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会社のトラブルを弁護士に相談するメリットとは

会社のトラブルを弁護士に相談するメリットとは

この記事で分かること

  • 弁護士への相談は問題がこじれてからより早い段階のほうがはるかに役立つ
  • 弁護士は法廷で争うだけでなく予防や争いにせず解決する役割も担う
  • 自社の問題について法律に照らした正確な見通しと選択肢を整理してもらえる
  • 相手との交渉の窓口を担ってもらい経営者は冷静に事に当たれる
  • 費用はどのような依頼かで異なるためまず相談の場で率直に尋ねるとよい
  • 日ごろからつながっておけば問題を未然に防ぎいざというとき素早く動ける
  • 判断に迷えば早い段階でその分野にくわしい弁護士に相談する

弁護士への相談は、問題がこじれてからよりも、早い段階のほうがはるかに役立ちます。弁護士は法廷で争うだけでなく、そもそも問題を予防し、争いにせずに解決する役割も担います。相談すれば、法律に照らした正確な見通しと選択肢を整理してもらえ、相手との交渉の窓口も任せられます。費用はまず率直に尋ねるとよく、日ごろからつながっておけばトラブルを未然に防げます。迷ったら早めに相談すると安心です。

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会社のトラブルを弁護士に相談するとどうなるか

会社を営んでいれば、大小さまざまなトラブルに直面します。社員との間の問題、取引先とのもめごと、契約をめぐる行き違い。そうしたとき、弁護士に相談すべきかどうか、迷う経営者の方は多いのではないでしょうか。弁護士に頼むのは大げさではないか、費用もかかるし、と二の足を踏む。その気持ちは、よく分かります。

とりわけ、これまで弁護士に接する機会が少なかった経営者ほど、相談へのためらいは大きいものです。どこに頼めばよいのか、何をどう話せばよいのか、勝手が分からず、つい後回しにしてしまう。しかし、その、よく分からないという不安の多くは、弁護士に相談することで何が得られるのかを知れば、和らいでいきます。まずは、その中身を知ることから始めましょう。

しかし、まずお伝えしておきたいのは、弁護士への相談は、問題が大きくこじれてからよりも、早い段階のほうが、はるかに役に立つということです。トラブルは、放っておくと、こじれて大きくなります。小さなうちに手を打てば簡単に済んだことが、こじれてからでは、多くの時間と労力を要する事態になります。早い相談が、その差を生むのです。

これは、体の不調にたとえると分かりやすいかもしれません。初期のうちに手当てすれば軽く済む症状も、放っておいて悪化させれば、治すのに大変な思いをします。トラブルも同じです。小さな違和感のうちに専門家に見てもらえば、簡単に対処できる。会社のトラブルにも、早期の対応が効くという点で、共通するところがあるのです。

弁護士というと、争いになったときに、法廷で戦う相手だというイメージを持つ方もいるかもしれません。もちろん、それも弁護士の役割の一つです。しかし、弁護士にできることは、それだけではありません。そもそも争いが起きないように予防すること、起きてしまった問題を、争いにせずに解決すること。そうした役割も、弁護士は担っています。

むしろ、日々の弁護士の仕事の多くは、争いを未然に防いだり、争いにせずに問題を収めたりすることに費やされています。法廷での攻防は、弁護士の仕事の一面にすぎません。会社にとっては、争いにならずに問題が解決することのほうが、時間の面でも、費用の面でも、そして相手との関係を保つ面でも、望ましいことが多いのです。

会社の経営者にとって、法律にかかわる判断は、避けて通れないものです。しかし、その一つひとつを、自己流で判断するのは危ういものです。よかれと思ってした対応が、実は法律に触れていた。そうした事態は、珍しくありません。専門家の目を借りることで、そうした落とし穴を避けながら、安心して経営に集中できるようになります。

経営者の本来の仕事は、事業を営み、会社を前に進めることです。法律の細かな判断に、多くの時間と神経を割かれていては、その本来の仕事に集中できません。法律にかかわる部分を、信頼できる専門家に任せられれば、経営者は、自分がすべきことに力を注げます。専門家の活用は、経営そのものを支えることにもつながるのです。

