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控訴とは?判決に納得できない時の流れ

この記事で分かること

  • 控訴とは何か手続きの全体像
  • 控訴ができるのはどんな場合か
  • 判決翌日から14日という控訴の期限
  • 控訴にかかる費用と国選の制度
  • 第一審とは異なる控訴審の流れ
  • 控訴審の結果と判決が確定するまで
  • 納得できないときにまず何をすべきか

控訴は、第一審の判決に不服があるとき、上級の裁判所に審理のやり直しを求める手続きです。事実誤認や量刑不当などを理由に申し立てられますが、判決翌日から14日という短い期限があり、過ぎると争えなくなるため、早期に弁護士へ相談することが大切です。

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刑事裁判で判決を言い渡されたものの、その内容にどうしても納得がいかない——「事実と違う」「刑が重すぎる」。そんな思いを抱えたまま、判決を受け入れるしかないのだろうかと、出口の見えない気持ちでいる方もいるのではないでしょうか。判決が出たからといって、それですべてが終わりとは限りません。日本の裁判には、一度の判断で終わらせず、上級の裁判所にもう一度審理を求める仕組みが用意されています。その代表が「控訴」です。

この記事では、控訴とはどんな手続きなのか、どんな場合にできるのか、期限や費用、そして判決が出てから控訴審が終わるまでの流れを、弁護士の視点でわかりやすく解説します。控訴には厳しい期限があり、その日数を一日でも過ぎると、もう争えなくなってしまいます。だからこそ、判決に納得できないと感じた今、正しい知識を持っておくことが大切です。落ち着いて、順を追って確認していきましょう。

判決に納得できないという気持ちは、当事者にとって、とても重く、苦しいものです。「裁判官は本当に自分の言い分を聞いてくれたのか」「この刑は重すぎるのではないか」——そうした思いを抱えたまま、何もできずにいると、無力感ばかりが募っていきます。けれども、その気持ちを、ただ飲み込むしかないわけではありません。控訴という制度は、まさにそうした「納得できない」という思いに、もう一度向き合う機会を与えるために存在します。ただし、その機会を活かせるかどうかは、限られた時間の中で、正しく動けるかにかかっています。だからこそ、まずは控訴という制度の中身を、しっかり理解しておきましょう。

控訴とは何か

控訴とは、第一審の判決に不服がある場合に、その上級にあたる裁判所に対して、もう一度審理してほしいと求める手続きのことです。日本の裁判は、ひとつの事件について複数回の審理を受けられる仕組みになっています。第一審の判決に納得できないとき、上級の裁判所に判断のやり直しを求めることで、誤りを正す機会が保障されているのです。

この控訴を申し立てることを「控訴の提起」、控訴によって開かれる裁判を「控訴審」と呼びます。第一審が地方裁判所や簡易裁判所で行われた場合、その控訴審は高等裁判所で審理されることになります。第一審とは異なる裁判官が、改めて事件を見直すことになります。

ここで知っておきたいのは、控訴できるのは被告人の側だけではない、という点です。検察官の側も、判決の内容に不服があれば控訴できます。たとえば、被告人にとって思いがけず軽い判決が出た場合に、検察官が「刑が軽すぎる」として控訴することもあるのです。控訴は、双方に開かれた権利だと理解しておきましょう。

このことは、被告人側にとって、見落とせない意味を持ちます。たとえ第一審で有利な判決を得たとしても、検察官が控訴すれば、その結論はまだ確定していない、ということです。逆に、被告人が控訴を考えるときには、控訴審で必ずしも結果がよくなるとは限らず、場合によっては第一審の判断が維持されることも、十分に頭に入れておく必要があります。控訴は「もう一度チャンスがある」という前向きな側面を持つ一方で、双方が争える以上、結論が確定するまでには、なお時間と労力がかかる手続きでもあるのです。この両面を理解したうえで、控訴するかどうかを判断することが大切になります。

控訴を理解するうえでは、刑事裁判全体の中で控訴がどこに位置づけられるのかを押さえておくと、見通しが立てやすくなります。事件は、おおまかに次のような段階を経て進みます。

