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会社の倒産の手続きには複数の種類がある
経営が行き詰まり、倒産という言葉が頭をよぎる。しかし、倒産とは具体的に何を指すのか、どのような手続きがあるのかは、いざ直面するまで、よく分からないものです。倒産といえば、会社がなくなり、すべてを失う。そんな漠然としたイメージを抱いている方も多いでしょう。まずお伝えしておきたいのは、会社の倒産の手続きには、複数の種類があるということです。
この、複数の種類がある、という事実こそが、この記事で最もお伝えしたいことです。倒産という一つの言葉が、実にさまざまな手続きを含んでいます。その違いを知っていれば、危機に直面したときも、自社に合った道を選べます。知らなければ、選択肢があること自体に気づけません。まずは、この全体像を持つことが、大切な備えになるのです。
倒産の手続きは、大きく分けると、二つの方向に整理できます。一つは、会社を立て直すことを目指す、再建のための手続きです。もう一つは、会社を終わらせることを前提とした、清算のための手続きです。同じ倒産といっても、目指す先はまったく異なります。この違いを知らないまま、倒産イコール会社の終わり、と思い込むのは、正しくありません。
この思い込みは、経営者から、選べたはずの道を奪ってしまいます。倒産はすべての終わりだと思えば、その言葉を口にすることすら避け、ぎりぎりまで問題に向き合えなくなります。しかし、実際には、倒産の手続きのなかには、会社を救う道もあるのです。その事実を知ることが、危機に冷静に向き合うための、出発点になります。
この二つの方向があることは、経営者にとって、大きな意味を持ちます。経営が苦しくなったからといって、直ちに会社をたたむしかない、というわけではないからです。事業に見込みがあれば、立て直しを目指す道を選べることもあります。どの手続きが自社に適しているかは、会社の状況によって変わってくるのです。
大切なのは、自社が今どのような状態にあるのかを、正しく見きわめることです。事業に力が残っているのか、資金はどれだけあるのか。その状態によって、選べる手続きは変わってきます。すべての会社に当てはまる正解があるわけではなく、その会社の状況に応じた、最も適した道を選ぶ。それが、倒産の手続きの考え方なのです。
この、その会社に応じた道を選ぶ、という考え方は、倒産の手続き全体を貫くものです。だからこそ、他社がこうしたから自社も、という発想は当てはまりません。自社の事業の力、資金の状況、債権者との関係。これらを踏まえて、自社にとって最も適した道を選ぶ。その見きわめのために、専門家の知見が生きてくるのです。
ここを理解しておかないと、選べたはずの道を見落とすことになります。まだ立て直せる状態なのに、もう終わりだと思い込んでたたんでしまう。あるいは、立て直しが難しい状態なのに、無理に続けようとして、傷を深める。どちらも、手続きの種類とその選び方を知らないことから生じる、避けたい事態なのです。
とりわけ怖いのが、判断を誤ったことに、後になってから気づくことです。もっと早く相談していれば立て直せた、あるいは、もっと良い区切りのつけ方があった。そうした後悔は、選択肢を知らなかったことから生まれます。だからこそ、危機に直面する前に、あるいは直面したらすぐに、正しい知識を得ることが大切になるのです。
この記事では、倒産の手続きにはどのような種類があるのか、再建のための手続きと清算のための手続きはどう違うのか、どのように手続きが選ばれるのか、そして直面したときにどう動くべきかまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。倒産という事態に直面した、あるいは不安を抱える経営者の方に、判断の土台をお伝えします。
読者の方のなかには、まさに今、経営の危機に直面している方もいるでしょう。あるいは、先行きへの不安から、あらかじめ知っておきたい、という方もいるかもしれません。どちらの場合でも、まずは倒産の手続きの全体像を、正しく理解することが出発点になります。順を追って見ていきましょう。
なお、この記事でお伝えするのは、倒産の手続きをめぐる基本の考え方です。実際にどの手続きが適しているかは、会社の状況によって大きく変わります。ここで得た知識を土台にしながら、具体的な判断は、専門家と一緒に考えていただければと思います。まずは、手続きが一つではなく、なかには立て直しの道もあることを知ることが、第一歩になります。
再建を目指す手続きと清算する手続き
まず、倒産の手続きを、二つの方向に分けて整理しておきましょう。再建を目指す手続きと、清算する手続き。この二つの性格の違いを理解することが、倒産の手続き全体を理解する土台になります。順に見ていきましょう。