この記事では、会社が弁護士に相談することで、具体的にどのようなことが得られるのか、どのような場面で相談するとよいのか、そして日ごろから弁護士とつながっておくことにどのような意味があるのかまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。弁護士への相談をためらっている経営者の方に、その価値をお伝えできればと思います。

読者の方のなかには、まさに今、何らかのトラブルを抱えていて、相談すべきか迷っている方もいるでしょう。あるいは、今は問題がなくても、備えとして知っておきたい、という方もいるかもしれません。どちらの場合でも、まずは弁護士に相談することで何が得られるのかを、正しく理解することが出発点になります。順を追って見ていきましょう。

なお、この記事でお伝えするのは、弁護士への相談をめぐる基本の考え方です。実際にどのような相談が役立つかは、会社が直面する問題や、その状況によって変わってきます。ここで得た知識を土台にしながら、具体的な場面では、実際に相談してみていただければと思います。相談の価値を知ることが、その一歩を踏み出す支えになります。

弁護士に相談することで得られるもの

では、会社が弁護士に相談すると、具体的に何が得られるのでしょうか。漠然と、困ったときに助けてくれる相手だと思われているかもしれませんが、その中身は、いくつもの側面を持っています。順に見ていきましょう。

  • 自社が直面している問題について、法律の考え方に照らした、正確な見通しを得られる。
  • 取るべき対応の選択肢と、それぞれの利点や避けたい点を整理してもらえる。
  • 相手との交渉や、やり取りの窓口を担ってもらえる。
  • 契約書などの書面を、法律の観点から確かめてもらえる。
  • そもそも問題が起きないように、予防のための助言を得られる。
  • 一人で抱えていた不安を、相談できる相手ができる。

とりわけ大きいのが、最初に挙げた、正確な見通しを得られるという点です。トラブルに直面した経営者は、これがどう転ぶのか分からず、不安に駆られます。その状況で、法律の考え方に照らして、この問題はどうなりそうか、何が争点になるのかを整理してもらえることの意味は、計り知れません。見通しが立てば、落ち着いて対応を考えられます。

不安の多くは、先が見えないことから生まれます。この問題がどうなるのか分からないという状態は、経営者にとって、大きなストレスです。弁護士に相談し、起こりうる展開や、取るべき対応が見えてくれば、その不安は和らぎます。たとえ厳しい見通しであっても、それがはっきりすれば、それに備えた行動を取れるようになるのです。

次に大きいのが、相手との窓口を担ってもらえる点です。トラブルの相手と、直接やり取りを続けるのは、精神的に重い負担です。感情的な対立に発展することもあります。弁護士が窓口となることで、経営者はその重圧から離れ、冷静に事に当たれるようになります。やり取りそのものも、専門家を通すことで、整理されたものになります。

感情的な対立に陥ると、問題の解決そのものが遠のいてしまいます。当事者どうしが直接ぶつかれば、売り言葉に買い言葉で、対立が深まることもあります。専門家が間に入ることで、やり取りは、感情を離れて、問題の中身に即したものになります。冷静な話し合いの土台をつくれることも、弁護士が関与する大きな利点なのです。

そして、見落とされがちですが、そもそも問題を予防できるという点も、大きな価値です。トラブルが起きてから対応するより、起きないように備えるほうが、はるかに賢明です。弁護士に、契約書を確かめてもらう、対応の進め方を相談する。そうした予防のための関与によって、多くのトラブルは、未然に防ぐことができるのです。

予防の価値は、目に見えにくいだけに、見過ごされがちです。何も問題が起きなければ、備えの効果は実感しにくいものです。しかし、起きたはずの問題が起きなかったこと自体が、予防の成果なのです。トラブルが起きてから悔やむより、起きないように備えておく。その発想を持てるかどうかが、会社の安定を左右します。

弁護士に相談するとよい場面

では、どのような場面で弁護士に相談するとよいのでしょうか。会社が直面する問題は多岐にわたりますが、ここでは、弁護士の関与がとりわけ役に立つ場面を、いくつか整理しておきましょう。自社の状況に思い当たる点がないか、確かめながら読んでいただければと思います。