  • 捜査・起訴:警察や検察が捜査し、検察官が起訴するかどうかを判断する。
  • 第一審:起訴された事件について、裁判所が審理し、判決を言い渡す。
  • 控訴審:第一審の判決に不服がある場合に、上級の裁判所が見直す。
  • 確定:すべての手続きが終わり、もう争えなくなった段階で判決が確定する。

控訴は、このうち第一審と確定の間に位置する手続きです。つまり、第一審で判決が出ても、それがただちに最終結論になるわけではなく、控訴という見直しの機会を経て、はじめて確定へと進むのです。刑事裁判が起訴から判決までどう進むのか、その全体像については、こちらの記事で詳しく解説しています。

控訴ができるのはどんな場合か

では、どんなときに控訴ができるのでしょうか。控訴は、判決に不服があれば申し立てること自体は可能ですが、控訴審で主張が認められるためには、それなりの理由が必要です。代表的なものを見ておきましょう。

不服の類型 主張の中身
事実認定の誤り やっていないのに有罪とされた、事実関係の捉え方が違う
量刑が不当 有罪は争わないが、刑が重すぎる
法令の適用の誤り 法律の解釈や当てはめに誤りがある
手続きの違反 裁判の進め方に重大なルール違反があった

もっとも多いのは、「事実は争わないが、刑が重すぎる」という量刑不当を理由とするケースです。第一審で有罪は受け入れつつ、その刑の重さに納得できない、という場合ですね。このほか、「そもそもやっていないのに有罪とされた」という事実誤認を主張する場合もあります。

この二つは、控訴審での戦い方がまるで違います。量刑不当を争う場合は、有罪であること自体は前提としたうえで、刑の重さの妥当性に焦点を絞ります。これに対して事実誤認を争う場合は、そもそも有罪とされたこと自体を覆そうとするわけですから、より根本的で、難しい争いになります。自分の不服がどちらの性質のものなのかを見極めることが、控訴の出発点です。そして、どちらを主張するにせよ、その根拠を第一審の記録の中から見つけ出し、説得力のある形で組み立てる作業が必要になります。この作業こそが、控訴審における弁護活動の中心であり、結果を左右する部分なのです。

大切なのは、ただ「結果が不満だ」というだけでは、控訴審で判断が覆るとは限らない、という点です。控訴審は、第一審の判断にどこか誤りがなかったかを見直す場です。したがって、なぜ第一審の判断が誤っているのか、その理由を具体的に示していく必要があります。求刑と判決がどう決まるのか、刑の重さの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ここで、量刑不当を理由とする控訴について、もう少し説明しておきましょう。量刑が不当だと主張するには、単に「自分の感覚として重すぎる」と述べるだけでは足りません。同じような事件の刑と比べて明らかに重い、有利に考慮されるべき事情が十分に評価されていない、といった具体的な根拠を示す必要があります。たとえば、第一審で示談の事実が適切に評価されていなかった、本人の更生に向けた努力が見過ごされていた、といった点を指摘していくことになります。事実誤認を主張する場合は、さらにハードルが上がります。第一審が認定した事実が、証拠から見て誤っていることを、論理的に示さなければなりません。いずれにせよ、控訴で結果を動かすには、感情的な不満ではなく、記録に基づいた具体的な主張が不可欠なのです。だからこそ、第一審の記録を丁寧に読み込める弁護人の存在が、控訴審では決定的に重要になります。

控訴の期限|14日を過ぎると争えない

控訴で何よりも気をつけなければならないのが、期限です。控訴には厳格な期限が定められており、これを過ぎてしまうと、もう控訴することはできなくなります。

注意
控訴の申し立ては、判決が言い渡された日の翌日から数えて14日以内に行わなければなりません。この期間を一日でも過ぎると、控訴の権利を失い、第一審の判決がそのまま確定してしまいます。納得できない判決であっても、期限を逃せば争う道は閉ざされます。判決後はすぐに動くことが鉄則です。

この14日という期間は、想像以上に短いものです。判決を受けて気持ちの整理がつかないうちに、あっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、判決に納得できない可能性があるなら、判決が出る前から、控訴するかどうかを弁護人と相談しておくことが望ましいのです。

