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英文契約書とは|海外取引に欠かせない契約書
海外の企業と取引を始めることになった。ところが、相手から示されたのは、見慣れない英語の契約書だった。そんな場面に、戸惑いを覚える経営者の方は少なくありません。国内の取引とは勝手が違い、どこに気をつければよいのかも、はっきりしない。海外との取引が身近になった今、英文契約書と向き合う機会は、着実に増えています。まずは、英文契約書とは何かというところから、見ていきましょう。
英文契約書と聞くと、言葉の壁もあって、難しそうだと感じる方も多いでしょう。しかし、そこで気後れして、中身をよく確かめないまま契約を結んでしまうのは、たいへん危険です。この記事では、英文契約書の基本と、気をつけるべき点を、順を追って見ていきます。海外取引で思わぬ落とし穴にはまらないよう、備えを固めておきましょう。正しい理解が、安心した取引の土台になります。
海外取引と聞くと、大がかりで、自社には縁遠いと感じる方もいるかもしれません。しかし、今や、部品を海外から仕入れる、海外の会社にサービスを提供する、といった形で、さまざまな会社が国境を越えた取引に関わっています。そうした取引には、たいてい英文の契約が伴います。だからこそ、英文契約書の基本を知っておくことは、多くの会社にとって、実際的な意味を持つのです。
英文契約書とは、その名のとおり、英語で作られた契約書のことをいいます。海外の企業と取引をするとき、その取引の条件や、双方の権利や義務などを定めるために、英語で契約書が交わされることが少なくありません。国内の取引で交わす日本語の契約書と、その役割は基本的に同じですが、言語が異なるだけでなく、その背景にある考え方や慣行にも、違いがあることに注意が必要です。
国内の取引には、日本の商慣行という、双方に共通の土台があります。多くを書かずとも、暗黙のうちに了解されることも少なくありません。しかし、海外の相手とは、その共通の土台を欠いています。当たり前だと思っていたことが、相手には通じないこともあります。だからこそ、英文契約書では、国内なら書かずに済むようなことまで、はっきりと書き記しておく必要があるのです。
ここで大切なのは、英文契約書は、単に日本語の契約書を英語に置き換えただけのものではない、という点です。海外との取引では、国内の取引とは異なる事情や、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。言語の違いだけに目を奪われ、その背後にある考え方の違いを見過ごすと、思わぬトラブルに巻き込まれかねません。言葉の壁の向こうにある、より本質的な違いにこそ、目を向ける必要があるのです。
ここで押さえておきたいのは、英文契約書で本当に難しいのは、英語そのものよりも、その背後にある考え方や慣行の違いだという発想です。訳せば意味は分かっても、なぜそのような条項があるのか、それが自社にどう効いてくるのかは、背景を知らなければ見えてきません。言葉を訳すことと、契約の中身を理解することは、別のことなのです。この違いを意識することが、出発点になります。
この記事では、なぜ英文契約書が必要になるのか、英文契約書で特に気をつけたいことは何か、作るときはどう進めればよいのか、そしてありがちな落とし穴は何かまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。海外取引という、慣れない場面でも安心して契約に臨めるよう、基本をしっかり理解しておきましょう。
海外取引は、うまくいけば、会社の事業を大きく広げてくれます。しかし、そこには、国内の取引にはない危うさも潜んでいます。その多くは、契約の段階で、内容をきちんと確かめておくことで避けられるものです。だからこそ、英文契約書と正しく向き合うことが、海外取引を成功させる鍵になります。この記事で、その勘所をつかんでいただければと思います。
なぜ英文契約書が必要になるのか
そもそも、なぜ英文契約書が必要になるのでしょうか。その背景を知っておくと、英文契約書に向き合う意味が、より深く理解できます。単に相手が海外だから、というだけではない事情もあります。背景を見ていきましょう。理解を深めることが、適切な備えにつながります。
最も大きな理由は、海外の企業との取引が、以前よりずっと身近になったことです。かつては、海外との取引は、一部の大きな会社に限られたものでした。しかし今では、規模の大小を問わず、さまざまな会社が、海外の企業と取引をするようになっています。そうした取引を行うにあたって、双方が理解できる言語として、英語で契約書を交わすことが、広く行われているのです。
