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刑事事件で弁護士費用が払えない時の対処法

この記事で分かること

  • 費用が払えなくてもあきらめる必要がない理由
  • 当番弁護士を無料で呼ぶ方法
  • 国選弁護人の仕組みと注意点
  • 法テラスによる費用の立替え
  • 当番・国選・私選の使い分け
  • 私選弁護人の費用の構成と確認点
  • 家族が費用を負担する場合の注意

弁護士費用が払えないと感じても対処法は一つではありません。逮捕直後なら無料の当番弁護士、一定段階以降なら国が費用を負担する国選弁護人、費用の立替えなら法テラスを利用できます。これらを組み合わせれば経済的に厳しくても弁護を受ける道は開けます。お金がないからと相談すらしないまま手続が進むことこそ、最も避けたい事態です。

刑事事件に強い弁護士を探す

「弁護士に頼みたい。でも、そんなお金はとても払えない」――刑事事件に直面した方から、私たちが最もよく聞く声のひとつです。家族が逮捕された、自分が捜査を受けている。一刻も早く専門家の力を借りたいのに、費用の壁の前で立ちすくんでしまう。突然の事態に貯えもなく、どうすればいいか分からない。そのつらさは、痛いほどわかります。弁護士費用がいくらかかるのか想像もつかず、相談すること自体をためらってしまう方も少なくありません。

けれど、どうか知っておいてください。「お金がないから弁護士を頼めない」と、最初からあきらめる必要はありません。日本には、経済的に余裕がなくても弁護士の助けを受けられる仕組みがいくつも用意されています。刑事事件で弁護人の援助を受けることは、誰にとっても保障された大切な権利だからです。

この記事では、弁護士費用が払えないと感じたときの具体的な対処法を、当番弁護士・国選弁護人・法テラスといった制度を中心に、弁護士の視点からわかりやすく整理してお伝えします。それぞれの制度がどんなもので、いつ・どうやって使えるのかが分かれば、お金の不安で動けずにいた方も、次の一歩を踏み出せるはずです。一つずつ見ていきましょう。

まず知ってほしいこと
逮捕直後に無料で弁護士に会える制度、費用を国が負担する制度、費用を立て替えてくれる制度があります。「払えないから無理」と決めつける前に、まずはどんな制度が使えるのかを確認してください。道は一つではありません。

「費用が払えない」とあきらめる前に

まず、大前提をお伝えします。刑事事件において、弁護士の助けを受けることは、決してお金に余裕のある人だけの特権ではありません。経済的な事情にかかわらず、誰もが弁護人の援助を受けられるよう、制度が整えられています。これは、刑事手続が一人ひとりの人生を大きく左右するものだからです。お金がないという理由だけで、十分な弁護を受けられないまま処分が決まってしまう――そんなことが起きないよう、社会の仕組みとして支援が用意されているのです。だから、費用を理由に最初からあきらめてしまうのは、本当にもったいないことなのです。

「お金がないから」と相談すらしないまま手続が進んでしまうのは、最も避けたい事態です。刑事手続には、逮捕から勾留、起訴へと進む時間の期限があり、動き出しが遅れるほど打てる手は減っていきます。とくに被害者がいる事件では、示談を成立させられるかどうかが結果を大きく左右し、その示談には時間がかかります。費用の問題は、正面から確認すれば、多くの場合に道が見つかります。まずは「どんな制度が使えるのか」を知ることから始めましょう。

経済的に余裕がなくても利用できる主な制度には、次のものがあります。

  • 当番弁護士――逮捕直後に一度、無料で接見に来てもらえる
  • 国選弁護人――一定の段階以降、国の費用で弁護人がつく
  • 法テラス――弁護士費用を立て替え、後から分割で返済できる

これらを単独で、あるいは組み合わせて使うことで、費用の壁はかなり低くなります。たとえば、逮捕直後はまず当番弁護士で専門家とつながり、その後の弁護は国選弁護人や法テラスを利用して続ける、といった形です。早く動けば動くほど、被害者との示談や検察官への働きかけといった手を打つ時間も確保でき、不起訴をはじめとする良い結果に近づける可能性も残ります。費用の不安を理由に動き出しが遅れることこそ、最も避けたいのです。

