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内部統制とは|会社を健全に運営するための仕組み
会社が大きくなり、関わる人が増えてくると、経営者一人の目では、すべてに目が届かなくなります。どこかで不正が起きていないか、業務が正しく行われているか。それを、経営者が一つひとつ確かめるのは、現実には難しくなっていきます。そこで必要になるのが、会社が自らを律し、健全に運営していくための仕組みです。それが、内部統制です。
不正やミスは、どんな会社にも起こりうるものです。悪意のある一人が現れることもあれば、善意の人がうっかり過ちを犯すこともあります。そうした事態を、起きてから慌てて対処するのではなく、そもそも起きにくくし、起きても早く気づける状態にしておく。内部統制とは、そのための備えを、会社のなかにあらかじめ組み込んでおく営みなのだといえます。
内部統制という言葉は、なんだか堅苦しく、大企業だけの話のように感じるかもしれません。しかし、その本質は、どんな会社にも通じるものです。会社が正しく、健全に運営されるよう、社内に仕組みを整えていく。その考え方は、規模の大小を問わず、事業を営むすべての会社にとって意味を持ちます。まずは、内部統制とは何かという基本から、整理していきましょう。
内部統制とは、会社の業務が適正に行われるよう、社内に整えておく仕組みや体制のことをいいます。具体的には、不正やミスを防ぎ、業務が正しく進められ、法律が守られ、会社の財産や情報が適切に扱われるように、社内のルールや手順、チェックの仕組みなどを整えておくことを指します。会社が自らを管理し、健全に保つための、いわば内側の守りの仕組みだといえます。
外側からの守り、たとえば取引相手を見きわめたり、契約で身を守ったりすることも大切ですが、それだけでは足りません。問題は、しばしば会社の内側から生じます。だからこそ、内に向けた守りの仕組みが必要になるのです。内部統制は、この内側の守りを担うものであり、外側の守りと合わさって、はじめて会社は十分に守られるのだといえます。
内と外、両面の守りがそろってこそ、会社の守りは万全に近づきます。どちらか一方に偏れば、守りには穴が生じます。外の相手にばかり気を配って内側が手薄なら、身内から問題が生じます。逆に、内を固めても外への備えを欠けば、思わぬ相手に足をすくわれます。内部統制を、会社全体の守りのなかに位置づけて考える視点が大切です。
ここで大切なのは、内部統制は、特定の誰かが担うものではなく、会社全体で築いていくものだという点です。経営者から現場の一人ひとりまで、それぞれが自分の役割のなかで、この仕組みを支えていく。特別な部署だけの仕事ではなく、組織のあらゆる場面に関わるものなのです。この、全体で築くという性格が、内部統制を理解するうえでの一つの鍵になります。
言いかえれば、内部統制とは、人の善意や注意力だけに頼るのではなく、仕組みによって会社の健全さを支えようとする発想です。どれだけ真面目な人でも、ミスはしますし、チェックのない環境では、時に誘惑に負けることもあります。だからこそ、個人の資質に委ねきるのではなく、仕組みとして間違いを防ぎ、正していく。この考え方が、内部統制の根っこにあります。
もちろん、これは人を信用しない、ということではありません。むしろ、真面目に働く人たちが、疑いをかけられたり、思わぬ過ちを犯したりせずにすむよう、仕組みで守るという面もあります。チェックの仕組みは、不正を防ぐためだけでなく、正しく働く人の身の潔白を、後から示せるようにするものでもあります。仕組みは、人を縛るものではなく、人を支えるものでもあるのです。
この記事では、なぜ内部統制が求められるのか、それが支える主な目的は何か、どう構築していけばよいのか、そして機能しないとどうなるのかまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。自社の運営体制を見つめ直すうえでの、手がかりにしていただければと思います。
内部統制と聞いて、複雑で大がかりなものを思い浮かべ、身構えてしまう方もいるかもしれません。けれど、その出発点は、自社にどんなリスクがあり、それにどう備えるか、というごく実際的な問いです。難しい理論から入る必要はありません。自社の業務を見渡し、危ういところに手を打っていく。その積み重ねが、結果として内部統制を形づくっていくのです。
大切なのは、完璧を最初から目指すのではなく、できるところから手をつけることです。すべてを一度に整えようとすれば、その大きさに圧倒され、かえって一歩も踏み出せなくなります。まずは、目についた危ういところに一つ手を打つ。その小さな一歩の積み重ねが、やがて確かな仕組みへと育っていきます。始めることが、何より肝心なのです。
