閉じる

3,577view

離婚原因ランキングと法定離婚事由を解説|裁判で認められる理由とは

この記事で分かること

  • 離婚原因トップは男女ともに「性格の不一致」。
  • お互いが納得すればどんな理由でも離婚が可能。
  • 裁判で離婚を認めてもらうには法律に定められた離婚理由が必要!
  • 裁判で勝てる確率が低い離婚理由の場合は、まずは別居を選択しよう。

男女ともに離婚原因のトップは性格の不一致ですが、実は、離婚裁判になった場合、性格の不一致で離婚できる可能性はあまり高くありません。どのような離婚原因があれば確実に離婚が可能なのか、詳しく見ていきましょう。

離婚原因にはどんなものがある?まず押さえたい考え方

離婚原因は人によって異なる

離婚を考えるきっかけは、夫婦ごとにかなり違います。不貞や暴力のように第三者から見ても分かりやすい事情がある場合もあれば、長い結婚生活の中で少しずつ積み重なった不満が限界に達する場合もあります。実際、離婚原因として多く挙がるのは「性格の不一致」で、妻側・夫側のいずれでも最上位です。妻側では40.5%、夫側では61.3%となっており、派手な事情よりも、日々の価値観のずれや生活上の摩擦が離婚の土台になっていることが分かります。

もっとも、「性格の不一致」といっても、その中身は一つではありません。金銭感覚が合わない、家事や育児への向き合い方が違う、親族との距離感が合わない、会話が成り立たない、相手の言動にいつも傷つく、といった事情がまとまってその言葉で表現されることもあります。表面上は同じ理由でも、実際には生活費の不払い、モラハラ、過度の飲酒、異性関係の問題などが重なっていることは珍しくありません。妻側のランキングでは、生活費の不払いが28.3%、精神的な暴力が25.6%、身体的な暴力が22.7%、異性関係のトラブルが18.0%と続きます。

そのため、離婚原因を考えるときは、「一番それらしい言葉」を一つ選ぶだけで終わらせないほうがいいことがあります。たとえば「性格が合わない」と感じていても、その背景に生活費を入れてもらえない不満や、無視・暴言といった精神的圧力があるなら、話し合いや証拠整理の仕方は変わってきます。離婚後の条件を考えるうえでも、何が問題だったのかを自分なりに言葉にしておくことは大切です。

ワンポイントアドバイス
ワンポイントアドバイス「性格の不一致」は便利な言葉ですが、実際の相談ではその中身を細かく分けて整理したほうが役立つことが少なくありません。何がつらかったのかを生活面・金銭面・対人面に分けてみると、争点が見えやすくなります。

協議離婚と裁判離婚では必要な理由が違う

離婚原因を考えるうえで、まず押さえておきたいのは、協議離婚と裁判離婚では必要になる理由の重みが違うという点です。夫婦がお互いに納得して離婚するのであれば、基本的にはどんな理由でも離婚できます。極端にいえば、「もう一緒に暮らしたくない」「価値観が合わない」といった事情でも、双方が合意すれば協議離婚は成立します。記事でも、「お互いが納得すればどんな理由でも離婚が可能」と整理されています。

一方で、相手が離婚に応じず、最終的に裁判で離婚を求める場合は事情が変わります。裁判では、民法が定める「法定離婚事由」が必要になります。つまり、当事者の気持ちだけではなく、法律上、婚姻関係を解消するだけの理由があるかが問われます。離婚を考えている人の中には、「私はもう限界だから離婚できるはずだ」と感じていても、裁判所が同じように見るとは限らないケースがあります。協議の場では十分な離婚理由でも、裁判ではそれだけでは足りないことがあるのです。

この違いを知らないまま話を進めると、「相手が応じないなら裁判すればいい」と簡単に考えてしまいがちです。ところが、裁判になると証拠の有無や別居期間、婚姻関係の破綻の程度が細かく見られます。離婚原因を整理することは、単に気持ちを確認するためではなく、自分のケースが協議で解決しやすいのか、調停や裁判まで見据える必要があるのかを考えるためにも重要です。

