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財産分与に税金はかかるのか
離婚に伴って財産を分けるとき、多くの方が見落としがちなのが税金の問題です。「財産をもらったら贈与税がかかるのでは」「不動産を渡すと何か税金が発生するのか」。こうした不安を抱えたまま手続きを進めてしまう方は少なくありません。まず結論からお伝えすると、財産分与には、原則として贈与税はかかりません。ただし、いくつかの例外や、注意すべき別の税金があります。
そもそも財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚に際して公平に分ける手続きです。これは、相手からタダで財産を「もらう」贈与とは性質が異なります。もともと二人で築いた財産のうち、自分の取り分を受け取るだけ、と考えられているのです。だからこそ、原則として贈与税の対象にはならない、と整理されています。
とはいえ、税金の話は複雑で、「原則かからない」という一言だけでは片づきません。分与する財産の種類や、分け方、タイミングによっては、思わぬ税負担が生じることがあります。特に不動産のように大きな財産を分ける場合は、注意が必要です。知らずに進めて、後から多額の税金を請求されて驚く、という事態は避けたいものです。
この記事では、財産分与を受け取る側と渡す側、それぞれにどのような税金が関わるのか、不動産を分けるときに気をつけたいこと、そして税負担を抑えるための考え方までを、順を追って解説します。なお、税金の具体的な金額や税率、控除の要件は、法改正などで変わることがあり、個々の事情によっても異なります。実際の手続きの際は、必ず税務署や税理士など専門家に確認してください。
税金の話が後回しにされがちなのには、理由があります。離婚の話し合いでは、財産をどう分けるか、子どもをどうするか、といった目の前の問題に気を取られ、その後にかかる税金まで思いが及ばないのです。しかし、税金は、分け方が決まった後になって現実の負担として姿を現します。分けるときの取り決めに税金の視点が抜けていると、後から「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。
特に、財産分与では、まとまった金額が動くことが少なくありません。長年かけて築いた自宅や預貯金を分けるのですから、当然です。金額が大きいほど、税金の影響も大きくなります。だからこそ、財産の分け方を考える段階から、税金のことも視野に入れておくことが大切なのです。目先の合意だけでなく、その先にある負担まで見据えて進めましょう。
税金という視点を最初から持っておくだけで、進め方は大きく変わります。分けるものが決まってから慌てて対策を考えるのではなく、話し合いの入り口から税負担を意識しておく。その心構えが、後悔のない財産分与への第一歩になります。
財産分与を受け取る側の税金
まず、財産分与を受け取る側の税金から見ていきましょう。多くの方が心配するのが贈与税ですが、先ほど述べたとおり、通常の財産分与であれば、受け取る側に贈与税はかかりません。これは、財産分与が贈与ではなく、夫婦の財産の清算だと位置づけられているからです。まっとうな範囲で財産を受け取る分には、原則として心配は要りません。
この点は、財産分与を受け取ろうとしている方にとって、まず安心できる材料でしょう。婚姻中に協力して築いた財産を、離婚の際に自分の取り分として受け取ることは、正当な権利の行使です。それに対して税金がかからないのは、いわば当然の帰結ともいえます。相手から一方的に財産を恵んでもらうのではない、という財産分与の本質を理解しておくと、税金の扱いも腑に落ちるはずです。
ただし、例外があります。分与された財産が、婚姻中に築いた財産の額などから見て、あまりにも過大だと認められる場合です。このようなときは、公平な清算の範囲を超えた部分について、贈与税が課される可能性があります。分与に名を借りて、実質的に財産を無償で移転しているとみなされるためです。常識的な範囲を大きく超える分与には、注意が必要だということです。
また、どの財産が分与の対象になるのかも、あらかじめ整理しておきたい点です。婚姻中に二人で築いた財産が対象になるのが原則で、結婚前からそれぞれが持っていた財産や、相続で得た財産などは、対象から外れるのが基本です。何が対象で何が対象外かをめぐっては、判断が難しいこともあります。
