離婚をしたくないのに応じなければならない?
妻や夫から突然離婚を要求されたとき、頭が真っ白になり、もう離婚しか道がないかのように感じてしまいがちです。しかし、実際には、配偶者の離婚要求に、必ずしも応じなければならないわけではありません。日本の法律では、協議離婚にせよ調停離婚にせよ、双方の合意がなければ、原則として離婚は成立しないからです。この「合意がなければ離婚は成立しない」という大原則を知っているだけでも、相手の勢いに飲まれて、必要以上に自分を追い詰めてしまわずに済みます。まずは、法律があなたの側にも立っている、ということを、心の支えにしてください。まさに今、配偶者から離婚を切り出されたばかりで、どうすればよいのかわからず、藁にもすがる思いで、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。そのお気持ちは、とてもよくわかります。まずは、ひとつ深呼吸をして、落ち着いて、自分に何ができるのかを、順番に整理していきましょう。やるべきことが見えてくれば、漠然とした不安も、少しずつ和らいでいきます。ただし、配偶者が離婚を切り出した理由に、もし思い当たる節がある場合には、状況によっては、離婚を避けられないこともあります。
法定離婚事由がある場合
配偶者から離婚を切り出され、自分はどんなに強く「離婚したくない」と願っていても、法律上、離婚が避けられない場合があります。それが、法定離婚事由がある場合です。この法定離婚事由があると、たとえあなたが最後まで反対し続けたとしても、裁判によって、あなたの意思に反して離婚が認められてしまう可能性があるのです。ですから、まずは、自分たちのケースにこの事由があたるのかどうかを、冷静に見極めることが、対応を考える出発点になります。
日本の離婚の多くは、夫婦の話し合いのみで離婚する協議離婚だといわれています。この協議離婚が成立しない場合には、家庭裁判所での調停離婚へと進み、そして、その調停離婚でも解決しない場合には、最終的に裁判離婚へと進んでいきます。つまり、あなたが離婚を拒み続けるかぎり、協議や調停の段階では、離婚は成立しません。相手がいくら「離婚だ」と主張しても、あなたの同意がなければ、話し合いは前に進まないのです。問題となるのは、その先の、裁判離婚まで進んでしまった場合です。ここで初めて、あなたの意思とは関係なく、離婚が成立しうるかどうかが問われることになります。
裁判離婚にまで進んでしまった場合に、離婚が成立するかどうかを分ける決め手となるのが、この法定離婚事由の有無です。具体的に、どのような事情がこの法定離婚事由にあたるのかを、あらかじめ知っておくと、自分の立場を考えるうえで、大いに役立ちます。
法定離婚事由とは
法定離婚事由には、下記の四つが該当します。
不貞行為
配偶者以外の相手と肉体関係を持つことで、一般には「不倫」や「浮気」と呼ばれる行為です。夫婦の間の信頼を根本から裏切る行為であるため、離婚原因として認められます。
悪意の遺棄
夫婦には、互いに協力し、助け合う義務があります。悪意の遺棄とは、その義務を正当な理由なく放棄することで、たとえば、配偶者に生活費をまったく渡さない、あるいは、理由もなく家出を繰り返す、といった行為が該当します。
配偶者の生死が長期間にわたり不明
配偶者の生死が長期間にわたり不明で、現在もその状態が続いている場合が該当します。
その他婚姻を継続しがたい重大な理由
この項目は、これまで見てきた三つのように、具体的に定められたものではなく、いわば受け皿として、抽象的な離婚事由として認定されるものです。個別の事情に応じて、幅広く適用されうる点に特徴があります。そのため、どのような場合にこれにあたるかは、それぞれの夫婦の状況に応じて、個別に判断されます。たとえば、長期間にわたる別居や、配偶者からのDV、モラハラ、深刻な性格の不一致などが、これに該当するとされることがあります。ただし、ここに挙げたものであっても、必ず認められるわけではなく、その程度や期間などが総合的に判断されます。実際の裁判では、この「婚姻を継続しがたい重大な理由」があるといえるかどうかが、争いの中心になることも少なくありません。それだけ、判断の難しい項目だといえます。
自身のケースが法定離婚事由に当たるのかわからないときは