また、英語は、世界の多くの国で、取引の共通の言語として用いられています。取引の相手が、必ずしも英語を母語とする国の企業とは限りません。しかし、互いの母語が異なる場合でも、英語であれば、双方が理解できることが多いものです。そのため、国境を越えた取引では、英語が、いわば橋渡しの言語として、契約書に用いられることが多いのです。
もっとも、英語が共通の言語だからといって、双方が同じように理解しているとは限りません。互いにとって母語ではない言語で契約を交わす場合、それぞれの理解に、微妙なずれが生じることもあります。だからこそ、英文契約書では、言葉の意味を、双方が正確に共有できているかを、いっそう丁寧に確かめる必要があるのです。共通の言語であることに、油断は禁物だといえます。
さらに、契約書を交わすこと自体の大切さも、海外取引では、いっそう重みを増します。国内の取引であれば、多少の行き違いは、日ごろの関係のなかで解決できることもあります。しかし、遠く離れた海外の相手との取引では、そうはいきません。何をどう取り決めたのかを、契約書によって明確にしておくことが、後の食い違いを防ぐうえで、きわめて重要になるのです。契約書は、海外取引の生命線ともいえます。
遠く離れた相手とは、顔を合わせて話す機会も限られます。日ごろの付き合いのなかで、細かな行き違いを埋めていく、ということも難しくなります。だからこそ、取り決めのすべてを、契約書という形にはっきりと残しておくことが、いっそう重要になるのです。国内以上に、契約書がものをいう。それが、海外取引の一つの特徴だといえます。書面の重みを、軽く見てはなりません。
口約束や、その場の了解に頼れないぶん、海外取引では、契約書に書かれたことがすべて、といっても過言ではありません。書かれていないことは、取り決めがなかったものとして扱われかねないのです。だからこそ、取り決めておきたいことは、もれなく契約書に書き込んでおく必要があります。書き漏らしが、後で自社を苦しめることのないよう、契約書は、細心の注意をもって整えたいところです。
英文契約書で特に気をつけたいこと
英文契約書を扱ううえで、特に気をつけたいことがいくつかあります。これらを知らずに契約を結ぶと、思わぬ不利益を被りかねません。気をつけたい点を、いくつか見ていきましょう。押さえておくべき勘所を知ることが、身を守る備えになります。
英文契約書で、とりわけ気をつけたいこととして、たとえば次のようなものが挙げられます。いずれも、国内の取引ではあまり意識しない点かもしれません。
- その契約が、どの国の法律にもとづいて解釈されるのか。
- トラブルが起きたとき、どこで、どのように解決するのか。
- 契約書の言葉が、双方で同じ意味に理解されているか。
- 国内の取引にはない、独特の取り決めが含まれていないか。
まず気をつけたいのは、その契約が、どの国の法律にもとづいて解釈されるのか、という点です。国が違えば、法律も異なります。同じ契約でも、どの国の法律を基準に解釈するかによって、その意味合いが変わってくることがあります。この、どの国の法律によるかという取り決めは、いざというときに大きな意味を持つため、しっかり確かめておく必要があります。見落としてはならない重要な点です。
どの国の法律によるかが、なぜそれほど重要なのでしょうか。それは、同じ言葉で書かれた同じ条項でも、拠りどころとする法律が違えば、その効き目が変わりうるからです。ある国の法律では有効なことが、別の国の法律では認められない、ということも起こりえます。だからこそ、どの国の法律を基準とするかは、契約の意味を左右する、根幹に関わる取り決めなのです。安易に決めてはなりません。
次に、トラブルが起きたとき、どこで、どのように解決するのか、という点も重要です。海外の相手とのトラブルを、どこで解決するのかは、その解決のしやすさに大きく関わります。遠い海外で解決を図らなければならないとなれば、それだけで大きな負担になります。トラブルが起きたときの解決の方法や場所についての取り決めも、あらかじめよく確かめておくことが大切です。
もし、トラブルの解決を、相手の国で図らなければならないとしたら、どうでしょうか。遠く離れた地で、慣れない手続きに対応するのは、時間も手間も、大きな負担になります。その負担の重さが、事実上、泣き寝入りにつながってしまうことさえあります。だからこそ、いざというときにどこで解決するのかは、契約を結ぶ前に、しっかり見きわめておくべき重要な点なのです。
また、契約書の言葉が、双方で同じ意味に理解されているか、という点にも注意が必要です。同じ英語の言葉でも、その解釈が、国や文化によって微妙に異なることがあります。こちらが理解していた意味と、相手が理解していた意味とが食い違っていれば、後でトラブルのもとになります。言葉の意味が、双方できちんと共有されているかを、丁寧に確かめる必要があるのです。
