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民事再生の手続き|申立てから再建までの流れ

民事再生の手続き|申立てから再建までの流れ

この記事で分かること

  • 民事再生は事業を続けながら会社を立て直すための手続きである
  • 会社を消滅させず存続させて再建を目指す前向きな手続き
  • 事業価値や雇用や取引先との関係を守りながら再建できる
  • 申立てから手続き開始と計画作成と実行の順で進む
  • 手続きを始めれば立ち直るのではなく計画の実行が要となる
  • 経営が苦しくなったら早めに決断し準備することが再建の鍵
  • 検討に迷えば企業法務にくわしい弁護士に相談する

民事再生とは、事業を続けながら会社を立て直すための手続きです。会社を消滅させるのではなく存続させ、事業価値や雇用、取引先との関係を守りながら再建を目指せる点が大きなメリットです。申立てから手続きの開始、計画の作成、実行へと進みますが、手続きを始めれば立ち直るわけではなく、実現できる計画の実行が要となります。経営が苦しくなったら早めに動くことが鍵で、迷えば専門家に相談を。

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民事再生とは|事業を続けながら立て直す手続き

資金繰りが行き詰まり、このままでは事業を続けられないかもしれない。そんな厳しい状況に直面したとき、経営者の頭をよぎるのは、会社をたたむことかもしれません。しかし、経営が苦しくなったからといって、すぐに事業をあきらめる必要はありません。事業を続けながら、会社を立て直す道もあります。その一つが、民事再生です。まずは、民事再生とは何かというところから、見ていきましょう。

民事再生という言葉は、耳にしたことがあっても、それがどのような手続きで、自社にとってどんな意味を持つのかまでは、はっきりとは分からない、という経営者の方も多いでしょう。厳しい状況にあるときこそ、選択肢を正しく知っておくことが大切です。この記事では、民事再生の基本と、その手続きの流れを、順を追って見ていきます。会社を立て直す道すじを、ここで確かめておきましょう。

民事再生は、決して珍しい、特別な手続きではありません。経営が苦しくなった会社が、再建を目指して用いる、確立された仕組みの一つです。もちろん、その手続きは専門的で、自社だけで進められるものではありません。しかし、そういう道があると知っているかどうかで、いざというときの選択は大きく変わります。まずは、その中身を正しく知ることから始めましょう。

民事再生とは、経営が苦しくなった会社が、事業を続けながら、その立て直しを図るための手続きです。会社をたたんでしまうのではなく、事業は続けたまま、抱えている負担を整理し、再建を目指す。それが、民事再生の基本的な考え方です。経営が行き詰まったからといって、必ずしも会社をたたむしかないわけではなく、事業を守りながら立ち直る道が用意されているのです。

この「立ち直る道が用意されている」ということ自体が、経営者にとって、大きな希望になります。行き詰まったらすべて終わり、というのではなく、立て直しのための仕組みが、きちんと備わっている。そう知っているだけで、追い詰められたときの心の持ちようも変わります。絶望する前に、まず、こうした道があることを思い出す。それが、冷静な判断を取り戻す助けになるのです。

ここで大切なのは、民事再生は、会社を消滅させる手続きではなく、会社を生かすための手続きだ、という点です。倒産という言葉からは、会社がなくなってしまう様子を思い浮かべがちですが、民事再生は、むしろ会社を存続させ、再び立ち上がることを目指すものです。従業員の雇用を守り、取引先との関係を保ちながら、会社を立て直していく。そうした前向きな性格が、民事再生の大きな特徴なのです。

ここで押さえておきたいのは、民事再生は「終わり」の手続きではなく「立て直し」の手続きだという発想です。倒産というと、すべてを失う終着点のように思えるかもしれません。しかし民事再生は、むしろ、まだ生きている事業を守り、そこから再び立ち上がるための、再出発の手続きです。この前向きな性格を正しく理解することが、選択肢を狭めないための出発点になります。

