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離婚調停・離婚裁判の手続きの流れ
離婚調停や離婚裁判は、夫婦が二人で話し合うだけで済む離婚協議とは異なり、家庭裁判所を通じて、いくつもの段階を一つずつ踏んでいかなければなりません。そのため、離婚が成立するまでの期間も、どうしても長期化しがちです。「いったい、いつになったら離婚できるのだろう」と、先の見えない不安を抱えている方も多いことでしょう。だからこそ、まずは離婚調停・離婚裁判に必要な手続きと、その全体の流れを、あらかじめ把握しておくことが大切です。流れがわかれば、期間の見通しも立てやすくなり、先の見えない不安も、少しずつ和らいでいくはずです。
離婚調停の手続きの流れ
夫婦だけの話し合いでは、離婚そのものや、離婚に関連するその他の問題、たとえば親権、慰謝料、財産分与といった事柄が、どうしても解決しなかった、というケースがあります。そのような場合に、調停委員という中立的な第三者に間に入ってもらい、あらためて話し合う離婚の方法が、離婚調停です。当事者だけでは感情的になってしまう話し合いも、第三者を挟むことで、冷静に、そして建設的に進めやすくなります。調停では、当事者どうしが顔を合わせて直接話し合うことはなく、それぞれが交互に調停室に入り、調停委員に対して自分の主張を伝えます。そして、その調停委員を介して、相手の言い分を聞くことになります。相手と直接顔を合わせずに済むため、その場で感情的な対立が起きにくく、比較的冷静に話を進めやすい、という利点があります。顔を見た途端に、つい過去の恨みつらみをぶつけてしまう、という事態を防げるのです。とくに、相手と会うこと自体に強いストレスを感じている場合には、この仕組みは大きな助けになります。
離婚調停を行うのに、法律で定められたような明確な離婚理由は必要ありません。たとえば、通常であれば離婚裁判ではなかなか認められないと考えられる、「価値観の違い」や「性格の不一致」といった理由であっても、調停を申し立てること自体は可能です。話し合いの場である調停は、それだけ入り口が広く、利用しやすい制度になっているのです。さらに、調停は、浮気などの離婚原因を作ってしまった側からでも、申し立てること自体は可能です。もっとも、浮気など、離婚の原因を作った側からの離婚請求は、裁判では、原則として簡単には認められません。自ら関係を壊しておきながら、離婚を求めるのは身勝手だ、という考え方があるためです。この点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
離婚が成立するまでの、離婚調停手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。全体の段取りをあらかじめつかんでおくと、今、自分が手続きのどの段階にいるのかがわかり、ゴールまでの見通しも、格段に立てやすくなります。
1.調停の申し立て
まず、夫婦のどちらか一方が、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所へ、離婚調停を申し立てます。すでに別居していて同居していない場合には、相手の住所地を管轄する裁判所か、あるいは、お互いが合意して定めた所在地の裁判所へ申し立てることになります。申し立てには、申立書のほか、夫婦の戸籍謄本などの書類が必要になります。書類の不備で手続きが遅れることのないよう、あらかじめ、しっかりと準備しておきましょう。
2.1回目の調停
調停委員を介して、離婚そのものへの合意や、親権・財産分与・慰謝料といった離婚条件について、話し合いを重ねていきます。なお、申し立てから第一回目の調停が開かれるまでには、おおよそ一か月ほどの期間がかかるのが一般的です。すぐに話し合いが始まるわけではない、という点は、あらかじめ知っておくとよいでしょう。
3.2回目以降の調停
一回の調停で話がまとまることは少なく、お互いが納得いくまで、複数回にわたって調停が行われます。おおむね、一か月に一回程度のペースで期日が設けられるのが通常です。つまり、調停が数回に及べば、それだけで、あっという間に半年近い時間が経過してしまうことになります。回数が少ないうちに合意できれば、その分、早く決着できるということでもあります。この、期日と期日の間隔があくことが、調停が長期化してしまう一つの要因でもあるのです。話し合いそのものよりも、次の期日を待つ時間のほうが、ずっと長いともいえます。
4.調停調書の作成