受け取る側として押さえておきたいのは、原則として贈与税の心配は要らないものの、過大な分与や不自然な離婚には課税のリスクがある、という点です。正当な範囲での財産分与であれば、堂々と受け取って構いません。不安があれば、分与を受ける前に、その内容が適正な範囲かどうかを専門家に確認しておくと安心でしょう。
「過大な分与」とはどの程度を指すのか、と気になる方もいるでしょう。これは一律の基準で線引きできるものではなく、婚姻期間や、二人で築いた財産の規模、それぞれの貢献の度合いなど、さまざまな事情を踏まえて判断されます。夫婦の実情に照らして公平といえる範囲であれば、まず問題になりません。逆に、清算という説明では到底つかないほど一方に偏った分与は、疑いの目を向けられる、と考えておけばよいでしょう。
読者の中には、「相手が申し訳なさから多めに財産を渡すと言っている」というケースもあるかもしれません。気持ちはありがたいものですが、あまりに過大な分与は、かえって贈与税を招く恐れがあります。相手の厚意に甘えて安易に受け取るのではなく、それが適正な範囲に収まるかどうかを一度確認しておくほうが、後々の安心につながります。善意が思わぬ税負担に化けることのないよう、気をつけたいところです。
財産分与をする側の税金
意外に思われるかもしれませんが、税金の面でより注意が必要なのは、実は財産を渡す側です。「財産を手放すのに、なぜ税金がかかるのか」と不思議に感じるでしょう。しかし、現金以外の財産、とりわけ不動産を分与する場合には、渡す側に譲渡所得税という税金が問題になることがあるのです。ここは、多くの方が見落とす落とし穴です。
この仕組みは、直感に反するだけに、本当に注意が必要です。財産をもらう側ではなく、手放す側に税金がかかる。しかも、実際に現金を受け取るわけではないのに、税負担だけが発生する。この不思議さゆえに、多くの人が備えを怠り、後になって慌てることになります。とりわけ、長く保有して価値が上がった不動産を渡す場合ほど、この落とし穴は深くなります。渡す側こそ税金に注意、という原則を、まず頭に入れておいてください。
なぜ、財産を渡す側に税金がかかるのでしょうか。譲渡所得税は、値上がりした財産を譲渡したときに、その値上がり分の利益に対してかかる税金です。財産分与で不動産を渡す行為は、税務上、その不動産を時価で譲渡したものとして扱われます。そのため、購入したときよりも不動産の価値が上がっていると、その値上がり益に対して税金が生じる仕組みになっているのです。
一方で、現金や預貯金を分与する場合には、譲渡所得税の問題は生じません。値上がり益という考え方が当てはまらないからです。問題になるのは、あくまで不動産や有価証券のように、時間とともに価値が変動する財産を渡すときです。何を分与するかによって、税金の扱いが変わってくる、と理解しておきましょう。
読者の中には、「持ち家を相手に渡す予定だが、税金のことは考えていなかった」という方もいるかもしれません。もしそうなら、手続きを進める前に、いったん立ち止まってください。渡す不動産にどれくらいの値上がり益があるのかによって、税負担は大きく変わります。この点を見落とすと、離婚後に予期せぬ出費に見舞われることになりかねません。
もう少し具体的にイメージしてみましょう。かつて購入した自宅の価値が、購入時よりも大きく上がっているとします。この自宅を財産分与で相手に渡すと、税務上は、上がった分の利益を得たものとして扱われ、渡す側に譲渡所得税が生じ得ます。手元にお金が入るわけではないのに納税を求められるため、資金の準備をしていないと、支払いに困ることにもなりかねません。渡す財産に含み益があるかどうかは、事前に必ず確かめておくべきです。
反対に、購入時よりも価値が下がっている不動産であれば、値上がり益が生じていないため、譲渡所得税の心配は基本的にありません。つまり、同じ不動産を渡すのでも、その財産が値上がりしているか値下がりしているかで、税負担はまったく変わってくるのです。渡そうとしている財産が今どのような状況にあるのかを、まず把握することが出発点になります。
不動産を分与するときに関わる税金・費用
不動産の財産分与では、譲渡所得税のほかにも、いくつかの税金や費用が関わってきます。これらを知らずにいると、後から次々と請求が来て慌てることになります。あらかじめ全体像を把握し、どの程度の負担を見込んでおくべきかを整理しておきましょう。ここでは、主なものを挙げていきます。