なぜ内部統制が求められるのか
内部統制がなぜ求められるのか。その理由を知っておくと、この仕組みの意味がより深く理解できます。単に決まりだから整える、というのではなく、なぜ必要なのかを腹に落として取り組むことが大切です。背景を見ていきましょう。
最も大きな理由は、会社の規模が大きくなるほど、経営者の目が全体に届かなくなるからです。人が増え、業務が複雑になれば、どこで何が行われているかを、経営者がすべて把握するのは難しくなります。そうしたなかで、不正やミスを防ぎ、業務を正しく保つには、人の目だけに頼るのではなく、仕組みとして管理する必要が出てきます。内部統制は、この必要に応えるものです。
小さな会社では、経営者が一人で目を光らせることで、なんとか回っている場合もあるでしょう。しかし、それは会社が小さいうちだけのことです。事業が伸び、人が増えれば、いずれ一人では見きれなくなります。そのときになって慌てて仕組みを整えようとしても、簡単ではありません。会社の成長を見据え、早いうちから仕組みづくりの意識を持っておくことが大切です。
また、会社が社会からの信頼を得て事業を続けていくうえでも、内部統制は欠かせません。取引先や、会社に関わるさまざまな人は、その会社がきちんと運営されていることを前提に付き合っています。もし、社内の管理が甘く、不正や問題が頻発すれば、その信頼は失われます。内部統制を整えることは、会社が信頼される土台を築くことでもあるのです。
信頼というものは、目には見えませんが、事業を支える何よりの財産です。取引先が安心して取引を続けてくれるのも、会社に関わる人が力を貸してくれるのも、その根底に信頼があるからです。内部統制を整え、会社がきちんと運営されていることを示すことは、その信頼を静かに、しかし確実に支えていきます。仕組みづくりは、信頼づくりでもあるのです。
さらに、一定の会社には、内部統制の整備が法律上求められる場合もあります。会社の規模や性質によっては、適正な運営を確保するための体制を整えることが、法的に求められることがあります。こうした要請に応えることは、法令を守る会社としての基本的な姿勢を示すことにもなります。義務としての側面と、会社を守る仕組みとしての側面の、両方を意識しておくとよいでしょう。
法律上の要請があるかどうかにかかわらず、内部統制が会社を守る仕組みであることに変わりはありません。義務があるから仕方なく整える、というのでは、形だけのものになりがちです。むしろ、自社を守るために必要だからこそ整える、という主体的な姿勢で臨むほうが、実際に役立つ仕組みが育ちます。義務は出発点にすぎず、その先に自社のための取り組みがあるのです。
内部統制が支える主な目的
内部統制は、いくつかの目的を支える仕組みとして働きます。それぞれの目的を知っておくと、内部統制が何のためにあるのかが、より具体的に見えてきます。主な目的を、順に見ていきましょう。
内部統制が支える主な目的として、たとえば次のようなものが挙げられます。いずれも、会社が健全に運営されるうえで欠かせない要素です。
- 業務が適正に、効率よく行われるようにすること。
- 会社に関わる情報が、正しく信頼できるものであること。
- 事業の運営にあたって、法律がきちんと守られること。
- 会社の財産が、適切に守られ、無駄なく使われること。
まず、業務が適正に行われることです。日々の業務が、決められた手順に沿って、正しく進められるようにする。これは、内部統制の最も基本的な目的です。手順があいまいなまま業務が進めば、ミスや混乱が生じやすくなります。仕組みとして業務の適正を保つことが、会社の運営を安定させます。
手順が定まっていれば、担当者が変わっても、業務の質は保たれます。誰がやっても同じように正しく進められる。それが、仕組みとして業務を支えることの強みです。属人的なやり方に頼っていると、その人がいなくなったとたんに業務が乱れかねません。仕組みによって業務の適正を保つことは、そうした不安定さから会社を守ることにもつながります。
人に依存した業務は、その人が休んだり辞めたりしたときに、たちまち立ちゆかなくなります。仕組みとして業務を支えておけば、そうした場合でも、大きな混乱なく業務を続けられます。特定の誰かに頼りきらず、組織として業務を回せる状態を保つこと。それもまた、内部統制がもたらす、目に見えにくいけれど確かな効用の一つなのです。
次に、会社に関わる情報が信頼できるものであることです。会社の状況を示すさまざまな情報が、正確で信頼できるものでなければ、経営の判断も、外部からの信頼も、成り立ちません。情報が正しく扱われ、ゆがみなく伝わるようにすることも、内部統制の大切な目的の一つです。