お互いが離婚に合意し、それぞれが納得したうえで離婚条件がまとまれば、調停成立となります。そして、裁判所によって、その取り決めを文書にした調停調書が作成されます。この調停調書には、判決と同じような法的拘束力があります。そのため、もし調書に記された内容に従って、養育費などの支払いが行われなかった場合には、給与や財産の差し押さえといった強制執行も可能になります。口約束とは違い、確実に相手に履行を迫れる、強力な効力を持つ書面なのです。
5.離婚届の提出
調停が成立したら、その調停成立日から十日以内に、調停調書と一緒に、役所へ離婚届を提出します。なお、この場合、離婚が法律上成立した日は、届け出をした日ではなく、調停が成立した日となります。届け出は、あくまでその事実を戸籍に反映させるための手続き、という位置づけです。
離婚裁判の手続きの流れ
調停が成立しなかった場合は、裁判で離婚を争うことになります。調停は、調停委員という第三者を介するとはいえ、あくまで話し合いによって決めるものです。ですから、当事者のどちらか一方が納得しなければ、離婚は成立しません。これに対して、裁判では、離婚の可否や条件について、最終的に裁判官が判決という形で判断を下します。そのため、たとえ相手が合意しなくても、裁判官が離婚を認めれば、離婚が成立するのです。ここが、話し合いを基本とする調停と、裁判との、決定的な違いだといえます。相手がかたくなに離婚を拒み続ける場合には、この裁判が、離婚を実現するための、最後の手段となります。
ただし、離婚裁判を提訴するには、法律に定められた離婚理由、いわゆる法定離婚事由が必要です。どのような事情が法定離婚事由にあたるのかは、あらかじめ確認しておきましょう。
また、日本の制度では、まず調停を行わない限り、いきなり離婚裁判を起こすことは、原則としてできません。これを、「調停前置主義」といいます。まずは話し合いによる解決を試み、それでもだめなら裁判へ、という順序が、法律によって定められているのです。この調停前置主義という仕組みがあるため、いきなり裁判で決着、というわけにはいかず、裁判までを見据えると、どうしても、まとまった期間が必要になるのです。
調停不成立から裁判によって離婚が成立するまでの手続きの流れは以下のとおりです。
1.裁判の提訴
夫、または妻の住所地を管轄する家庭裁判所へ訴状を提出することで、離婚裁判を提訴します。一方、訴えられた側は、第一回目の口頭弁論が開かれるまでに、訴状に記載された相手の主張に対して反論するための、答弁書を作成し、裁判所へ提出しなければなりません。ここから、書面と証拠をやり取りしながら、双方の主張をぶつけ合う、裁判の本格的な攻防が始まっていきます。この攻防が長引くほど、判決までの道のりも遠くなります。
2.1回目の口頭弁論
第一回目の口頭弁論では、双方が、それぞれ訴状または答弁書にもとづいて主張を述べ、自分の主張を裏付けるための証拠を提出します。また、必要に応じて、原告(訴えた側)や被告(訴えられた側)、それぞれの証人に対して、尋問が行われることもあります。なお、第一回目の口頭弁論の期日は、訴状を提出してから、およそ一か月後を目安に設定されるのが一般的です。裁判もまた、調停と同じように、一つひとつの手続きの間に、一定の時間がかかるのです。
3.2回目以降の口頭弁論
第一回目の口頭弁論の後は、お互いの主張と証拠が出そろうまで、おおむね月に一回のペースで、口頭弁論がくり返し行われていきます。争点が多かったり、双方の主張が激しく対立していたりすると、この口頭弁論の回数が自然と増えていき、それにつれて、裁判全体の期間も、どんどん長くなっていきます。だからこそ、争う点を必要なものに絞ることが、期間短縮のうえで重要になるのです。
4.判決
お互いの主張と証拠が出そろうと、それらをもとに、裁判官が判決を下します。そして、確定した判決をもとに、判決書が作成されます。この判決書にも、調停調書と同じように法的拘束力があるため、もし相手が判決書の内容に従わなかった場合には、給与や財産の差し押さえといった、強制執行が可能です。長い裁判を経て、ようやく得られた判決は、それだけの重みと、確かな効力を持っているのです。
5.離婚届の提出
判決が確定した日から十日以内に、判決書と確定証明書を添えて、離婚届を役所へ提出します。この場合も、離婚が法律上成立した日は、判決が確定した日となります。長い裁判を戦い抜いた末の、最後の手続きです。忘れずに、期限内に済ませるようにしましょう。
判決に不服がある場合