離婚原因を整理しておく意味

離婚原因を整理しておくことには、いくつか意味があります。ひとつは、離婚の話し合いで何を中心に話すべきかが見えやすくなることです。たとえば問題の中心が生活費の不払いなら、婚姻費用や離婚後の生活費の見通しが重要になります。DVやモラハラが強いなら、まず安全確保や別居が優先されることもあります。不貞が大きな原因なら、慰謝料請求の可能性や証拠の整理が関わってきます。

もうひとつは、離婚後の条件とも結びついてくることです。離婚原因が何かによって、慰謝料を請求するかどうか、子どもの監護をどう考えるか、別居中の婚姻費用をどうするかなど、具体的な論点が変わってきます。原因を曖昧にしたまま「とにかく別れたい」と動くと、離婚後の生活設計まで手が回らず、不利な条件でまとまってしまうことがあります。

さらに、話し合いがうまくいかず調停や訴訟に進む場合には、離婚原因をどのように説明するかがそのまま争点になります。思いつくままに理由を並べるのではなく、時系列で整理し、何が起きて、どんな影響があり、なぜ婚姻生活を続けられなくなったのかを落ち着いてまとめておくことが、後で役に立ちます。

妻の離婚原因ランキング

性格の不一致

妻側の離婚原因で最も多いのは、性格の不一致です。割合は40.5%で、他の理由よりも頭ひとつ抜けています。

ここでいう性格の不一致は、単に「趣味が違う」「好みが違う」という程度にとどまりません。結婚生活では、家計の管理、子どもの教育方針、働き方、休日の過ごし方、親族との付き合い方など、生活のあらゆる場面で価値観の違いが表れます。交際中には流せていた違いが、結婚後には積み重なって大きなストレスになることがあります。

妻側でこの理由が多い背景には、日々の家事や育児を通じて小さな不満が長く蓄積しやすいこともあるように思われます。一回一回は決定打でなくても、「話を聞いてもらえない」「生活への向き合い方が違いすぎる」と感じる状態が続けば、関係は次第に消耗していきます。裁判では性格の不一致だけで直ちに離婚が認められるとは限りませんが、協議離婚の現場では非常によく見られる離婚理由です。

生活費の不払い

妻側の離婚原因の第2位は生活費の不払いで、28.3%です。夫婦は互いに協力し扶助し合う義務を負うとされており、一方が生活費を負担しないことは、結婚生活の基盤を崩す大きな問題になります。

現実には、収入があるのに家計へ入れない、住宅ローンや光熱費を放置する、生活費を渡しても極端に足りない、という形で表れることがあります。妻が専業主婦や短時間勤務である場合、この問題は生活の不安に直結します。食費や教育費が足りないだけでなく、相手が家庭を維持する意思を持っていないと受け止められやすく、夫婦関係全体に影響します。

生活費の不払いが続く場合、離婚を考える前段階として婚姻費用の請求が問題になることもあります。離婚するかどうかにかかわらず、別居中も含めて生活費の分担が必要になるケースがあるため、感情だけで処理せず、収入資料や支出状況を整理しておくことが重要です。

ワンポイントアドバイス
ワンポイントアドバイス生活費の不払いがある場合は、通帳の入出金、家賃や光熱費の支払状況、家計簿、メッセージのやり取りなどを残しておくと、後で事情を説明しやすくなります。

精神的な暴力(モラハラ)

妻側で第3位に入るのが精神的な暴力で、25.6%です。暴言、無視、人格否定、外出や交友関係の制限など、身体的な暴力を伴わなくても、相手を継続的に追い詰める言動は離婚原因になります。