情報がゆがめば、それにもとづくすべての判断が狂います。誤った情報のうえに立てた経営判断は、たとえ判断そのものが正しくても、望まぬ結果を招きかねません。だからこそ、会社のなかを流れる情報が、正確で信頼できるものであるよう保つことが重要になります。内部統制は、この情報の信頼性という、会社の判断の土台を支えているのです。
そして、法律が守られること、会社の財産が適切に守られることも、内部統制が支える目的です。法令を守り、財産を無駄なく守っていく。これらは、会社が健全に続いていくための土台です。内部統制は、こうした複数の目的を、一つの仕組みのなかで支えているのです。それぞれが独立しているのではなく、互いに関わり合っています。
たとえば、業務が適正に行われていれば、そこから生まれる情報も正確なものになります。法律が守られていれば、会社の財産が思わぬ形で損なわれることも防げます。このように、それぞれの目的は、互いに支え合う関係にあります。一つの仕組みが、複数の目的にまたがって効いてくることも少なくありません。内部統制を、目的ごとにばらばらに考えるのではなく、全体として見る視点が役立ちます。
内部統制を構築するときの基本的な考え方
では、内部統制は、どう構築していけばよいのでしょうか。やみくもに手をつけるのではなく、基本的な考え方を押さえて進めることが大切です。構築の進め方を見ていきましょう。整えるべきことを、順を追って考えていきます。
内部統制の構築は、おおむね次のような流れで進めていくことになります。一つずつ、着実に整えていくことが大切です。
- 自社の業務のなかに、どんなリスクが潜んでいるかを洗い出す。
- そのリスクに応じて、ルールやチェックの仕組みを整える。
- 整えた仕組みを、社内に周知し、実際に運用する。
- 運用の状況を点検し、必要に応じて見直していく。
まず行うべきは、自社にどんなリスクがあるかを把握することです。どの業務で、どんな不正やミスが起こりうるのか。会社の財産や情報が、どこで危険にさらされうるのか。こうしたリスクを洗い出すことが、内部統制を築く出発点になります。リスクが見えなければ、何に備えればよいかも分かりません。
リスクの洗い出しは、自社の業務を、ふだんとは違う目で見直す作業でもあります。日々当たり前に行っている業務のなかにも、思わぬ危うさが潜んでいることがあります。もし、この手続きを一人に任せきりにしていたら、もし、ここでチェックが働かなかったら、と問いを立てていくことで、備えるべきリスクが浮かび上がってきます。地道ですが、この作業が仕組みづくりの土台になります。
次に、洗い出したリスクに応じて、それを防ぐための仕組みを整えます。ある業務を一人だけに任せず、複数の目でチェックする。重要な手続きには、決められた承認を経るようにする。こうした、リスクに応じたルールや手順、チェックの仕組みを整えていきます。仕組みは、リスクの大きさや性質に見合ったものにすることが大切です。
ここで気をつけたいのは、あらゆるリスクに、同じ重さの備えをする必要はない、ということです。起こりやすく、影響の大きいリスクには手厚く備え、そうでないものには軽めの備えでよい、というように、メリハリをつけることが肝心です。すべてを厳重に固めようとすれば、手続きが煩雑になりすぎて、かえって現場が回らなくなります。備えの重さは、リスクの大きさに応じて考えるのが賢明です。
限られた手間や労力を、どこに重点的に振り向けるか。その見きわめが、実効性のある内部統制をつくる鍵になります。あれもこれもと網羅しようとすると、力が分散し、肝心なところが手薄になりかねません。まずは、自社にとって最も重大なリスクは何かを見定め、そこに厚く備える。優先順位をつける発想が、賢い仕組みづくりにつながります。
そして、整えた仕組みを、実際に運用していきます。仕組みは、作っただけでは意味がありません。社内に周知し、日々の業務のなかで実際に使われてはじめて、機能します。さらに、運用の状況を折にふれて点検し、うまく機能していない部分は見直していく。こうして、仕組みを生きたものに保っていくことが求められます。構築は、一度きりで終わるものではないのです。運用してみてはじめて見えてくる不都合もあります。実際に使いながら、少しずつよりよいものに整えていく姿勢が大切です。
会社を取り巻く状況は、絶えず移り変わっていきます。事業の内容が変われば、抱えるリスクも変わります。新しい業務を始めれば、そこには新たな危うさが生まれます。だからこそ、内部統制は、一度整えたら放置してよいものではなく、状況の変化に合わせて育てていくものなのです。仕組みを、生き物のように手入れし続ける姿勢が求められます。
内部統制が機能しないとどうなるか