第一審の判決に、どうしても納得がいかない場合には、原則として一回に限り、高等裁判所への不服申し立て、すなわち控訴を行い、もう一度、法廷で争うことができます。ただし、離婚裁判において、そこからさらに、高等裁判所から最高裁判所への不服申し立てである上告が認められるケースは、非常に限られています。ですから、大まかには「離婚裁判では、判決に不服があれば、もう一度だけ争える」と覚えておくとよいでしょう。ただ、控訴すれば、その分だけ、離婚が確定するまでの期間は、さらに延びることになります。
離婚調停・離婚裁判にかかる期間
続いて、この記事の中心となる疑問、すなわち、離婚調停や離婚裁判において、離婚が成立するまでに、実際どれくらいの期間がかかるのかを、具体的に見ていきましょう。ここが、これから離婚の手続きに臨む多くの方が、最も気にされているところだと思います。期間の見通しがわかれば、生活や仕事の段取りも、立てやすくなります。
離婚調停にかかる期間の目安は約半年
裁判所が公表している司法統計によると、調停が成立した夫婦の多くは、半年以内に調停を終えているとされています。また、申し立てのあった離婚調停のうち、比較的少ない回数のうちに調停を終えているケースが、多数を占めています。もちろん、これはあくまで平均的な傾向を示すものであり、争点が多かったり、双方の対立が激しかったりすれば、当然、これよりも長い期間がかかることもあります。自分のケースがどれくらいかかりそうかは、争点の数や、相手の態度によって、大きく変わってくると考えておきましょう。
離婚裁判は数年がかりになることも
一方で、離婚裁判の平均的な期間は、おおよそ一年から二年ほどといわれています。調停に比べると、裁判はかなり長い期間を要することがわかります。判決を求めて、双方がとことん争う手続きである以上、どうしても時間がかかってしまうのです。とくに、第一審で離婚が認められなかったり、離婚条件に納得できなかったりして敗訴し、控訴した場合には、裁判がさらに長期化する傾向にあります。裁判は、始めてしまえば自分の意思だけでは終われないため、この期間の長さは、あらかじめ覚悟しておく必要があります。
加えて、離婚裁判を提訴するにはまず、離婚調停を申し立てなければなりません。そして、忘れてはならないのが、離婚裁判を起こすには、その前段階として、まず離婚調停を経ていなければならない、という点です。つまり、調停にかかった期間も合わせて考えると、離婚を切り出してから、実際に決着がつくまでに、数年がかりになるケースも決して珍しくないのです。長い道のりになることを見据えて、生活面の備えもしておくことが大切になります。
お互いが、少しでも早く、気持ちよく新しい人生の再スタートを切るためにも、できる限り、裁判にまで至る前の、離婚協議や離婚調停の段階での解決を目指すのが望ましいといえるでしょう。裁判は、あくまで最後の手段だと考え、それまでの段階で歩み寄れる道がないかを、探ってみることが大切です。
離婚調停・離婚裁判の期間を短くするための三つのポイント
夫婦二人の話し合いだけで済む協議離婚と比較すると、家庭裁判所での手続きを要する調停離婚や裁判離婚は、どうしても長期化しがちです。とはいえ、いくつかの点を意識することで、その期間をできるだけ短く抑えることは可能です。少しでも早く解決し、新しい生活へ踏み出すためには、次の三つのポイントを押さえておくことが重要になります。
確実な証拠をそろえる
離婚裁判では、離婚を認めるかどうか、また、離婚条件が妥当かどうかを判断するのは、あくまで裁判官です。当事者がどれだけ強く主張しても、それを裏付ける証拠がなければ、裁判官の心は動きません。そのため、離婚を認めてもらい、なおかつ、自分にとって有利な条件で離婚するためには、裁判官を納得させるだけの、しっかりとした証拠が必要不可欠だといえます。証拠がそろっているかどうかが、裁判の結果と、そしてその期間を、大きく左右するのです。また、裁判で提出する証拠が、決定的で、誰が見ても確実だといえるものであればあるほど、裁判官の判断は早まり、裁判の期間も短くなる傾向にあります。とくに、不倫が争点となる場合には、どのような証拠が有効なのかを知っておくことが、早期解決の鍵になります。
また、離婚調停においても、自分に有利に話し合いを進めていくためには、当事者の間を取り持ってくれる調停委員を、いわば味方につけることが大切になります。調停委員に「この人の言い分には筋が通っている」と感じてもらえれば、話し合いは、こちらにとって有利に進みやすくなるためです。そのため、自分の主張をしっかりと裏付ける証拠があることは、調停委員を味方につけることにつながり、ひいては、調停の期間を短縮することにもつながります。証拠は、裁判の場面だけでなく、その前の調停の段階から、あなたの主張を支える強い味方になってくれるのです。早い段階から、証拠を意識して準備しておくことが、結果的に、全体の期間を短くすることにつながります。
