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IT分野にくわしい弁護士が必要とされる場面
会社の事業に、インターネットや情報の技術が深く関わるようになりました。それに伴って、これまでにはなかった種類の問題も、次々と生じています。取引の形が変わり、扱う情報が増え、インターネット上での評判が事業を左右する。そうしたなかで、この分野にくわしい弁護士の必要性が、高まっています。まずは、その背景を整理しておきます。
かつては、情報の技術に関わる問題は、一部の会社だけのものでした。しかし今では、どの会社も、何らかの形でインターネットや情報の技術と関わって事業を営んでいます。それに伴い、この分野の問題は、業種を問わず、あらゆる会社に生じうるものになりました。他人事ではなくなった、というのが、いまの実情です。
IT分野にくわしい弁護士とは、インターネットや情報の技術に関わる法律の問題を、得意とする弁護士のことです。この分野に特有の取引や、そこで生じる問題について、専門的な知識と経験を持ち、会社の相談に応じてくれます。同じ弁護士でも、得意とする分野はそれぞれ異なり、この分野を強みとする弁護士がいるのです。
弁護士なら誰でも、どんな問題にも同じように対応できる、というわけではありません。医師に専門があるように、弁護士にも、力を入れて取り組んでいる分野があります。だからこそ、相談する際には、その問題を得意とする弁護士を選ぶことが大切になります。誰に頼むかで、結果が変わることもあります。
なぜ、この分野に特化した知見が必要なのでしょうか。それは、インターネットや情報の技術をめぐる問題が、独特の性質を持つからです。取引の形が従来と異なり、扱われるものに形がなく、問題が生じたときの対応にも、この分野ならではの手続きが関わってきます。一般的な知識だけでは、対応が難しい場面が少なくありません。
たとえば、インターネット上の書き込みへの対応は、通常の紛争とは、まったく異なる手順を踏むことになります。相手が誰かも分からないところから始まることも多く、その特定自体に、専門的な手続きが必要です。こうした、この分野ならではの進め方に通じているかどうかが、対応の成否を大きく分けることになります。
ここで押さえておきたいのは、インターネットや情報の技術に関わる問題は独特の性質を持つためこの分野にくわしい弁護士に相談することでより的確な対応が期待できるという発想です。誰に相談するかによって、得られる助言の質は変わります。分野に応じた専門性を、意識して選ぶことが大切です。
この視点を持たずに、たまたま知っている弁護士に相談しても、その分野が専門でなければ、十分な対応を得られないことがあります。もちろん、その弁護士が適した相手を紹介してくれることもありますが、はじめから分野を意識して探せば、遠回りを避けられます。専門性を意識することが、時間を無駄にしないことにもつながります。
この記事では、この分野にくわしい弁護士がどのような場面で力を発揮するのか、その強みはどこにあるのか、どのように選べばよいのか、そしてどう付き合えばよいのかまでを、弁護士の視点から順を追って見ていきます。事業に情報の技術が関わる会社の経営者の方に、相談先を選ぶ手がかりをお伝えします。
読者の方のなかには、まさに今、この分野の問題に直面していて、相談先を探している方もいるでしょう。あるいは、事業を広げるにあたって、備えておきたい、という方もいるかもしれません。どちらの場合でも、まずはこの分野の専門性について、正しく理解することが出発点になります。順を追って見ていきます。
なお、この記事でお伝えするのは、この分野の弁護士に相談する際の基本の考え方です。実際にどの弁護士が自社に適しているかは、直面する問題や、事業の中身によって変わってきます。ここで得た視点を土台にしながら、実際に相談してみて、相性を確かめていただければと思います。選び方の勘どころを知ることが第一歩です。
どのような場面で力を発揮するか
まず、この分野にくわしい弁護士が、どのような場面で力を発揮するのかを整理しておきます。自社が直面しうる問題を思い浮かべながら、読んでいただければと思います。主な場面には、たとえば次のようなものがあります。
- インターネット上での、誹謗中傷や風評被害への対応。
- 会社が扱う情報の管理や、その漏えいへの対応。
- 情報の技術に関わる、取引や開発の契約。
- 会社が生み出した技術やしるしなど、知的財産の保護。
- インターネットを通じた事業に関わる、法律上の判断。
まず、多くの会社が直面するのが、インターネット上での誹謗中傷や、風評被害の問題です。事実ではない情報を書き込まれ、会社の信用が傷つけられる。こうした問題への対応には、この分野に特有の手続きが関わってきます。どのような対応が取れるのか、どう進めるべきかを、専門的に判断できる弁護士の存在が、大きな支えになります。
