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離婚トラブルが修羅場になるケース

この記事で分かること

  • 深刻な問題から些細なことまでさまざまなことが離婚トラブルの修羅場となりうる。
  • 感情的になっている当人同士での解決は難しいことが多い。
  • 専門の弁護士に相談することで、離婚の話し合いもスムーズなものとなる。

「離婚」というと、結婚生活が破綻するのですから、何かしらネガティブな出来事が起こった場合がほとんどです。離婚トラブルの中には、些細なことが原因でも、お互い感情的になりやすいので、修羅場と化すケースが多々あります。今回はこのように離婚トラブルが修羅場にまで発展するケースを紹介します。

パートナーとの関係による離婚トラブルの修羅場

離婚時のトラブルで最も多いのは、当人同士の関係性から起こるものです。まずは、夫婦間のトラブルが修羅場になるケースを紹介します。

不倫・暴力・金銭問題などのトラブル

夫婦間の離婚トラブルの原因でも深刻なのは、不倫、暴力、金銭問題などの社会的にも問題のあるものです。そのような場合、修羅場も一層泥沼化します。

パートナーの不倫

離婚トラブルでも代表的なものが、パートナーの浮気や不倫などのいわゆる「不貞行為」です。「不貞行為」とは、性的関係がある場合をさします。パートナーの不倫が露呈してしまった時、問題となるのです。さらに修羅場となるのは、不倫相手が家庭に介入してくるケースです。このような場合、パートナーだけでなく、その相手とも修羅場となってしまうのです。夫が不倫している場合、不倫相手を妊娠させてしまうと争いもさらに泥沼化します。また、妻側が不倫している際に起こりうるのが、不倫相手の子供をパートナーの子供と偽って育てる「托卵」です。今では簡単にDNA鑑定が出来る時代ですので、発覚後の修羅場は容易に想像できるでしょう。

パートナーの暴力

暴力行為(DV)は今や社会問題です。暴力と聞くと、男性から女性に対してと考えがちですが、最近ではその逆も少なくありません。実際に暴力を振るわなくても、言葉による暴力もあります。肉体的な暴力はもちろんですが、言葉による暴力から受ける精神的苦痛も本人にとっては耐えがたいものです。家庭内暴力は外部になかなか露見しにくいということもあり、本人だけが苦しんでいるケースも多く見受けられます。このような暴力行為は、離婚の大きな要因になるとともに、修羅場になってしまうことが多いのです。

お金に関わる問題

借金問題、収入の減少、パートナーの浪費癖などお金にまつわる問題は離婚トラブルでも深刻なものの一つです。お金に困って、無断でパートナーの婚前貯金に手をつけてしまい、修羅場に発展するケースも多々見受けられます。金銭感覚は人それぞれであり、たとえ夫婦の間でもそのズレはあるものです。それが、相手の許容範囲を超えてしまうと、争いの火種となるのです。収入が減少した場合、生活費がままならなくなり、それが元となって借金をせざるを得ないこともあります。また、ギャンブル依存症などによって借金を重ねてしまうケースもあります。お金の問題が理由となるトラブルは、揉めざるを得ないものなのです。

パートナーに対する不満の鬱積

パートナーとはいえ、元はといえば赤の他人です。性格や考え方の相違などは多々あるでしょう。些細なことでも相手に対する不満の鬱積が修羅場へとつながるケースは多いのではないでしょうか。

結婚後の性格の豹変

結婚前は優しかったパートナーが結婚後に本来の自分の姿を見せてくるケースです。思いやりのかけらもなくなったという話はよく耳にします。これは、「結婚する」ことが目的だった人に多いパターンです。このような豹変はにわかには信じがたいものです。以前のパートナーと比較して、絶望感を感じ、言い争いに発展することも多いでしょう。

隠していた過去が露呈

誰にでも、人には言いたくない過去の一つや二つはあるものです。しかし、その過去が露呈してしまった場合、許せるものと許せないものがあります。過去に犯罪歴があった、水商売をしていたなど、受け入れがたいものであった場合、やはり相手を責めることとなるでしょう。特に犯罪歴があった場合などは、自らへの影響だけでなく、周囲に露呈した時の影響も考えなければなりません。このように過去から受けるダメージは大きいものなのです。

パートナーの酒癖の悪さ

パートナーの酒量が多い、酒癖が悪いといった問題は、よくある話です。酒癖が悪く、毎回お酒を飲む度に喧嘩になる夫婦は少なくないでしょう。酒癖の悪さが度を超して、暴力にまで発展するケースもあります。また、お酒を飲みたいがために、借金をすることもあるでしょう。お酒を飲む度に衝突が起きることは、離婚トラブルにつながるのです。

ワンポイントアドバイス
上記のようなトラブルは、法的に離婚原因として認められる可能性があるものもあります。いずれにせよ、当人間での解決は困難を極めます。トラブルが拡大して収拾がつかなくなる前に、離婚・男女問題を専門に扱う弁護士に相談することをおすすめします。

義理の家族との関係による離婚トラブルの修羅場

パートナーはもとより、パートナーの家族はそもそも赤の他人です。結婚後は、義理の家族として付き合っていかなければいけません。その家族との関係が原因の離婚トラブルの修羅場を紹介します。