言葉の解釈の食い違いは、契約を結ぶときには表に出ず、後になって、トラブルという形で現れることが多いものです。双方が、それぞれ自分に都合よく理解したまま契約を結び、いざ問題が起きて、はじめて解釈の違いに気づく。そうならないためには、あいまいな表現を避け、双方が同じ意味に理解できるよう、言葉を吟味しておくことが欠かせません。言葉への細心の注意が求められます。
英文契約書を作るときの進め方
では、英文契約書を作るときは、どう進めていけばよいのでしょうか。行き当たりばったりで進めるのではなく、順を追って、慎重に進めることが大切です。進め方の基本を見ていきましょう。段取りを整えておくことが、確かな契約につながります。
英文契約書を作るときは、おおむね次のような流れで進めていくことになります。一つずつ、丁寧に進めていくことが大切です。
- まず、取引の内容と、取り決めたい条件を、明確に整理する。
- その内容を踏まえて、契約書の案を作成する。
- 契約書の内容を、専門的な視点から丁寧に確かめる。
- 相手と内容をすり合わせ、双方が納得したうえで契約する。
まず行うべきは、取引の内容と、取り決めたい条件を、明確に整理することです。どのような取引を、どのような条件で行うのか。相手に求めることは何か、こちらが負う義務は何か。こうした点を、まず自社のなかではっきりさせておくことが、出発点になります。土台となる内容があいまいなままでは、しっかりした契約書は作れません。
契約書は、取り決めたい内容を、言葉にして形にしたものです。だとすれば、その元となる内容自体があいまいでは、いくら言葉を整えても、しっかりした契約書にはなりません。まずは、自社が何を望み、何を相手に求め、何を引き受けるのかを、社内ではっきりさせておく。この土台づくりを丁寧に行うことが、よい契約書への近道なのです。急いで書き始める前に、まず考えを整えたいところです。
次に、整理した内容を踏まえて、契約書の案を作成し、その内容を専門的な視点から確かめます。英文契約書には、国内の契約書にはない、独特の考え方や取り決めが含まれることがあります。その内容が、自社にとって不利になっていないか、思わぬ落とし穴が潜んでいないかを、専門的な目で丁寧に確かめる必要があります。この確認を怠ると、後で大きな問題になりかねません。
とりわけ、相手が用意した契約書をもとに進める場合には、この確認が欠かせません。相手の契約書には、相手に有利な取り決めが、さりげなく盛り込まれていることもあります。一見すると問題がなさそうでも、専門的な目で見れば、自社に不利な点が見つかることも少なくありません。示された内容を鵜呑みにせず、一つひとつ丁寧に確かめる姿勢が、身を守ることにつながります。
そして、相手と内容をすり合わせ、双方が納得したうえで契約を結びます。契約は、双方の合意によって成り立つものです。こちらの言い分と、相手の言い分とをすり合わせ、互いに納得できる内容に整えていく。そのうえで契約を結べば、後のトラブルも生じにくくなります。急いで契約を結ぼうとせず、内容を十分にすり合わせることが大切なのです。丁寧なすり合わせが、円滑な取引の土台になります。
契約は、一方が押しつけて成り立つものではありません。双方が納得してはじめて、その後の取引も円滑に進みます。こちらの要望を伝えるとともに、相手の言い分にも耳を傾け、互いに歩み寄って内容を整えていく。そうした丁寧なやりとりを経て結ばれた契約は、双方にとって守りやすく、トラブルも生じにくいものになります。すり合わせの手間を惜しまないことが大切です。
英文契約書でありがちな落とし穴
英文契約書には、慣れていないと、はまりやすい落とし穴がいくつかあります。どんな落とし穴があるのかを知っておくことは、それを避けるうえで役立ちます。ありがちな落とし穴を見ていきましょう。あらかじめ知っておくことが、失敗を防ぎます。
まずありがちなのが、内容をよく確かめないまま、相手から示された契約書にそのまま応じてしまう、という落とし穴です。相手が用意した契約書は、当然ながら、相手にとって有利に作られていることがあります。それをよく確かめないまま受け入れれば、自社にとって不利な条件をのまされることになりかねません。示された契約書は、必ず内容を吟味することが大切です。
相手が用意した契約書を、そのまま受け入れてしまう背景には、修正を求めては角が立つのではないか、という遠慮が働くこともあります。しかし、契約の内容について意見を述べ、修正を求めることは、取引においてごく当たり前のことです。遠慮して不利な条件をのむより、きちんと意見を伝え、対等な内容に整えていく。それが、健全な取引関係を築くことにもつながるのです。