まず、社員との間の問題です。解雇や退職をめぐるもめごと、残業代や給料をめぐる争い、職場での嫌がらせへの対応。こうした労働に関する問題は、対応を誤ると、大きな争いに発展しやすいものです。法律の定めも細かく、判断が難しい場面が多いため、弁護士の助言が、とりわけ役に立ちます。

社員との問題は、こじれると、会社と社員の双方にとって、大きな痛手になります。感情的な対立にもなりやすく、放置すれば、他の社員の士気にも影響します。だからこそ、早い段階で、法律の考え方に沿った適切な対応を取ることが大切です。弁護士の助言を得ながら進めることで、問題を穏当に収める道が見えてきます。

次に、取引先とのトラブルです。代金が支払われない、約束した品物やサービスが提供されない、契約の内容をめぐって解釈が食い違う。こうした取引上の問題は、会社の事業に直接影響します。相手との交渉や、契約書の解釈について、弁護士の関与を得ることで、有利に、かつ穏当に解決できる可能性が高まります。

取引先とのトラブルでは、今後の関係をどうするかも、悩ましい問題になります。強く出れば関係が壊れ、譲りすぎれば会社が損をする。そのさじ加減は、簡単ではありません。弁護士に相談することで、法律上の立場を踏まえたうえで、関係も見据えた、現実的な落としどころを探ることができます。

さらに、契約を結ぶ場面も、弁護士に相談するとよい場面です。新たな取引を始めるとき、重要な契約を交わすとき。その契約書の中身に問題がないかを、事前に確かめておくことで、後々のトラブルを防げます。問題が起きてから対応するより、契約の段階で手を打っておくことのほうが、はるかに効果的なのです。

契約書は、いわば、将来のトラブルに対する備えです。取引がうまくいっているうちは、その中身が問われることはありません。しかし、ひとたび行き違いが生じれば、契約書の一文が、会社の立場を大きく左右します。その大切な備えを、事前に専門家に確かめてもらうことの意味は、後になって、はっきりと分かるのです。

注意
これくらいのことで相談するのは大げさだろう、と自己判断で対応を進めてしまうことには、危険が伴います。小さなうちに相談していれば簡単に防げた問題が、こじれてから相談することで、解決に多くの労力を要する事態になりがちです。迷ったら、まず相談する。その姿勢が、結果として会社を守ります。

加えて、会社の経営が苦しくなってきた場面も、弁護士に相談すべき重要な場面です。資金繰りが行き詰まりつつある、事業の立て直しを考えたい。こうした場面では、早く相談するほど、選べる道が広がります。手遅れになる前に相談することが、会社の立て直しの可能性を残すことにつながります。

経営が苦しくなったとき、多くの経営者は、相談することをためらいます。しかし、その我慢が、選べたはずの道を、次々に閉ざしていきます。まだ余力があるうちに相談すれば、立て直しの道も残されています。苦しいときこそ、一人で抱え込まず、早く専門家の力を借りる。それが、会社を救う道につながるのです。

これらの場面に共通するのは、いずれも、早く相談するほど、対応の幅が広がるという点です。問題がこじれ、選択肢が狭まってから相談するのではなく、その手前で相談する。迷ったときが、相談どきだと考えていただきたいのです。相談することに、早すぎるということは、まずありません。

会社が直面する問題は、実にさまざまです。ここに挙げたのは、その代表的なものにすぎません。ここに当てはまらない問題であっても、法律がかかわりそうだ、自己流の判断で大丈夫だろうか、と少しでも感じたなら、それが相談を考える合図です。問題の種類を問わず、迷いを感じたときに相談できることが、弁護士とつながっておく価値なのです。

むしろ、早すぎるくらいでちょうどよい、と言ってもよいでしょう。相談してみて、まだ心配ないと分かれば、それはそれで安心が得られます。不安を抱えたまま過ごすより、はるかに健全です。相談は、必ず何か大ごとにするためのものではなく、現在地を確かめ、安心を得るためのものでもある。そう考えれば、相談の敷居は、ぐっと低くなります。

