掲載弁護士・法律事務所 2,000以上/全国対応

ネットの風評被害の対策|悪質な口コミの削除と不正競争防止法

ネットの風評被害の対策|悪質な口コミの削除と不正競争防止法

この記事で分かること

  • インターネット風評被害とは?
  • インターネット風評被害が起こる理由
  • インターネット風評被害の対処法
  • 削除要請、仮処分の申し立て方法
  • 風評被害とネットリテラシー

インターネット風評被害は、SNSや掲示板に悪意のある書き込みやデマを書き込まれ風評被害が起こること。インターネット風評被害を放置しておくと二次被害、三次被害などの犯罪行為が起こりやすくなる。ネットでのトラブルを避けるには、IT問題に強いIT弁護士への相談がおすすめ。

ネット問題に強い弁護士を探す

ある日、会社名で検索すると「ブラック企業」「倒産寸前」といった言葉が並んでいた。お店の口コミに、身に覚えのない悪評が書き込まれていた。ネット上の風評被害は、ある日突然、経営者や店主の前に現れます。

厄介なのは、事実でない情報でも、一度広まると本当のことのように受け取られてしまう点です。求人に応募が来なくなった、取引先から問い合わせが入った、予約が目に見えて減った。こうした影響が出てから慌てて動き出すケースも少なくありません。

この記事では、企業や店舗のネット上のトラブルを扱ってきた弁護士の立場から、風評被害の実態、法的に問題になる書き込みの見分け方、同業者による悪質なレビューへの対処、削除と責任追及の方法、そして平時の備えまでをまとめてお伝えします。

ネットの風評被害とは

風評被害とは、根拠のない噂や誤った情報が広まることで、個人や企業が受ける損害のことです。もともとは、事故や災害の後に、安全な地域の産品まで売れなくなるといった現象を指す言葉でした。今では、ネット上の書き込みによって評判が傷つけられる被害を広く指して使われています。

誹謗中傷との違い

誹謗中傷は、特定の人や会社を悪く言う行為そのものを指す言葉です。これに対して風評被害は、そうした書き込みや噂によって生じた損害に目を向けた言葉だといえます。悪意のある中傷だけでなく、誤解や勘違いから広まった情報でも風評被害は起こります。原因が悪意か誤解かによって、取るべき対応も変わってきます。

ネットで被害が大きくなる理由

ネット上の情報は、一度投稿されると、コピーや転載によってあっという間に広がります。検索結果に残り続けるため、何年も前の書き込みが、今も新しい顧客の目に触れることがあります。匿名で書けることから、根拠のない攻撃的な内容が投稿されやすいことも、被害を大きくする要因です。

悪評の中身も、商品の品質、接客、労働環境、経営者の人柄、取引上のトラブルなど多岐にわたります。どの点を突かれているのかを整理することが、対応の第一歩です。

個人と企業のどちらも被害者になる

風評被害というと企業の問題と思われがちですが、医師、弁護士、美容師などの個人事業主や、会社の経営者個人も標的になります。企業への書き込みであっても、実質的には経営者や特定の社員を攻撃している場合もあります。誰が被害者なのかによって、とれる法的手段の組み立ても変わってきます。

風評被害が企業にもたらす影響

ネット上の悪評は、目に見えにくいかたちで事業のあらゆる面に影響を及ぼします。

影響が出る場面 具体的な被害
集客・売上 口コミを見た顧客が来店や購入を控える
採用 求職者が社名を検索し、応募をやめる、内定を辞退する
取引 取引先から事実確認を求められる、新規の取引を断られる
資金調達 金融機関や投資家の評価が下がる
社内 従業員の士気が下がる、離職が増える

とくに採用への影響は深刻です。求職者の多くは、応募の前に社名で検索し、口コミや掲示板の書き込みを確認します。事実でない悪評でも、それを見た人が応募を思いとどまれば、会社は反論の機会すらありません。

実際の相談から

地方で飲食店を営むある店主は、地域の掲示板に「店主が客に暴力をふるった」という書き込みをされました。まったく事実無根でしたが、書き込みの後、常連客から心配する電話が相次ぎ、新規の予約は目に見えて減っていきました。削除を求めて投稿は消えたものの、同じ内容がまとめサイトに転載されていたことが後で分かり、改めて削除を求めることになりました。一つの書き込みが、思わぬところまで広がる典型的な例です。