法定離婚事由のうち、はじめの三つは具体的な規定なのでご自身が該当するかは明白ですが、最後の「その他婚姻を継続しがたい重大な理由」は、抽象的な規定のため、ご自身が該当するのかわからない場合もあるでしょう。もし、ご自身のケースが法定離婚事由に当たるのかどうか、判断がつかない場合には、一度、弁護士に相談してみるとよいでしょう。法律の専門家の目で見てもらうことで、自分の置かれた状況が、法的にどう評価されるのかが、はっきりします。自己判断であれこれ思い悩むよりも、専門家から確かな見立てを得ることで、次に打つべき一手が、はっきりと見えてきます。それがわかれば、離婚を避けられる見込みが十分にあるのか、あるいは、条件を整えて離婚に向き合うべきなのか、これからの方針を立てやすくなります。ゴールが見えれば、そこへ向かう道筋も、おのずと定まってくるものです。
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法定離婚事由がない場合
これまで挙げてきた法定離婚事由がない場合には、配偶者がどれだけ強く離婚を希望していたとしても、あなたが離婚を拒否し続ける限り、離婚を成立させることはできません。これは、離婚したくないと考えるあなたにとって、大きな安心材料になるはずです。裁判離婚が認められるのは、あくまで法定離婚事由がある場合に限られます。逆にいえば、そうした事由がなければ、あなたの同意なしに、無理やり離婚させられることはないのです。まずは、この「事由がなければ離婚は強制されない」という点を、心の支えとして、しっかり押さえておきましょう。
とはいえ、配偶者から離婚を迫られ続けるという状況は、精神的に、とても辛いものです。動揺のあまり、正常な判断ができない状態のまま、気がついたら離婚が成立してしまっていた、というような最悪の事態を避けるためにも、次のことに注意しておきましょう。冷静さを保つことが、自分を守る第一歩になります。
離婚届の不受理申出書を提出する
離婚を強く希望している配偶者が、離婚についての夫婦の合意がまだ得られていないにもかかわらず、あなたに無断で、勝手に離婚届を役所へ提出してしまうことがあります。離婚届は、記入すべき欄さえ整っていれば、役所の窓口で受理されてしまうことがあります。窓口の職員には、その離婚に本当に双方の合意があるのかを確認する権限がないためです。ですから、勝手に離婚届を出されてしまうというのは、決して他人事ではないのです。そのような場合に、離婚が勝手に成立してしまうことを防ぐための制度が、離婚届不受理申出です。あらかじめ、この申し出をしておくことが、大きな備えになります。
離婚届不受理申出書を、夫婦の一方が役所に提出しておくことによって、それ以降に、たとえ相手が離婚届を出したとしても、受理されないことになります。手続き自体は、それほど難しいものではなく、本人が役所の窓口で申し出れば足ります。運転免許証などの本人確認書類があれば、その場で手続きできます。いったん申し出ておけば、勝手に離婚を成立させられてしまう、という心配がなくなります。その安心感があってこそ、目先の不安に振り回されることなく、腰を据えて、じっくりと話し合いに臨めるようになるのです。まずは足元を固めることが、落ち着いた対応の土台になります。
離婚を切り出された直後は、気持ちの整理もつかない、とても辛い時期です。しかし、そんなときこそ、知らないうちに勝手に離婚が成立してしまう、という事態だけは、避けなければなりません。まずは、離婚届不受理申出書を役所に提出しておきましょう。この不受理申出の具体的な手続きの進め方についても、あわせて確認しておくと、いざというときに、あわてずに動くことができます。まさに、備えあれば憂いなし、という古くからの言葉のとおりです。転ばぬ先の杖として、できるだけ早めに手を打っておきましょう。
配偶者が離婚したい理由を知る
離婚を避けるためには、まずは配偶者がなぜ離婚したいと思っているのかを知る必要があります。薄々と原因に心当たりがある場合もあれば、全くわからない場合もあります。
まずは、配偶者に直接、その理由を聞いてみる必要があります。しかし、その際、返ってきた理由に納得できなかったり、あなたへの不満や落ち度を、きつい言葉でなじられたりして、つい感情的に言い返したくなる状況に陥ってしまうかもしれません。ですが、相手にとっても、離婚を切り出すというのは、相当な覚悟を要する行為であり、冷静ではいられない状況にあります。だからこそ、ここはぐっとこらえて、まずは落ち着いて、相手の言い分に耳を傾けることが大切です。相手の本音を知ることこそが、関係を立て直すための、最初の糸口になるからです。感情的に反発したくなる気持ちをぐっとこらえ、まずは聞き役に徹すること。この最初の一歩をふみ出せるかどうかで、その後の展開は、大きく変わってきます。ここが、離婚を回避できるかどうかの、まさに大きな正念場だといえるでしょう。