問題を一人で抱え込む危うさ

経営者は、会社のことを一人で背負いがちです。とりわけトラブルに直面したとき、社員にも相談できず、家族にも言えず、自分一人で判断しようとする方は少なくありません。しかし、この、一人で抱え込むという姿勢こそが、対応を誤らせる大きな原因になります。ここでは、その危うさについて考えてみましょう。

まず、一人で抱え込むと、視野が狭くなります。同じ問題を、頭のなかだけで何度も考え続けると、思考は同じところを巡り、出口が見えなくなります。焦りや不安から、極端な判断に走ってしまうこともあります。そうした状態で下した判断が、事態をかえって悪化させることは、珍しくありません。冷静さを欠いた判断には、危うさが伴うのです。

とりわけ、トラブルの渦中にあるときは、誰しも平常心を保ちにくいものです。相手への怒りや、先行きへの不安が、判断をゆがめます。そんなときに、感情から一歩離れた立場で助言してくれる存在がいることは、大きな助けになります。冷静な第三者の視点が入ることで、経営者は、我に返って落ち着いた判断を取り戻せるのです。

次に、専門の知識がないまま自己流で判断すると、思わぬ落とし穴にはまります。正しいと信じて進めた対応が、後になって法律に反していたと分かる。そうした事態は、法律の知識がなければ、防ぎようがありません。経営者が一人で抱え込んで自己流の判断を重ねることは、知らないうちに問題をこじらせ、会社を危うくする最も大きな要因の一つなのです。だからこそ、専門家に相談することに、意味があります。

弁護士に相談することは、その重荷を、共有できる相手を得ることでもあります。すべてを打ち明けられる相手がいて、専門の目から助言をもらえる。それだけで、経営者の心の負担は大きく軽くなります。問題そのものが解決に向かうだけでなく、一人で抱えていた重圧から解放されること自体が、大きな意味を持つのです。

経営者のなかには、弱音を吐くことを、恥だと感じる方もいます。しかし、専門家に相談することは、弱音ではありません。困ったときに適切な助けを求めることは、むしろ、責任ある経営者の取るべき行動です。一人で抱え込んで判断を誤るより、頼るべきときに頼る。その姿勢が、結局は、会社と社員を守ることにつながるのです。

とりわけ、会社の経営が苦しくなってきたような場面では、一人で抱え込むことの危うさが際立ちます。誰にも言えないまま、ぎりぎりまで自力で耐えようとして、動きどきを逃してしまう。そうなる前に、早い段階で専門家に相談することが、会社を立て直す道を残すことにつながります。抱え込まないことが、いざというときの会社を守るのです。

費用への不安とどう向き合うか

弁護士への相談をためらう理由として、多くの方が挙げるのが、費用への不安です。弁護士に頼むと、高い費用がかかるのではないか。そう考えて、相談に踏み切れない。この不安に、どう向き合えばよいかを、考えてみましょう。費用の問題を整理できれば、相談への一歩を踏み出しやすくなります。

まず知っておきたいのが、弁護士に相談したり依頼したりする際の費用は、その内容によってさまざまだという点です。どのようなことを頼むのか、どこまでの対応を求めるのかによって、費用は変わってきます。ですから、費用がどれくらいかかりそうかは、まず相談の場で、率直に尋ねてみるのがよいでしょう。それも、相談の一部なのです。

次に考えたいのが、相談しないことによって生じる負担との比較です。相談をためらううちに問題がこじれれば、その解決には、より多くの費用と労力がかかります。また、対応を誤って被る損害は、相談の費用をはるかに上回ることもあります。相談の費用を惜しんだ結果、より大きな負担を負う。そうした事態は、避けたいところです。

とりわけ、予防のための相談は、費用の面から見ても、理にかなっています。トラブルが起きてからの対応には、多くの費用がかかりますが、それを未然に防ぐための相談は、比較的少ない負担で済むことが多いものです。問題を防ぐことは、結果として、大きな出費を避けることにつながるのです。