再建を目指す手続きは、経営が行き詰まった会社が、事業そのものは続けながら、債務の負担を整理して立て直しを図るものです。会社を存続させ、再び立ち上がることを目指します。取引先との関係や、社員の雇用も、可能な限り守りながら進められます。事業に、なお収益を生む力があり、立て直しの見込みがある場合に、選ばれる道です。
一方、清算する手続きは、会社を終わらせることを前提として、会社の財産を整理し、債務の返済にあてたうえで、会社そのものを消滅させるものです。事業を続けることが難しいと判断される場合に、きちんとした手順を踏んで、会社に区切りをつける。この手続きによって、会社をめぐる法律上の関係が、整理されることになります。
ここで押さえておきたいのは、倒産の手続きには、事業を続けて立て直しを図る再建型と、会社を終わらせて財産を整理する清算型があり、目指す先が根本的に異なるという発想です。同じ倒産という言葉でくくられていても、この二つは、まったく方向の違うものです。まずは、この基本の区別を、しっかりと押さえておく必要があります。
この区別を出発点にすると、自社が向き合うべき問いも見えてきます。自社は、立て直しを目指せる状態なのか、それとも区切りをつけるべき状態なのか。この問いに答えることが、適した手続きを選ぶための、最初の一歩になります。もっとも、この見きわめ自体が難しいため、そこに専門家の助けが必要になるのです。
さらに、これらの手続きには、裁判所が関与して進めるものと、裁判所を通さずに、債権者との話し合いによって進めるものもあります。裁判所を通す手続きは、決められた枠組みに沿って進む一方、話し合いによる手続きは、外部に知られにくく、柔軟に進められる面があります。どの進め方が適しているかも、状況によって変わってきます。
裁判所を通す手続きは、公正で、決められた枠組みに沿って確実に進むという安心感があります。一方、話し合いによる手続きは、その事実が外部に知られにくく、事業への影響を抑えられる場合があるという利点があります。それぞれに長所があり、どちらが適しているかは、会社の状況や、何を優先したいかによって変わってくるのです。
このように、倒産の手続きといっても、その中身はさまざまです。再建か清算か、裁判所を通すか通さないか。こうした違いによって、いくつもの手続きが用意されています。自社の状況に、どの手続きが適しているのか。それを見きわめることが、倒産という事態に向き合ううえで、出発点になるのです。
裏を返せば、この見きわめを誤ると、適さない手続きを選んでしまい、かえって事態を悪くしかねません。だからこそ、数ある手続きのなかから自社に合ったものを選ぶには、それぞれの手続きの中身を知り、自社の状況を正確に把握したうえで、専門家の助言を得ることが欠かせないのです。まずは、選択肢があることを知ることから始めましょう。
再建型の手続きの特徴
では、それぞれの手続きについて、もう少しくわしく見ていきましょう。まずは、会社の立て直しを目指す、再建型の手続きです。会社を終わらせたくない、事業を続けたいと考える経営者にとって、この手続きの中身を知ることは、大きな意味を持ちます。
再建型の手続きの中心にあるのは、債務をどのように整理し、返済していくかを定めた計画です。会社は、この計画を立て、債権者の同意などを得たうえで、その計画に沿って事業を続けながら、立て直しを進めていきます。債務の負担を軽くしてもらいつつ、事業が生み出す力によって、返済と再建を両立させていくのが、その基本的な仕組みです。
ここに、再建型の手続きの巧みさがあります。債務を一度に全額返すのは難しくても、負担を軽くしてもらい、時間をかけて返していけるのなら、道は開けます。そして、その返済の元手は、続けている事業が生み出します。事業を止めずに続けるからこそ、返済も立て直しも可能になる。この仕組みが、会社の再起を、現実のものにするのです。
この手続きの大きな特徴は、会社を存続させ、事業を続けられる点にあります。清算とは異なり、会社は消滅しません。長年かけて築いてきた事業や、取引先との関係、社員の雇用を、可能な限り守りながら、再起を図ることができます。会社を失わずに済むという点で、経営者にとって、最も望ましい道の一つといえます。
会社を守れることの意味は、経営者一人にとどまりません。事業が続けば、そこで働く社員は職を失わずに済みますし、取引を続けてきた相手も、取引先を失わずに済みます。会社を存続させることは、その会社に関わる多くの人々を守ることでもあるのです。再建型の手続きが持つ価値は、まさにこの点にあるといえます。