浮気の事実がないか調べる
また、もし配偶者自身が浮気などをしていた場合には、その本当の理由を、正直に口にすることはまずないでしょう。「性格が合わない」などと、当たり障りのない理由でごまかされることもあります。不倫が疑わしい場合には、念のため、事実を調べてみることをお勧めします。ただし、後々のことを考えると、やみくもに調べるのではなく、どのような証拠が有効なのかを知ったうえで、慎重に進めることが大切です。集め方を誤ると、せっかくの証拠が使えなかったり、逆に自分が不利になったりすることもあるためです。
いずれにせよ、夫婦関係を修復し、離婚を回避するためには、まず何よりも、相手が離婚したいと思っている本当の理由を知ることが大切です。理由さえわかれば、それに対してどう向き合い、どう改善していけばよいのかという、具体的な道筋が見えてくるからです。逆に、理由がわからないままでは、どれだけ「離婚したくない」と訴えても、空回りしてしまいかねません。
離婚をしたくない!夫婦関係を修復するためには
離婚を回避するためには、こじれてしまった夫婦関係を、もう一度修復していくことが必要です。そのためにすべきことは、大きく分けると、次のようなステップになります。
- まず、自分が「なぜ離婚したくないのか」を整理する
- 次に、相手が「なぜ離婚したいのか」の理由に、しっかり向き合う
- そのうえで、自分自身を見つめ直し、改善できる点は歩み寄る
- ひとりで抱え込まず、必要に応じて第三者の力を借りる
まずは、感情的にならず、落ち着いて話し合う場を持つことが、すべての出発点になります。焦って結論を急ぐのではなく、一歩ずつ、着実に進めていきましょう。それぞれのステップを、以下で詳しく見ていきます。
まずは離婚したくない理由を整理しよう
離婚を切り出されると、相手がなぜ離婚を望むのか、ということばかりに気を取られてしまいがちです。しかし、それと同じくらい、自分の中で「なぜ自分は離婚をしたくないのか」ということを、まず整理しておく必要があります。ここを見つめ直すと、意外な発見があることも少なくありません。もしかしたら、ただ引き下がれずに意地になっているだけで、冷静に考えてみると、実はお互いに別々の道を歩んだほうが幸せなのではないか、と内心では感じている場合もあります。その本心に気づかないまま、ただ「離婚したくない」と突っぱねてしまうと、後で後悔することにもなりかねません。逆に、この家庭を、この関係を守りたい、という、はっきりとした思いが見えてくることもあります。それがはっきりと見えれば、あとは迷うことなく、関係の修復に向けて動き出せます。いずれにしても、自分の本当の気持ちと、正面から向き合うこと。それが、後悔しない判断への、確かな第一歩になるのです。
子供のために
夫婦二人の間だけで見れば、もう離婚してもいい、と思っていても、離婚した後の子どものことを考えると、どうしても離婚には踏み切れない、という方も多いでしょう。子どもの幸せを第一に考えるからこそ、悩みは深くなります。
苗字や住む場所が変わったり、これまで一緒に暮らしていた親に、なかなか会えなくなったりと、離婚が子どもに与える影響は、決して小さくありません。子どもは、まだ幼いほど、その変化を言葉にできず、心の中に抱え込んでしまうこともあります。自分たち夫婦の問題で、子どもに大変な思いをさせたくない。この理由は、離婚したくない理由のなかでも、非常に多く聞かれるものです。もっとも、両親が毎日のように争い続ける家庭で育つよりも、いっそ離婚したほうが、子どもにとって良い環境になる場合もあり、一概にはいえません。子どものためを思う気持ちが、かえって親自身を苦しめてしまうこともあります。だからこそ、感情だけに流されず、何が本当に子どものためになるのかを、冷静に見極めることが求められます。
経済的な問題
また、とくに専業主婦や専業主夫などの場合には、離婚した後の経済的な不安から、離婚したくないと考える方も多いものです。これまで配偶者の収入で生活してきた場合、離婚後に自分ひとりで生計を立てていけるのか、大きな不安を感じるのは当然のことです。とくに子どもがいる場合には、その経済的な負担は、より大きなものになります。ただし、離婚にあたっては、財産分与や養育費、場合によっては年金分割など、受け取れるお金もあります。ひとり親向けの、公的な支援制度も用意されています。ですから、漠然とした経済的な不安だけで判断してしまう前に、離婚後の生活の見通しを、収入と支出の両面から、できるだけ具体的に立ててみることも大切です。実際に数字にしてみると、思っていたほど悲観的ではない、という場合もあります。