モラハラの難しいところは、外から見えにくいことです。怪我のように分かりやすい痕跡が残りにくく、被害を受けている側も「これくらいで離婚理由になるのか」と迷いやすい面があります。けれども、毎日のように人格を否定される、家にいても緊張が続く、相手の機嫌をうかがって生活しなければならないという状態は、結婚生活の継続を難しくする十分な事情になりえます。

話し合いで離婚を進める場合でも、モラハラが強い関係では対等な協議になりにくいことがあります。相手に言い負かされて不利な条件を受け入れてしまうこともあるため、必要に応じて別居や第三者の関与を考えることが大切です。

身体的な暴力(DV)

身体的な暴力は22.7%で、妻側の第4位です。僅差でモラハラに続いていますが、身体への直接的な危険を伴うため、実際の対応では優先度が高い問題です。

DVがある場合は、離婚条件の整理よりも先に安全確保が必要になることがあります。同居を続けながら冷静に話し合うことが難しいケースも多く、身を守る手段を優先しなければなりません。怪我の診断書、写真、録音、警察や相談機関への相談記録などは、後に経過を説明するうえで重要になることがあります。

また、DVは親権や面会交流を考える場面でも無関係ではありません。相手の暴力が子どもの生活や安全にどう影響するかという視点が必要になるため、離婚原因としてだけでなく、離婚後の条件ともつながって考える必要があります。

異性関係のトラブル

妻側の第5位は、浮気や不倫などの異性関係のトラブルで、18.0%です。離婚原因と聞くと真っ先に不貞を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実際のランキングでは生活費やモラハラ、DVより下に位置しています。

もっとも、不貞は裁判で問題になった場合に強い意味を持ちやすい離婚原因のひとつです。感情的な傷の大きさだけでなく、慰謝料請求の可能性や証拠の集め方が重要になります。疑いの段階で動くのか、事実を確認してから動くのかによって、その後の進め方も大きく変わります。

不貞だけが単独で存在するとは限らず、家庭を顧みない、生活費を入れない、虚偽を重ねるといった他の問題と重なっていることも少なくありません。異性関係の問題があるときは、気持ちの整理と法的な整理を分けて考えることが大切です。

そのほかの離婚原因

妻側の第6位以下には、浪費11.3%、家庭を顧みない9.0%、相手家族・親族との不仲7.6%、性的不調和7.6%、過度の飲酒6.4%が続きます。

どれも一見すると小さな問題に見えるかもしれませんが、実際には結婚生活の安定を大きく左右します。浪費は家計の破綻につながりますし、親族との不仲は同居や介護、冠婚葬祭をめぐって深い対立を生むことがあります。家庭を顧みないという理由も、家にいないこと自体より、家族と関わろうとしない態度や責任放棄が背景にあることが多いものです。

ランキングの数字は、よくある傾向を知る手がかりにはなりますが、自分のケースをそのまま当てはめるためのものではありません。順位が低い理由でも、当事者にとっては十分に重大で、離婚を決断する決定打になることがあります。

夫の離婚原因ランキング

性格の不一致

夫側でも離婚原因の第1位は性格の不一致で、61.3%です。妻側よりも高い割合で挙がっており、夫側ではとくにこの理由が中心になっていることが分かります。

夫側がいう性格の不一致には、会話の不足、家庭内での居心地の悪さ、価値観の違い、生活のペースの違いなど、幅広い要素が含まれます。表面上は穏やかな家庭に見えても、長い間のすれ違いが続いて、修復の余地がなくなっていることがあります。

ただし、裁判の場では「合わない」という主観だけでは足りないことが多いため、協議段階でどう着地させるかが重要になります。相手も離婚を望んでいるのか、別居の意思はあるのか、離婚後の条件にどこまで合意できるのかによって、現実的な進め方は変わります。

精神的な暴力(モラハラ)