では、それぞれの制度を順番に詳しく見ていきましょう。

注意
費用を心配して相談を先延ばしにしている間にも、取調べは進み、勾留や起訴の判断が下されていきます。いったん下された判断は、簡単には覆りません。失われた時間は取り戻せません。まずは無料の制度を使ってでも、早く専門家に相談してください。

対処法①|当番弁護士を呼ぶ(無料)

三つの対処法のうち、まず逮捕された直後に使えるのが「当番弁護士」の制度です。これは、各地の弁護士会が運営しているもので、逮捕された人のもとへ一度、無料で弁護士が接見に来てくれる仕組みです。逮捕されてどうしていいか分からない、まず誰かに相談したい――そんなときの最初の入り口として設けられています。費用の心配をせずに専門家の助言を受けられるのが、何よりの利点です。

当番弁護士の呼び方

当番弁護士を呼ぶ方法は二つあります。一つは、逮捕された本人が、警察官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝える方法。もう一つは、家族が地元の弁護士会に連絡して手配する方法です。どちらの場合も、費用はかかりません。本人と連絡が取れない状況でも、家族が弁護士会に連絡すれば手配できるため、家族の側から動けるのが心強いところです。逮捕の知らせを受けたら、その日のうちに動くことをおすすめします。

当番弁護士による接見は無料ですが、来てくれるのは原則として一回限りです。その場で事件の状況を相談し、今後の見通しや、継続して依頼する場合の費用についても聞くことができます。「まず専門家に状況を見てもらいたい」というとき、最初の入り口として非常に頼りになります。

逮捕直後は、家族でも本人に面会できない時間帯があります。その期間に本人と話せるのは弁護士だけです。当番弁護士なら、費用をかけずにこの時期の本人と接触し、取調べへの対応を助言してもらえます。取調べは逮捕直後から始まり、そこで作られる供述調書は後の手続に大きく影響します。だからこそ、無料であっても早い段階で専門家の助言を受けられる意味は大きいのです。お金がないからといって、本人を孤立したまま放置せずに済むのです。これは、当番弁護士という制度の大きな意義のひとつです。

当番弁護士の後はどうなるか

当番弁護士の接見を受けたあと、継続して弁護を依頼するかどうかは、本人や家族が自由に決められます。そのまま当番弁護士に依頼することもできますし、別の事務所に私選で依頼することも、後述の国選弁護人に切り替えることもできます。話を聞いたうえで、自分に合った方法を選べばよいのです。「一度呼んだら必ず依頼しなければならない」ということはありません。まずは状況と費用の見込みを聞き、納得できる形を選んでください。最初の接見は、いわば相談の場でもあるのです。

大切なのは、当番弁護士という無料の入り口があることを覚えておくことです。逮捕直後の混乱のなかでは、どう動けばいいか分からなくなりがちです。そんなときも「とりあえず当番弁護士を呼ぶ」という選択肢を知っているだけで、最初の一歩を踏み出せます。費用がかからないのですから、迷う理由はありません。まずはここから始めて、その後の方針を専門家と一緒に考えていけばよいのです。

対処法②|国選弁護人を利用する(国が費用負担)

三つ目の対処法として、経済的に私選の弁護士を依頼するのが難しい場合の柱となるのが「国選弁護人」の制度です。一定の要件を満たせば、国の費用で弁護人をつけてもらえます。刑事事件で弁護人を確保するうえで、最も広く知られた制度といってよいでしょう。どんな制度なのか、利用にあたって何に気をつければよいのかを見ていきます。

国選弁護人とは

国選弁護人は、資力が乏しいなどの理由で自分で弁護人を選任できない場合に、裁判所が選任する弁護人です。費用は国が負担するため、本人の経済的な負担は大きく抑えられます。刑事事件で弁護人を確保するための、最も基本的なセーフティネットといえます。国選であっても、弁護人としてできることは私選と変わりません。接見も、示談交渉も、裁判での弁論も行います。費用が国持ちだからといって、受けられる弁護の中身が劣るわけではないのです。