この記事では、民事再生にはどんなメリットがあるのか、手続きはどのような流れで進むのか、どのような場合に向いているのか、そして気をつけるべきことは何かまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。経営が厳しいときに、あきらめる前に知っておきたい選択肢として、基本をしっかり理解しておきましょう。

経営が追い詰められると、視野が狭まり、もう会社をたたむしかない、と思い込んでしまいがちです。しかし、実際には、いくつかの道が残されていることも少なくありません。その道を知らないまま、早まった決断をしてしまうのは、あまりにも惜しいことです。まずは、どんな選択肢があるのかを知っておく。それが、いざというときに、後悔のない判断をするための備えになります。

民事再生のメリット

民事再生には、どのようなメリットがあるのでしょうか。その利点を知っておくと、なぜこの手続きが、会社を立て直す有力な選択肢となるのかが見えてきます。民事再生の主なメリットを見ていきましょう。利点を理解することが、判断の助けになります。

まず何よりも大きいのは、事業を続けながら、会社を立て直せることです。会社をたたむのではなく、事業は動かしたまま、抱えている負担を整理していく。これによって、会社が積み上げてきた事業の価値や、従業員の技術、取引先との関係などを、失わずにすみます。ゼロからやり直すのではなく、これまで築いてきたものを土台に、再建を図れるのが、大きな利点です。

次に、従業員の雇用を、守りやすくなることも重要なメリットです。会社をたたんでしまえば、そこで働く従業員は、職を失うことになります。しかし、事業を続けながら再建を図る民事再生であれば、従業員の雇用を守りながら、立て直しを進められる可能性があります。長年会社を支えてくれた従業員を路頭に迷わせずにすむことは、経営者にとっても、大きな救いになるはずです。

従業員にとって、会社は、生活の糧を得る場であるだけでなく、日々を過ごし、力を発揮する場でもあります。会社がなくなれば、その拠りどころを失うことになります。経営者にとって、従業員の生活を守れるかどうかは、重い問題です。事業を続けながら再建を図る道があれば、従業員とともに、もう一度会社を立て直すことを目指せます。人を守れることの意味は、小さくありません。

また、取引先との関係を保ちやすいことも、見過ごせない利点です。会社が消滅すれば、それまでの取引関係も、そこで途絶えてしまいます。しかし、事業を続けながら再建する民事再生であれば、取引先との関係を保ちながら、立て直しを進められることがあります。事業を支えてきた取引先とのつながりを維持できることは、再建を進めるうえでも、大きな力になります。関係の維持が、再起を後押しします。

事業というものは、会社の設備や資金だけでできているのではありません。長年培ってきた技術、従業員の経験、取引先や顧客からの信頼。そうした目に見えない財産の積み重ねが、事業を支えています。会社をたためば、これらは一度に失われます。しかし、事業を続ける民事再生であれば、こうしたかけがえのない財産を守りながら、再建を図れるのです。ここに大きな意味があります。

ゼロから事業を立ち上げるのが、どれほど大変なことかは、経営者ならよく分かるはずです。技術を蓄え、人を育て、取引先や顧客の信頼を得るには、長い年月がかかります。その積み重ねを、いったん手放してしまえば、取り戻すのは容易ではありません。だからこそ、今ある事業の土台を守りながら立て直せる民事再生には、ゼロからのやり直しにはない、大きな値打ちがあるのです。

民事再生の手続きの大まかな流れ

民事再生は、実際にはどのような流れで進んでいくのでしょうか。全体の流れを大まかにつかんでおくと、この手続きがどういうものか、より具体的に理解できます。手続きの大まかな流れを見ていきましょう。おおよその道すじを知ることが、備えにつながります。

手続きの全体像を知っておくと、いざ民事再生を検討することになったときにも、見通しを持って臨めます。何がどういう順で進むのかが分かっていれば、専門家との相談もかみ合いやすく、必要な準備にも早く取りかかれます。反対に、まったく知識がないままだと、一つひとつに戸惑い、対応が後手に回りかねません。おおまかな流れを頭に入れておくことには、確かな意味があるのです。