ただし、再建型の手続きを進めるには、いくつかの条件が必要です。まず、事業そのものに、なお収益を生む力が残っていること。そして、それを支えるだけの資金が確保できること。さらに、立て直しの計画について、債権者の理解が得られること。こうした条件が整って初めて、再建の道は現実のものになります。
これらの条件のなかでも、とりわけ大きいのが、事業に収益を生む力が残っているかどうかです。どれほど会社を残したいと願っても、事業そのものが立ち行かなくなっていては、立て直しようがありません。逆に、過去の負債が重すぎて回らなくなっているだけで、事業自体は健全なのであれば、負債を整理することで、道が開けることもあるのです。
それだけに、再建を目指すのであれば、早い段階で動くことが決定的に重要になります。資金が尽き、事業を続ける力も失われてからでは、再建の前提そのものが崩れてしまいます。まだ体力が残っているうちに動けば、再建の道は開けます。逆に、手遅れになってからでは、その道は閉ざされてしまうのです。
この、早く動くことの大切さは、いくら強調してもしすぎることはありません。経営者の多くは、ぎりぎりまで自力での立て直しを試み、もう手立てがなくなってから相談に訪れます。しかし、そのときには、再建に必要な力も残っていないことが少なくありません。まだ余力があると思えるうちが、実は動きどきなのです。
清算型の手続きの特徴
次に、会社を終わらせることを前提とした、清算型の手続きを見ていきましょう。事業を続けることが難しいと判断される場合には、この手続きによって、会社に区切りをつけることになります。つらい決断ではありますが、その中身を知っておくことにも、意味があります。
清算型の手続きは、会社の財産を整理し、それを債務の返済にあてたうえで、会社そのものを消滅させるものです。会社を続けることを断念し、法律に沿った手順で、その事業に終止符を打つ。会社をめぐる債務や財産の関係を、きちんと整理して、区切りをつけるための手続きだといえます。
区切りをつけるといっても、それは、ただ会社を消すことではありません。債権者に対して、残された財産のなかから、公正に返済を行うという意味も持っています。曖昧なまま事業を放り出すのではなく、法律に沿った手順で、関係者への責任を果たしながら幕を引く。それが、清算という手続きの持つ、もう一つの意味なのです。
この手続きでは、多くの場合、会社の財産の管理や処分が、専門的な立場の者に委ねられることになります。会社の財産が、公正な手順で整理され、債権者への返済にあてられていく。経営者の手を離れて、決められた枠組みに沿って、清算が進められるのです。経営者としては、その手続きに協力する立場になります。
この点は、再建型との、大きな違いの一つです。再建型では、原則として経営者が事業を続けながら立て直しを進めますが、清算型では、財産の整理が専門的な立場の者に委ねられます。会社を終わらせる以上、その財産が公正に処理されることが求められるため、こうした仕組みがとられているのです。
経営者の手を離れて手続きが進むことには、つらさを伴う面もあります。自ら築いてきた会社の財産が、整理されていくのを見るのは、簡単なことではありません。しかし、それは、会社をめぐる関係をきちんと整理し、区切りをつけるために必要な過程でもあります。公正な手順で進められることが、かえって、後々の禍根を残さないことにつながるのです。
清算型の手続きにも、いくつかの進め方があります。会社の財産の状況などによって、とられる手続きは変わってきます。どの手続きによるのが適切かは、専門的な判断を要するところです。会社をたたむといっても、そのやり方は一様ではなく、状況に応じた進め方があるのだと理解しておくとよいでしょう。
この点を知っておくことは、清算を考える経営者にとっても、意味があります。たたむしかないと思い詰めていても、そのなかに、より負担の少ない進め方や、関わる人々への影響を抑える方法があるかもしれません。清算だからどれも同じ、と考えず、その場合でも、より良い進め方を専門家とともに探る余地があるのです。
そして、清算を選ぶ場合でも、そのやり方によって、その後の経営者の生活や、取引先への影響は変わってきます。どのように区切りをつけるかにも、選択の余地があるのです。だからこそ、清算という決断をする場合でも、自己流で進めるのではなく、専門家とともに、最も良い進め方を考えることが大切になります。
清算は、終わりであると同時に、次への区切りでもあります。きちんと整理をつけて区切りをつければ、経営者自身が、次の一歩を踏み出す土台にもなります。逆に、中途半端なまま放置すれば、後々まで問題を引きずることになりかねません。だからこそ、たたむと決めた場合でも、その進め方には、慎重さと専門家の助けが必要なのです。
どのように手続きが選ばれるか
