2020/5/28 195view

警察の呼び出しに応じないと逮捕される?呼び出しの理由と正しい対処法

この記事で分かること
  1. 警察に呼び出されても、必ず逮捕されるわけではない。
  2. 任意捜査の場合は拒否できるが、拒否すると怪しまれる可能性もある。
  3. 参考人等の場合は通常2-3時間で家に帰れるが、被疑者として呼び出された場合は逮捕後最大23日間拘束されることもある。
  4. 警察に呼びだれたら、弁護士に依頼した上で素直に応じることが大切。

警察から呼び出しを受けた場合、被疑者として呼ばれるケースもありますが参考人として話を聞くだけのケースもあります。出頭を拒否することも可能ですが、何度も拒否すると場合によっては逮捕状が出てしまう可能性もあります。逮捕の理由に心当たりがある場合は、弁護士に取り調べの対応方法や黙秘権の行使の仕方を教えてもらうべきです。

警察から呼び出しの電話が!行ったら逮捕される?

警察から呼び出しの電話を受けたら、不安になる方も多いでしょう。ふつうに生活をしていて警察から連絡が来ることが稀な人にとっては、「なぜ呼び出されたのか?」「このまま逮捕されるでは?」と気になってしまうのは当然なことです。この記事では、警察からの呼び出しの理由、実際に警察に行くとどうなるのか、呼び出しに対する対処法など、警察から電話連絡で呼び出しを受けた方が知っておいた方がよい基礎知識をまとめてご紹介します。

警察に呼び出されても、必ず逮捕されるわけではない

「警察から呼び出しを受けた!」という場合、真っ先に逮捕されるかもしれないと考える方は、逮捕理由に心当たりがあるのではないでしょうか? 実際上「警察署に来て欲しい」と警察官から連絡があっただけで逮捕されるとは限りません。

警察から話を聞かれる状況というのは、さまざまであります。
例えば、交通事故ですぐに救急車で運ばれ事情を聞けなかった場合に、後で事情聴取を行う場合もあります。財布を落とした場合に、警察が「届きましたよ」と連絡をくれるケースもあるでしょう。
さらに事件の被害者になってしまった場合に「被害の内容を詳しく聞きたい」というのもあるかもしれません。

電話連絡や家に来るパターンがある

警察からの呼び出しのパターンとして、代表的なものは3つあります。

  • 電話で「○月○日に△警察署に来てください。」と連絡があるパターン
  • 家まで警察官がやってきて「警察署まで同行いただけますか」といわれるパターン
  • 職務質問を受けた後にそのまま同行をお願いされるパターン

警察から呼び出しを受ける状況はひとつではないので、電話で呼び出しが来たからといっても、そのまま逮捕される可能性はそれほど高くありません。

警察が呼び出しを行う理由

上記で説明したような状況を除き、警察から「○○で起きた事件について話を聞きたい」などと言われた場合、逮捕されてもおかしくないと考えるケースもあるでしょう。

このような場合、警察が呼び出しを行う理由としては、

  1. 目撃者としての呼び出し
  2. 参考人としての呼び出し
  3. 被疑者としての呼び出し

が想定できます。以下、詳しく見ていきましょう。

目撃者としての呼び出し

1つ目は、目撃者としての呼び出しです。何らかの事件や事故を目撃し、後で警察から話を聞きたいとして呼び出されることがあります。この場合、犯人とは考えられていないため、逮捕される危険はないといえます。

参考人としての呼び出し

2つ目は、参考人としての呼び出しです。
あなたが何らかの事件の参考人として呼ばれる場合、警察はあなたを当該事件に関わりがある人物と考えています。
もっとも、目撃者と同様に事件の事情を知っている人物として被害者の家族などが呼び出されるケースもあるので、特に逮捕の危険があるとはいえません。

ただし、重要参考人として呼ばれる場合は、被疑者として逮捕できる理由が揃っていない場合に任意で事情を聞き、証拠が出た段階で逮捕しようと考えている可能性はあるでしょう。
どちらにしろすぐに逮捕ではありません。

被疑者としての呼び出し

3つ目は、被疑者としての呼び出しです。

捜査の結果、被疑者として名前があがった場合任意捜査の一環として呼び出しが行われることがあります。また路上で喧嘩をして被疑者が明らかな場合で被害届が出たというケースもあるでしょう。
被疑者として任意同行を求められたり、呼び出しを受けた場合にはそのまま逮捕される可能性があります。取り調べの内容次第では、逮捕状が請求されることも十分に考えられるでしょう。

ワンポイントアドバイス
警察から被疑者として呼び出されたと考えられる場合は、事前に弁護士に相談することをおすすめします。先に弁護士に依頼しておけば、逮捕されても弁護士との接見は可能であるためです。

また「このまま逮捕されるかもしれない」という不安を持って出頭するよりも、事前に法的アドバイスを受けることで、一定の不安を払拭し万全の態勢で取り調べに対応することができます。

警察からの呼び出しは拒否できる?