次に、言葉の意味を、自社に都合よく解釈してしまう、という落とし穴もあります。英文契約書の言葉を、なんとなくこういう意味だろう、と思い込んで進めると、後で相手との解釈が食い違うことがあります。契約書の言葉の意味は、思い込みで判断せず、正確に理解することが欠かせません。あいまいな理解のまま契約を結ぶのは、危険なことなのです。
言葉の意味を都合よく解釈してしまうのは、悪意からではなく、たいていは、そう理解したかったから、あるいは、深く考えなかったから、です。しかし、その油断が、後で高くつきます。契約書の一語一語には、それぞれ意味があります。分かったつもりで読み飛ばさず、一つひとつの意味を正確につかむ。その地道な作業が、後のトラブルから自社を守るのです。読み流しは禁物です。
長い契約書を前にすると、細部まで読むのは骨が折れ、つい要点だけを拾って済ませたくなります。しかし、思わぬ落とし穴は、たいてい、読み飛ばしがちな細部に潜んでいるものです。一見すると重要でなさそうな条項が、いざというときに、大きな意味を持つこともあります。面倒でも、契約書は隅々まで目を通す。その丁寧さが、後悔を防ぐことにつながるのです。
また、トラブルが起きたときのことを、十分に考えずに契約してしまう、という落とし穴もあります。契約を結ぶときは、うまくいくことばかりを考えがちですが、大切なのは、うまくいかなかったときの備えです。トラブルが起きたら、どこで、どう解決するのか。その取り決めがあいまいなままだと、いざというときに、大きな困難に直面します。備えを怠らないことが肝心です。
契約を結ぶときは、これから始まる取引への期待に胸がふくらみ、うまくいかない場合のことは、つい後回しにしがちです。しかし、契約書が真に役立つのは、まさに、ものごとがうまくいかなくなったときです。トラブルが起きたときにどうするかを、あらかじめ契約に定めておく。その備えがあってこそ、いざというときに、契約書が自社を守る盾になってくれるのです。
トラブルを防ぐために気をつけたいこと
英文契約書をめぐるトラブルを防ぐには、どうすればよいのでしょうか。あらかじめ備えておくことで、多くのトラブルは防げます。トラブルを防ぐための心がけを見ていきましょう。日ごろの慎重さが、いざというときに生きてきます。
まず大切なのは、英文契約書の内容を、必ず正確に理解したうえで契約を結ぶことです。言葉の壁があるからといって、内容をよく確かめないまま契約するのは、絶対に避けなければなりません。契約書に書かれていることの意味を、一つひとつ正確に理解する。そのうえで、その内容に納得できるかを見きわめてから、契約を結ぶ。この基本を徹底することが、トラブルを防ぐ土台になります。
内容を正確に理解する、という当たり前のことが、英文契約書では、言葉の壁のために、つい省かれてしまいがちです。しかし、この当たり前を省いたことが、後で最も大きな問題を招きます。どれほど時間がかかっても、契約書の中身を、納得できるまで確かめる。急いで契約を結ぶことよりも、内容を正しく理解することを優先する。その姿勢こそが、海外取引で身を守る、揺るがぬ土台なのです。
次に、専門的な視点から、契約書の内容を確かめることも欠かせません。英文契約書には、国内の契約書にはない独特の考え方や取り決めが含まれることがあり、その適否を自社だけで判断するのは容易ではありません。専門的な知見をもって内容を確かめることで、自社にとって不利な条件や、思わぬ落とし穴に気づけます。専門家の目を通すことが、確かな備えになるのです。
自社だけで英文契約書の内容を判断しようとすると、どうしても、見落としが生じがちです。とりわけ、独特の考え方にもとづく取り決めは、経験がなければ、その意味や効き目を正しく読み取るのが難しいものです。専門的な知見をもつ人の目が入ることで、そうした見落としを防げます。第三者の確かな目を通すことは、遠回りのようでいて、実は最も確実な備えなのです。
また、トラブルが起きたときのことを、あらかじめ想定しておくことも大切です。契約を結ぶ段階で、もしトラブルが起きたらどうなるのかを考え、その備えを契約に盛り込んでおく。そうしておけば、いざトラブルが起きたときにも、その取り決めに沿って対応でき、混乱を避けられます。うまくいくときのことだけでなく、うまくいかないときの備えまで考えておくことが、賢明なのです。
備えというものは、それが役立つ場面が来るまで、価値が見えにくいものです。トラブルが起きなければ、備えにかけた手間は、無駄だったように思えるかもしれません。しかし、いざトラブルが起きたとき、備えのある会社とない会社とでは、その明暗がはっきり分かれます。転ばぬ先の杖を用意しておくこと。それが、海外取引という不確かな場面で、身を守る知恵なのです。
会社が取り組むべきことと専門家の活用
ここまで、英文契約書について見てきました。最後に、会社としてどう取り組んでいけばよいか、そして専門家をどう活かせばよいかを整理しておきましょう。慎重な対応と、専門家の力の活用が、海外取引を支えます。