とくに注意したいのは、この期限が、土日や祝日を理由に当然に延びるわけではない、という点です。判決の言い渡しから日数は刻々と進んでいきます。「もう少し考えてから」と迷っているうちに、気づけば残り日数がわずかになっていた、ということも起こりえます。判決に納得できないという気持ちが少しでもあるなら、まずは控訴の意思を示す手続きだけでも期限内に行い、控訴するかどうかの最終的な判断は、その後じっくり検討するという進め方もあります。いったん控訴を申し立てておけば、後で取り下げることもできるからです。期限を逃して選択肢そのものを失ってしまうことだけは、何としても避けなければなりません。判決後の数日間は、それほど重要な時間なのだと心得ておきましょう。

実務上は、まず期限内に「控訴する」という意思を示す書面(控訴申立書)を提出し、その後、なぜ控訴するのかという具体的な理由を記した書面(控訴趣意書)を、定められた期間内に改めて提出する、という流れになります。この理由を記した書面が、控訴審の行方を大きく左右します。中身の組み立てには専門的な検討が必要ですから、早い段階で弁護人と準備を始めることが欠かせません。

この控訴趣意書こそが、控訴審の事実上の主戦場だと言っても過言ではありません。控訴審では、第一審のように法廷で長時間にわたって証拠調べを行うわけではなく、書面で示された主張が、判断の中心的な材料になるからです。第一審の記録のどこに問題があったのか、なぜその判断が誤りなのかを、論理的に、かつ説得力をもって書き尽くす——これは、刑事弁護の経験と分析力が問われる、極めて専門性の高い作業です。だからこそ、控訴を決めたら、できるだけ早く記録の分析に取りかかり、趣意書の準備に十分な時間を確保することが重要になります。期限ぎりぎりで慌てて作成するのと、余裕をもって練り上げるのとでは、内容の質に差が出かねません。控訴の成否は、この準備の充実度にかかっていると言ってもよいでしょう。

控訴にかかる費用

控訴を考えるとき、気になるのが費用でしょう。控訴審を闘うには、どのくらいの負担がかかるのか、整理しておきましょう。

まず、私選弁護人に控訴審を依頼する場合には、その弁護士費用がかかります。控訴審は、第一審の記録を丁寧に読み込み、どこに問題があったかを分析する、専門性の高い作業を伴います。費用の額は、事件の内容や争点の複雑さ、弁護士によって異なりますので、依頼の前に見積もりを確認しておくとよいでしょう。一律にいくらと言えるものではありません。

控訴審の弁護士費用が、第一審とは別にかかる点には注意が必要です。第一審を担当した弁護人に引き続き控訴審も依頼する場合もあれば、控訴審から新たな弁護人に依頼する場合もあります。いずれにしても、控訴審は独立した一つの手続きですから、それに見合った費用が発生すると考えておくのが現実的です。とはいえ、費用がかかるからといって、控訴という選択肢を最初から外してしまうのは、もったいないことです。後述するように、負担を抑えて控訴審に臨む方法もあります。まずは、自分の事件で控訴に見込みがあるのかを確認したうえで、費用との兼ね合いで判断するのが、賢明な進め方です。

経済的な事情で私選弁護人を依頼するのが難しい場合には、控訴審においても国選弁護人を選任してもらえる制度があります。一定の資力要件などはありますが、費用の心配で控訴をあきらめる前に、こうした制度が利用できないかを確認する価値があります。弁護士費用が払えないと感じる場合の選択肢については、別の記事でも触れていますが、まずは弁護人や法律相談の窓口に相談してみることをおすすめします。

なお、そもそも第一審が正式な裁判ではなく、書面審理で完結する略式手続きで終わっていた場合には、控訴とは別の対応になります。略式命令に不服があるときは、正式な裁判を求める手続きが用意されています。略式手続きと正式裁判の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。自分の事件がどの手続きで終わったのかによって、取りうる手段が変わることを知っておきましょう。

ワンポイントアドバイス
「控訴したいが費用が不安」という理由だけで、最初からあきらめてしまうのは早計です。国選弁護の制度など、負担を抑えて控訴審に臨む方法もあります。費用面も含めて、まずは弁護士に相談し、現実的な選択肢を確認してから判断しましょう。