誹謗中傷への対応は、放置すれば被害が広がる一方で、感情的に応戦すれば、かえって騒ぎを大きくしかねません。その中間の、冷静で適切な対応を取るには、専門的な知見が要ります。何ができて、何をすべきでないかを示してもらえること。それが、この分野の弁護士に相談する、大きな意味の一つになります。
次に、会社が扱う情報の管理や、その漏えいへの対応も、重要な場面です。会社には、守るべき情報が数多くあり、その管理の仕組みをどう整えるか、万一漏れたときにどう対応するかは、専門的な判断を要します。この分野にくわしい弁護士であれば、備えの段階から、具体的な助言を得ることができます。
情報の管理は、問題が起きてから整えるのでは遅すぎます。どのような仕組みを整え、どのようなルールを定めるべきか。その設計の段階から助言を得られれば、そもそも漏えいが起きにくい体制を築けます。備えの段階での関与こそ、この分野の専門家を活かす、賢い使い方だといえます。
さらに、情報の技術に関わる取引や、開発の契約も、この分野ならではの難しさがあります。成果について誰が権利を持つのか。こうした点を、契約のなかで明確に定めるには、この分野への理解が欠かせません。契約の段階で専門家の目を通すことが、後々のトラブルを防ぎます。
情報の技術に関わる取引では、目に見えないものをやり取りするだけに、認識の食い違いが生じやすいものです。どこまでが約束の範囲なのか、できあがったものの権利は誰のものか。こうした点をあいまいにしたまま進めると、後で深刻な争いになります。契約の段階での確認が、その予防になります。
IT分野で弁護士に相談の多いテーマと、そこでの主な論点を表にまとめました。
| 相談のテーマ | 主な論点 |
|---|---|
| システム開発の契約 | 請負か準委任か、仕様変更の扱い、検収の基準、納期遅れの責任 |
| ウェブサービスの立ち上げ | 利用規約、プライバシーポリシー、特定商取引法の表示 |
| 個人情報の取扱い | 取得や第三者提供のルール、漏えい時の報告と本人への通知 |
| ソフトウェアの権利 | 著作権の帰属、オープンソースの利用条件、ライセンス契約 |
| ネット上のトラブル | 投稿の削除請求、発信者を特定する手続き |
システム開発の紛争を例にとると、争点は「どこまでが当初の仕様だったか」に集まりがちです。発注側は機能が足りないと主張し、開発会社は追加の要望だから別料金だと反論する。こうしたとき、要件定義書や打ち合わせの議事録を読み解き、技術的な中身を踏まえて主張を組み立てられるかどうかが、結果を左右します。
この分野にくわしい弁護士ならではの強み
では、この分野にくわしい弁護士には、どのような強みがあるのでしょうか。ここでは、その専門性が、どのように会社の役に立つのかを見ていきます。強みを理解しておくことが、相談先を選ぶ際の、判断の助けになります。
第一の強みは、この分野に特有の手続きや、対応の進め方に通じていることです。たとえば、インターネット上の書き込みへの対応には、この分野ならではの、込み入った手続きが関わってきます。そうした手続きに慣れた弁護士であれば、どのような手立てが取れるのか、どう進めるべきかを、的確に判断してくれます。
手続きに慣れているということは、単に知識があるということ以上の意味を持ちます。どの段階で何をすべきか、どこでつまずきやすいかを、経験として知っています。その勘どころを押さえた進め方ができるかどうかが、限られた時間のなかで、結果を出せるかを左右することになります。
第二の強みは、対応の速さです。この分野の問題では、時間の経過とともに、対応に必要な手がかりが失われていくことがあります。この分野に通じた弁護士は、そうした時間との勝負を心得ており、必要な手続きを、速やかに進めてくれます。この速さが、被害を抑え、対応の選択肢を残すことにつながります。
この分野では、一日の遅れが、対応の可否を分けることさえあります。相談を受けてから、必要な手続きに着手するまでの速さも、専門性の一部です。何を急ぐべきかを心得た弁護士であれば、無駄なく手を打ってくれます。
第三の強みは、変化に追随していることです。インターネットや情報の技術をめぐる状況は、絶えず変化しています。
技術も、それを取り巻く状況も、目まぐるしく変わっていきます。数年前の常識が、いまは当てはまらないということも珍しくありません。この分野を継続的に扱っている弁護士は、そうした変化を、日々の実務のなかで捉えています。変化の速い分野ですから、常に関わり続けている専門性が、いっそう重みを持ちます。