まだ相手のことが好き、情がある
相手に対して、まだ愛情や情を抱いている、というのも、離婚を避けて夫婦関係を続けたいと思う、大きな理由の一つです。相手を大切に思う気持ちが、まだ心のどこかに残っているのであれば、それは、こじれた関係を修復していくうえでの、何よりの原動力になります。その気持ちに素直になり、大切にしながら、あきらめずに相手と向き合っていきましょう。愛情や情は、理屈では割り切れないぶん、二人を再びつなぎ直す、強い力を持っています。
相手が離婚したい理由に向き合う
相手が離婚を望む理由はさまざまで、なかには、もはや修復が困難なものもあります。しかし一方で、お互いの歩み寄りや、今後の行動の改善によって、解決できる場合も少なくありません。だからこそ、相手が離婚したいと言う理由から目を背けず、たとえそれが、自分にとって耳の痛い内容であっても、しっかりと向き合うことが大切です。問題の正体がわからなければ、それを解決することもできないからです。相手の不満は、いわば、壊れかけた関係を修復するための「設計図」のようなものだと考えてみましょう。
相手の話に耳を傾ける
離婚は、人生の一大事です。ですから、切り出す側であっても、決して冷静な状態ではありません。ときには、あなたにすべての責任をなすりつけるかのような物言いで、離婚を迫ってくる場合もあり、思わず反発を覚えることもあるでしょう。しかし、それに対して、こちらも強硬に反発してしまっては、相手は心をますます閉ざしてしまい、話し合いの糸口すら失われてしまいます。自分自身も辛い状況ではありますが、まずはぐっとこらえましょう。そして、相手の言い分のなかから、今後の夫婦生活において改善すべき点は何か、という建設的な指針を拾い上げ、これからの生活に生かしていくようにしましょう。相手の不満は、見方を変えれば、関係を良くするためのヒントでもあるのです。
自分を見つめ直して、歩み寄る
あなた自身の落ち度を理由に、配偶者が離婚を望んでいる場合には、まずは自分自身を素直に見つめ直し、相手に歩み寄る姿勢を見せることが必要です。口先だけの反省では、相手の心には響きません。言葉だけでなく、日々の行動で、少しずつ誠意を示していくこと。その地道な積み重ねが、いったん離れてしまった相手の心を、時間をかけて、もう一度こちらへ向けさせる力になります。焦らず、誠実に、粘り強く。それが、遠回りのようでいて、実は一番の近道なのです。しかし、どうしても譲れないものは、誰にでもあるものです。相手の言い分にすべて合わせて、自分を変えることが難しいような場合には、離婚した場合のデメリットと、離婚しない場合のデメリットを、天秤にかけて冷静に比較してみるのも一つの方法です。無理に無理を重ねてまで、関係を続けることが、自分にとって、そして相手にとって、本当に幸せなことなのかどうか。少し引いた目線で、じっくりと考えてみることも必要です。修復を目指すにせよ、受け入れるにせよ、納得のいく答えを出すことが、何より大切だからです。
一人で悩まない
離婚を切り出されるという、ショッキングな状況のもとでは、自分ひとりでは、冷静な判断が下せなくなってしまうことも、多々あります。不安のあまり視野が狭くなり、悪いほうへ悪いほうへと、思い詰めてしまいがちだからです。そのようなときには、中立の立場で、冷静な判断ができる第三者の意見を聞き、それを判断材料にすることをお勧めします。ただし、親や兄弟といった親族などでは、あなたへの思い入れが強いぶん、感情に左右されて、かえって冷静な判断ができない傾向があります。その場合には、弁護士やカウンセラーといった専門家に相談すると、感情に流されない、より客観的なアドバイスが得られるでしょう。利害関係のない第三者の、冷静で客観的な視点は、こじれてしまった状況を、頭の中で整理するうえで、大きな助けになります。自分では気づけなかった選択肢が、見えてくることもあるのです。
二人の話し合いで解決しない場合には
基本的には、夫婦二人での話し合いによる解決を目指すべきですが、感情的な対立が深まり、それが難しい場合もあります。二人だけでは、どうしても堂々巡りになってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、家庭裁判所の、夫婦円満調停や離婚調停といった調停を利用することになります。第三者の力を借りて、話し合いの糸口を探る、という方法です。