内部統制が整っていなかったり、整っていても機能していなかったりすると、会社にはさまざまな問題が生じます。どんなことになりうるのかを知っておくことは、内部統制の大切さを実感するうえで役立ちます。会社が直面しうるものを見ていきましょう。
まず、不正やミスが起こりやすくなります。チェックの仕組みがなければ、一人の判断で物事が進み、そこに不正が入り込む余地が生まれます。また、誤りがあっても、それに気づく仕組みがなければ、そのまま見過ごされてしまいます。内部統制が機能していないということは、こうした不正やミスに対する備えが、欠けている状態だといえます。
次に、問題が起きても、発見が遅れることになります。内部統制が機能していれば、異常や不正の兆しを、早い段階でつかめます。しかし、その仕組みがなければ、問題は水面下で大きくなり、手がつけられなくなってから表面化します。早く気づいて手を打てるかどうかは、内部統制が機能しているかに大きく左右されるのです。
問題は、小さいうちに気づけば、たいてい大事には至りません。反対に、気づくのが遅れれば遅れるほど、被害は広がり、対応も難しくなります。内部統制が機能している会社は、この「早く気づく力」を備えています。異常の兆しを早い段階でとらえ、手遅れになる前に対処できる。この力の有無が、いざというときの明暗を分けるのです。
同じような問題が起きても、早く気づけた会社は軽い傷ですみ、気づけなかった会社は深手を負う。その差は、しばしば内部統制が機能していたかどうかから生まれます。備えのある会社とない会社の違いは、平時には見えにくいものですが、いざ問題が起きたときに、はっきりと表れます。その備えこそが、内部統制の値打ちなのです。
さらに、こうした問題が積み重なれば、会社の信用そのものが揺らぎます。管理のずさんな会社だと見られれば、取引先も、会社に関わる人も、その会社を信頼しなくなります。一度失われた信頼を取り戻すのは、簡単なことではありません。内部統制を整えることは、目先の手間に見えても、会社の信用という、かけがえのないものを守る取り組みなのです。
内部統制を形だけにしないために
内部統制は、整えればそれで終わり、というものではありません。せっかく仕組みを作っても、実際には使われず、形だけのものになってしまっては意味がありません。仕組みを生きたものに保つために、気をつけたいことを見ていきましょう。日ごろの運用が、その成否を分けます。
まず大切なのは、仕組みを、現場に無理なく根づくものにすることです。厳しすぎる決まりや、煩雑すぎる手続きを課しても、現場が守りきれなければ意味がありません。なぜその仕組みが必要なのかを、現場の一人ひとりが理解し、日々の業務のなかで自然に守れる形にする。そうしてはじめて、内部統制は絵に描いた餅で終わらず、実際に機能する仕組みになります。
次に、仕組みが実際に守られているかを、折にふれて点検することです。仕組みは、作った当初は守られていても、時とともに形だけのものになりがちです。定期的に運用の状況を確かめ、守られていない部分があれば、その原因を探り、改めていく。こうした点検と見直しを続けることが、仕組みを生きたものに保ちます。放っておけば、仕組みは少しずつ形骸化していくのです。
形骸化は、ある日突然起こるのではなく、少しずつ静かに進みます。最初はきちんと守られていた手続きが、だんだんと省かれ、いつの間にか名ばかりのものになっていく。そうなってから立て直すのは、一から作るよりも難しいこともあります。だからこそ、形だけになる前に、折にふれて点検し、仕組みに命を吹き込み続けることが欠かせないのです。
また、経営者自身が、内部統制を重んじる姿勢を示すことも欠かせません。経営者が仕組みを軽んじていれば、その姿勢は社内に伝わり、現場も仕組みを大切にしなくなります。逆に、経営者が率先して仕組みを尊重すれば、その姿勢が組織全体に浸透します。内部統制が根づくかどうかは、トップの姿勢に大きく左右されるのだといえます。
経営者が仕組みを尊重する姿は、言葉以上に雄弁に、社内に方針を伝えます。トップ自らがルールを守り、チェックを重んじていれば、現場もそれにならいます。逆に、経営者が「自分は例外だ」とばかりに仕組みを軽んじれば、その空気はたちまち組織に広がります。内部統制を根づかせたいなら、まず経営者自身が、その手本を示すことが欠かせないのです。
会社が取り組むべきことと専門家の活用
ここまで、内部統制の考え方と、形だけにしないための工夫を見てきました。最後に、会社としてどう取り組んでいけばよいか、そして専門家をどう活かせばよいかを整理しておきましょう。前向きな取り組みが、健全な会社をつくります。