第四の強みは、事業への理解です。この分野を得意とする弁護士は、情報の技術を使った事業のあり方についても、理解を持っていることが多いものです。事業の中身を理解したうえでの助言は、実情に即した、使える助言になります。法律の理屈だけでなく、事業の現実を踏まえた助言が得られる点は、大きな強みです。
いくら法律上は正しくても、事業の実情に合わない助言では、実際には使えません。この分野を得意とする弁護士は、情報の技術を使った事業の進め方を理解しているため、現場で実行できる形の助言をしてくれます。理屈と現実の両方を踏まえた助言こそ、経営者が本当に求めているものです。
そして、数多くの同種の問題に接していることから、見通しを立てる力にも長けています。この問題について、どのような対応が可能で、どこまでの結果が見込めるのか。専門家の経験が、確かな判断を支えます。
それが分かれば、落ち着いて判断できます。数多くの事例を扱ってきた弁護士そのため示せる、現実的な見通しが、会社の判断を確かなものにしてくれます。
どのように選べばよいか
この分野にくわしい弁護士に相談したいと考えたとき、では、どのように選べばよいのでしょうか。ここでは、相談先を選ぶ際に、心に留めておきたい視点を見ていきます。適した相手を選ぶことが、良い結果につながる第一歩になります。
まず確かめたいのが、この分野を、実際に力を入れて扱っているかどうかです。どのような分野を得意とし、どのような問題を扱ってきたのか。これを確かめることで、その弁護士が、自社の問題に適した相手かを見きわめられます。看板だけでなく、実際の取り組みを確かめることが大切です。
近ごろは、多くの弁護士が、幅広い分野を掲げています。しかし、掲げていることと、実際に力を入れて取り組んでいることとは、必ずしも一致しません。どのような問題を、どれだけ扱ってきたのか。相談の場で、率直に尋ねてみるとよいでしょう。その受け答えからも、専門性の程度は、うかがい知ることができます。
次に、自社が直面している問題について、経験があるかどうかも重要です。同じこの分野といっても、その中身はさまざまです。誹謗中傷への対応が得意な弁護士もいれば、情報の管理や契約を強みとする弁護士もいます。自社の問題に近い経験を持つ相手を選ぶことが、より的確な助言につながります。
この分野は、その裾野が広く、扱う問題も多岐にわたります。誹謗中傷への対応と、開発の契約とでは、求められる知見も異なります。ですから、この分野が得意、というだけでなく、自社が直面する具体的な問題について、経験があるかを確かめることが肝心です。そこまで見きわめて選べば、より確かな助言が期待できます。
さらに、説明の分かりやすさも、大切な視点です。この分野の問題は、専門的で、理解が難しいものです。それを、経営者にも分かるように、かみ砕いて説明してくれるかどうか。分かりやすく説明してくれる相手であれば、納得したうえで、対応を判断できます。説明の丁寧さは、信頼できる相手を見きわめる手がかりにもなります。
専門用語を並べるばかりで、こちらが理解できているかに関心を払わない相手では、安心して任せられません。逆に、難しい話を、身近な例えを使って説明してくれる相手であれば、その後の付き合いも円滑になります。分かりやすく伝えようとする姿勢は、依頼者に向き合う姿勢の表れでもあります。
そして、費用について、明確に説明してくれるかどうかも確かめておきたい点です。どのような費用が、どのような場合にかかるのかを、はっきりと説明してくれる弁護士であれば、安心して依頼できます。費用のことをあいまいにせず、丁寧に説明してくれる姿勢は、信頼の一つの目安になります。
むしろ、その受け答えを見ることは、相手を見きわめる大切な機会です。何にどれくらいかかるのかを、率直に、分かりやすく示してくれるか。そこをあいまいにする相手であれば、慎重になったほうがよいかもしれません。費用の説明は、信頼を測る一つの物差しになります。
相談する際に心がけたいこと
相談先が決まったら、次は、どう相談すればよいかです。せっかく専門家に相談しても、伝え方が不十分では、的確な助言は得られません。ここでは、相談する際に心がけたいことを見ていきます。良い相談が、良い助言を引き出します。
まず大切なのが、早く相談することです。この分野の問題は、時間との勝負になる面があります。様子を見ているうちに、被害が広がったり、対応に必要な手がかりが失われたりします。おかしいと気づいたら、すぐに相談する。この初動の速さが、対応の可否を分けることさえあるのです。
相談してよいかどうか迷っている時間さえ、この分野では惜しいものです。まだ大したことではないかもしれない、と様子を見ているうちに、状況は悪化します。少しでも気になったら、まず相談してみる。空振りに終わってもよいのだ、というくらいの気持ちで動くほうが、結果として会社を守ることにつながります。