夫婦関係円満調停を行う
調停というと、離婚を求める側が、離婚を成立させることを目的に開く「離婚調停」が、まず思い浮かぶかもしれません。しかし、それとは反対に、離婚したくない側が、夫婦関係を修復し、離婚を回避することを目的に開く調停もあります。それが、「夫婦関係円満調停」です。離婚を望まないあなたにとっては、この夫婦関係円満調停という制度が、心強い選択肢の一つになります。「話し合いで関係を立て直したい」という真剣な意思を、家庭裁判所という公的な場で、はっきりと示すことができるからです。相手にとっても、その本気度が伝わるきっかけになるかもしれません。
調停委員が離婚を回避するサポート
夫婦関係円満調停では、調停委員が、話し合いの進行を取り持ち、双方から交互に話を聞いて、結婚生活の実情などを確認していきます。第三者である調停委員が間に入ることで、当事者だけでは、感情がぶつかって難しかった、冷静な話し合いが、格段にしやすくなります。ヒートアップしがちな夫婦の対話に、落ち着きを取り戻させてくれる存在だといえます。円満調停は、何らかの合意ができた場合や、逆に、合意できる見込みがないとわかった場合に終了します。合意ができた場合には、それに基づく調停調書が作成されます。そして、話し合いの結果、もう一度やり直そう、という前向きな結論になった場合には、その調停調書のなかに、これからの夫婦生活における、努力目標のような条項が盛り込まれることが多いです。お互いが何を心がけるのかを、あらためて言葉にして確認し合うことで、再スタートの区切りにもなります。
離婚調停を行う
実は、離婚調停も、円満調停も、法律上は同じ「夫婦関係調整調停」という手続きに分類されます。そのため、話し合う内容やゴールが違うだけで、申し立ての方法や、基本的な進み方といった流れは、両者でほとんど同じです。円満調停と離婚調停は、目指すゴールが正反対なだけで、手続きの器としては同じもの、いわば、同じコインの表と裏のような関係にあるといえます。どちらを選ぶかは、あなたが夫婦関係を続けたいのか、それとも終わらせたいのか、という意思によって決まります。
離婚調停は、結論として離婚を求めるもの
離婚調停が、円満調停と異なる点は、離婚したい側が、最終的に離婚することを目的として開く、という点にあります。もし、相手が離婚調停を申し立ててきたとしても、あわてる必要はありません。調停は、あくまで話し合いの場であり、裁判とは違って、あなたが合意しないかぎり、離婚が成立することはないからです。「調停を起こされた=もう離婚が決まってしまう」というわけでは、決してないのです。ですから、離婚したくないというあなたの意思が固いのであれば、その希望や考えを、遠慮したり、うまく言えなかったりすることのないよう、しっかりと調停委員に伝えることが大切です。あなたの真剣な思いは、調停の場において、決して軽視されない、重要な意味を持ちます。伝え方に不安があれば、あらかじめ考えを書き出して整理しておくのも、よい方法です。
離婚をしたくない場合は弁護士に相談しよう
自分ひとりで悩んでいると、思うように事態が動かないことに、焦りばかりが募ってしまいます。離婚は、夫婦間の感情のもつれであると同時に、法定離婚事由の有無や、不受理申出の手続きなど、法的な問題でもあります。そのため、法律の知識があるかどうかによって、とれる対応の幅は、大きく変わってきます。知っているだけで守れるものが、確かにあるのです。夫婦の話し合いだけでの解決が難しそうな場合や、そもそも、何から手をつけていいのかわからない場合などは、一人で抱え込まず、法律の専門家である弁護士に相談してみるとよいでしょう。離婚を回避したいというあなたの思いに寄り添いながら、法律の知識にもとづいて、あなたにとって最善の道を、一緒に考えてくれるはずです。一人で悩み続けるよりも、心強い味方を得ることで、前を向く力がわいてきます。
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慰謝料の相場目安
100万円 〜 300万円
判例の中央値:200万円
※ 過去の裁判例に基づく相場の目安です。実際の慰謝料額は個別事情により大きく変動します。性格の不一致のみでは慰謝料請求が認められない場合が多い点にご注意ください。