再建型と清算型、それぞれの特徴を踏まえたうえで、では、実際にどのように手続きが選ばれるのでしょうか。自社にとって、どの道が適しているのか。その見きわめの考え方を、整理しておきましょう。この判断こそ、専門家の力が最も生きるところです。
まず、最も大きな分かれ目になるのが、事業に、なお収益を生む力があるかどうかです。債務の重さを別にして考えたとき、その事業は、続けていけば収益を生めるのか。ここに見込みがあれば、再建を目指す道が開けます。逆に、事業そのものが立ち行かなくなっているのであれば、清算を考えることになります。
次に、会社にどれだけの体力が残っているかも、重要な要素です。再建を目指すには、事業を続けるための資金が必要です。手元にどれだけの資金があり、どこまで持ちこたえられるのか。体力が残っているうちであれば、再建の選択肢を取れますが、それを使い果たしてからでは、再建は難しくなります。
さらに、債権者との関係や、その理解が得られる見込みも、判断に関わってきます。再建の計画にせよ、話し合いによる整理にせよ、債権者の協力なしには進みません。債権者との関係がまだ保たれていて、立て直しへの理解が得られそうかどうか。これも、選べる手続きを左右する要素になります。
債権者との関係は、時間とともに変化します。支払いが滞り、混乱が広がってからでは、債権者の信頼は失われ、協力を得ることも難しくなります。関係がまだ保たれているうちであれば、立て直しへの理解も得やすいものです。ここでも、早く動くことが、選べる道を広げることにつながっているのが分かります。
これらの要素は、いずれも、個々の会社の具体的な状況によって変わってきます。同じように苦しい状況に見えても、事業の力や、残された体力、債権者との関係によって、適した手続きは異なります。だからこそ、自己流で決めつけるのではなく、専門家とともに、自社の状況を正確に見きわめることが大切になるのです。
経営者は、自社の事業に思い入れがあるだけに、その見通しについて、身びいきが入りやすいものです。まだ大丈夫だと思いたい気持ちが、冷静な判断を曇らせることもあります。第三者である専門家の目が入ることで、自社の状況を、あるがままに見つめ直せます。その客観的な見きわめが、適した手続きを選ぶための、確かな土台になるのです。
倒産の危機に直面したときにどう動くか
では、実際に倒産の危機に直面したとき、経営者はどう動けばよいのでしょうか。混乱のなかでも、押さえておきたい行動の指針があります。ここでは、その要点を整理しておきましょう。適切な初動が、その後の展開を大きく左右します。
- 一人で抱え込まず、できるだけ早く専門家に相談する。
- 会社の財産と債務、資金の動き、事業の力を、正確に把握する。
- 追い詰められた末の、その場しのぎの対応を避ける。
- 専門家とともに、再建か清算かを含めて、選べる道を検討する。
まず何よりも大切なのが、一人で抱え込まず、できるだけ早く専門家に相談することです。倒産の手続きは複雑で、どの道が適しているかの判断は、専門的な知識を要します。経営者が一人で悩み、動きを遅らせているうちに、選べる道は減っていきます。早い相談こそが、選択肢を残す、最も確実な方法なのです。
次に、追い詰められた末の、その場しのぎの対応を避けることです。目先の資金繰りのために、条件を顧みずに資金を借りたり、一部の債権者にだけ支払ったりする。そうした場当たりの対応は、後の手続きのなかで問題となり、事態をかえって悪化させることがあります。冷静に判断できるうちに、専門家に相談することが大切です。
そして、会社の状況を、正確に把握しておくことです。財産と債務がそれぞれどれくらいあるのか、資金はどう動いているのか、事業になお力があるのか。これらを把握しておくことで、専門家との相談も、実りあるものになります。見たくない現実かもしれませんが、そこから目をそらしていては、適切な判断はできません。
数字を前にすると、思っていたより悪かった、と感じることもあるでしょう。それでも、正確な現状を知ることは、必ず前進です。曖昧なまま不安を抱えているより、はっきりした現実に向き合うほうが、心はむしろ落ち着きます。そこから、では何ができるか、という具体的な検討が始められるのです。
倒産という事態は、経営者にとって、これ以上ないほど重いものです。しかし、正しい知識をもって、早く動けば、被害を抑え、場合によっては会社を立て直す道も残されています。大切なのは、恐れて立ちすくむのではなく、一歩を踏み出すことです。その一歩が、会社と、そこに関わる人々を守ることにつながります。
倒産の危機に瀕したとき、経営者が下せる最も価値のある判断は、しばしば、自分だけで背負うのをやめる、という判断です。それは、逃げではありません。会社と、社員と、取引先を守るために、最後まで責任を果たそうとする姿勢にほかならないのです。恐れずに、まず専門家に相談する。その一歩から、道は開けていきます。