控訴審の流れ

控訴を申し立ててから、控訴審がどのように進むのかを見ておきましょう。控訴審は、第一審とは少し性格の異なる手続きです。

  1. 判決後14日以内に、控訴申立書を提出して控訴の意思を示す。
  2. 定められた期間内に、控訴趣意書を提出し、控訴の具体的な理由を主張する。
  3. 検察官の側も、これに対する意見を記した書面を提出する。
  4. 控訴審の公判期日が開かれ、双方が主張を述べる。
  5. 裁判所が判断し、控訴審の判決が言い渡される。

控訴審で理解しておきたいのは、第一審のように一から証拠調べをやり直すわけではない、という点です。控訴審は、基本的に、第一審の判断に誤りがなかったかを、提出された記録をもとに見直す場です。そのため、控訴審で新たに有利な事情を主張したい場合には、それが認められるかどうかも含めて、慎重な戦略が求められます。

たとえば、第一審の判決後に、被害者との示談が成立したような場合には、その事実を控訴審で示すことで、量刑の判断に影響を与えられる可能性があります。判決が出た後でも、できる努力を尽くすことには意味があるのです。控訴審でどこまで主張できるか、何が有効かは、事件によって異なりますので、弁護人とよく相談して進めることが大切です。

このことは、控訴を考えている方にとって、希望の持てる点でもあります。第一審の段階では間に合わなかった被害弁償や示談が、控訴審までの間に整うこともあるからです。もちろん、それが必ず結果に反映されるとは限りませんが、判決後だからといって、できることが何もなくなるわけではありません。控訴審に向けて、反省の姿勢を一層深め、被害者との関係修復に努め、更生に向けた具体的な取り組みを進める——こうした努力の積み重ねが、控訴審での主張に説得力を与えます。判決を受けて落ち込む気持ちは当然ですが、その先にもできることがあると知っておくだけで、前を向く力になるはずです。

もう少し具体的に、控訴審の性格を説明しておきましょう。第一審は、証人を呼んで尋問し、証拠を一つひとつ取り調べて、白紙の状態から事実を認定していく場です。これに対して控訴審は、すでに第一審で積み上げられた審理の結果を前提に、その判断に見過ごせない誤りがなかったかをチェックする場、というイメージです。ですから、控訴審では、第一審でできなかった主張を何でも自由に持ち込める、というわけではありません。第一審の段階で尽くすべきだった主張は、控訴審では制限されることもあります。この点は見落とされがちですが、非常に重要です。だからこそ、本来は第一審の段階から、考えうる主張や有利な事情をすべて出し切っておくことが理想なのです。控訴を見据えるうえでも、第一審をおろそかにしないという姿勢が、結局はものを言います。

控訴審の結果と判決が確定するまで

控訴審の審理を経て、裁判所はいくつかの結論を下します。控訴に理由があると判断されれば、第一審の判決が取り消され、より軽い刑が言い渡されたり、改めて審理がやり直されたりすることがあります。一方、控訴に理由がないと判断されれば、控訴は退けられ、第一審の判決が維持されます。

控訴審の判決にもなお納得できない場合には、さらに上級の裁判所に審理を求める道が残されている場合もあります。ただし、その要件は控訴よりも限られています。いずれにせよ、すべての手続きが終わり、もう争えなくなった段階で、判決は確定します。判決が確定すると、その刑が執行されることになります。

判決が確定するということは、その事件について、もう争えなくなるということです。これは、当事者にとって、一つの大きな区切りを意味します。確定すれば、定められた刑に従うことになりますが、同時に、長く続いた手続きから解放され、これからの生活に目を向け直す出発点にもなります。控訴という選択肢があるうちは、結論を覆せる可能性が残っている分、希望も持てますが、その一方で、心の落ち着かない状態が続くことにもなります。控訴して争い続けるのか、それとも確定を受け入れて前に進むのか——この選択には、見込みの冷静な評価だけでなく、本人がこれからの人生をどう立て直していきたいか、という視点も関わってきます。だからこそ、弁護人とよく話し合い、納得のいく形で次の一歩を選ぶことが大切なのです。

有罪判決であっても、執行猶予が付いていれば、ただちに刑務所に入ることにはなりません。執行猶予がどのような制度なのか、確定後の生活にどう関わるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