数字に表れにくい損失

売上の減少のように数字で確かめられる被害だけではありません。商談の場で話題にされる、紹介が途絶える、社員が家族や友人から心配される。こうした目に見えにくい損失は、時間をかけて会社の体力を奪っていきます。被害を具体的に説明できるよう、気づいた影響は日付とともに記録しておきましょう。

風評被害が起きやすい場所

風評被害の発生源は一つではありません。どこに書き込まれたかによって、削除の方法も、削除のしやすさも異なります。

  • 地図サービスやグルメサイトなどの口コミ
  • 匿名の掲示板や地域の掲示板
  • SNSの投稿や動画のコメント
  • 転職に関する口コミサイト
  • 掲示板の書き込みを集めたまとめサイト
  • 検索窓に表示される予測の候補(サジェスト)

まとめサイトへの転載

掲示板の書き込みは、アクセスを集めるためのまとめサイトに転載されることがあります。まとめサイトは見出しを刺激的に書き換えることが多く、元の書き込みより強い印象を与えがちです。元の投稿を削除しても、転載先が残っていれば被害は続くため、転載先も含めて削除を求める必要があります。

動画や短文の投稿による拡散

動画配信サービスやSNSでは、一つの投稿が短時間で何万人もの目に触れることがあります。実名を挙げて店や会社を批判する動画が投稿され、コメント欄でさらに悪評が重ねられるケースも増えています。拡散の速さを考えると、発見から対応までの時間が短いほど被害を抑えられます。

転職口コミサイト

元従業員や現職の従業員が職場の評価を書き込む転職口コミサイトは、採用に直結する場所です。書き込みの多くは匿名で、会社の側からは誰が書いたのか分かりません。事実と異なる内容については、サイトの運営者に削除や非表示を求めることができますが、感想や評価の範囲にとどまる書き込みは残ることが多いのが実情です。

検索の候補に表示される言葉

検索窓に会社名を入れたとき、「詐欺」「やばい」などの言葉が候補として表示されることがあります。これは多くの人が実際に検索した語句をもとに自動で表示されるもので、誰かが直接書き込んだものではありません。それでも、見た人に悪い印象を与える点では、書き込みと同じように被害をもたらします。事実と異なる印象を与える候補については、検索事業者に削除を求められる場合があります。

法的に問題になる書き込みの判断基準

ネット上の否定的な意見のすべてが、法的に削除や賠償を求められるわけではありません。消費者が実際の体験をもとに書いた正直な感想は、たとえ辛口でも、表現の自由として守られます。問題になるのは、次のような書き込みです。

書き込みの内容 問題になる権利や法律
事実でない不祥事を書き、会社の評判を落とす 名誉権の侵害、名誉毀損罪
虚偽の情報で会社の支払い能力や商品の品質への信頼を傷つける 信用毀損罪
嘘の情報を流して営業を妨げる 業務妨害罪
競争相手が、虚偽の事実を広めて信用を傷つける 不正競争防止法の信用毀損行為
経営者や社員の私生活を暴露する プライバシーの侵害

どの類型にあたるかによって、使える手段が変わります。一つの書き込みが複数の類型に同時にあたることも珍しくありません。

法人にも名誉がある

会社などの法人も、社会的な評価を持つ存在として名誉権が認められています。そのため、会社に対する事実でない悪評は、名誉毀損として削除や損害賠償の対象になります。法人は精神的な苦痛を感じないため、慰謝料ではなく、信用が傷ついたことによる損害として賠償が求められます。

真実かどうかの立証

名誉毀損をめぐる争いでは、書き込みの内容が真実であることや、真実と信じる相当の理由があったことを、書き込んだ側が立証しなければ責任を免れません。会社の側は、書き込みが社会的評価を下げるものであることを示せば足ります。とはいえ、実務では、会社も書き込みが事実でないことを示す資料を用意しておくほうが、交渉も裁判も有利に進みます。

体験談のかたちをとった虚偽

判断が難しいのが、体験談のかたちをとった書き込みです。「この店で食事をしたら体調を崩した」という投稿は、本当に体験したことなら感想の範囲ですが、実際には来店していないのに書いたものなら、虚偽の事実による名誉毀損や業務妨害になり得ます。予約の記録や防犯カメラの映像などから、投稿の内容と事実が食い違っていることを示せるかどうかが、判断を分けます。