この点は、保険にたとえると分かりやすいかもしれません。何も起きなければ、備えにかけた費用は、一見すると無駄に見えます。しかし、いざというときに、その備えが会社を大きな損失から守ってくれます。予防のための相談も、同じ性格を持っています。かけた費用以上の損失を防いでくれるという意味で、それは費用ではなく、備えなのです。

そして、費用のことも含めて、どのような進め方が自社にとって現実的かを、弁護士とともに考えることができます。今の会社の状況を踏まえて、どこまでの対応が必要か、どう進めるのが良いか。そうした相談に、弁護士は応じてくれます。費用への不安は、抱え込むのではなく、率直に相談することで、解きほぐすことができるのです。

費用のことを尋ねるのは失礼ではないか、と気兼ねする必要はありません。むしろ、どれくらいの費用がかかるのかを、あらかじめはっきりさせておくことは、双方にとって望ましいことです。見通しが立たないまま不安を抱えるより、率直に尋ねて、納得したうえで進める。それが、安心して相談を続けるための、確かな土台になります。

日ごろから弁護士とつながっておく意味

これまで、トラブルが起きたときの相談について述べてきましたが、実は、問題が起きる前から、弁護士とつながっておくことにも、大きな意味があります。ここでは、日ごろから相談できる関係を築いておくことの価値を、見ていきましょう。備えとしての関係が、いざというときに生きてきます。

まず、日ごろから会社の状況を知る弁護士がいれば、問題の兆しを早く捉え、手を打つことができます。付き合いのなかで、会社の事業や事情を理解してくれている弁護士であれば、相談したときに、状況を一から説明する必要もありません。会社をよく知る相手だからこそ、的確で、素早い助言が得られるのです。

これは、かかりつけの医師がいることに似ています。日ごろの状態を知っている医師であれば、ちょっとした変化にも気づき、的確に対応してくれます。会社にとっての弁護士も、同じです。日ごろから会社を見てくれている弁護士は、いわば会社のかかりつけとして、変化の兆しを捉え、その会社に合った助言をしてくれるのです。

初めて相談する弁護士に、会社の事情を一から説明するのは、それなりに手間のかかることです。緊急を要する場面では、その時間さえ惜しいこともあります。日ごろから会社を知る弁護士がいれば、そうした説明を省いて、すぐに本題に入れます。この素早さが、問題への初動を早め、被害を小さく抑えることにつながるのです。

次に、いつでも相談できる相手がいるという安心感は、それ自体が大きな支えになります。何か問題が起きたとき、すぐに相談できる先があるかどうかで、経営者の心の余裕はまるで違います。困ってから相談先を探すのではなく、すでに関係のある弁護士がいる。その安心が、日々の経営を、落ち着いたものにします。

相談できる先があるという安心は、思い切った経営判断を後押しすることもあります。何かあれば相談できると分かっていれば、経営者は、過度に萎縮せずに、事業を進められます。逆に、頼れる先がないと、リスクを恐れるあまり、動きが鈍くなりがちです。安心は、守りだけでなく、前に進む力にもなるのです。

さらに、日ごろの関与によって、そもそも問題が起きにくくなります。契約書を整える、社内のルールを見直す、対応の進め方を相談する。こうした地道な関与の積み重ねが、トラブルの芽を、あらかじめ摘んでいきます。問題が起きてから対応する後手の姿勢ではなく、起きないように備える先手の姿勢が、可能になるのです。

後手に回れば、対応は常に、起きてしまった問題への火消しになります。それでは、経営者はいつまでも問題に振り回されます。先手を打てれば、問題そのものが起きにくくなり、経営者は本来の仕事に専念できます。日ごろから弁護士とつながっておくことは、この、後手から先手への転換を、可能にするのです。

そして、こうした関係は、会社が成長していくうえでの、心強い土台にもなります。事業を広げ、新たな挑戦をするとき、法律にかかわる判断は次々と生じます。そのたびに信頼できる弁護士に相談できれば、経営者は、安心して前に進めます。弁護士とのつながりは、守りの備えであると同時に、攻めの支えにもなるのです。

