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ツイッターいじめ~よくある事例と対策方法を解説
この記事で分かること
- ツイッターいじめは主に中高生の間で行われるネットいじめのこと。
- ツイッターいじめの対処法としては書き込まれても無視する方がよい。
- 最終的には訴訟を起こすのも手段。
ツイッターいじめは主に中高生の間で行われるネットいじめで、近年社会問題となっています。よくある事例としては特定個人に対する誹謗中傷や無視などが挙げられます。ツイッターいじめの対処法としては書き込まれても無視する、サイト管理者に削除依頼をすることなどがあります。最終的には訴訟を起こすのも手段です。ツイッターいじめは弁護士に相談するのが得策です。
ツイッターいじめとは
“SNS映え”なる言葉が出てきたことからも分かるように、FacebookやLINE、TwitterといったSNSは今や非常に多くの人が利用するコミュニケーションツールとなっています。中でもTwitterは関連サービスも登場するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しユーザー数も右肩上がりに伸びています。
ところが、その利便性の一方で多くの弊害も発生しています。そのひとつが今回取り上げるツイッターいじめです。まずはツイッターいじめとは何なのか、その特徴と問題点を解説していきます。
ツイッターいじめとその実態
ツイッターいじめとは、ツイッター上に特定個人の誹謗中傷や嫌がらせ画像を投稿する“ネットいじめ”で近年社会問題となっています。
主に中高生の間で行われるネットいじめで被害は増加傾向にある
ツイッターいじめは主に中高生の間で行われるネットいじめで、年々増加しています。
具体的には特定個人に向けた誹謗中傷や嘘のうわさをツイッターで“つぶやく”ものですが、個人の裸の画像を投稿するなど悪質なケースも存在します。
取り返しのつかない事態に発展した事例がいくつも報告されています。
解決は難しい
またツイッターいじめの特徴の一つが、外部にはいじめの事実が露見しにくいです。なぜならツイッターいじめは「鍵アカウント」、つまりロックされているアカウント内で行われることが多く、閲覧するにはパスワードが必要だからです。
そしてそれゆえに被害を訴えても、解決に繋がりにくいといえるのです。
ツイッターいじめの問題点は
更にこのようなツイッターを使ったいじめは、対面での嫌がらせと大きく異なる点があります。ツイッターいじめの問題点をみていきましょう。
投稿主が不明なことが多く精神的苦痛の程度が大きい
ツイッター上で行われる誹謗中傷はそのほとんどが匿名で投稿されます。そのため誰が書き込んだのかが特定できないことが多いです。そして、文章による誹謗中傷は実際に面と向かって言われるそれよりも精神的苦痛は大きいものです。
誰が投稿しているのかが分からないので、「表面上は仲良くしているあの子が実は書き込んでいるのではないか」と疑心暗鬼になり、精神的に追い詰められるケースも少なくありません。
被害が拡散しやすい
更に、被害が拡散されやすいことも問題を深刻にしている要因と言えます。
ツイッターには「リツイート」や「共有」ボタンが設置されていて、クリック一つで情報が簡単に出回ってしまいます。つまり誹謗中傷や嫌がらせの書き込み・画像が瞬く間に拡散する恐れがあるわけです。
ツイッターいじめ よくある事例は
2017年には、埼玉県の公立高校の女子生徒がツイッター上で誹謗中傷を受けたことを苦に自殺をした事例がありますように、ツイッターいじめは深刻な問題です。
ここではツイッターいじめでよくある事例を紹介します。
特定個人に対する誹謗中傷
まず、特定個人に向けた悪口をツイッター上に投稿するパターンです。このパターンはツイッターいじめの典型といえるでしょう。
ツイート対象が分かるよう悪口が書き込まれる
「バカ」「死ね」「キモイ」「うざい」などの誹謗中傷を特定個人に向けて書き込むパターンです。書き込み対象の氏名がそのまま載せられることもあれば、イニシャルや伏せ字などが使われることもあります。そして、後者の場合でも、閲覧者は誰のことが書いてあるのか分かるように書き込まれます。
