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X(旧Twitter)で、自分を名指しした中傷の投稿が拡散されている。引用やリポストで次々と広がり、見知らぬ人からの攻撃的な返信が止まらない。Xの誹謗中傷は、拡散の速さと規模の大きさで、ほかのサービスとは比べものにならない被害をもたらすことがあります。
Xでの中傷に対しては、投稿の削除、投稿者の特定、損害賠償の請求、刑事告訴といった手段があります。Xは海外の会社が運営するサービスのため、手続きには特有の注意点もあります。
この記事では、Xでの誹謗中傷の相談を多く受けてきた弁護士の立場から、X特有の被害の形、削除の方法、開示請求による投稿者の特定、裁判で訴える流れと費用の考え方までを、順を追ってお伝えします。
Xの誹謗中傷の特徴
Xは、短い文章をすぐに投稿でき、ほかの人の投稿を簡単に広められるサービスです。この手軽さが、誹謗中傷の被害を大きくする原因にもなっています。
有名人だけの問題ではない
Xでの中傷というと、芸能人やスポーツ選手が標的になる例を思い浮かべるかもしれません。しかし実際の相談は、会社員、学生、主婦、自営業者など、ごく普通の利用者からのものが大半です。ちょっとした意見の食い違いや、ささいな一言がきっかけで、見知らぬ大勢から攻撃されることがあります。フォロワーの少ないアカウントでも、影響力のある人に引用されれば、一気に注目を集めてしまうのがXの怖さです。
しかも、投稿はスクリーンショットで保存され、別のサービスにまで転載されることがあります。元の投稿を消しても、画像として残った中傷は広がり続けます。
拡散の速さと範囲
リポストや引用によって、一つの投稿が数時間のうちに何万人もの目に触れることがあります。ほかの利用者が便乗して攻撃的な返信を重ねる、いわゆる炎上が起きると、被害者一人ではとても対処しきれない量の書き込みが押し寄せます。
匿名のアカウントと複数のアカウント
Xでは、実名を出さずにアカウントを作ることができ、一人で複数のアカウントを持つことも珍しくありません。中傷のためだけに作られたアカウントや、凍結されるたびに作り直されるアカウントから、同じ人物が攻撃を続けることもあります。
引用による攻撃
他人の投稿を引用して自分のコメントを付ける機能は、議論を広げる一方で、特定の人をさらし者にする手段にもなります。影響力のあるアカウントが、あざける言葉を添えて引用すると、そのフォロワーたちが元の投稿者に一斉に攻撃を向けることがあります。引用した側は直接悪口を書いていなくても、攻撃をあおった責任を問われる場合があります。
よくある被害の形
- 実名や勤務先を挙げて、事実でない不祥事を書かれる
- 写真を無断で使われ、容姿をからかわれる
- 本人になりすましたアカウントで、問題のある投稿をされる
- 過去の投稿の一部を切り取られ、別の意味で広められる
- ダイレクトメッセージで執拗に攻撃される
ある会社員のケース
ある30代の会社員は、飲食店での出来事をXに投稿したところ、店を批判したと受け取られ、見知らぬ人たちから攻撃を受けました。やがて過去の投稿から勤務先が割り出され、「この会社の社員は客としてもクズ」といった書き込みとともに、会社にまで抗議の電話がかかるようになりました。数日のうちに生活のすべてが揺らぐ、Xの炎上の典型的な例です。
法的に責任を問える投稿
Xの投稿も、ほかのネット上の書き込みと同じように、法律上の責任の対象になります。どんな投稿が問題になるのかを整理しておきましょう。
| 投稿の内容 | 問題になる権利や罪 |
|---|---|
| 事実を示して社会的評価を下げる | 名誉権の侵害、名誉毀損罪 |
| 事実を示さずに罵倒する | 名誉感情の侵害、侮辱罪 |
| 住所や電話番号、家族の情報をさらす | プライバシーの侵害 |
| 無断で顔写真を載せる | 肖像権の侵害 |
| 本人になりすまして投稿する | 名誉権の侵害、内容によっては肖像権の侵害 |
| 危害を加えると告げる | 脅迫罪 |
意見と中傷の境目