民事再生の手続きは、おおむね次のような流れで進んでいきます。一つずつ、段階を追って進んでいくことになります。

  1. まず、民事再生の手続きを始めるための申立てを行う。
  2. 手続きの開始が認められ、再建に向けた手続きが始まる。
  3. 会社を立て直すための計画を作成する。
  4. 関係者の了解などを経て、計画に沿って再建を進める。

まず、民事再生の手続きを始めるためには、その申立てを行う必要があります。会社が、事業を続けながら立て直しを図りたいという意思を示し、手続きの開始を求めます。この申立てが認められると、再建に向けた手続きが始まります。手続きの入り口となる、重要な一歩です。

この申立てを行うにあたっては、それまでに、しっかりとした準備を整えておくことが求められます。なぜ再建が必要なのか、どのように立て直していくのか。その道すじをある程度描いたうえで、手続きに入ることになります。行き当たりばったりで申立てをするのではなく、周到な準備のうえで踏み出す。その入念さが、その後の手続きを、より確かなものにするのです。

手続きが始まると、会社を立て直すための計画を作成していくことになります。抱えている負担を、今後どのように整理し、事業をどう立て直していくのか。その道すじを示すのが、この計画です。会社の実情を踏まえて、実現できる、しっかりとした計画を作ることが、再建の成否を大きく左右します。計画づくりは、民事再生の核心といえる部分です。無理のある計画は、途中で行き詰まりかねません。会社の実力に見合った、堅実な計画を描くことが求められます。

計画は、絵に描いた餅であってはなりません。関係者に、この計画なら実現できると信じてもらえるだけの、地に足のついた中身が求められます。事業をどう立て直し、どうやって負担を整理していくのか。その道すじが、具体的で、現実的でなければ、計画は絵空事に終わってしまいます。実現できる計画をどう描くか。ここに、民事再生の成否を分ける、大きな鍵があるのです。

そして、作成した計画について、関係者の了解などを経たうえで、その計画に沿って、実際に再建を進めていきます。計画は、作って終わりではなく、それを着実に実行していってこそ、意味があります。計画に沿って、地道に再建を進め、会社を立て直していく。この一連の流れを経て、会社は、再び立ち上がることを目指すのです。実行してこそ、再建は形になります。一つひとつの段階を、着実に踏んでいくことが、再建という長い道のりを歩み通すことにつながります。

どれほど立派な計画を作っても、それが実行されなければ、会社は立ち直りません。計画は、あくまで再建への設計図であり、実際に手を動かして、その設計図どおりに事業を立て直していってこそ、意味を持ちます。しかも、計画の実行には、いくつもの困難が伴うことがあります。それらを一つひとつ乗り越え、地道に計画をやり遂げること。それが、再建を現実のものにするのです。

民事再生が向いている場合

民事再生は、どのような場合に向いているのでしょうか。自社にとって、この手続きが選択肢になりうるかを考えるうえで、参考にしていただければと思います。民事再生が向いている場合について見ていきましょう。自社の状況と照らし合わせてみることが大切です。

民事再生が向いているのは、大まかにいえば、次のような場合だと考えられます。いずれも、事業を続けることに意味がある状況だといえます。

  • 事業そのものには、まだ続けていく価値がある場合。
  • 負担を整理すれば、立て直せる見込みがある場合。
  • 従業員の雇用や、取引先との関係を守りたい場合。
  • 会社をたたむのではなく、再建を目指したい場合。

まず、事業そのものには、まだ続けていく価値がある場合です。今は経営が苦しくても、事業自体には力があり、負担さえ整理できれば、立て直せる見込みがある。そうした場合には、事業を続けながら再建を図る民事再生が、有力な選択肢になります。事業に将来性があるのに、会社をたたんでしまうのは、もったいないことだからです。

一時の資金繰りの苦しさと、事業そのものの将来性とは、分けて考える必要があります。目の前の資金が足りないというだけで、まだ十分に力のある事業を手放してしまうのは、あまりにも惜しいことです。負担さえ整理できれば、再び軌道に乗せられる。そうした事業であれば、たたむのではなく、守り抜く道を探る価値があります。事業の力を、正しく見きわめることが大切です。