離婚調停や離婚裁判の際に提出すべき証拠としては、争点によってさまざまですが、たとえば以下のようなものが挙げられます。自分のケースで、どのような証拠が有効になるのかを、考えながら見ていきましょう。
現場を押さえた画像
不倫の場合は、相手が不倫相手とホテルに出入りするところを押さえた写真、DVの場合は、相手から受けた暴力によって負ったけがを撮影したものなどが、有力な証拠になります。その瞬間をとらえた画像は、言葉による主張よりも、はるかに強い説得力を持ちます。
動画や音声データ
不倫の場合は、不倫相手との電話でのやり取りの録音、DVやモラハラの場合は、暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたりしたときの音声や動画の記録などが、証拠になります。とっさのことで記録を残すのは難しいものですが、日ごろから意識しておくと、いざというときに役立ちます。
メールやSNSでのやり取り
不倫の場合は、不倫相手と肉体関係があることがうかがえるやり取り、モラハラの場合は、相手から文章で送られてきた暴言などがあれば、それらのメールやメッセージのスクリーンショットを保存しておくことで、証拠になります。デジタルのやり取りは、消されてしまう前に、早めに保存しておくことが肝心です。
念書
念書とは、後々の証拠として残しておくために作成する、書き付けのことをいいます。配偶者本人が、浮気やDV、モラハラといった事実を認めたことを、この念書に残しておけば、調停や裁判の際に、有利な証拠となります。相手が自ら非を認めた書面は、動かぬ証拠として、大きな力を持つのです。なお、不倫の場合には、不倫相手からも念書を取っておくと、さらに有効です。
相手の給与明細や生活費を管理している通帳
相手に一定の収入があるにもかかわらず、正当な理由なく生活費が支払われない場合、これは法律で定める離婚理由の一つである「悪意の遺棄」にあたる可能性があります。相手の給与明細や、生活費を管理している預金通帳は、この悪意の遺棄を証明するための、有力な証拠のひとつになります。収入があるのに渡さない、という事実を、客観的な数字で示すことができるためです。
医師の診断書
DVの場合は、暴力によって負ったけがに関する診断書、モラハラの場合は、相手の暴言などが原因で、精神的な不調を患ったことを示す診断書などが、証拠になります。医師という専門家が作成した診断書は、被害の事実を裏付ける、信頼性の高い証拠として扱われます。つらい状況ではありますが、被害を受けたら、早めに医療機関を受診し、記録を残しておくことが大切です。
日記やメモ
日記やメモは、長い期間にわたって、できるだけ詳細に、そして具体的に記録されているほど、証拠としての確実性が高まります。いつ、どこで、何があったのかを、その都度こまめに書き留めておく。こうした地道な積み重ねが、後になって、あなたの主張を支える大きな力となるのです。
家族や友人、知人による陳述書
家族や友人、知人といった第三者が、実際に見聞きした事実についての証言を、文章の形で残したもの、いわゆる陳述書も、証拠として有用です。当事者以外の人の言葉は、話に客観性を与え、主張の信ぴょう性を高めてくれます。ふだんから、信頼できる周囲の人に、状況を話しておくことも、いざというときの備えになります。
争点を絞る
離婚調停や離婚裁判では、離婚するかどうかの合意以外にも、子どもの親権、慰謝料、財産分与、養育費など、離婚に際して決めておくべきさまざまな条件についても、あわせて決定することができます。一度の手続きのなかで、離婚にまつわるさまざまな問題を、まとめて解決できるのは、大きな利点です。ただし、その分、決めることが多くなれば、それだけ時間もかかる、という面もあります。しかし、当然のことながら、話し合うべき、あるいは争うべき内容が増えれば増えるほど、その一つひとつに時間がかかり、調停や裁判の期間は長引いてしまいます。あれもこれもと欲張ってすべてを争おうとすると、かえって決着が遠のいてしまうのです。裁判で争うポイントは、どうしても話し合いでは解決できない、本当に重要なものだけに絞り込む。これが、少しでも短期間で決着させるためのコツだといえるでしょう。何を譲り、何を譲らないのか。その見極めが、早期解決の鍵を握ります。
和解に持ち込む
和解とは、離婚裁判において、本来であれば、それぞれの言い分や、提出された証拠にもとづいて、裁判官が最終的な判断を下すところを、その前に、当事者どうしの話し合いによって解決することをいいます。この和解によって成立する離婚を、和解離婚といいます。判決を待たずに、双方が歩み寄って合意することで、裁判を途中で終わらせることができるのです。