従業員が名指しされる場合

店舗の口コミで、特定の店員の名前を挙げて「態度が最悪」「辞めさせろ」などと書かれることがあります。名指しされた従業員は、個人として精神的な苦痛を受けます。会社には従業員を守る責任があるため、削除の請求などの対応を会社として支援することが望まれます。従業員本人の意向を確かめながら進めてください。

意見や論評と事実の区別

「この会社の社長は経営の才能がない」という書き込みは、評価や意見にあたります。意見や論評は、よりどころにした事実の主な部分が本当で、人格を攻撃するような行き過ぎた表現でなければ、違法とはされません。一方、「社長は粉飾決算をしている」と書けば事実の摘示になり、真実でなければ名誉毀損の問題になります。書き込みがどちらにあたるかで、削除や賠償を求められるかの見通しが変わります。

同業者による悪質なレビューと不正競争防止法

風評被害の中には、競合する同業者が、自社の商品を不当におとしめる目的で悪評を書き込んでいるケースもあります。このような場合に使える法律が、不正競争防止法です。

不正競争防止法の信用毀損行為

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を守るための法律で、禁止される「不正競争」の一つとして信用毀損行為を定めています。競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を、告げたり広めたりする行為です。

この規定に該当すれば、被害を受けた事業者は、書き込みの差止めや、損害賠償、信用を回復するための措置を求めることができます。

信用毀損行為にあたるための要件

  • 投稿した者と被害を受けた事業者が、競争関係にあること
  • 書き込みの内容が、虚偽の事実であること
  • その事実を、第三者に告げたり、広めたりしたこと
  • 被害を受けた事業者の営業上の信用を害するものであること

競争関係は、実際に同じ顧客を奪い合っている場合に限らず、同じ種類の商品を扱う事業者同士であれば広く認められる傾向にあります。

競争関係の考え方の例

たとえば、同じ地域でパン屋を営む二つの店を考えてみましょう。一方の店主が、もう一方の店について「カビの生えたパンを売っている」と口コミサイトに書き込めば、典型的な信用毀損行為にあたり得ます。また、ネット通販で同じ種類の健康食品を扱う業者同士であれば、店舗の場所が離れていても競争関係が認められる可能性があります。

競合による書き込みの証拠

競合他社の関与を疑う場合は、書き込みの時期や内容に注目しましょう。自社の新商品の発売直後に集中して悪評が付いた、競合の商品と比べて貶める表現が繰り返されている、といった事情は、競争上の意図をうかがわせる手がかりになります。ただ、疑いだけで相手に抗議するのは危険です。開示の手続きで投稿者を確かめてから動いてください。

差止めと信用の回復

信用毀損行為が認められると、書き込みの削除や今後の同様の行為の停止を求める差止請求ができます。故意や過失があれば、損害賠償も請求できます。さらに、傷つけられた信用を回復するため、訂正の広告などの措置を裁判所に求めることもできます。不正競争防止法には、損害額を推定する規定もあり、通常の名誉毀損よりも損害の立証がしやすい面があります。

補足

不正競争防止法の信用毀損行為は、民事上の差止めや賠償を求めるための規定で、この規定自体に刑事罰はありません。刑事責任を問いたいなら、刑法の信用毀損罪や業務妨害罪での告訴を考えます。どちらも法定刑の上限は拘禁刑3年、罰金50万円です。

社内の人間が関わっていた場合

競合他社だけでなく、自社を辞めて同業の会社を立ち上げた元役員や元従業員が、悪評を書き込んでいたという事例もあります。この場合も、競争関係にあれば不正競争防止法の規定が使えます。退職時の競業避止の約束や秘密保持の約束に反していないかも、あわせて確認すべき点です。

自社に有利な偽の口コミにも規制がある

反対に、自社の商品について、第三者を装って高評価の口コミを書き込む行為も問題です。2023年10月からは、広告であることを隠した宣伝、いわゆるステルスマーケティングが景品表示法で規制されています。競合を攻撃する側に回らないことはもちろん、自社の宣伝が規制に触れていないかも確認しておきましょう。