この見きわめを、感情や希望的観測だけで行うのは危険です。まだやれるはずだ、という思いだけで突き進んでも、事業に実力が伴わなければ、再建は成りません。逆に、悲観しすぎて、まだ力のある事業を手放すのも惜しいことです。事業の実力を、冷静に、客観的に見きわめる。そのためにも、専門家の目を借りて、現実に即した判断をすることが求められるのです。

次に、従業員の雇用や、取引先との関係を守りたい場合にも、民事再生は向いています。会社をたためば、これらは失われてしまいます。しかし、事業を続ける民事再生であれば、これらを守りながら、立て直しを進められる可能性があります。会社を支えてきた人々とのつながりを大切にしたいと考えるなら、民事再生を検討する意味は大きいといえます。

会社は、経営者一人のものではありません。そこで働く従業員、支えてくれる取引先、利用してくれる顧客。そうした人々とのつながりのなかで、会社は成り立っています。会社をたためば、これらのつながりは、すべて断ち切られてしまいます。そうしたつながりを守りながら、もう一度立ち上がる。民事再生は、そうした願いに応えうる、数少ない道の一つなのです。

もっとも、民事再生が向いているかどうかは、会社の状況によって変わってきます。事業の状態や、抱えている負担の程度、再建の見込みなど、さまざまな事情を踏まえて、慎重に判断する必要があります。民事再生が自社に向いているかどうかは、自己判断で決めてしまう前に、専門家に相談して、見きわめることをおすすめします。専門家の見立てが、判断の確かさを支えます。

民事再生で気をつけたいこと

民事再生は、会社を立て直す有力な手段ですが、気をつけるべき点もあります。どんな点に注意すればよいのかを知っておくことは、適切に手続きを進めるうえで欠かせません。気をつけたい点を見ていきましょう。注意点を知ることが、円滑な手続きにつながります。

まず気をつけたいのは、民事再生は、あくまで再建を目指す手続きであり、その成否は、再建の計画とその実行にかかっている、という点です。手続きを始めさえすれば、自動的に会社が立ち直るわけではありません。実現できる計画を作り、それを着実に実行していってこそ、再建は成し遂げられます。手続きを始めることは、あくまで再建への出発点にすぎないのです。

注意
民事再生は、手続きを始めさえすれば会社が立ち直る、というものではありません。その成否は、実現できる計画を作り、それを着実に実行できるかにかかっています。また、手続きには関係者の理解や協力も必要になります。安易に考えず、専門家の助けを得ながら、しっかりとした再建の道すじを描くことが欠かせません。

次に気をつけたいのは、手続きを進めるには、関係者の理解や協力が必要になる、という点です。会社の再建は、会社だけで進められるものではありません。会社に関わるさまざまな人々の理解や協力があってはじめて、手続きは前に進みます。こうした関係者との関係を、丁寧に保ちながら手続きを進めることが、再建を成功させるうえで欠かせないのです。独りよがりでは、再建は成りません。

会社の再建は、多くの関係者の理解と協力があってこそ、成し遂げられるものです。だからこそ、自社の都合だけを押し通そうとするのではなく、関係者の立場にも配慮しながら、丁寧に手続きを進めることが求められます。誠実な姿勢で臨めば、関係者の理解も得やすくなります。再建は、周りとの信頼関係のうえに築かれるものだということを、忘れてはなりません。

また、民事再生の手続きは、専門的で、複雑なものです。手続きの進め方や、計画の作り方など、専門的な知見を要する場面が数多くあります。これを自社だけで進めようとするのは、現実的ではありません。民事再生を検討するときは、早い段階から専門家の力を借りることが、手続きを適切に進めるうえで欠かせないのです。専門家とともに進めることが、再建への近道になります。

専門的で複雑な手続きを、知識のないまま自社だけで進めようとすれば、あちこちでつまずき、かえって時間も労力もかかってしまいます。それどころか、進め方を誤れば、再建そのものが立ち行かなくなりかねません。はじめから専門家の力を借りれば、勘所を押さえて、着実に手続きを進められます。専門家に頼ることは、遠回りではなく、再建への確かな近道なのです。