まず心がけたいのは、英文契約書を、言葉の壁を理由に軽く扱わないことです。言葉が分かりにくいからといって、内容をよく確かめないまま契約するのは、最も避けるべきことです。契約書の内容を正確に理解し、その内容に納得したうえで契約する。この基本を守ることが、海外取引で身を守る、何よりの備えになります。分からないことは、そのままにしないことが大切です。
言葉が分からない、内容が理解できない、という状態のまま契約を進めるのは、目隠しをして道を歩くようなものです。分からないことを、分からないままにせず、その都度、確かめて解消していく。面倒に思えても、その一つひとつの確認が、思わぬ落とし穴を避けることにつながります。分からないことを恥じず、確かめる手間を惜しまない姿勢が、身を守るのです。
次に、英文契約書への対応は、専門的な判断を要することを踏まえ、無理に自社だけで抱え込まないことです。英文契約書には、独特の考え方や取り決めが含まれ、その適否の判断は、専門的な知見を要します。自社だけで判断して、思わぬ不利な条件を見落とせば、後で大きな痛手を負いかねません。判断に迷う点は、専門家に確かめながら進めるのが確実です。
また、契約を結ぶ前の段階で、専門家に相談することも大切です。契約を結んでしまってからでは、内容を修正するのは容易ではありません。契約の前に、内容を専門的な視点から確かめてもらうことで、不利な条件や落とし穴を、事前に取り除けます。契約を結ぶ前の一手間が、後の大きなトラブルを防ぐことにつながるのです。事前の確認を、怠らないようにしたいところです。
契約を結んでしまった後で、この条項は不利だった、と気づいても、もう手遅れです。相手が、いったん合意した内容を、こちらの都合で修正することに応じてくれるとは限りません。だからこそ、修正がきく契約前の段階で、内容を徹底的に確かめておくことが肝心なのです。契約前のひと手間を惜しんだために、その後ずっと不利な条件に縛られる。そうした事態は、避けたいものです。
英文契約書の作成や、その内容の確認、海外取引をめぐる問題に不安があるときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。専門家の力を借りれば、英文契約書の内容を的確に確かめられ、思わぬ落とし穴も避けられます。日ごろから相談できる関係を築いておくと、海外取引の場面でも、安心して契約に臨めます。
海外取引の話は、思いがけず舞い込んでくることもあります。そのとき、慌てて相談先を探すのではなく、日ごろから会社の事情を分かってくれる専門家とつながっておけば、すぐに相談し、落ち着いて対応できます。ふだんからの関係があれば、契約の話が持ち上がった段階で、早めに助言を得られます。その備えが、海外取引という慣れない場面での、心強い支えになるのです。
英文契約書に関するよくある質問
英文契約書は、日本語の契約書を英語にしただけのものですか
いいえ、単に日本語の契約書を英語に置き換えただけのものではありません。海外との取引では、国内の取引とは異なる事情や考え方があり、英文契約書には、国内の契約書にはない独特の取り決めが含まれることがあります。言語の違いだけでなく、その背景にある考え方の違いにも注意が必要です。内容の確認は、専門的な視点から丁寧に行うことをおすすめします。
英文契約書で、特に気をつけるべき点は何ですか
その契約がどの国の法律にもとづいて解釈されるのか、トラブルが起きたときにどこでどのように解決するのか、契約書の言葉が双方で同じ意味に理解されているか、といった点に特に注意が必要です。これらは、国内の取引ではあまり意識しない点ですが、いざというときに大きな意味を持ちます。あらかじめ、専門的な視点からよく確かめておくことが大切です。
相手から示された英文契約書に、そのまま応じても大丈夫ですか
相手が用意した契約書は、相手にとって有利に作られていることがあります。よく確かめないまま受け入れれば、自社にとって不利な条件をのまされかねません。示された契約書は、必ずその内容を吟味し、自社に不利な点や思わぬ落とし穴がないかを確かめることが大切です。判断に迷うときは、契約を結ぶ前に専門家に相談することをおすすめします。
英文契約書のことで不安があるときは、どこに相談すればよいですか
英文契約書の作成や、その内容の確認、海外取引をめぐる問題で判断に迷うときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。内容をよく確かめないまま契約すると、思わぬ不利益を被りかねません。契約を結ぶ前の段階で相談しておけば、不利な条件や落とし穴を事前に取り除け、安心して海外取引に臨みやすくなります。