特定個人のツイートを無視
また、ツイートを何度投稿しても一人だけ無視される、あるいはリプライ(返信)してもいつも反応がない、といった特定個人のツイートのみ無視されるパターンも非常に多いです。
ブロックされているわけではないが無視される
リプライしても無視されたり、ツイートを投稿しても一人だけ返信してもらえなかったりするパターンです。特に前者は『リプ蹴り』と呼ばれ一般的にも多い行為ですが、特定個人へのリプ蹴りが常態化するといじめです。
また、このパターンで陰湿なのはアカウントがブロックされているわけではない点です。ツイートは届いているのに無視されることで、疎外感が増幅するわけです。
個人に関するデマ情報を拡散される
個人に関する嘘のうわさが投稿され、それが意図的に拡散されるパターンも少なくありません。
「明白なデマ」と「真偽が分かりにくいうわさ」に分かれる
こうしたケースでは“誰が見ても明らかにデマである”情報が流されるパターンと、“知らない人が見たら真偽が分からない”情報が流されるパターンがあります。
例えば、前者は「○○は毎日授業中に一回は失禁する」といった内容です。この場合でももちろん書き込み対象となった当人は苦痛でしょうが、嘘であることは明白なので実害は少ないでしょう。
「真偽が分かりにくいうわさ」の場合実害が大きい
けれども後者の場合、そうはいきません。例えば「○○は二股をかけている」などと書き込まれた場合、真相は当人しか分からないわけです。
当然ツイートを信じる人も出てきます。そしてそれが原因で人間関係が崩れたり、新たないじめに繋がったりすることも十分に考えられます。
個人の私的性画像を投稿される
更には、裸の画像を投稿されるケースも少なくありません。
中高生にとって精神的ダメージは大きい
思春期の少年少女が自分の裸の写真を投稿、拡散された場合、その精神的ダメージは計り知れないものがあるでしょう。実際にこれが原因で不登校になるケースや転校するケースは少なくありません。
ツイッターいじめ いじめが起こる原因と対策は
では、こうしたツイッターいじめの被害に遭った場合、どのような対策が可能なのでしょうか。
ツイッターいじめをする理由とは
対策を練るときに欠かせないのが事象の発生原因について検証することです。まずはツイッターいじめをする側はなぜそのような行為をするのか、理由を考えてみましょう。
書き込みのきっかけは様々
ツイッターで特定個人への誹謗中傷が書き込まれるきっかけは様々です。
実社会での些細ないさかいが原因となるケースや目立った行動が非難の的となるケース。はたまた優秀であるために妬みの対象となってしまうこともあるでしょう。
被害者の過剰反応が加害行為をエスカレートさせる
しかし、ツイッターいじめに発展するパターンとして多く見受けられるのは
“被害者が投稿された悪口に対して逐一反応を示す。その反応が面白くて投稿主はどんどん書き込む。そしてその内容が次第に過激化していく”といったサイクルに陥るケースです。
つまり被害者が下手にリアクションをとるがために加害者はそれが面白くて、どんどんエスカレートしていくのです。
対策方法は
ツイッターいじめが原因の悲劇は後を絶ちません。今、この瞬間もどこかでいじめが行われているかもしれないのです。では、実際に被害に遭った場合、どのような対策が可能なのでしょうか。
無視する・過剰反応をしない
ツイッターいじめの加害者の多くは書き込み対象のリアクションが見たくていじめ行為をします。投稿された誹謗中傷や非難に対して過剰反応しないこと、無視することが大切になってくるといえます。感情的にならず、落ち着いて行動しましょう。
デマを書き込まれたら冷静に否定する、悪口を投稿されても反応しないことです。対象者が一切反応を見せなければ、加害者も徐々に書き込む気を失っていくでしょう。
サイト管理者に削除依頼をする
しかし「そうは言ってもインターネット上に誹謗中傷を書き込まれることそのものがどうしても耐えられない。」という人もいるでしょう。この場合、サイト管理者に削除依頼するのも一つの手段といえます。