次に、状況を、正確に、率直に伝えることも大切です。何が起きているのか、これまでどう対応してきたのか。都合の悪いことも含めて、包み隠さず伝える。弁護士は、伝えられた情報をもとに助言をしますから、情報が不正確であれば、助言も的外れなものになりかねません。率直さが、的確な助言を引き出すのです。
自社に不利な事情を、つい伏せたくなることもあるでしょう。しかし、その伏せた部分が、後で問題の核心だったと判明することもあります。弁護士は、依頼者の立場に立って考える存在です。すべてを話したうえで、どう対応するかを一緒に考えてもらう。その率直さが、結局は、自社を守る助言につながります。
さらに、手元にある資料や、記録を整理して持参することも役立ちます。問題となっている書き込みの記録、交わした契約の書面、これまでのやり取りの経緯。こうした材料があれば、弁護士も、状況を正確に把握でき、より具体的な助言ができます。準備が、相談の質を高めるのです。
準備といっても、難しいことは要りません。関係しそうな資料を集め、経緯を分かる範囲で書き留めておく。限られた相談の時間を、状況の説明だけで使い切ってしまうより、助言を引き出すことに充てられるほうが、はるかに有意義です。
そして、疑問があれば、遠慮なく尋ねることです。専門的な話は、分からないまま進めても、納得のいく判断はできません。分からないことは、その場で尋ね、理解したうえで判断する。遠慮せずに尋ねる姿勢が、自社にとって納得のいく対応につながります。分からないままにしないことが、大切です。
専門家に任せるということは、丸投げすることとは違います。何が起きていて、どう対応しようとしているのかを、依頼する側も理解しておくことが欠かせません。理解したうえで判断すれば、結果がどうであれ、納得できます。そのためにも、分からないことは、その場で尋ねる習慣を持っておきたいところです。
相談の前に、次のものを用意しておくと話が早く進みます。
- 契約書や発注書、見積書
- 要件定義書や仕様書、画面の設計資料
- 相手とのメールやチャットの記録
- 問題が起きた経緯を日付順に書いたメモ
継続的な関係を築くという選択
この分野の問題は、一度きりで終わるとは限りません。事業に情報の技術が深く関わる会社であれば、こうした問題は、繰り返し生じます。それゆえ、問題が起きたときだけでなく、継続的に相談できる関係を築くという選択も、検討する価値があります。ここでは、その意味を見ていきます。
継続的な関係を持つことの第一の利点は、問題を未然に防げることです。契約を交わす前に確かめてもらう、情報の管理の仕組みについて助言を得る。そうした日ごろの関与によって、そもそも問題が起きにくくなります。起きてから対応するより、起きないように備えるほうが、はるかに負担が小さくて済むのです。
予防の価値は、目に見えにくいだけに、軽く見られがちです。何も起きなければ、備えの効果は実感しにくいものです。しかし、起きたはずの問題が起きなかったこと自体が、その成果です。とりわけ、いったん広がると取り返しのつかないこの分野の問題では、予防に勝る対策はないといえます。
第二の利点は、いざというときに、素早く動けることです。すぐに、的確な相談ができます。時間との勝負になるこの分野では、この速さが、とりわけ大きな意味を持ちます。
問題が起きてから相談先を探し、事情を一から説明していては、それだけで貴重な時間が過ぎていきます。日ごろから会社を知る弁護士がいれば、その手間を省いて、すぐに本題に入れます。この差が、対応の速さを生み、被害の広がりを食い止めることにつながっていきます。
第三の利点は、事業への理解が深まることです。継続的に関わるなかで、弁護士は、その会社の事業や、進め方への理解を深めていきます。会社をよく理解している弁護士ほど、実情に即した、使える助言ができます。付き合いが長くなるほど、助言の質が高まっていきます。
会社の事業のあり方や、これまでの経緯を知っている相手からの助言は、教科書的な一般論とは、まるで違います。自社の事情を踏まえた、その会社にしか当てはまらない助言が得られる。これは、継続的な関係を築いてこそ得られる、大きな価値です。時間をかけて築いた関係が、そのまま助言の質になっていきます。
もっとも、継続的な関係が、すべての会社にとって最善というわけではありません。この分野の問題に直面する頻度が少ない会社であれば、必要なときに個別に相談する形が合っていることもあります。自社の事業の中身や、直面する問題の頻度に照らして、どちらが適しているかを見きわめることが大事です。
また、この見きわめは、一度きりで終わるものではありません。事業が広がり、扱う情報が増えれば、必要とする相談も変わってきます。会社の状況の変化に応じて、付き合い方を見直していく柔軟さを持つことが求められます。