Xでは、政治や社会問題、作品の感想などについて、激しい言葉で意見がぶつかり合うことも日常的です。相手の意見や行動への批判は、表現の自由として広く守られます。問題になるのは、批判の対象が意見から人そのものに移り、人格を否定したり、根拠のない事実を広めたりする場合です。「あなたの主張は間違っている」は批判ですが、「こんなことを言うやつは人間のクズだ」となれば侮辱の領域に入っていきます。
リポストした人の責任
他人の中傷の投稿を、言葉を添えずにリポストしただけの人について、元の投稿に同調して拡散したと評価し、名誉毀損の責任を認めた裁判例があります。拡散に加わった人も、責任を問われる可能性があるということです。
過去の投稿の切り取り
何年も前の投稿を掘り起こされ、前後の文脈を無視して一部だけを広められることもあります。本人の意図とは違う意味で受け取られ、差別的な人物だと決めつけられるような被害です。切り取りによって事実と異なる印象を与え、評判を落とす投稿は、名誉毀損にあたる可能性があります。元の投稿の全文と前後のやり取りを保存しておくことが、反論の材料になります。
切り取りや誤解から始まった炎上でも、書き込む人の多くは事実を確かめていません。その軽さが、被害者を深く傷つけます。
ダイレクトメッセージの扱い
一対一のダイレクトメッセージは、他の人が見られないため、名誉毀損罪や侮辱罪は原則として成立しません。ただし、内容によっては脅迫罪になりますし、執拗に送られてくる場合はストーカー規制法の対象になることもあります。人の心を深く傷つける言葉として、民事で賠償を求められることもあります。
まずやるべき証拠の保存
Xの投稿は、投稿者が削除したり、アカウントが凍結されたりすると、見られなくなります。問題の投稿を見つけたら、まず証拠を残してください。
- 投稿の画面を、アカウント名、ユーザー名、本文、投稿日時が入るように保存する
- 投稿のURLを控える(投稿の共有メニューからリンクをコピーできる)
- 投稿したアカウントのプロフィールの画面も保存する
- 引用や返信で広がっている場合は、主なものも同じように保存する
- いつ、どの投稿を見つけたかを一覧にしてまとめる
保存の方法
スマートフォンで画面を撮影するほか、パソコンでXを開き、投稿のページを印刷してPDFとして保存する方法もあります。PDFなら、ページのアドレスや保存した日時が一緒に残るため、証拠としての信頼性が高まります。投稿が長いスレッドになっている場合は、全体の流れが分かるように複数の画面を保存してください。
Xの投稿日時は、画面上では「3時間前」のように表示されることがあります。投稿の詳細を開くと、日付と時刻が表示されるので、その状態で保存してください。開示の手続きでは、投稿を正確に特定するために日時が欠かせません。ユーザー名は変更できるため、プロフィールの画面も残しておくと、同じアカウントであることを示す材料になります。
引用や返信が大量にあるとき
炎上すると、関連する投稿が数百、数千に及ぶこともあります。すべてを一つずつ保存するのは現実的ではありません。まずは発端になった投稿、とくに悪質な内容の投稿、繰り返し攻撃してくるアカウントの投稿を優先して記録しましょう。どれを優先すべきか迷うときは、弁護士に相談すれば、法的に問題になりやすい投稿を見極める手伝いをしてもらえます。
投稿を削除する方法
Xの投稿を削除してもらう方法は、主に3つあります。
Xの報告機能を使う
投稿のメニューには、ルールに違反する投稿を報告する機能があります。嫌がらせ、個人情報の公開、なりすましなど、当てはまる理由を選んで報告します。Xが違反と判断すれば、投稿の削除やアカウントの制限などの措置がとられます。
報告の理由の選び方
報告の画面では、いくつかの選択肢から理由を選びます。住所や電話番号をさらされたなら個人情報の項目、しつこい悪口なら嫌がらせの項目、というように、実際の被害に最も近いものを選びましょう。的外れな理由で報告すると、問題なしとして処理されがちです。
法的な理由による削除を求める