警察から呼び出しを受けた場合「拒否しても大丈夫か?」と疑問に思う方も多いでしょう。そこで、警察の呼び出しを拒否できるのか、また拒否した場合に不利に扱われることはないか、についてご説明します。また警察から呼び出しが来るはずなのに来ない場合についても見ていきましょう。

警察の呼び出しは、拒否しても良いケースがある

警察から呼び出されると「必ず応じなければいけないもの」と考える方は少なくないでしょう。また応じなければならないとは考えていないものの、なんとなく断りづらいという方もいるかもしれません。

実際のところ、警察の呼び出しは拒否できるケースもあります。
具体的には、任意で事情を聞きたいというケースについては強制ではないので拒否しても大丈夫です。

もっとわかりやすくいうと、逮捕状が発布されていない段階での呼び出しは拒否しても大丈夫です。逮捕状が出されている場合は、警察は必ず被疑者に提示しなければいけないため、これがない場合は拒否できます。

任意処分(任意同行、任意の取り調べ)には本人の同意が必要

警察の捜査は強制処分任意処分に分けることができます。

強制処分とは「人の明示的・黙示的意思に反して重要な法益侵害が行われる行為」を指します。逮捕は身体の自由を制限するものであるため、重要な法益侵害行為があり強制処分と考えられます。
警察に個人の身体の自由の制限を伴う強制処分が認められるには、裁判官の発布する令状、つまり、逮捕状が必要となります。

一方、任意処分とは「捜査に必要な限度での取り調べ」等を指します。
任意処分としての取り調べはあくまで相手の同意が必要と考えられるため、意思に反して出頭する義務はないのです。

以上から、逮捕状が出されていない段階では、警察からの呼び出しは拒否できるといえます。

仕事でいけない場合は期日の調整をすべき

特にやましいことはないものの、平日に警察署にいくのは仕事で難しいというケースもあるでしょう。このような場合は事情をきちんと説明すべきです。事情に合わせて土曜日などに期日を調整してもらうこともできるでしょう。

何度も拒否すると逮捕状が出ることもある

しかし、理由もないのに、ただ警察に行きたくないという場合は、拒否し続けると怪しまれてしまう可能性もあります。事件解決に非協力的な態度を取り続けていると、逃亡の危険があると考えられ、逮捕状が出る可能性もあります。

したがって、警察の呼び出しを拒否し続けることはあまり得策とはいえません。
また無視など不誠実な態度をとっていると、余計に怪しまれてしまう可能性もあるため、可能である場合はできる限り応じるようにすべきです。

警察からの呼び出しの電話はいつ来るかわからない

連絡を受ける側としては、警察からいつ連絡が来るのかはわかりません。
被害者が「告訴する」と言っても、実際にはしない可能性もありますし、捜査の状況次第で犯罪が発覚していない可能性もあるからです。

自ら出頭する選択肢も検討すべき

捜査はいつまで続くかは明確に決まっていないため、犯罪を犯した場合には控訴時効が成立するまでは逮捕される不安に苛まれることになります。
この不安を解消したい場合は、自ら出頭するのが一番です。
自分から犯罪行為を申告すれば、良い情状として考慮してもらえるだけでなく減軽につながることもあります。

犯罪に心当たりがある場合は、ご自身で警察に出頭することも検討してください。

ワンポイントアドバイス
警察に出頭することは誰でも不安です。今後の流れや起訴されそうか、などが知りたい場合は、事前に弁護士に相談しましょう。「1人で警察に出向くことが心配」という場合は、弁護士が自首に同行してくれることがありますので相談時に聞いてみてください。

警察に知られたくないことがある場合は、自ら告白することで楽になる方も多いようです。

警察の呼び出しに出向いた後の流れ

警察からの呼び出しに応じる場合、その後どのような流れでどのような取り調べが待っているのか不安ですよね。
そこで呼び出し後の流れや取り調べの時間・場所・質問内容、呼び出しの回数、交通費についてご説明いたします。

取り調べの時間や場所、内容

警察に呼び出しを受け、出向いた後はどのようにして事情聴取が進んでいくのでしょうか?