控訴するかどうかは、確定までの最後の分かれ道です。控訴によって結果が変わる見込みがあるのか、それとも確定を受け入れて次に進むべきなのか——この判断は、感情だけで決められるものではありません。控訴審で何が主張でき、どの程度の見込みがあるのかを、冷静に見極める必要があります。起訴と不起訴の段階から判決まで、刑事手続き全体の流れを踏まえて考えることが大切です。手続きの全体像を理解しておくことで、いま自分がどの地点に立ち、残された選択肢が何なのかが、はっきり見えてきます。

控訴に関するよくある質問

控訴すれば刑は必ず軽くなりますか

そうとは限りません。控訴は、第一審の判断に誤りがあった場合に、それを正すための手続きです。明確な誤りや、第一審後の新たな事情がなければ、判断が覆らず、第一審の判決が維持されることもあります。むしろ、控訴審で結果が変わるのは、相応の理由がある場合です。見込みについては、記録を分析した弁護人に確認することをおすすめします。「とりあえず控訴すれば何とかなる」という期待だけで臨むと、結果に結びつかないこともあるので注意が必要です。

第一審の弁護士と控訴審の弁護士は同じでないといけませんか

同じである必要はありません。第一審を担当した弁護人にそのまま控訴審も依頼することもできますし、控訴審から新たな弁護人に依頼することもできます。第一審の進め方に納得がいかなかった場合などには、別の弁護人に依頼して、新たな視点で記録を見直してもらう、という選択もあります。どちらがよいかは状況によりますので、まずは相談してみるとよいでしょう。

控訴している間、身柄はどうなりますか

第一審で実刑判決を受けた場合、控訴中の身柄の扱いは状況によって異なります。保釈が認められれば、控訴審が続いている間も社会で生活しながら手続きに臨めることがあります。一方、認められなければ、身柄が拘束されたまま控訴審を迎えることになります。詳しくは弁護人に相談してください。控訴審に向けた準備を、身柄を拘束されない状態で進められるかどうかは、本人の負担という意味でも大きな違いになります。

控訴を取り下げることはできますか

いったん控訴を申し立てた後でも、控訴を取り下げることは可能です。たとえば、よく検討した結果、控訴審で争うよりも第一審の判決を受け入れたほうがよいと判断した場合などです。ただし、取り下げると判決が確定しますので、慎重な判断が必要です。取り下げるかどうかも、弁護人とよく相談して決めましょう。

判決に納得できないと感じたら、まず何をすべきですか

とにかく早く弁護人に相談することです。控訴には14日という短い期限があり、迷っている間に過ぎてしまいます。控訴すべきかどうかの判断には、第一審の記録の分析が必要で、これには時間がかかります。判決に少しでも納得できない気持ちがあるなら、判決後すぐ、できれば判決前から、弁護人と方針を話し合っておくことが大切です。

まとめ

控訴は、第一審の判決に納得できない場合に、上級の裁判所にもう一度審理を求める手続きです。事実認定の誤りや量刑の不当などを理由に申し立てることができますが、ただ結果が不満というだけでは判断は覆りにくく、なぜ第一審が誤っているのかを具体的に示す必要があります。そして何より、控訴には判決の翌日から14日という短い期限があり、これを過ぎると争う道は閉ざされてしまいます。

判決に納得できない、控訴すべきか迷っている——そんなとき、一人で抱え込んで時間を空費するのは、もっとも避けたいことです。控訴審で何が主張でき、どの程度の見込みがあるのか、費用はどうなるのか。その見極めには、刑事弁護の経験を持つ弁護士の力が欠かせません。判決を受けて納得できない気持ちがあるなら、期限を逃す前に、できるだけ早く弁護士に相談してください。残された道があるうちに、一緒に最善の選択を考えていきましょう。

最後にあらためて強調しておきたいのは、控訴において、時間がいかに大切かということです。14日という期限は、迷っているうちに過ぎてしまうほど短いものです。そして、控訴の見込みを判断するには、第一審の記録を読み込む時間が必要で、その作業は早く始めるほど余裕を持って進められます。「納得できないけれど、どうすればいいか分からない」という状態こそ、まさに専門家に相談すべきタイミングです。相談したうえで控訴しないと決めることもできますし、その判断自体に価値があります。大切なのは、選択肢が残されているうちに動くこと。判決に対する違和感を、そのまま放置しないでください。

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