夫側の第2位は精神的な暴力で、18.7%です。妻側だけでなく、夫側でもモラハラが強い離婚原因として挙がっています。記事中でも、食事を用意してもらえない、無視される、帰宅を責められるなどの例が挙げられています。

モラハラは、男女どちらからどちらへ行われる場合でも、継続的に相手を追い詰める点に本質があります。被害を受けている側が「自分が我慢すれば済む」と思い込んでしまうこともありますが、日常的な精神的圧迫は関係の修復を難しくします。夫側でこの理由が高いことは、離婚原因が一方向の固定的なものではないことを示しています。

相手家族・親族との不仲

夫側の第3位は、相手家族・親族との不仲です。結婚は夫婦だけの関係で成り立つわけではなく、特に親族との距離が近い家庭では、その影響が大きくなります。妻の実家との関わり方や、義父母との関係、親族間の干渉の強さが、夫婦間の対立に発展することがあります。

本人同士は離婚したいほど対立していないのに、親族との関係が悪化して結婚生活が維持できなくなるケースもあります。親族の介入が強いと、夫婦だけで冷静に話し合うことが難しくなりやすいため、問題をどこまで親族に広げるのかも意識したほうがよい場面があります。

異性関係のトラブル

夫側でも、異性関係のトラブルは上位に入ります。不貞や浮気は、離婚理由として分かりやすいだけでなく、法定離婚事由との関係でも重要です。夫側から見た場合、妻の不貞が問題になることも当然ありますし、逆に夫自身の不貞が話し合いを困難にしていることもあります。

異性関係のトラブルがある場合は、感情面のダメージが大きく、話し合いが極端になりやすい傾向があります。慰謝料の請求、婚姻費用、財産分与、子どもとの関係など、論点が複数に分かれることが多いため、不貞だけに意識を取られすぎないことも大切です。

性的不調和(セックスレスなど)

夫側のランキングでは、性的不調和も上位に入っています。結婚生活の中では表に出しにくい問題ですが、夫婦関係の破綻につながる事情として無視できません。単なる回数の問題ではなく、相手との距離感、拒絶の積み重ね、コミュニケーション不足などが背景にあることも多く、他の不満と結びついて関係悪化を招くことがあります。

この問題は、第三者に相談しづらいために長く放置されやすい面があります。気まずさから言葉にしないまま夫婦関係が冷え込んでいくと、最終的には「性格の不一致」と一括りにされることもあります。離婚原因として整理する際には、生活全体のすれ違いの一部として見ることも必要です。

そのほかの離婚原因

夫側にも、浪費、過度の飲酒、家庭を顧みない、借金問題など、さまざまな事情が含まれます。妻側と比べて順位や割合に違いはあっても、結婚生活の破綻には、金銭、親族、対人関係、身体・精神の安全といった複数の要素が関わっていることが分かります。

ランキングを見るときは、「自分の理由は上位かどうか」を気にするより、自分のケースで何が本質的な問題なのかを見極めるほうが大切です。離婚の進め方は、理由の順位ではなく、その内容と証拠の有無、相手の態度によって変わります。

裁判で離婚が認められる理由とは

法定離婚事由とは何か

協議で相手が離婚に応じるなら、理由が何であっても離婚は可能です。しかし、裁判で離婚を求める場合は、民法が定める法定離婚事由が必要になります。記事でも「裁判で離婚を認めてもらうには法律に定められた離婚理由が必要」と整理されています。

法定離婚事由は、夫婦関係の破綻を法的に評価するための基準です。気持ちが離れてしまったというだけではなく、婚姻関係を続けることが困難だといえるだけの事情が必要になります。そのため、協議では十分な理由でも、裁判では証拠が弱くて認められないということが起こります。

不貞行為

不貞行為は、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて肉体関係を持つことを指し、代表的な法定離婚事由です。単なる親しいやり取りや食事だけでは足りず、通常は不貞を裏づける証拠が問題になります。写真、メッセージ、ホテルの利用記録などが典型です。