目撃者、参考人の場合は30分から1時間程度が目安

まず、呼ばれた当日に警察署に出向きます。その後は警察署内において事件に関する事情等が聞かれることになります。目撃者として、あるいは参考人として呼ばれた場合には、部署にある警察官のデスクで軽く30分から1時間程度話を聞かれすぐに帰されることも少なくありません。

被疑者の場合は取調室で取り調べが行われる

他方、被疑者として呼ばれた場合には取調室に案内されます。数名程度しか入れない小さな部屋です。窓もないため圧迫感を感じることもあるかもしれません。取調室で事件に関わることを聞かれることになります。

事件の当日にどこにいたのか、それを証明できる人はいるのか、事件に関わっていることが明らかである場合はどのような態様で関わりがあるのか、など詳しく聞かれることのなるでしょう。

被疑者としての取り調べは通常2-3時間程度

被疑者として呼ばれた場合は長くても2-3時間ほどで終了するケースが多いようです。複雑な事件の場合は、これよりも長い時間取り調べが行われることもあります。その場合でも1日8時間を超える取り調べには警察署長の許可が必要であるため、これを超えることは少ないでしょう。

そのまま逮捕されたら、最大で23日間拘束されることもある

被疑者として話を聞いた結果、逮捕できる要件が揃った場合はそのまま逮捕される可能性もあります。逮捕が行われると、その後24時間は取り調べを受け、検察官に身柄を送致されます。

逮捕から72時間以内に勾留請求を行うかどうかが決定され、勾留が決定した場合には原則10日間、最大で20日間の身体拘束が続きます。勾留期間中に起訴・不起訴が決定し、不起訴の場合は釈放、起訴の場合は1ヶ月程度で裁判となります。

勾留が行われず釈放された場合でも、捜査は続くケースがあります。不起訴が決定するまでは起訴の可能性は残るため、不安がある場合へ弁護士に相談すべきです。

任意の取り調べの場合、途中で帰ることは可能

任意の取り調べの場合は、帰ることを希望すればいつでも退室することが可能です。これに対し、帰ることを妨害されるケースもありますがこれは違法の可能性もありますので、後で弁護士に伝えるべきです。

逮捕された後は原則として自身の希望で帰ることはできません。先にお伝えした通り、逮捕から72時間(3日間)で勾留請求が出なかった場合には家に帰ることができます。勾留請求が出るまでの間は帰ることはできず、もし72時間以内勾留請求が出た場合、以後、長期の拘束が続く場合もあります。

呼び出しの回数に特に制限はない

目撃者や参考人なら1,2回で終わるのが一般的

警察に何度も呼び出されるのは面倒と考えるのは当然です。実際のところ、一度呼び出されただけでなく何度も出向かなければいけなかったという人もいます。一般的には、目撃者や参考人の場合は1、2回で呼び出しは終わるはずです。

何度も呼び出される場合、犯罪が疑われている可能性も…

他方、参考人として話を聞いていたものの、疑いが強くなり被疑者として呼ばれるようになった場合には、何度も呼び出しを受ける可能性があります。
任意の取り調べの場合、本人が拒否できることを前提に進めているため、特に回数に制限はありません。ただし、何度も呼び出される場合には犯罪が疑われている可能性を推測できるため、弁護士に相談してみることをおすすめします。

交通費は自費負担だが、遠方の場合は出向いてもらえるケースも

警察からの呼び出しを受けた場合、自分で出向くとどうしても交通費がかかります。これは警察に言えば負担してもらえるものなのでしょうか?