会社が取り組むべきことと専門家の活用
ここまで、この分野にくわしい弁護士が必要とされる場面から、力を発揮する場面、その強み、選び方、相談の心がけ、そして継続的な関係という選択まで見てきました。分野に応じた専門性を意識すること。自社の問題に近い経験を持つ相手を選ぶこと。早く、率直に相談すること。そして、必要に応じて継続的な関係を検討すること。これらが基本の姿勢になります。
事業に情報の技術が深く関わる今、この分野の問題は、どの会社にとっても、他人事ではありません。誹謗中傷、情報の漏えい、契約をめぐる行き違い。こうした問題は、いつ、自社に降りかかるか分かりません。ですから、いざというときに相談できる先を、あらかじめ知っておくことに、大きな意味があります。
問題が起きてから相談先を探すのは、想像以上に大変です。焦りのなかで、どの弁護士がよいかを見きわめるのは難しく、判断を誤ることもあります。平時のうちに、この分野の相談先を調べ、できれば一度話をしておく。その備えがあるだけで、いざというときの初動は、まるで変わってきます。
とはいえ、どの弁護士に相談すればよいか、どう相談すればよいか。こうした判断には、迷いもあるでしょう。しかし、迷って動けずにいるうちに、対応の機会を逃してしまっては、元も子もありません。実際に相談してみることをおすすめします。話してみることで、その弁護士との相性も見えてきます。
相談してみて、どうも合わないと感じたなら、別の弁護士を探せばよいわけです。最初から完璧な相手を選ぼうと構えるより、まず動いてみるほうが、良い出会いにつながります。とりわけ、時間が結果を左右するこの分野では、迷い続けることの代償のほうが、大きくなりがちなのだと心得ておきたいところです。
とりわけ、インターネット上での問題や、情報の管理をめぐる問題に直面した場面では、この分野にくわしい弁護士に相談することが有効です。弁護士は、どのような対応が取れるのか、どう進めるべきかを、専門的な視点から具体的に助言してくれます。時間との勝負になるこの分野では、早く相談することが、何より大切になります。情報の技術を活かしながら、安心して事業を進める。
情報の技術は、事業を大きく広げる力を持つ一方で、これまでにない問題も連れてきます。その両面と向き合いながら事業を進めるには、この分野に通じた専門家の支えが、心強い助けになります。この記事が、自社に合った相談先を見つけ、安心して事業を進めるための、一助となれば幸いです。
選ぶときの目安としては、システム開発の契約や利用規約を扱った件数、技術者と打ち合わせをした経験の有無を尋ねてみるとよいでしょう。技術の話を自分の言葉で説明し直してくれる弁護士であれば、社内の開発担当者との連携もうまく進みます。
IT分野にくわしい弁護士に関するよくある質問
IT分野にくわしい弁護士とは、どのような存在ですか
インターネットや情報の技術に関わる法律の問題を得意とする弁護士のことです。この分野に特有の取引や、そこで生じる問題について、専門的な知識と経験を持っています。同じ弁護士でも得意とする分野はそれぞれ異なり、この分野を強みとする弁護士がいるのです。インターネットや情報の技術をめぐる問題は独特の性質を持つため、この分野にくわしい弁護士に相談することで、より的確な対応が期待できます。
どのような場面で相談するとよいですか
インターネット上での誹謗中傷や風評被害への対応、会社が扱う情報の管理やその漏えいへの対応、情報の技術に関わる取引や開発の契約、会社が生み出した技術やしるしなど知的財産の保護、インターネットを通じた事業に関わる法律上の判断など、幅広い場面が考えられます。いずれもこの分野に特有の難しさがあるため、専門的に判断できる弁護士の存在が大きな支えになります。
この分野にくわしい弁護士は、どう選べばよいですか
まず、この分野を実際に力を入れて扱っているかを確かめることが肝心です。あわせて、自社が直面している問題について経験があるか、専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか、費用について明確に説明してくれるかといった視点も重要です。ただし、この分野の問題は時間の経過とともに対応が難しくなることがあるため、相談先探しに時間をかけすぎず、まずは早く相談することを優先する姿勢も大切です。
相談するときに、心がけることはありますか
まず、できるだけ早く相談することです。この分野の問題は時間との勝負になる面があり、様子を見ているうちに被害が広がったり、対応に必要な手がかりが失われたりします。あわせて、状況を正確に、率直に伝えること、手元にある資料や記録を整理して持参すること、疑問があれば遠慮なく尋ねることも大切です。準備と率直さが、より的確な助言を引き出すことにつながります。