風評被害への対処法|削除と表示の抑制

風評被害に気づいたら、まず被害の拡大を止めることを考えます。

  1. 問題の書き込みを、URLや投稿日時が分かる形で保存する
  2. 書き込みが法的に問題になるものかを見極める
  3. サイトの削除依頼フォームや窓口から、削除を求める
  4. 応じてもらえなければ、弁護士名での削除請求や裁判所の仮処分を検討する
  5. 検索結果や候補の表示について、検索事業者に削除を申請する
ワンポイントアドバイス

口コミサイトでは、事業者が口コミに返信できる機能を用意していることがあります。事実と違う投稿には、感情的にならず、事実関係を丁寧に説明する返信をするのも一つの方法です。ただし、投稿者を責めたり個人を推測したりする返信は、かえって炎上を招きます。返信の文面に迷ったら、送る前に第三者の目で確認してもらいましょう。

削除依頼に書く内容

  • 対象の書き込みのURLと、該当する部分
  • 書き込みのどこが事実と異なるのか
  • どの権利がどう侵害されているのか
  • サイトの利用規約のどの禁止事項にあたるのか

会社として依頼する場合は、担当者の名前と連絡先を明記し、会社の正式な窓口からの依頼であることが分かるようにしておきましょう。

削除までにかかる期間

サイトの削除フォームを使った場合、早ければ数日で削除されることもあります。大規模なプラットフォームであれば、法律に基づいて原則7日以内に結論が通知されます。一方、任意の削除に応じてもらえず、裁判所の仮処分を申し立てる場合は、準備を含めて1か月から数か月程度かかることが一般的です。

検索結果からの削除

元のサイトで削除に応じてもらえない場合でも、検索結果に表示されないよう、検索事業者に申請する方法があります。検索結果からの削除は、公表されない利益が、情報を流通させる価値を明らかに上回る場合に認められるとした最高裁の判断があり、ハードルは決して低くありません。事実でないことが明白な書き込みであれば、認められる可能性は高まります。

検索順位を押し下げる対策には注意が必要

悪評が表示される検索結果を、別のページを増やして下位へ押し下げるというサービスを売り込む業者があります。書き込み自体を消すわけではないため、根本的な解決にならないうえ、手法によっては検索事業者の規約に反するおそれもあります。契約する前に、何をどこまでしてくれるのかを慎重に確かめてください。

悪評を覆い隠すことに費用をかけるより、書き込みそのものを削除する手続きに力を注ぐほうが、長い目で見て効果的なことが多いといえます。

削除代行業者と弁護士の違い

弁護士でない業者が、報酬を得て他人の代わりに削除を請求する行為は、弁護士法に違反するおそれがあります。実際に、非弁行為として問題になった例もあります。依頼を受けて削除請求の交渉や裁判手続を行えるのは、弁護士だけです。

投稿者の特定と責任追及

同じ人物による書き込みが続いている、元従業員や競合他社が関わっている疑いがある、といった場合は、投稿者を特定して責任を追及することを考えます。

発信者情報開示請求

匿名の投稿者を特定するには、発信者情報開示の手続きを使います。サイトの運営者と、投稿に使われた回線の会社をたどって、投稿者の氏名と住所を明らかにしていきます。回線の会社の記録は数か月程度で消えることが多いため、特定を望むなら早めの着手が欠かせません。

開示が認められるための条件

開示が認められるには、書き込みによって権利が侵害されたことが明らかであることが必要です。会社への悪評の場合は、事実でないことや、公益目的の批判とはいえないことを、資料をもとに示していくことになります。単に否定的な意見というだけでは、開示は認められにくいと考えておいてください。

損害賠償の請求

投稿者が特定できたら、損害賠償を請求します。企業の場合は、信用が傷ついたことによる損害に加え、売上の落ち込みを立証できれば、減った分を損害として求める余地も出てきます。売上の減少と書き込みとの因果関係を示すには、書き込みの前後の売上や予約の推移などの資料が必要です。

刑事告訴を選ぶ場面

書き込みが悪質で、繰り返されている場合や、業務に深刻な支障が出ている場合は、刑事告訴も選択肢になります。信用毀損罪や業務妨害罪は、名誉毀損罪と違い親告罪ではありませんが、実際には被害を受けた会社の申告がなければ捜査が進むことはまずありません。告訴状を作って提出することで、警察に動いてもらえる可能性が高まります。