会社が取り組むべきことと専門家の活用
ここまで、倒産の手続きの種類から、再建型と清算型の特徴、手続きの選び方、そして危機に直面したときの動き方まで見てきました。あらためて整理すると、経営者が心がけるべきことは、いくつかの柱にまとめられます。倒産の手続きは一つではないと知ること。再建の道もありうると理解すること。早い段階で動くこと。そして、現実を正確に把握すること。これらが基本の姿勢になります。
倒産という言葉には、すべてを失うという、暗いイメージがつきまといます。しかし、実際には、その手続きにはいくつもの種類があり、なかには会社を立て直す道もあります。そのことを知っているかどうかで、危機に直面したときの選択は、大きく変わります。正しい知識を持つことが、絶望せずに、次の一歩を選ぶための土台になるのです。
経営が苦しくなったとき、経営者を最も追い詰めるのは、先が見えないことかもしれません。どうなってしまうのか分からないという不安が、判断を鈍らせ、動きを止めます。しかし、どのような手続きがあり、どう選ばれるのかを知っていれば、その不安は和らぎます。知識は、暗闇のなかの灯りのように、進むべき方向を照らしてくれるのです。
とはいえ、どの手続きが自社に適しているのか、いつ、どう動くべきか。こうした判断は、専門的で難しいものです。判断を誤れば、立て直せたはずの会社を救えなくなったり、より良い区切りのつけ方を逃したりしかねません。だからこそ、倒産の危機に直面したら、自己流で進めず、早い段階で専門家に相談することが不可欠です。
とりわけ、経営の危機に直面した場面では、企業の倒産や事業の再生にくわしい弁護士に相談することが有効です。弁護士は、自社がどの手続きを選べるのか、その手続きを進めるには何が必要かを、会社の状況に照らして具体的に示してくれます。一人で抱え込んで動きどきを逃す前に、専門家の目を通しておくことが、会社を守ることにつながります。
また、危機に陥ってからだけでなく、その手前で相談できる関係を築いておくことにも、大きな意味があります。日ごろから会社の状況を知る専門家がいれば、危うい兆しを早く捉え、手を打つことができます。倒産という最悪の事態を避け、あるいはその影響を最小限に抑える。そのために、信頼できる専門家とつながっておくことが、大きな支えになるのです。
倒産という言葉に、必要以上に恐れを抱く必要はありません。大切なのは、その手続きの中身を正しく知り、自社の状況を見きわめ、適切な道を、適切なタイミングで選ぶことです。そのために、専門家の力を借りる。この記事が、倒産という事態を、正しく理解し、冷静に向き合うための一助となれば幸いです。
会社の倒産の手続きに関するよくある質問
倒産すると、必ず会社はなくなるのですか
そうとは限りません。会社の倒産の手続きには、大きく分けて、会社を立て直すことを目指す再建型の手続きと、会社を終わらせることを前提とした清算型の手続きがあります。事業になお収益を生む力があり、立て直しの見込みがある場合には、会社を存続させ、事業を続けながら再建を図る道を選べることもあります。倒産イコール会社の終わり、と思い込む必要はないのです。
再建型と清算型は、どう違うのですか
再建型の手続きは、事業そのものは続けながら、債務の負担を整理して立て直しを図るもので、会社を存続させ、取引先との関係や社員の雇用も可能な限り守りながら進められます。一方、清算型の手続きは、会社の財産を整理して債務の返済にあて、会社そのものを消滅させるものです。同じ倒産でも、事業を続けて立て直すか、会社を終わらせて区切りをつけるか、目指す先が根本的に異なります。
どちらの手続きになるかは、どう決まりますか
最も大きな分かれ目は、事業になお収益を生む力があるかどうかです。ここに見込みがあれば再建を目指す道が開け、事業そのものが立ち行かないのであれば清算を考えることになります。加えて、会社にどれだけの体力が残っているか、債権者の理解が得られる見込みがあるかも関わってきます。これらは個々の状況によって変わるため、専門家とともに正確に見きわめることが大切です。
倒産の危機に直面したら、誰に相談すればよいですか
どの手続きが自社に適しているか、いつどう動くべきかといった判断は難しいため、企業の倒産や事業の再生にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。とりわけ、選べる道は時間とともに減っていくため、一人で抱え込んで動きどきを逃す前に、できるだけ早く相談することが大切です。早い相談が、被害を抑え、場合によっては会社を立て直す道を残すことにつながります。