早めの決断と準備の大切さ

民事再生をめぐって、何より大切なのが、早めに決断し、準備を進めることです。経営が苦しくなったとき、対応が遅れれば遅れるほど、選べる道は狭まっていきます。早めの対応の大切さについて見ていきましょう。時間が、再建の可能性を左右します。

経営が苦しくなったとき、多くの経営者は、なんとか自力で持ち直せないかと、ぎりぎりまで粘ろうとします。その思いは、よく分かります。しかし、粘っているうちに、状況がさらに悪化し、気づいたときには、再建の道さえ閉ざされていた、ということも少なくありません。粘ることが、かえって選択肢を狭めてしまうこともあるのです。早めの見きわめが肝心です。

粘ること自体が悪いわけではありません。問題は、粘りながらも、いざとなったらどうするかを、あわせて考えておかないことです。自力での立て直しを目指しつつ、それが難しくなったときの選択肢も、あらかじめ視野に入れておく。そうしておけば、いよいよというときに、慌てず、次の一手を打てます。粘ることと、備えることは、両立できるのだと心得ておきたいところです。

ワンポイントアドバイス
民事再生による再建を成功させる鍵は、早めに決断し、準備を始めることにあります。経営が苦しくなってから対応が遅れるほど、事業の価値は失われ、再建の見込みも狭まっていきます。まだ立て直せる余力があるうちに、専門家に相談し、選択肢を見きわめる。その早さが、会社を救う可能性を大きく広げます。

民事再生による再建は、まだ立て直せる余力が残っているうちに着手するほど、成功しやすくなります。事業の価値が失われ、資金が尽きてしまってからでは、再建は難しくなります。だからこそ、経営が苦しいと感じたら、手遅れになる前に、早めに専門家に相談し、選択肢を見きわめることが大切です。早めの相談が、会社を救う可能性を大きく広げるのです。ためらいが、時を奪います。

また、民事再生には、しっかりとした準備が欠かせません。再建の計画を練り、関係者への対応を考え、必要な手続きを整える。こうした準備を、慌ただしいなかで行うのは容易ではありません。早めに着手すれば、それだけ、じっくりと準備を進められます。時間の余裕は、準備の質を高め、再建の成功率を高めることにつながるのです。備えの時間を確保したいところです。焦って作った計画と、時間をかけて練った計画とでは、その説得力も、実現の見込みも、まるで違ってきます。

準備に十分な時間をかけられるかどうかは、再建の質を大きく左右します。追い詰められてから慌てて動けば、練り込みの足りない計画しか作れず、関係者への対応も後手に回りかねません。時間に余裕があれば、事業の立て直し方をじっくり検討し、関係者にも丁寧に向き合えます。早めに動いて時間を確保することが、それだけ、再建の成功に近づくことになるのです。

会社が取り組むべきことと専門家の活用

ここまで、民事再生について見てきました。最後に、会社としてどう取り組んでいけばよいか、そして専門家をどう活かせばよいかを整理しておきましょう。早めの決断と、専門家の力の活用が、会社の再建を支えます。

まず心がけたいのは、経営が苦しくなったとき、会社をたたむことだけが道ではない、と知っておくことです。事業を続けながら立て直す民事再生という選択肢があることを、頭に入れておく。それだけで、いざというときに、あきらめる前に、再建の道を検討できます。選択肢を知っておくことが、会社の未来を守る第一歩になるのです。まずは、道があることを知ることが大切です。

追い詰められた経営者が、最悪の決断を避けられるかどうかは、選択肢を知っているかどうかにかかっていることが少なくありません。会社をたたむしかない、と思い込んでいた人が、民事再生という道を知って、踏みとどまれることもあります。だからこそ、たとえ今は必要がなくても、こうした選択肢があることを、頭の片隅に置いておいてほしいのです。知識が、いざというときの支えになります。