名誉やプライバシーを傷つけられたという法的な理由で削除を申し立てる、専用の入力画面も用意されています。Xの運営会社は、2025年4月に大規模事業者として国から指定を受けました。権利侵害を理由とする削除の申出に対しては、原則として7日以内に、削除するかどうかを通知する義務を負っています。
結論の通知を受けたら
申出に対する結論は、登録したメールアドレスなどに届きます。削除されなかった場合は、その理由を必ず確認してください。理由の中に、何が足りなかったのかを示す手がかりがあることが多いからです。通知のメールは、次の手続きのための資料として保存しておきましょう。
投稿者に削除を求める
相手が知り合いである場合などは、投稿者に直接削除を求めることも考えられます。ただし、相手を刺激して攻撃が激しくなることもあるため、慎重に判断してください。直接やり取りする場合は、ダイレクトメッセージなど記録が残る方法を使い、感情的な言葉は避けましょう。
アカウントの凍結
悪質な投稿を繰り返すアカウントは、Xの判断で凍結されることがあります。凍結されれば、そのアカウントからの投稿は止まります。ただし、凍結されたからといって、中傷をした人物の責任がなくなるわけではありません。凍結の前に保存した証拠をもとに、特定や賠償の請求を進めることができます。
相手に削除を頼むときの書き方
直接頼む場合は、「〇月〇日の投稿は事実と異なり、私の名誉を傷つけています。削除をお願いします。」のように、どの投稿の何が問題かだけを短く伝えます。相手を責める言葉や、訴えると脅すような表現は避けてください。返事がなくても、何度も送りつけることはやめましょう。
削除されなかったとき
報告や申出で削除されなかった場合は、弁護士が法的な根拠を整理して改めて請求するか、裁判所に削除の仮処分を申し立てることになります。Xの運営会社はアメリカの法人のため、裁判の書類を整えて届けるまでに、国内の相手より日数を要します。
開示請求で投稿者を特定する
匿名アカウントの持ち主を割り出す手段が、開示請求の手続きです。警察に相談すれば特定してもらえると考える方もいますが、警察が動くのは犯罪として捜査する場合に限られます。民事の責任を問うための特定は、被害者自身が裁判所の手続きで行うのが基本です。
開示の手続きは、相手が匿名である限り避けて通れない道です。手順を正しく踏めば、多くのケースで投稿者にたどり着くことができます。
ログイン時の記録から特定する
開示の手続きでは、まずXの運営会社に対して、投稿者を特定するための情報の開示を求めます。Xは、投稿のときではなく、アカウントにログインしたときの通信記録を保存しているとされています。そのため、ログイン時のIPアドレスや、アカウントに登録された電話番号などの開示を求めるのが一般的です。2022年の法改正で、ログイン時の記録の開示も一定の条件のもとで認められるようになりました。
電話番号が手がかりになる場合
Xのアカウントには、電話番号を登録していることがあります。電話番号が開示されれば、携帯電話会社に契約者の情報を求めることで、ログインの記録をたどるより確実に本人にたどり着ける場合があります。電話番号の開示を求めることができるようになったのも、近年の法改正の成果です。
回線の会社から契約者を割り出す
Xから開示された情報をもとに、そのログインに使われた回線の会社を割り出し、契約者の氏名と住所の開示を求めます。登録された電話番号が開示された場合は、携帯電話会社に対して契約者の情報を求めることもあります。
| 段階 | 相手 | 求める情報 |
|---|---|---|
| 1 | Xの運営会社 | ログイン時のIPアドレスと日時、登録された電話番号やメールアドレス |
| 2 | 回線の会社や携帯電話会社 | 契約者の氏名と住所 |
回線業者の接続記録は、長くても数か月ほどで消去されるのが普通です。Xの運営会社が海外の法人であることもあり、手続きには時間がかかりがちです。投稿者を特定したいなら、投稿を見つけた時点で、一日でも早く弁護士に相談してください。
警察が捜査する場合