会社が取り組むべきことと専門家の活用

ここまで、弁護士に相談することで得られるもの、相談するとよい場面、費用への向き合い方、そして日ごろからつながっておく意味まで見てきました。あらためて整理すると、弁護士の活用について、会社が心がけるべきことは、いくつかの柱にまとめられます。問題は早い段階で相談すること。予防のための関与を活かすこと。費用は率直に相談すること。そして、日ごろから関係を築いておくこと。これらが基本の姿勢になります。

会社の経営には、法律にかかわる判断が、絶えずついて回ります。その一つひとつを、経営者が一人で、自己流で判断していては、思わぬ落とし穴にはまりかねません。専門家の力を借りることは、経営者としての弱さではなく、むしろ、会社を守り、前に進めるための、賢明な選択なのです。この意識を持つことが、大切です。

とりわけ、社員との問題、取引先とのトラブル、契約の場面、そして経営が苦しくなった場面では、その分野にくわしい弁護士に相談することが有効です。弁護士は、その問題にどう対応すべきか、どのような選択肢があるかを、法律の考え方に照らして具体的に示してくれます。一人で抱え込んで対応を誤る前に、専門家の目を通しておくことが、会社を守ることにつながります。

そして、繰り返しになりますが、相談は、問題がこじれてからよりも、早い段階のほうが、はるかに役に立ちます。迷ったときが相談どきです。早く動けば、それだけ選べる道は広がります。ためらって時を逃すより、まず相談してみる。その一歩が、多くの問題を、こじれる前に解決することにつながるのです。

また、問題が起きてからだけでなく、平時から相談できる体制を整えておくことには、大きな意味があります。日ごろから会社の状況を知る弁護士がいれば、問題を未然に防ぎ、いざというときにも素早く動けます。安心して経営に集中し、会社を前に進める。そのために、信頼できる専門家とつながっておくことが、大きな支えになるのです。

弁護士への相談は、決して、特別な事態のためだけのものではありません。日々の経営のなかで生じる、さまざまな判断を支えてくれる、身近な備えです。ためらいから一歩を先延ばしにするより、思い切って相談してみる。その一歩が、多くの問題を防ぎ、会社を守ります。この記事が、弁護士への相談を、身近なものとして考えるきっかけとなれば幸いです。

弁護士への相談に関するよくある質問

弁護士に相談するのは、争いになってからでよいですか

いいえ、弁護士への相談は、問題がこじれてからよりも、早い段階のほうがはるかに役に立ちます。弁護士の役割は、法廷で争うことだけではありません。そもそも争いが起きないように予防すること、起きた問題を争いにせずに解決することも、弁護士の大切な役割です。小さなうちに相談すれば簡単に防げた問題が、こじれてからでは多くの労力を要します。迷ったときが、相談どきだとお考えください。

弁護士に相談すると、どのようなことが得られますか

自社の問題について法律の考え方に照らした正確な見通しを得られ、取るべき対応の選択肢を整理してもらえます。相手との交渉や窓口を担ってもらえるほか、契約書などの書面を法律の観点から確かめてもらうこともできます。さらに、そもそも問題が起きないように予防のための助言を得られる点も大きな価値です。一人で抱えていた不安を相談できる相手ができること自体が、経営者にとって大きな支えになります。

弁護士への相談は、費用が高いのではありませんか

費用は、どのようなことを頼むのか、どこまでの対応を求めるのかによってさまざまです。ですから、まずは相談の場で、費用がどれくらいかかりそうかを率直に尋ねてみるのがよいでしょう。また、相談をためらううちに問題がこじれれば、その解決にはより多くの費用と労力がかかります。とりわけ予防のための相談は比較的少ない負担で済むことが多く、大きな出費を避けることにつながります。

どのような場面で弁護士に相談すればよいですか

社員との問題、取引先とのトラブル、重要な契約を結ぶ場面、そして会社の経営が苦しくなってきた場面などが、弁護士の関与がとりわけ役に立つ場面です。いずれも、対応を誤ると大きな問題に発展しやすく、早く相談するほど対応の幅が広がります。これくらいで相談するのは大げさだ、と自己判断で進めず、迷ったらまず相談する。その姿勢が、結果として会社を守ることにつながります。

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