まず心がけたいのは、内部統制を、自社の実情に合ったものにすることです。他社の仕組みをそのまま持ってきても、自社に合わなければ機能しません。自社の業務の内容や、抱えるリスクを踏まえて、身の丈に合った仕組みを整えていく。大切なのは、立派な仕組みを作ることではなく、自社にとって実際に役立つ仕組みを築くことです。
ときに、体裁を整えることが目的になってしまい、現場では使われない立派なだけの仕組みができあがることがあります。それでは本末転倒です。内部統制の値打ちは、見た目の立派さではなく、実際に不正やミスを防げているかにあります。自社の実情に根ざし、日々の業務のなかで確かに働く仕組みこそが、真に価値のある内部統制なのです。
次に、内部統制の構築は、専門的な判断を要することを踏まえ、無理に自社だけで抱え込まないことです。どんなリスクがあり、どう備えればよいかの判断は、簡単ではありません。あいまいなまま進めて、後で不備が見つかれば、かえって大きな問題になりかねません。判断に迷う点は、専門家に確かめながら進めるのが、結局は確実で安心なのです。
専門家に相談することは、遠回りのように見えて、実は近道であることが多いものです。自己流で手探りを続ければ、時間もかかり、しかも不備が残りやすくなります。はじめから専門家の知見を借りれば、勘所を押さえた仕組みを、効率よく整えられます。何にどれだけ備えるべきかの判断も、経験に裏打ちされた助言があれば、格段に確かなものになります。
また、内部統制への取り組みを、前向きにとらえることも大切です。仕組みを整えることは、会社を不正やミスから守り、健全に運営していくための基盤づくりです。義務として渋々取り組むのではなく、会社をより強くする機会としてとらえれば、その取り組みは会社の力になっていきます。内部統制は、会社の成長を支える土台でもあるのです。
会社が大きくなっていく過程では、内部統制の重要性はいっそう増していきます。規模が小さいうちに仕組みの土台を築いておけば、成長にあわせて無理なく発展させていけます。逆に、土台のないまま急に大きくなると、管理が追いつかず、あちこちにほころびが生じかねません。内部統制は、会社が健全に伸びていくための、いわば背骨のような役割を果たすのです。
内部統制の構築や見直しに不安があるときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。専門家の力を借りれば、自社に潜むリスクを的確に見きわめ、それに応じた仕組みを、法律の要請に沿った形で整えられます。日ごろから相談できる関係を築いておくと、運営をめぐる問題にも落ち着いて対応できます。
内部統制に関わる問題は、いつ表面化するか分かりません。だからこそ、いざというときに一から相談先を探すのではなく、日ごろから会社の事情を分かってくれる専門家とつながっておくことに意味があります。ふだんから関係があれば、気になる点をその都度確かめられ、問題が大きくなる前に手を打てます。そうした継続的な備えが、会社の安定を支えます。
内部統制に関するよくある質問
内部統制は、大企業だけが取り組むものですか
いいえ、規模の大小を問わず、どんな会社にとっても意味のある仕組みです。たしかに、一定の会社には法律上の対応が求められる場合がありますが、それとは別に、会社を不正やミスから守り、健全に運営していくうえで、内部統制の考え方はあらゆる会社に役立ちます。自社の規模や実情に合った形で、無理なく整えていくことが大切です。小さく始めて、会社の成長にあわせて少しずつ充実させていく、という進め方でよいのです。
内部統制を整えると、どんなよいことがありますか
不正やミスを防ぎやすくなり、問題が起きても早い段階で気づけるようになります。業務が正しく進められ、法律が守られ、会社の財産や情報が適切に扱われる体制が整えば、会社の運営は安定します。それは、取引先や会社に関わる人からの信頼にもつながります。内部統制は、会社を守り、その信頼を支える基盤になるのです。
内部統制は、何から整え始めればよいですか
まずは、自社の業務のなかに、どんなリスクが潜んでいるかを洗い出すことから始めます。そのうえで、リスクに応じてルールやチェックの仕組みを整え、社内に周知して運用します。運用の状況は折にふれて点検し、必要に応じて見直します。何から手をつけるべきか判断に迷うときは、専門家に相談しながら進めると安心です。
内部統制の整備で不安があるときは、どこに相談すればよいですか
自社にどんなリスクがあり、どう仕組みを整えればよいかで判断に迷うときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。内部統制が機能していないと、不正やミスの見過ごしにつながりかねません。平時から相談できる体制を整えておけば、運営をめぐる問題が生じたときにも、慌てず適切に対応を進めやすくなります。