脅迫や、名誉毀損でも悪質なものについては、警察が捜査を始め、捜査の中で投稿者を割り出すことがあります。身の危険を感じる投稿があれば、迷わず警察に相談してください。ただし、警察の捜査は刑事責任を問うためのもので、賠償の請求は別に被害者が行う必要があります。
特定までにかかる期間
Xを相手にした開示の手続きでは、書類を海外に届ける手間があるため、投稿者の氏名と住所が分かるまでに、半年から1年ほどかかることもあります。途中で回線の会社の記録が消えないよう、消去を禁じる命令を早めに求めるなど、手続きの段取りが結果を左右します。
裁判で訴える流れ
投稿者が特定できたら、責任を問う段階に入ります。いきなり裁判を起こすのではなく、段階を踏んで進めるのが一般的です。
どの段階で終わらせるかは、被害者が何を望むかによって決まります。謝罪と削除で十分なら、そこで区切りをつけることもできます。
内容証明郵便などで請求する
まず、投稿者に対して、慰謝料などの支払いと、投稿の削除、今後同様の投稿をしないことを求める書面を送ります。投稿者が非を認めれば、話し合いで示談が成立することもあります。
書面は弁護士の名前で送ると、相手も事態の重さを受け止め、誠実に応じる可能性が高まります。
損害賠償請求の訴訟
話し合いで解決しなければ、裁判所に損害賠償を求める訴えを起こします。裁判では、投稿が名誉毀損などにあたること、それによって損害が生じたことを主張し、証拠で示していきます。投稿者の側は、投稿の内容が真実であることなどを主張して争うこともあります。
裁判にかかる期間
損害賠償の訴訟は、相手が争うかどうかによって期間が大きく変わります。相手が非を認めれば数か月で終わることもありますが、投稿の内容が真実だと主張して争う場合は、1年以上かかることも珍しくありません。途中で和解によって解決することも多くあります。
請求できる損害
- 心の傷に対する慰謝料
- 開示の手続きに使った費用の一部
- 弁護士に支払った費用の一部
- 職を失ったなど、投稿が原因で生じた経済的な損失
認められる金額は、投稿の内容、拡散の程度、被害者の立場などによって大きく変わります。
示談で取り決めること
話し合いでまとまる場合は、支払う金額と期限に加えて、問題の投稿を消すこと、同じ内容を二度と書かないこと、別のアカウントを使っても同じだと明記すること、などを書面に残します。アカウントを作り直せば別人のように振る舞えるXの性質を考えると、約束の対象を「すべてのアカウント」とすることが大切です。
賠償額を左右する事情
Xの中傷で認められる賠償額は、投稿が何回リポストされ、どれだけ閲覧されたかといった拡散の規模に大きく左右されます。被害者の名前や勤務先が明かされていたか、投稿がどのくらいの期間残っていたか、投稿者に反省の態度があるかなども考慮されます。拡散の状況を示す画面を残しておくことが、請求の場面で役立ちます。
刑事告訴
名誉毀損や侮辱にあたる投稿なら、処罰を求めて告訴する道もあります。この二つの罪は被害者の告訴が起訴の条件で、相手が誰か判明した日から半年という期限がついています。脅迫にあたる投稿は、親告罪ではないため、告訴がなくても捜査の対象になります。
弁護士費用の考え方
Xの誹謗中傷を弁護士に依頼する場合、削除、特定、賠償の請求のそれぞれに費用がかかります。
費用の心配があるなら、初回の相談を無料にしている事務所を探したり、法テラスの制度が使えるかを確かめたりする方法もあります。
費用の内訳
一般的には、依頼の時点で支払う着手金、成果に応じて支払う報酬金、裁判所の手数料や翻訳などの実費がかかります。Xの運営会社は海外の法人のため、書類の翻訳や送付にかかる実費が、国内の会社を相手にする場合より多くなる傾向があります。
見積もりで確認したいこと
Xを相手にした手続きでは、翻訳の費用や、海外への書類の送付にかかる費用がどのくらいになるのかを、事前に確かめておきましょう。削除だけの場合、特定まで進む場合、訴訟まで進む場合のそれぞれについて、総額の目安を出してもらうと判断しやすくなります。
費用倒れの可能性