不貞は、離婚原因になるだけでなく、慰謝料の問題とも関わります。ただし、不貞の事実があっても、すでに婚姻関係が破綻していたかどうかなど、個別事情によって評価が変わることがあります。感情が強く動く場面だからこそ、証拠と時系列の整理が重要になります。

悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、正当な理由なく同居・協力・扶助の義務を果たさないことをいいます。生活費を渡さない、理由なく家を出て戻らない、病気の配偶者を放置するなどが問題になることがあります。単なる夫婦喧嘩の延長ではなく、婚姻上の義務を一方的に放棄しているといえるかがポイントです。

生活費の不払いが長く続いているケースでは、この理由との関係を意識することがあります。収入がありながら家計を支えず、改善の意思もない状態であれば、法的にも重い意味を持ちます。

3年以上の生死不明

配偶者の生死が3年以上分からない場合も、法定離婚事由になります。現代では件数としては多くありませんが、長期間にわたって行方が分からず、婚姻関係を維持できない状態を想定した規定です。単なる音信不通とは区別して考える必要があります。

回復の見込みがない強度の精神病

回復の見込みがない強度の精神病も、民法に挙げられている離婚事由の一つです。ただし、現在の実務ではこの規定の扱いは慎重で、単に病気であることだけで直ちに離婚が認められるわけではありません。療養や生活保障の状況、婚姻継続の可能性など、全体事情を踏まえて判断されます。

その他婚姻を継続し難い重大な事由

最後の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」は、実務上とても重要です。DVやモラハラ、長期の別居、過度の浪費、親族との深刻な対立、性的不調和など、個別事情を積み重ねて、この条文に当たるかどうかが判断されることが多くあります。

性格の不一致だけでは足りなくても、その結果として長期別居に至り、交流が途絶え、修復可能性がないといえる場合には、婚姻関係の破綻として評価されることがあります。裁判では、一つの出来事だけでなく、結婚生活全体の流れが見られると考えておいたほうがよいでしょう。

ワンポイントアドバイス
ワンポイントアドバイス裁判を視野に入れるなら、「何があったか」だけでなく、「いつから、どのくらい続き、生活にどう影響したか」を時系列で整理しておくと役立ちます。

性格の不一致だけで離婚できるのか

協議離婚なら可能な場合が多い

性格の不一致は、協議離婚では非常によくある離婚理由です。お互いがもう結婚生活を続けられないと考えているなら、その理由が性格の不一致であっても、離婚自体は成立します。裁判所が理由の重さを審査するわけではないため、当事者の合意が何より重要です。

裁判では性格の不一致だけでは足りないことがある

一方で、相手が離婚に応じない場合、性格の不一致だけで裁判上の離婚が認められるとは限りません。記事でも、裁判になった場合、性格の不一致で離婚できる可能性はあまり高くないと説明されています。

理由としては、「合わない」という評価が主観的な面を持つためです。裁判では、婚姻関係が客観的に破綻しているかどうかが問われます。そのため、性格の不一致そのものより、それが原因でどのような別居や対立が生じ、修復不能になったかが問題になります。

別居期間が重要になるケース

性格の不一致を背景に裁判離婚を考えるなら、別居期間が意味を持つことがあります。長期間の別居が続き、交流もなく、婚姻の実体が失われているとみられれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」として評価されやすくなるためです。

もちろん、別居すれば自動的に離婚できるわけではありません。ただ、協議で折り合いがつかず、決定打となる法定離婚事由もはっきりしない場合には、別居が関係の破綻を示す重要な事情になることがあります。

離婚を進める前にやっておきたい準備

証拠を集める

離婚原因によっては、証拠が非常に大切です。不貞ならやり取りや写真、DVなら診断書や写真、モラハラなら録音やメッセージ、生活費の不払いなら通帳や家計記録など、原因に応じて残すべきものが変わります。証拠は、裁判のためだけでなく、相手との話し合いで現実を共有するためにも役立ちます。