同じ内容の書き込みが何度も繰り返されるなら、一人の人物が執拗に投稿している可能性があります。その場合は、削除を繰り返すより、投稿者を突き止めて止めさせるほうが根本的な解決になります。

賠償金の支払いに加えて、同じ書き込みを二度としないという約束を取り付けることも、再発を防ぐうえで大きな意味を持ちます。

元従業員による書き込みの場合

投稿者が元従業員だったと判明するケースは少なくありません。在職中に知った社内の情報を暴露している場合は、秘密保持の義務に違反している可能性もあります。退職時に交わした誓約書の内容も確認しておきましょう。

平時からできる予防と備え

風評被害は、起きてから対処するより、起きにくい体制を整えておくほうが負担は小さく済みます。

備えがあるかどうかで、被害を受けたときの対応の速さはまったく違ってきます。平時にこそ、少しずつ準備を進めておきましょう。

定期的な確認

自社の名前や主要な商品名、経営者の名前で、定期的に検索しておきましょう。口コミサイトや掲示板の新しい投稿を早く見つけられれば、広まる前に手を打てます。担当者を決め、確認の頻度や報告の手順をあらかじめ定めておくと、対応が遅れません。

確認の作業は、専門の監視サービスを利用して効率化することもできます。ただし、監視で見つけた書き込みにどう対応するかの判断は、社内と弁護士で行うようにしてください。

社内の対応手順を決めておく

  • 悪評を見つけたときに報告する窓口
  • 証拠の保存の方法
  • 返信や公式の発表をするかどうかの判断者
  • 弁護士に相談する基準

口コミへの返信の方針

口コミへの返信を行うなら、誰が、どんな基準で返信するのかを決めておきましょう。好意的な口コミにも否定的な口コミにも一貫した姿勢で答えることで、閲覧者からの信頼を得やすくなります。返信で個人情報に触れたり、投稿者を特定したかのような書き方をしたりすることは避けてください。

従業員のSNS利用のルール

従業員が職場の写真や顧客の情報を不用意に投稿し、それが炎上のきっかけになることがあります。業務で知った情報をSNSに書かない、制服姿で不適切な投稿をしない、といったルールを就業規則や研修で明確にしておきましょう。ルールを定めるだけでなく、なぜ必要なのかを具体例とともに伝えることが、実際の予防につながります。

取引先や金融機関への説明

悪評が取引先の目に触れた場合は、問い合わせを待たずに、会社から事実関係を説明するほうが信頼を保ちやすくなります。説明の際は、書き込みの内容を繰り返し強調せず、事実と会社の対応を簡潔に伝えることを心がけてください。法的な手続きを進めていることを伝えるだけで、相手の受け止め方が変わることもあります。

炎上の火種を減らす

顧客からの苦情に誠実に対応すること、従業員がSNSで不用意な発信をしないよう教育することも、風評被害の予防になります。退職者との関係をこじらせない配慮も、実は大きな効果があります。不満を抱えたまま辞めた元従業員が、転職サイトなどで会社の悪評を書き込むことは珍しくないからです。

弁護士に相談するメリット

風評被害への対応は、書き込みが違法かどうかの見極め、削除の交渉、投稿者の特定、損害賠償の請求と、法的な判断の連続です。

企業の担当者が自分で対応しようとすると、本来の業務の合間に作業をすることになり、どうしても後手に回りがちです。専門家に任せることで、担当者は本来の仕事に集中できます。

違法かどうかを正確に見極められる

すべての悪評が削除の対象になるわけではありません。弁護士は、書き込みの内容を法律に照らして評価し、削除や賠償を求められる見込みがあるかを判断します。見込みの低い請求に時間と費用をかけずに済むのは、大きな利点です。

削除から責任追及まで一貫して任せられる

弁護士であれば、サイトへの削除請求、裁判所の仮処分、開示請求、損害賠償の請求、刑事告訴まで、一つの窓口で進められます。業者のように対応できる範囲が限られていないため、状況に応じて手段を切り替えられます。