「国選だから手を抜かれるのでは」と心配される方もいますが、国選弁護人も一人ひとりの弁護士として、本人のために誠実に職務にあたります。費用が払えないからといって、十分な弁護をあきらめなければならないわけではありません。この点は、安心して制度を利用していただきたいところです。

項目 当番弁護士 国選弁護人 私選弁護人
費用 初回接見は無料 国が負担 自己負担
弁護士を選べるか 選べない 選べない 選べる
利用の時期 逮捕直後 一定の段階以降 いつでも

上の表を見比べると、それぞれの制度の位置づけがつかめます。費用の負担を最優先に考えるなら国選弁護人や当番弁護士が、弁護士を自分で選んで早期から動いてほしいなら私選が向いています。どれが正解ということはなく、置かれた状況と優先したいことによって、適した選択は変わります。迷ったときは、当番弁護士や法テラスに相談しながら決めていくとよいでしょう。

国選弁護人の注意点

国選弁護人には、知っておきたい点もあります。まず、自分で弁護士を選ぶことはできません。また、利用できるのは一定の段階以降で、逮捕された直後のいちばん早いタイミングでは使えないことがあります。さらに、資力に関する要件があり、誰でも無条件に利用できるわけではありません。逮捕直後の対応を急ぎたい場合は、まず当番弁護士を呼ぶ、という使い分けが現実的です。

つまり、当番弁護士と国選弁護人は、対立するものではなく、時期に応じて使い分けるものだと考えてください。逮捕されてすぐは当番弁護士で専門家とつながり、手続が進んだ段階で国選弁護人に弁護を担ってもらう。こうした流れで、費用を抑えながら切れ目のない援助を受けることができます。どちらか一方を選ばなければならない、というわけではないのです。制度の組み合わせ方を知っておけば、限られた予算でも本人を支える道筋が見えてきます。

対処法③|法テラスを活用する(費用の立替え)

当番弁護士・国選弁護人に続く、もう一つの心強い味方が「法テラス(日本司法支援センター)」です。国が設立した法的支援の総合窓口で、経済的に余裕のない方が弁護士費用を立て替えてもらえる制度などを利用できます。「法テラス」という名前は聞いたことがあっても、何をしてくれるのか具体的には知らない、という方も多いかもしれません。ここでは、刑事事件に関連して法テラスができることを整理しておきます。

法テラスでできること

法テラスでは、収入や資産が一定の基準以下の方を対象に、弁護士費用を立て替える制度があります。立て替えてもらった費用は、原則として後から分割で返していく形になります。一度にまとまったお金を用意できなくても、専門家の援助を受けられるのが大きな利点です。「今すぐ着手金を払うのは難しいが、少しずつなら返していける」という方にとって、現実的な支えになります。手元にまとまった資金がないことが、弁護を受けられない理由にはならないのです。

また、法テラスは、どの制度を使えるのか、どこに相談すればよいのかといった案内もしてくれます。「自分はどの制度が使えるのか分からない」というとき、まず問い合わせてみる窓口としても役立ちます。制度というのは、存在を知らなければ使えません。どこに何があるのかを教えてくれる案内役がいるだけで、心細さはずいぶん和らぎます。一人で調べて途方に暮れる前に、まずは窓口に状況を伝えてみてください。電話で問い合わせるだけでも、次にどう動けばよいかが見えてきます。

ただし、法テラスの制度を利用するには、収入や資産が一定の基準以下であることなどの条件があります。条件に当てはまるかどうか分からない場合でも、まずは問い合わせてみてください。利用できるかどうかの確認も含めて、窓口で案内してもらえます。条件を自分だけで判断してあきらめる必要はありません。

経済的に厳しいときの選択肢
逮捕直後は当番弁護士(無料)/一定段階以降は国選弁護人(国が負担)/費用の立替えは法テラス。これらは互いに排他的なものではありません。複数の制度を時期に応じて組み合わせながら、自分に合った方法を選べます。