特定から裁判まですべてを依頼すると、受け取れる賠償金より費用のほうが多くなることもあります。開示の手続きにかけたお金は、一部を相手に負担させられることもあるものの、満額が戻る保証はありません。依頼の前に、目的と見通し、費用のバランスを弁護士とよく話し合ってください。
依頼の範囲を絞る
すべての手続きを一度に依頼する必要はありません。まず削除だけを依頼し、それでも攻撃が止まらなければ特定に進む、という段階的な進め方もあります。何を優先したいのかを弁護士に伝え、費用と効果の釣り合いを一緒に考えてもらいましょう。
炎上したときの対応
一つの投稿をきっかけに、多数のアカウントから攻撃が集中することがあります。炎上の最中は、冷静な判断が難しくなりがちです。
炎上の最中にとった行動が、後の法的な手続きに影響することもあります。まずは落ち着いて、自分と家族の安全を確保することから始めましょう。
反論を控える
攻撃に一つひとつ反論すると、そのやり取りが新たな燃料になり、炎上がさらに広がることがあります。事実と違う点を説明したい場合も、感情的な反論は避け、落ち着いてから一度だけ説明する方が効果的です。
家族や職場への説明
炎上が勤務先や家族にまで及ぶと、周囲への説明も必要になります。事実と違う情報が出回っているなら、そのことと、弁護士に相談して対応していることを伝えておくと、周りも落ち着いて受け止めやすくなります。職場には、会社としての対応についても相談してみてください。
アカウントを守る設定
投稿を非公開にする、返信できる人を制限する、ダイレクトメッセージを受け付けないようにする、といった設定で、攻撃を受ける量を減らすことができます。証拠の保存を済ませたうえで、しばらくアプリから離れるのも大切な自衛の手段です。
心が疲れたとき
大勢から攻撃を受け続けると、心はひどく消耗します。通知が鳴るたびに動悸がする、眠れない、食事がのどを通らない。そんな状態が続くなら、無理をせず、医療機関や相談窓口を頼ってください。投稿の監視や証拠の整理は、家族や弁護士に任せても構いません。
悪質なアカウントを絞り込む
数百件の攻撃的な投稿があっても、そのすべてに法的な手続きをとるのは現実的ではありません。とくに悪質な投稿や、繰り返し攻撃してくるアカウントに絞って、削除や特定を進めるのが一般的です。
会社のアカウントが炎上したとき
企業の公式アカウントの投稿が批判を浴びることもあります。自社に非がある場合は、早めに事実を確認して誠実な説明をすることが、信頼の回復につながります。一方で、事実と異なる非難や、担当の社員個人への攻撃が広がっているなら、会社として削除や法的な対応を検討する必要があります。社内で、誰がどの段階で判断するのかを決めておくと、初動が遅れません。
なりすましアカウントへの対処
自分の名前や写真を使ったアカウントが作られ、自分になりすまして投稿されることもあります。
なりすましに気づくきっかけ
知人から「あなたのアカウントがおかしな投稿をしている」と連絡を受けて、初めて気づくことが多いものです。自分の名前で定期的に検索し、見覚えのないアカウントがないか確認しておくと、早く見つけられます。
なりすましの報告
Xには、なりすましを報告する専用の手続きがあります。本人であることを示す書類の提出を求められることがあります。なりすましのアカウントが問題のある投稿をしている場合は、その画面も保存しておきましょう。
報告の結果、なりすましと認められれば、アカウントは停止されます。停止までの間に、なりすましのアカウントから誰かに連絡が行っていないかも、周囲に確認しておきましょう。
なりすましで生じる法的な問題
なりすましによって、本人が言っていないことを言ったかのように見せかけ、評判を落とせば、名誉権の侵害にあたり得ます。無断で顔写真を使っていれば、肖像権の侵害も問題になります。悪質なら、なりすましの主を突き止め、償わせる手続きに進めます。
本物らしく見せかけたアカウント
なりすましのアカウントの中には、プロフィールの写真や自己紹介まで本人とそっくりにし、本物と見分けがつかないものもあります。本人の友人や取引先がだまされ、個人情報を聞き出されたり、お金を送らされたりする被害に発展することもあります。周囲の人に、なりすましのアカウントがあることを知らせておきましょう。