次に、民事再生への対応は、専門的な判断を要することを踏まえ、無理に自社だけで抱え込まないことです。民事再生が自社に向いているか、どう手続きを進めるか、どのような計画を作るかなど、判断の難しい場面が数多くあります。あいまいなまま進めては、再建もおぼつきません。判断に迷う点は、専門家に確かめながら進めるのが確実です。専門家の力が、再建を確かなものにします。

再建の道のりには、判断に迷う場面が、いくつも待ち受けています。そのたびに、経験のある専門家の助言があれば、道を誤らずに進めます。自社だけで悩んでいては見えなかった選択肢が、専門家の視点によって開けることもあります。心強い伴走者を得て進むことが、先の見えない再建の道を、確かな一歩ずつ進んでいく支えになるのです。

また、何より大切なのが、早めに動くことです。経営が苦しいと感じたら、手遅れになる前に、早めに専門家に相談する。まだ立て直せる余力があるうちに動くことが、再建の可能性を大きく広げます。ぎりぎりまで粘ってから相談するのではなく、早めに選択肢を見きわめる。その一歩が、会社の運命を分けることもあるのです。早めの行動を、ためらわないでください。

経営者が相談をためらう背景には、まだ大丈夫だ、という思いや、専門家に相談するのは大ごとだ、という気後れがあることも少なくありません。しかし、早めの相談は、決して大げさなことではなく、むしろ賢明な備えです。まだ余力があるうちに相談すれば、選べる道も多く残されています。ためらっている間に道が狭まる前に、まずは一歩、相談に踏み出すことをおすすめします。

民事再生をはじめとする会社の再建の選択肢や、その手続き、進め方に不安があるときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。専門家の力を借りれば、自社に合った再建の道を見きわめ、手続きを適切に進められます。日ごろから相談できる関係を築いておくと、経営が厳しくなったときにも、落ち着いて選択肢を検討できます。

経営の危機は、多くの場合、予告なくやってきます。そのとき、一から相談先を探すのでは、貴重な時間を失いかねません。日ごろから会社の事情を分かってくれる専門家とつながっておけば、いざというときに、すぐ相談し、素早く動けます。ふだんからの関係が、危機に際しての対応の速さと確かさを、大きく左右するのです。備えとは、そうしたつながりを持っておくことでもあります。

民事再生に関するよくある質問

民事再生をすると、会社はなくなってしまうのですか

いいえ、民事再生は、会社を消滅させる手続きではなく、事業を続けながら会社を立て直すための手続きです。会社をたたむのではなく、事業は動かしたまま、抱えている負担を整理し、再建を目指します。従業員の雇用や取引先との関係を守りながら、会社を存続させ、再び立ち上がることを目指すものです。経営が苦しくても、会社を生かす道があることを知っておきましょう。

民事再生には、どんなメリットがありますか

最も大きいのは、事業を続けながら会社を立て直せることです。これにより、これまで築いてきた事業の価値や従業員の技術、取引先との関係を失わずにすみます。従業員の雇用を守りやすいことや、取引先との関係を保ちやすいことも、大きなメリットです。ゼロからやり直すのではなく、これまで築いてきたものを土台に再建を図れる点が、民事再生の大きな利点だといえます。

民事再生は、どんな会社に向いていますか

事業そのものにはまだ続けていく価値があり、負担を整理すれば立て直せる見込みがある会社や、従業員の雇用や取引先との関係を守りながら再建を目指したい会社に向いています。ただし、向いているかどうかは会社の状況によって変わるため、事業の状態や負担の程度、再建の見込みなどを踏まえ、専門家に相談して慎重に見きわめることをおすすめします。

民事再生を検討したいときは、どこに相談すればよいですか

民事再生が自社に向いているかや、手続きの進め方、再建の計画づくりで判断に迷うときは、企業の法務にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。民事再生は、早めに動くほど再建の可能性が広がります。経営が苦しいと感じたら、手遅れになる前に、早めに相談することが大切です。平時から相談できる体制を整えておけば、いざというときにも落ち着いて対応できます。

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