義理の家族と折り合いが悪い

どんなに苦手意識がある義理の家族とも、やはり付き合わないわけにはいきません。どのような場合に、それが離婚トラブルへとつながるのでしょうか。

無理に付き合うことからくる精神的苦痛

義理の家族が遠方に住んでいる場合は、年に数回顔を合わせるだけで済むこともありますが、近くに住んでいる場合は、やはり付き合いは密になるものです。なるべく避けたいと思っていても、食事などに誘われることはあるでしょう。そもそも折り合いが悪い人と頻繁に付き合うことで、精神的にも苦痛を感じることが増えていきます。ましてや、パートナーがその気持ちを汲んでくれなければ、ストレスはたまる一方です。そのような精神的な苦痛が、やがては離婚のトラブルにまで発展し、修羅場となるのです。

義理の家族との同居

折り合いが悪い義理の家族と同居することはもちろんですが、最初は円満な関係であった家族とも、同居を始めると関係が悪化することは多々あることです。パートナーと一緒に住むことでさえさまざまな障壁が存在するのですから、その家族との同居は、トラブルの巣窟です。一昔前でしたら、家族との同居は当然でしたが、今は核家族化が進む時代です。不満がパートナーの家族だけでなく、パートナーにも向けられるようになり、修羅場へと発展するのです。

「嫁姑」の確執

昔から、「嫁姑」の確執はどこの家庭でも多かれ少なかれあるものとされてきました。どのような場合に、それが離婚トラブルとなるのでしょうか。

義母との意見の相違

何かにつけて義母と意見が合わないことは少なくありません。義母との衝突は、そもそも赤の他人なのですから、さらなる確執を呼びます。また、夫が義母の肩を持つようなことが多いと、溝は深まるばかりでなく、そのストレスは離婚を決意させるまでに至るのです。義母との衝突によって、離婚の修羅場となることはよくあります。

義母からのいじめ

どこから「いじめ」とするかは人それぞれですが、義母が明らかに悪意を持って、嫁に接している場合、それは嫁にとって耐えがたいものです。そもそも、嫁に来た女性の立場というものは弱いものなのです。それを夫が配慮し、妻をカバーしてくれれば、離婚にまでいたらないかもしれませんが、夫が見て見ぬふりをしたり、義母の味方をしたりすると、離婚トラブルの原因となるのです。

ワンポイントアドバイス
このように、「家族との折り合いが悪い」ことが原因で離婚を申し立てる夫婦は、全体の約1割に当たります。本来は相手の気持ちをおもんぱかって、義理の家族とは適度な距離を保つことが大切ですが、離婚トラブルにまで発展した際は、経験豊富な専門の弁護士に相談し、その後の手続きを依頼しましょう。

離婚となった際の争点

上述のような修羅場を迎え、いざ離婚することになった後も、問題となることは山積しており、それが原因でさらなる修羅場を迎えることもあります。

離婚の成立に必要なこと

ひとことで離婚といっても容易なものではありません。離婚の成立には、相手の合意、もしくは、下記のような法律で認められる離婚原因が必要となります。

  • 配偶者の不貞行為(不倫)
  • 悪意の遺棄(生活費を入れない、正当な理由なく同居を拒むなど)
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病を患い、回復の見込みがないこと
  • 婚姻を継続しがたい重大な事由(暴力、精神的虐待など)

お金のトラブル

離婚の話し合いがまとまらない大きな要因の一つに、慰謝料、財産分与などお金にかかわる問題があります。

慰謝料

慰謝料は、結婚生活の破綻の原因を作ったのはどちらか、結婚の期間、子供の有無、離婚後の経済的な状況などを鑑みて判断されます。一般的に話し合いで解決がついた時ほど、慰謝料は高額になると言われています。調停、裁判などになった場合、いかに相手の有責性を裏付ける証拠が確保できるかが焦点となります。よくある「性格の不一致」による離婚の場合などは、慰謝料が取れないことが多いです。この慰謝料もなかなか妥結しないものなのです。

財産分与

財産分与とは、婚姻中の夫婦の共有財産を清算することです。民法768条1項でも、離婚の際に、相手方に財産の分与を請求することができると定めています。分配の割合は、貢献度にもよりますが、一般的には2分の1ずつです。最近では、ペットの所有権などを巡り、争うケースも出てきてきます。

子供を巡る争い

未成年の子供がいる夫婦の場合、子供の問題は必ず解決しなければなりません。しかし、この問題は、すぐに決着がつくものではありません。

親権

親権とは、未成年の子供を養育・監護し、その財産を管理し、代理人として法律行為を行う権利や義務のことをさします。未成年の子供がいる場合、親権者をどちらかに決めないと離婚は成立しません。どちらが親権者になるかは、子供の利益を中心に考慮すべきですが、容易に決まるとは限りません。

養育費

子供を監護する親(親権のある親)は、非監護親に対して、子供を育てていくための養育費を請求することができます。養育費を支払ってもらうことで、親としての責任を果たしてもらう必要があるのです。養育費は、家庭裁判所の「養育費算定表」に基づいて算出されるケースが多くを占めますが、金額に折り合いがつかず、揉めることも多いのです。

ワンポイントアドバイス
離婚することが決まっても、正式に離婚となるまでには上記のように揉め事となる要因は多々あるのです。このようなことは専門的な知識を要する場合がほとんどです。相手との話し合いをよりスムーズなものにするためにも、早い段階から、離婚を専門とする弁護士を探し、相談に乗ってもらうことが肝要でしょう。

離婚トラブルで修羅場になる前に弁護士に相談しよう

離婚トラブルが修羅場となるケースから、いざ離婚となった後の争点を紹介しました。一度は人生を共に歩むことを決めたのですから、それが破綻という形で終わらないことが理想ですが、やむを得ず離婚という選択をせざるを得ない場合は、親身になって相談に乗ってくれる弁護士のような専門家の存在は、心の支えともなるでしょう。

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