2019/1/28 81view

離婚準備の進め方~生活・子供・お金…切り出す前に準備すべきこと

この記事で分かること
  1. 財産分与、婚姻費用など具体的にもらえそうなお金を把握しておく
  2. 離婚後の生計をどう立てるか、具体的なビジョンを持つ
  3. 特に子供がいる場合など夫婦以外に離婚の影響が出る場合は、周囲への根回しも忘れずに

夫婦生活にピリオドを打つと決心しても、相手が離婚に応じてくれるか、離婚した後の生活をどうするかなどの問題をクリアしないことには話は進みません。そこで今回は、離婚を心に決めた後、実際に相手に切り出す前に準備しておくべきことをご紹介していきます。

離婚の準備として、もらえる可能性のあるお金を把握しておく

離婚すると、真っ先に問題になるのがお金の問題。特に、専業主婦や収入の大部分を配偶者に頼っている人の場合は、お金の問題がネックになって離婚を切り出せないという人も多いのではないでしょうか。

先々のことを考えると自分ひとりで生計を立てていく手段を考える必要はもちろんありますが、それとは別に離婚に伴って配偶者からもらえるお金をキッチリもらっておくことも、当面の生活を維持する上では欠かせない重要なことです。

いったん離婚を切り出してしまうと、離婚についての話し合いが進んでしまい、自分がもらえる見込みのお金が一体いくらあるのか把握することが難しくなってしまいます。そのため、配偶者のおおよその資産などは離婚を切り出す前にリストアップして把握しておくことをお勧めします。

誰でも請求することができるお金

離婚に際しては、相手が離婚の原因を作った場合ではなくても次のようなお金を請求することができます。

婚姻費用

婚姻費用とは、生活を維持するための費用のことで、衣食住にかかる費用や医療費、子供の養育にかかる費用などのいわゆる生活費のことです。婚姻費用は収入が多い方が多く支払わなければなりません。

これは夫婦関係がうまくいって同居しているときだけでなく、離婚に向けた別居生活を始めた場合にも収入の多い方(多くの場合は夫)が収入の少ない、もしくはない方(多くの場合は妻)に対して支払う義務があります。これは請求すれば誰でも必ずもらえるものなので、別居したら必ず請求するよう心に留めておきましょう。

また、具体的な金額については一律に決まっているわけではなく、夫婦間の話し合いで自由に決めることができます。とはいえ大体の目安がないとなかなか話がまとまりませんので、多くの場合は夫婦の年収や子供の数や年齢に応じた婚姻費用算定表を参考資料として提示して、話し合いを進めると良いでしょう。

財産分与

財産分与とは、夫婦が婚姻生活中に協力して築き上げてきた財産を分配することです。

財産分与でいくらもらえるかという額の算定基準は、夫婦のそれぞれが共有財産形成にどれだけ貢献したかによって割合を決めます。家庭裁判所では、夫婦の年齢や婚姻年数、資産、職業、その他個別的な事情などにより、財産分与の割合を決めますが、原則としては平等に2分の1ずつとなります。

漏れがないよう、共有財産をリストアップしておおよその額を把握しておくことが大切です。なお、財産分与は、二人の財産を二人で分けるという考えに基づくものなので、もしあなたが離婚原因を作ってしまった側であったとしても請求することができます。

養育費

離婚した後、親権者となった場合には子供を育てていかなければなりません。親権者とならなかった側も、離婚したからといって子供との親子関係が解消されるわけではないので、子供に対する責任がなくなるわけではありません。

親権者がひとりで子供を育てていくことは、精神的にも経済的にも簡単なことではありません。そこで子供の親権者となった場合には、離婚後、通常子供が20歳になるまで養育費をもらうことができます。

養育費の金額を決める手続きは、基本的には婚姻費用を決める場合と同じで、まずは夫婦同士の話し合いで決めます。それでもしまとまらなければ、離婚調停で養育費算定表を用いて金額を算出することが多いです。

相手に離婚原因がある場合に請求できるお金

上にあげた3つのお金は、離婚原因に関わらず受け取ることができるお金ですが、それに加えて相手に離婚原因がある場合には、慰謝料を請求することができます。

慰謝料を請求できるケース

では一体どういう場合に、慰謝料を請求できるのでしょうか。具体的なケースをみていきましょう。

不貞行為

配偶者以外の異性と肉体関係を持つことで、一般には「不倫」と呼ばれる行為です。

悪意の遺棄

夫婦の義務を放棄することで、配偶者に生活費を渡さない、家出を日常的に行うなどの行為が該当します。

身体的・精神的暴力

家庭内暴力やモラハラなどが該当します。

こういった状況があって離婚に至る場合には、相手に慰謝料を請求することができます。

慰謝料請求のキモは証拠集め

上記のような理由で離婚を希望している場合には、離婚を配偶者に切り出す前にその事実を客観的に証明する証拠を集めておきましょう。例えば配偶者の不倫が疑わしく、離婚したいという場合は多いですが、法律的に不貞行為に該当する不倫というのは、肉体関係があると証明されることが必要となります。

そのため、不貞行為が事実だったとしても、証拠がないことには法的離婚事由とは認められません。携帯電話やSNSでの通信履歴、写真や領収書など、肉体関係があったことを客観的に証明できる証拠を事前に集めておくことが大切です。

また、家庭内暴力(DV)やモラハラが原因の場合でも、証拠が必要になります。実際にそういった行為があったということを証明するために、スマホやボイスレコーダーで録音を行い、暴力による怪我などがあった場合には病院で診断書を出してもらうようにしましょう。