よくある質問
自分のアカウントを消してしまっても大丈夫ですか
被害を受けたアカウントを消すと、相手とのやり取りや受け取ったメッセージが確認できなくなることがあります。消す前に、必要な画面をすべて保存しておきましょう。アカウントを消すかどうかは、弁護士と相談してから決めても遅くありません。
アカウントが削除されていても開示請求できますか
アカウントや投稿が削除されていても、運営会社に記録が残っていれば開示を求められる場合があります。ただし、記録がいつまで保存されているかは分からないため、証拠を保存したうえで早めに相談してください。
鍵のかかったアカウントの投稿も問題になりますか
フォロワーに限って公開されている投稿でも、フォロワーの数が多ければ、不特定または多数の人が見られる状態として、名誉毀損などが成立し得ます。
投稿の閲覧数が少なくても責任を問えますか
閲覧数が少なくても、誰でも見られる状態に置かれていれば、名誉毀損などは成立し得ます。ただし、拡散の程度が小さいことは、賠償の額に影響します。
海外の会社が相手でも日本の裁判所で手続きできますか
できます。日本国内の利用者を相手に事業をしている以上、国内の裁判所を使えます。ただし、書類の送付に時間がかかるため、国内の会社よりも長い期間を見込んでおく必要があります。
投稿を消した相手に、それでも責任を問えますか
投稿が消されても、一度書かれて広まった事実は変わりません。保存した証拠があれば、責任を問うことはできます。自ら消したことが反省の表れとして評価される場合はあっても、それで帳消しにはなりません。
外国に住む人からの中傷にも対応できますか
投稿の削除は、相手がどこに住んでいても、Xの運営会社に求めることができます。投稿者の特定や賠償の請求は、相手が海外にいると難しくなることが多いため、まずは削除を優先して考えるのが現実的です。
相手のアカウント名しか分からなくても相談できますか
もちろん大丈夫です。名前を伏せたアカウントでも、投稿のURLとアカウント名が分かれば、手続きを始められます。相手の本名が分からないからこそ、開示の手続きがあるのです。
子どもがXで中傷されています
未成年の被害でも、削除や開示の手続きは同じように進められます。親が法定代理人として手続きを行うことができます。同じ学校の子どもが関わっているなら、学校への相談もあわせて考えてください。子どもの心の状態に気を配りながら進めることが何より大切です。
Xの運営会社に直接問い合わせても教えてもらえますか
投稿者の情報を、問い合わせだけで教えてもらうことはできません。運営会社は、裁判所の判断なしに利用者の個人情報を明かすことはないのが通常です。投稿者を知るためには、裁判所の手続きを経る必要があります。
引用しただけの人も訴えられますか
引用に添えたコメントが中傷にあたれば、その人も責任を問われます。コメントを付けずに引用しただけでも、元の投稿に同調して広めたと評価されれば、責任を問われる可能性があります。多くの人が関わっている場合は、とくに悪質なものに絞って対応するのが現実的です。
投稿者が有名人やインフルエンサーでも訴えられますか
相手が有名人であっても、手続きは同じです。影響力のある人の投稿ほど拡散の規模が大きいため、被害も大きく評価される傾向があります。相手が実名で活動していれば、開示の手続きを経ずに直接請求できることもあります。
通報した人の名前は相手に伝わりますか
Xの報告機能を使った場合、誰が報告したかが投稿者に知らされることは通常ありません。法的な理由による削除の申出では、申出者の情報の扱いが異なることがあるため、心配な場合は弁護士を通じて申し出ると安心です。
中傷してきた相手をブロックしてもよいですか
ブロックは、これ以上の攻撃を受けないための有効な方法です。ただし、ブロックすると相手の投稿が見えにくくなることがあるため、ブロックする前に証拠の保存を済ませておきましょう。