実はネット上の権利侵害被害者には、記事の削除や非表示といった対処(送信防止措置)を管理人などのプロバイダに請求する権利があるのです。管理人に措置を講じてもらうには「送信防止措置依頼書」を送付する必要があります。送付方法はプロバイダによって異なります。
ただ、覚えておくべき点があります。それは“削除依頼をしたからといって必ずしも応じてくれるとは限らない点”です。なぜならそもそもプロバイダ側に送信防止措置に応じる義務はないのです。
さらに依頼が来たものすべてを削除していたのでは悪評がたち、プロバイダ側が不利益を被る恐れがあるわけです。
訴訟を起こす
ツイッターいじめの最終的な対策方法は加害者を相手取り、名誉棄損で訴訟を起こすことです。訴訟を起こせば加害者側は相当なダメージを被ることになるので、いじめは止む可能性が高いでしょう。
ツイッターいじめに遭ったら弁護士に相談しよう
ここまでをまとめると、「ツイッターいじめでよくあるのは特定個人に対する誹謗中傷や無視、デマを投稿されるパターン。対処法としては書き込まれても無視する、サイト管理者に削除依頼をするなどが挙げられる。最終的には訴訟を起こすこと。」となります。
ツイッターいじめの解決は素人には困難
この手の問題は解決が非常に難しいです。ツイッターいじめによる悲劇が何件も発生しているにもかかわらず、いじめ被害は減らないどころか増加傾向にあるのが何よりの証拠です。つまり素人にはツイッターいじめの解決は困難なのです。
ツイッターいじめは露見しにくい
ツイッターは一人で複数のアカウントを所有することが可能です。中高生ユーザーの多くは公開アカウントの他に、「裏アカウント」やパスワードが必要な「鍵付きアカウント」を持っていて使い分けをしているといわれます。
そしていじめが行われるのは、大概が「鍵付きアカウント」です。当然どのようなやりとりがされているのか外部からは分からず、いじめがあっても発見されにくいのです。
いじめが発覚しても解決は難しい
仮に被害者が訴え出るなどしていじめが発覚しても、解決は難しいといえます。
例えば学校に被害を報告し、教師が加害者側に問いただしても「いじめではない。悪ふざけだった」などと返されてはそれ以上手の打ちようがありません。それどころか“先生に話した”として、いじめが激化する可能性だってあるのです。
また、我が子がいじめに遭った場合に親が加害生徒やその親に直接話すのもおススメできません。今度は「○○のバカ親が」「ファザコン、マザコン」などと書き込まれることでしょう。
いずれにせよ、効果があったとしてもその場限りです。後で倍になって返ってくることは明白です。
弁護士に相談するのが賢明
従って弁護士に相談するのが賢明です。弁護士に依頼し、相応の対策をとってもらいましょう。
賠償や差止請求をする
先に、この手の問題の解決策として訴訟を起こすことを挙げましたが、証拠集めや裁判の手続きは慣れない素人にはハードルが高いです。
弁護士に依頼すれば準備から訴訟までスムーズに進めることが可能です。加害者を提訴し賠償、差止請求しましょう。
法律のプロなら加害行為の違法性をつける
ツイッターいじめにもいろいろなものがあります。
例えば上記に解説したもの以外に『アカウントののっとり』があります。これは特定個人のツイッターパスワードを不正に取得し、本人になりすますものですが、被害者当人だけでなく周囲への影響もあり、発覚が遅れるほど被害が拡大します。
実はアカウントの乗っ取りは不正アクセスに当たり、「不正アクセス禁止法」に抵触する行為です。この辺りの罪の成立要件は複雑な部分も含みますが、弁護士に依頼すればぬかりなくやってくれるわけです。
親がツイッターの危険性を分からせることが大切
ツイッターは確かに便利です。しかし、情報をボタン一つでネットの海に投げ込むことができることは一歩間違えれば取り返しのつかない事態に発展することになります。
親御さんは子供にこれをきちんと理解させた上でスマホやパソコンを与える必要があります。ツイッターいじめに巻き込まれてしまったら、弁護士に相談しましょう。