和解は、当事者のどちらか一方から申し出ることもできますし、話し合いで解決できそうだと判断されれば、裁判官のほうから、和解をすすめられることもあります。双方が、自分の主張を通すことばかりにこだわり、まったく譲ろうとしなければ、裁判はどこまでも泥沼化してしまいます。そうなれば、勝っても負けても、心身ともに疲れ果ててしまうことになりかねません。譲れるところは思い切って妥協し、和解に持ち込むこと。これもまた、裁判を早く終わらせ、次の人生へ踏み出すための、大切なポイントのひとつなのです。
- 離婚する夫(妻)・不倫相手に慰謝料を請求したい
- 子どもの親権・財産分与で揉めている
- 離婚後の子どもの養育費をきちんと払わせたい
- 離婚したいけど離婚後の生活が心配
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離婚調停・離婚裁判期間が長期化するときの費用面での対策
離婚調停や離婚裁判が長引く場合、やはり大きなネックとなってくるのが、費用の問題です。手続きが長期化すればするほど、弁護士費用をはじめとする負担も、積み重なっていきます。解決までに時間がかかりそうなときには、あらかじめ、以下のような費用面の対策もとっておくと、安心して手続きに臨めます。
婚姻費用を請求しよう
婚姻費用とは、婚姻期間中における、夫婦の生活費のことをいいます。未成年の子どもがいる場合には、その養育費や教育費など、子どもにかかるお金も、この婚姻費用に含まれます。そして、婚姻費用は、収入の多いほうが、収入の少ないほうへ支払う義務を負うものとされています。離婚に向けて別居している間、収入の少ない側にとっては、この婚姻費用が、日々の生活を支える、大切な命綱になります。きちんと請求できるかどうかで、争いの期間中の暮らしの安定が、大きく変わってくるのです。また、この義務は、法律上、夫婦である限りなくならないため、たとえ別居していても、支払いが必要とされています。別居中の生活費に不安がある場合には、この婚姻費用の請求を、できるだけ早めに検討しておきたいところです。請求が認められれば、離婚が成立するまでの間、生活の支えを確保できるためです。
離婚調停や離婚裁判を進めると決まったら、まずは家庭裁判所へ、婚姻費用の分担請求調停を申し立て、離婚が成立するまでの生活費を、しっかりと確保しておきましょう。これをしておくかどうかで、長い争いの間の暮らしの安定が、大きく変わってきます。また、離婚成立までの期間は、調停や裁判の準備と並行して、新しい仕事や住まいの確保といった、離婚後の自立した生活のための準備も、少しずつ進めていくことをおすすめします。離婚が成立してから慌てるのではなく、その日に向けて、着実に足場を固めていくことが大切です。
法テラスを活用しよう
法テラスとは、正式には日本司法支援センターといい、法的なトラブルを抱えた方をサポートするために設けられた、公的な制度です。無料の法律相談を受けられたり、一定の条件のもとで、弁護士費用を立て替えてくれたりするサービスなどがあります。そのため、経済的に不安を抱えている方でも、費用の心配を少なくして弁護士へ依頼できるという、大きなメリットがあります。「お金がないから弁護士には頼めない」とあきらめてしまう前に、まずはこうした制度が利用できないか、確認してみる価値は十分にあります。
離婚調停・離婚裁判の早期決着は弁護士に相談を
夫婦間の話し合いや離婚調停では解決できず、離婚裁判にまでもつれ込んでしまうと、経済的な負担はもちろんのこと、長い争いを続けることによる精神的な負担も、相当なものになります。争いが長引くほど、心はすり減っていくものです。そうした負担を最小限に抑え、少しでも早い決着を目指すのであれば、やはり、法律の専門家である弁護士に任せるのが一番です。弁護士は、手続きを的確に進めてくれるだけでなく、どこで妥協し、どこで争うべきかという戦略面でも、頼りになる存在です。法テラスなどのサービスを活用すれば、費用面での不安を解消することも可能ですから、一人で抱え込まず、まずはメールや電話などで、気軽に問い合わせてみてください。早く動き出すことが、それだけ早い解決と、心の平穏を取り戻すことにつながります。
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慰謝料の相場目安
100万円 〜 300万円
判例の中央値:200万円
※ 過去の裁判例に基づく相場の目安です。実際の慰謝料額は個別事情により大きく変動します。性格の不一致のみでは慰謝料請求が認められない場合が多い点にご注意ください。