私選弁護人を選ぶ場合の費用の考え方

これらの制度がある一方で、刑事事件の経験が豊富な弁護士に最初から最後まで任せたい、逮捕直後から一貫して動いてほしい、という場合には、自分で選ぶ「私選弁護人」が選択肢になります。私選であれば、弁護士を自分で選べ、逮捕直後の早い段階から切れ目なく依頼できるのが利点です。とくに被害者がいる事件で早期に示談を進めたい場合などは、私選の機動力が生きてきます。費用はかかりますが、その分、納得できる弁護士に一貫して任せられます。私選の費用について、考え方を整理しておきましょう。

刑事弁護費用の構成

刑事事件の弁護士費用は、一般に「着手金」「報酬金」「実費」「日当」で構成されます。着手金は依頼時に支払う費用、報酬金は不起訴や執行猶予といった成果に応じて支払う費用です。実費は交通費や書類取得などにかかる実際の費用、日当は弁護士が遠方へ出向く際などに発生する費用です。金額は事件の内容や事務所によって幅があるため、具体的な額は相談時に必ず確認してください。それぞれが何に対する費用なのかを理解しておくと、見積りを見たときに納得しやすくなります。

これらは事務所ごとに金額の設定が異なり、事件の重さや見込まれる手間によっても変わります。だからこそ、相談の場で見積りを出してもらい、納得したうえで依頼することが大切です。

私選費用の構成着手金+報酬金+実費+日当

費用を確認するときのポイント

私選を検討する際は、費用の総額と内訳、そしてどんな成果に対して報酬が発生するのかを、依頼前にきちんと確認しておくことが大切です。きちんとした事務所であれば、見積りや委任契約書で費用の見通しを示してくれます。後から想定外の請求に驚くことのないよう、不明な点は遠慮せず質問してください。「全部でいくらかかるのか」「どんなときに追加の費用が発生するのか」を、依頼の前にはっきりさせておきましょう。費用の説明を丁寧にしてくれるかどうかも、信頼できる弁護士を見極める目安になります。

また、分割払いに応じてくれる事務所もあります。「一括では難しいが、分割なら何とかなる」という場合は、その点も率直に相談してみるとよいでしょう。費用の支払い方法について、はじめから決めつけずに相談することが大切です。

事務所によって費用の体系や支払い方法はさまざまです。一つの事務所で難しいと感じても、別の事務所では柔軟に対応してくれることもあります。費用面で不安があるなら、その不安をそのまま率直に伝えてみてください。誠実な弁護士であれば、予算に応じてどこまでできるかを一緒に考えてくれます。お金の話を切り出すのは気が引けるかもしれませんが、ここを曖昧にしたまま進むほうが、後々のトラブルにつながります。費用の話をオープンにできるかどうかも、信頼関係の第一歩です。

家族が費用を負担する場合に気をつけたいこと

本人ではなく、家族が弁護士費用を負担するケースも多くあります。逮捕されて身柄を拘束されている本人は、口座からお金を引き出すことも、契約を結ぶことも難しいからです。家族が依頼し、費用を支払うことは何の問題もありません。むしろ、本人が動けない状況では、家族が代わりに弁護士へ連絡し、依頼するところから手続が動き出します。家族からの依頼であっても、弁護士はきちんと本人のもとへ接見に向かい、弁護活動を始められます。

ただし、家族にとっても費用は重い負担です。だからこそ、無理のない範囲で、という視点を忘れないでください。当番弁護士や国選弁護人、法テラスといった制度を組み合わせれば、家族の負担を抑えながら本人を支えることもできます。費用の見通しがつかないまま不安を抱え込むより、まずは弁護士や法テラスに相談し、現実的な道を一緒に探すほうが、ずっと建設的です。

なお、起訴後に保釈を求める場合には、弁護士費用とは別に保釈金が必要になることがあります。保釈金は手続が終われば原則として返ってくるお金ですが、一時的にまとまった金額を用意しなければなりません。こうした費用も含めて、早い段階で弁護士と見通しを共有しておくと安心です。何にいくらかかるのかを整理しておけば、慌てずに準備を進められます。

お金にまつわる不安は、具体的な見通しが立つだけで、ずいぶん軽くなるものです。「総額でいくら必要なのか」「どの制度が使えるのか」がはっきりすれば、漠然とした恐怖は現実的な計画に変わります。逆に、見通しが立たないまま放っておくと、不安だけがふくらんでいきます。だからこそ、費用のことも早めに相談しておくことが大切なのです。

家族の立場としては、本人のために少しでも良い弁護を受けさせたいと願うものです。その思いはとても大切ですが、家族自身の生活が立ち行かなくなるほど無理をする必要はありません。利用できる制度を上手に組み合わせ、持続可能な形で本人を支えることが、結局は長い目で見て本人のためにもなります。費用の悩みも、一人で抱えず弁護士に相談してみてください。

よくある質問

本当にお金が一円もなくても弁護士に会えますか?