広報との連携

風評被害への対応では、法的な手続きと並行して、顧客や取引先への説明をどうするかという広報の判断が必要になります。法的に正しい対応でも、伝え方を誤れば反発を招きかねません。弁護士と広報の担当者が連携して、発表の内容やタイミングを決めることが大切です。

費用の考え方

削除の請求だけか、投稿者の特定や賠償請求まで進めるかで、費用は大きく変わります。投稿者から回収できる賠償額より、費用のほうが多くなることもあり得ます。企業の場合は、売上や採用への影響を止める価値を含めて判断するのが現実的です。依頼の前に、段階ごとの費用と見通しを確認しておきましょう。

顧問契約で平時から備える

風評被害が繰り返し起きやすい業種では、顧問弁護士を置いておくと、問題が起きたときにすぐ相談できます。日ごろから会社の事情を知っている弁護士であれば、初動も速くなります。

よくある質問

悪評を見つけたら、まず何をすべきですか

最初にすべきは、書き込みの保存です。URLと投稿日時が分かる形で画面を残してから、削除を求めるかどうかを検討してください。慌てて反論の書き込みをしたり、投稿者を探し回ったりするのは避けましょう。

事実に基づく悪い口コミも削除できますか

実際の体験に基づく正直な感想は、原則として削除を求めることは難しいといえます。ただし、表現が過度に攻撃的だったり、従業員の個人名を挙げて中傷したりしている場合は、削除の対象になることがあります。

口コミサイトから掲載そのものをやめてもらえますか

店舗の情報が勝手に掲載されている場合、掲載の停止を求めても、多くのサイトは応じていません。個々の口コミの削除を求めるのが現実的な対応になります。

転職口コミサイトの書き込みも削除できますか

事実でない内容で会社の評判を落とす書き込みは、削除を求められる可能性があります。ただ、在籍していた人の意見や感想は、労働環境に関する情報として保護される面もあります。どの部分が事実でないのかを具体的に示せるかどうかがポイントです。

競合他社の書き込みだと証明するにはどうすればよいですか

発信者情報開示の手続きで、投稿に使われた回線の契約者を明らかにするのが基本です。契約者が競合他社やその関係者だと判明すれば、不正競争防止法に基づく請求も視野に入ります。

社長個人への中傷も会社として対応できますか

社長個人の名誉が傷つけられた場合、その請求をするのは原則として社長個人です。ただ、社長への中傷が会社の評判にも影響しているなら、会社としても請求できる場合があります。どちらの立場で請求するのがよいかは、書き込みの内容によって異なるため、弁護士と相談して決めてください。

書き込んだのが顧客だと分かった場合、取引を断ってもよいですか

事実でない悪評を書き込んだ相手との取引を控えることは、一般的には事業者の判断に委ねられます。ただし、正当な苦情を書いただけの顧客を不当に扱えば、新たな炎上を招くおそれがあります。対応を決める前に、書き込みの内容が本当に不当なものかを冷静に見極めましょう。

書き込みを放置するとどうなりますか

時間が経てば忘れられると考えがちですが、ネットの書き込みは検索結果に残り続けます。放置している間に転載が進み、削除すべき場所が増えていくこともあります。投稿者の特定を考えているなら、記録が消える前に動く必要もあります。

個人事業主でも会社と同じように対応できますか

対応できます。個人事業主の場合は、事業の評判と本人の名誉が重なっていることが多いため、名誉権やプライバシーの侵害として、削除や損害賠償を求めることになります。自宅の住所など私生活の情報まで書き込まれているなら、早めの対応が必要です。

ネットで炎上したとき、謝罪文を出すべきですか

自社に落ち度がある場合は、事実を確認したうえで、早めに誠実な説明をすることが信頼の回復につながります。一方、事実でない情報による炎上なら、慌てて謝罪すると、かえって事実だと認めたように受け取られかねません。発表の前に、弁護士と内容を検討することをおすすめします。

ネット問題の悩みは弁護士に相談を
ひとりで悩まず法律のプロが解決
掲載2,000以上事務所 初回相談無料の事務所多数 全国対応

かんたん3ステップで相談できます

1
お住まいの
地域を選ぶ
2
事務所を
比べて選ぶ
3
無料相談を
申し込む
上記に当てはまるなら弁護士に相談
ネット問題に強い弁護士を探す