慰謝料の額は、個別の状況や程度を考慮して決定されます。そのため、法的離婚事由があったということの証明と具体的な状況がわかる資料は、できるだけ多くの慰謝料を受け取るために非常に重要です。離婚を切り出して相手が警戒する前に、しっかりと証拠集めしておくことで、有利な条件を引き出せるでしょう。

ワンポイントアドバイス
離婚に際してもらえるお金が大体いくらあるのか事前に把握しておくことは、離婚後の生活設計においても大切です。焦って離婚してしまっては、もらえるはずのお金ももらえずに後悔することになるかもしれません。きちんと共有財産をリストアップして請求できそうな額を把握しておくとともに、相手に離婚の原因がある場合には証拠集めも入念に行いましょう。

離婚後に経済的自立ができるように準備する

特に専業主婦や主たる収入を相手に頼っていた場合には、離婚後安定した収入を得ることができるように準備しておかなければなりません。

まずは別居のための費用確保

離婚すると配偶者と別で暮らすことになるわけですから、その引越し費用など別居生活の開始に伴って短期間に多額のお金が必要となります。そのためには、婚姻中に当面の生活費と新生活のための費用を準備しておきましょう。

また、離婚に向けた第1歩として別居を考えている場合は婚姻費用を請求すればいいのでそれでまかなえると思うかもしれませんが、請求した通りに支払ってくれるかどうかもわかりませんし、支払いまでにはタイムラグがありますので、やはりある程度の費用を確保してから別居すべきです。

離婚後の収入の確保

離婚後の生活の基盤を作る上で、安定した収入の確保は欠かせません。離婚を切り出す前から就職や転職に向けた準備を始め、離婚後どの程度自分が稼げそうか目処を立てておくことは大切です。

就職・転職活動

専業主婦が離婚する場合には、早期の経済的自立につながるため、離婚する前に就職活動をすることをお勧めします。特に子供がいる場合には、就職先が決まっていた方が保育園に入りやすいというメリットもあります。

また、まだ婚姻生活を我慢して続けられそうならば、頑張って資格を取ってから就職活動にのぞみ、より良い条件の就職先を見つけてから離婚をきりだすというのも一つの選択肢です。

出費を減らす

離婚して新生活を始めるにはお金がかかります。特に子供がいる場合には、なおさらです。普段の生活を見直し、できるだけ出費を抑えて貯蓄に回すことが大切です。

児童扶養手当

児童扶養手当は、父母の一方の養育しか受けられない、いわゆるひとり親世帯の子供を対象とする助成金で、母子家庭で多く利用されることから母子手当と呼ばれることもあります。

ワンポイントアドバイス
離婚前から、離婚後の生活の目処をつけるための準備を進めることが大切です。はやく離婚したいという気持ちを抱えたまま一緒に生活を送ることは苦しいですが、離婚後の生活は長く続くものです。今後の人生全体を見据えて、なにが自分にとってベストかを考えて選択しましょう。

離婚の準備をしながら周りの理解と協力を得る

特に子供がいる場合には、片親になってしまうと子育ての負担が増すので周囲の協力が不可欠になります。そのため、離婚を決意したら自分の味方になってくれそうな人に理解と協力を求めることで、離婚後の生活が楽になるでしょう。

家族や周囲への根回し

子育てや離婚後の生活の支えとして最も期待できるのが、実家の協力です。実家の理解が得られれば、離婚後経済的に苦しい場合には、一時的に実家に身を寄せることも選択肢の一つになりますのでだいぶ楽になるでしょう。

結婚前からの友人などにも状況を伝えると、協力を得ることができるかもしれません。直接的なサポートが得られなくても、自分の辛い状況を聞いてもらうことで精神的な支えになってくれることでしょう。ただしその場合、相手側に自分の気持ちや情報を伝える恐れのない人を選ぶことが大切です。思わぬタイミングで離婚の意向が相手に伝わってしまうと、揉め事の種になります。

また、働いている場合には職場に事前の説明をしていくことも検討すべきです。特に小さなお子さんがいる場合は正直に状況を話すことで、勤務時間の変更や有休などの融通を聞かせてくれる場合もあります。

子供への影響を最小限にする

子供がいる場合、子供への精神的・社会的影響を最小限に止めることが離婚において最も大切なことです。

特に懐いていた場合には、片親になかなか会えなくなる状況になることは子供にとってとてもつらいことです。慣れ親しんだ名字が変わってしまったり、転居や転校を余儀なくされたりと、離婚の負担を背負ってしまうのは子供です。離婚前から実家や周囲に根回しをして、サポートをお願いすると良いでしょう。

また、片親での子育ては、仕事に家事に追われて時間的にも精神的にも余裕のない生活になってしまいがちです。ですが、一番傷ついているのは子供だということを常に忘れずに、子供との時間をしっかりとって、不安な気持ちに向き合うことが大切です。

ワンポイントアドバイス
特に子供がいる場合には、離婚による生活の変化の負担は非常に大きいです。実家や周囲のサポートを得られるように離婚前から根回しをして、できるだけスムーズに新生活を始められるように準備しておくことが大切です。

離婚準備に迷う場合は弁護士に相談しよう

離婚後の生活を考えると、少しでも有利な条件で離婚したいと思うのは当然のことです。離婚は夫婦間の問題であると同時に、法的な問題でもあります。特に相手に離婚原因となる事情がある場合には、慰謝料をどの程度もらえるかなどは非常に気になるところだと思います。

離婚後どの程度お金をもらえるのか知りたいけれどよくわからない場合や、なにから手をつけていいのかわからない場合などは、法律の専門家である弁護士に相談してみると良いでしょう。

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