はい、会えます。逮捕直後であれば、当番弁護士の制度を使って無料で弁護士に接見してもらえます。その後も、国選弁護人や法テラスの制度を利用すれば、経済的な負担を抑えながら弁護を受けられます。お金が手元になくても、専門家とつながる手段は用意されています。まずは当番弁護士を呼ぶ、あるいは法テラスに問い合わせるところから始めてください。

国選弁護人は本当に無料ですか?

費用は国が負担します。ただし、事件の結果によっては、後から費用の負担を求められる場合があります。とはいえ、私選で一から依頼する場合に比べれば、負担はずっと軽く済むのが一般的です。具体的にどうなるかは事件によって異なるため、詳しくは、つけてもらった弁護人に確認してください。

法テラスの立替えは、必ず返さないといけませんか?

立て替えてもらった費用は、原則として後から分割で返していく形になります。毎月少しずつ返していけるため、一度に大きな負担がかかることはありません。無理のないペースで返済できるのが、この制度の使いやすいところです。返済の方法や条件、月々の金額については、法テラスの窓口で確認できます。自分の収入状況に合った返し方を相談できるので、無理なく利用しやすい仕組みになっています。

当番弁護士と国選弁護人は何が違うのですか?

当番弁護士は逮捕直後に一度、無料で接見に来てくれる制度です。国選弁護人は、一定の段階以降に国の費用でつく弁護人で、その後の弁護活動を担います。役割と利用できる時期が異なります。逮捕されてすぐは当番弁護士、手続が進んだ後は国選弁護人、というように、時期に応じて使い分けるとイメージすると分かりやすいでしょう。

補足
ここで紹介した制度の要件や運用は、状況によって異なることがあります。自分が利用できるかどうか、どの制度が適しているかは、当番弁護士や法テラスの窓口で具体的に確認するのが確実です。一般論だけで判断せず、必ず専門家に相談してください。

まとめ|お金の不安で、相談を止めないで

弁護士費用が払えないと感じたとき、取れる対処法は決して一つではありません。逮捕直後なら無料の当番弁護士を、一定の段階以降なら国が費用を負担する国選弁護人を、私選の費用の立替えなら法テラスの制度を。これらをうまく組み合わせれば、たとえ経済的に厳しい状況にあっても、弁護士の助けを受けるための道は確かに開けます。私選の弁護士を選ぶ場合でも、あらかじめ費用の確認をしたり、分割払いの相談をしたりすることで、負担の全体像を見通すことができます。どの方法にも、それぞれの利点と使いどころがあります。大切なのは、自分の置かれた状況に合う制度を正しく知り、ためらわずに実際に使ってみることです。制度は、知って使ってこそ意味があります。

いちばん避けたいのは、「どうせお金がないから」とあきらめてしまい、相談すらしないまま、刑事手続だけがどんどん進んでしまうことです。残念ながら、刑事手続は、こちらの経済的な事情を待ってはくれません。相談が遅れたその分だけ、打てる手は確実に減っていってしまいます。費用に対する漠然とした不安というものは、目をそらさずに正面から一つずつ確認していくことによって、初めて少しずつ解消されていくものです。

まずは、当番弁護士や法テラスといった、無料、または低い負担で利用できる入り口の制度を叩いてみてください。完璧に状況を整理してからでなくて構いません。「お金が足りないかもしれない」という不安を、その言葉のまま正直に伝えていただいて大丈夫です。そこから、あなたが使える制度を一緒に探していくことができます。お金の心配が理由で、本人を守るための大切な一歩を止めてしまわないでほしいのです。あなたが勇気を出して動き出すのを、専門家が待っています。

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