婚姻費用や生活費の見通しを立てる

別居を考える場合、離婚前の生活費をどうするかは大きな問題です。とくに収入差がある夫婦では、別居後も婚姻費用の請求が関わることがあります。感情だけで家を出ると、その後の生活が不安定になり、話し合いを有利に進めにくくなることがあります。住居費、子どもの生活費、仕事の見通しまで含めて考えておく必要があります。

別居を検討する

同居のまま話し合いができる関係ならよいのですが、DVや強いモラハラがある場合、あるいは顔を合わせるたびに激しい対立になる場合は、別居そのものが必要になることがあります。別居は、気持ちを落ち着かせる意味もありますし、裁判を視野に入れた場合には破綻の経過として重要になることもあります。ただし、子どもの学校や生活環境に与える影響も大きいため、勢いだけで決めないほうが無難です。

離婚原因がはっきりしない場合の進め方

感情だけで話を進めない

離婚を考えるとき、「もう無理」という感情が先に立つことは珍しくありません。ただ、理由がうまく言語化できないまま話し合いを始めると、相手から「結局何が不満なのか分からない」と返されて、議論が空回りしやすくなります。まずは、日々の不満を整理し、どんな出来事が積み重なって今の気持ちに至ったのかを振り返ることが大切です。

離婚後の条件もあわせて整理する

離婚原因がはっきりしない場合ほど、離婚後の条件を先に考えることで論点が見えてくることがあります。子どものこと、お金のこと、住まいのことを具体的に考えると、「何が障害になっているのか」が逆にはっきりすることがあるからです。原因だけを深掘りしすぎるより、これからの生活をどう組み立てるかという視点が役立つ場面もあります。

裁判になる前に協議や調停を検討する

離婚原因に決定打がない場合、いきなり裁判を目指すより、まずは協議や調停での解決を考えたほうが現実的なことが多いです。調停では、裁判ほど厳格に勝ち負けで割り切るのではなく、双方の事情や離婚後の条件を含めて話し合うことができます。離婚原因そのものより、今後の着地点をどう作るかが大切になるケースでは、調停が向いていることがあります。

離婚問題を弁護士に相談したほうがよいケース

相手が離婚に応じない場合

自分は離婚したいのに、相手が話し合いに応じない、あるいは「絶対に離婚しない」と言っている場合は、早めに相談したほうがよい場面です。感情的なやり取りを続けても状況が悪化することがあり、調停や訴訟の見通しを含めて整理したほうが前に進みやすくなります。

証拠の集め方に迷う場合

不貞、DV、モラハラ、生活費の不払いなど、証拠が重要になるケースでは、何をどう残せばよいか迷いやすいものです。やみくもに集めるより、離婚原因との関係で意味のある資料を押さえたほうが役に立ちます。証拠の集め方を間違えると、かえって使いづらいこともあります。

慰謝料や親権、財産分与でもめている場合

離婚原因だけでなく、慰謝料、親権、養育費、財産分与などの条件面でも対立が強い場合は、当事者だけでまとめるのが難しくなります。離婚そのものが成立しても、条件が曖昧なままでは後の生活に不安が残ります。争点が増えていると感じた時点で、一度整理してもらう意味は大きいといえます。

ワンポイントアドバイス
ワンポイントアドバイス離婚原因と離婚条件は別の問題のようでいて、実際には強く結びついています。どちらか一方だけを先に決めようとすると、全体のバランスが崩れやすくなります。

離婚・養育費・男女問題の悩みは弁護士に相談を
  • 離婚する夫(妻)・不倫相手に慰謝料を請求したい
  • 子どもの親権・財産分与で揉めている
  • 離婚後の子どもの養育費をきちんと払わせたい
  • 離婚したいけど離婚後の生活が心配
離婚問題を弁護士に相談する