結論からいうと、交通費は自腹です。警察が負担してくれることはありません。
目撃者や参考人が遠方に住んでいるという場合は、警察から出向いてくれることもあります。家が遠いなどの事情がある場合は、その旨を電話等で説明しておきましょう。

お金を理由に拒否すべきではない

またお金がかかることを理由に出頭を拒否することはあまり得策とはいえません。特に犯罪に身に覚えがある場合は、警察官の心象を悪くしますので捜査を避けているという印象を与える可能性もあります。

事情がある場合を除き、自費であってもできるだけ出頭するようにしましょう。

ワンポイントアドバイス
警察方呼び出しを受けたら「どんな服装が良いのか」と迷う方もいらっしゃるでしょう。目撃者、参考人として呼び出された場合は、通常の服装で大丈夫です。被疑者として呼び出されている場合は、できる限り清潔感のある服装で出向きましょう。

服装は捜査や逮捕に影響しませんが、良い印象を与えることも大切です。

警察から呼び出しを受けた場合に取るべき正しい対応

警察から呼び出しを受けたら、正しい対応を取ることが大切です。警察の呼び出しに対してどのように対処すべきかをご説明します。

警察からの呼び出しには誠実に対応すべき

警察から呼び出しを受けた場合には、誠実に対応すべきです。
被疑者として呼ばれるケースだけでなく、参考人として呼ばれるケースでもこれは同じです。警察は事件の解決を目指し捜査をしているため、できるだけ協力的な態度を示すべきです。

警察が信用できない場合は、先に弁護士に対応策を聞くのも有効

また「自分はやっていないのに怪しまれている」と不安に感じることもあるでしょう。
このような場合、任意の取り調べであれば拒否も可能ですが、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談した上で、任意の取り調べに対しどのように対応すべきかのアドバイスをもらってから対応を検討しましょう。

弁護士と相談してから、取り調べに応じたい場合には、予定がある旨を伝え期日の変更を申し出るなど協力の意思があることを見せるようにしてください。

黙秘権も行使できる

被疑者として、あるいは重要参考人として取り調べを受ける場合には、厳しい取り調べが行われるケースもあるでしょう。自分の意思に反するような供述を迫られることもあるかもしれません。
このような場合は黙秘権が行使できるということを覚えておいてください。

被疑者は自分の意思に従い、供述するかしないかを判断することができます。自分にとって不利益な事実がある場合は、「黙秘権を行使します」ということが可能です。全部の供述を拒否することもできますし、一部のみ拒否することも可能です。

黙秘権の使い方に注意

もっとも、黙秘権の使い方には注意も必要です。場合によっては、反省の色が見えないとして追求が厳しくなったり、不利に取り扱われてしまう可能性もあります。
これを防ぐためには、「弁護士と話すまで話せません」と伝えるのも有効です。
可能であれば、事前に弁護士に取り調べ時のアドバイスを受けておくと良いでしょう。

犯罪に身に覚えがある場合は、早めに弁護士に相談を

目撃者や参考人として呼び出されていないことがわかる場合は、今後逮捕の可能性があるということです。逮捕の可能性があり、自分でどのように対応すべきかわからない場合は、早めに弁護士に相談しましょう。

逮捕される前に依頼をしておけば、取り調べを受ける際も不利な供述を避けて対応できる可能性があります。また犯罪をおこなった証拠が明らかである場合も、被害者と示談とまとめるなど、先を読んで前に進めていれば不起訴となる可能性が高くなります。

罰金刑でも前科は残るため、将来への影響も考えよう

刑事事件の場合罰金刑でも前科が残ってしまうため、将来への影響を考えなければいけません。少しでも影響を少なくしたい場合には、専門家である弁護士のサポートが必要不可欠です。犯罪に身に覚えがある場合は、事前に弁護士に相談するのが得策です。

ワンポイントアドバイス
警察に何度も呼び出されているという場合、被疑者として疑いをかけられている可能性は高いといえます。他方、確実な証拠がない場合もありますので、逮捕状が請求される前に弁護士に相談することをおすすめします。

警察から呼び出しに不安を感じる場合は、弁護士に相談を

警察からの呼び出しで「逮捕されるかも?」と不安を感じる方は、何らかの事情を抱えている方が多いといえます。犯人ではないのに疑われているようで心配ということもあり得るでしょう。対応に困った場合は、専門家である弁護士に相談するのが一番です。

刑事弁護はスピード勝負といわれています。逮捕された後に弁護活動を始めるより、逮捕前からできることをやっておくべきです。警察からの呼び出しに懸念がある場合は、お早めに弁護士にご相談ください。

刑事事件はスピードが重要!
刑事事件に巻き込まれたら弁護士へすぐに相談を
逮捕後72時間、自由に面会できるのは弁護士だけ。
23日間以内の迅速な対応が必要
不起訴の可能性を上げることが大事
刑事事件で起訴された場合、日本の有罪率は99.9%
起訴された場合、弁護士なしだと有罪はほぼ確実
上記に当てはまるなら弁護士に相談