮気相手への慰謝料請求は、配偶者の不貞によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償として認められる可能性があります。離婚しなくても請求はできますが、離婚した場合と比べると金額は低くなりやすく、夫婦関係がすでに破綻していた場合には請求が難しくなることもあります。相手が既婚者であることを知っていたかどうか、どの程度の証拠があるか、婚姻期間や子どもの有無、不貞の期間や悪質性など、判断材料は多くあります。配偶者と浮気相手の両方に請求できる一方で、同じ損害の二重取りはできません。示談、内容証明、調停、訴訟と進め方はいくつかありますが、証拠の整理や請求額の判断、離婚問題との関係まで含めて考えるなら、早めに見通しを持っておくことが大切です。

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