不動産の財産分与が現金の場合と決定的に違うのは、名義を移す手続きが必要になる点です。現金であれば渡して終わりですが、不動産は登記を書き換えなければ、名実ともに相手のものになりません。この名義変更の場面で、いくつかの税金や費用が発生するわけです。手続きと費用がセットでついてくる、と覚えておくと、見落としが減ります。
まず、不動産の名義を変更する際には、登記の手続きが必要になります。この登記には、登録免許税という税金がかかります。また、不動産を取得した側には、不動産取得税が課される場合があります。ただし、財産分与による取得の場合、不動産取得税については扱いが異なることもあるため、個別の確認が欠かせません。
- 譲渡所得税――値上がりした不動産を渡す側に生じることがある
- 登録免許税――名義変更の登記にかかる
- 不動産取得税――取得する側に課される場合がある
- 登記の手続きを専門家に依頼する場合の費用
さらに、不動産に住宅ローンが残っている場合は、話がいっそう複雑になります。ローンの名義や、誰が返済を続けるのか、金融機関の承諾が得られるのかなど、税金以外にも詰めるべき点が数多く出てきます。ローン付きの不動産を分ける際は、税金と返済の両面から、慎重に検討する必要があります。
また、借金など負債がある場合の扱いも、あわせて考えておかなければなりません。夫婦の共同生活のために負った借金は、財産分与の中で考慮されることがあります。プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含めて、全体をどう清算するのか。不動産や借金が絡むケースは、判断が難しいだけに、早めに専門家の助言を得ることをおすすめします。
不動産を分ける際には、これらの税金や費用を、誰が負担するのかもあらかじめ決めておく必要があります。渡す側にかかる税金、取得する側にかかる税金や登記費用――こうした負担を、どちらがどのように持つのかを話し合いで取り決めておかないと、後から「聞いていない」ともめる原因になります。財産の分け方だけでなく、それに伴う費用の分担まで含めて合意しておくこと。これが、後日のトラブルを防ぐコツです。
登記の手続きそのものも、慣れない方には負担が大きいものです。必要な書類をそろえ、法務局に申請する一連の作業は、専門的な知識を要します。手続きに不安がある場合は、司法書士などの専門家に依頼するのが確実です。多少の費用はかかりますが、確実に名義を移し、後の権利関係をはっきりさせておくことの安心には代えられません。大切な財産の移転だからこそ、確かな手続きを心がけましょう。
居住用不動産と税の特例
不動産の分与には税負担が伴うことがある、とお伝えしてきましたが、負担を軽くする制度も用意されています。特に、夫婦が住んでいた自宅、いわゆる居住用不動産については、税金の負担を軽減する特例が設けられています。これらをうまく活用できれば、税負担を大きく抑えられる可能性があります。
なぜ自宅について特例が設けられているのかというと、居住用の不動産は、生活の基盤という特別な性格を持つからです。単なる投資目的の資産とは異なり、そこに住んで暮らしていた家を手放す場合には、税負担を軽くして生活の再建を後押しする、という配慮がはたらいているのです。離婚に伴って自宅を分ける多くのケースで、この特例が助けになる可能性があります。
代表的なのが、居住用の財産を譲渡した場合の特別控除の制度です。自分が住んでいた家を譲渡したときに、一定の要件を満たせば、譲渡所得から控除を受けられる仕組みです。これを使えると、譲渡所得税の負担がかなり軽くなることがあります。ただし、控除の額や適用の要件は定められており、また変わることもあるため、必ず最新の内容を確認する必要があります。
ここで注意したいのが、特例を使うためのタイミングです。この居住用財産の特例は、渡す相手が配偶者である間は適用されないのが原則とされています。つまり、離婚が成立して相手が配偶者でなくなってから不動産を分与することで、特例を使える余地が生まれるのです。順序を間違えると、せっかくの特例が使えなくなってしまいます。
このように、税の特例は、要件やタイミングが細かく定められており、素人判断で進めるのは危険です。使えると思っていた特例が実は使えなかった、あるいは順序を誤って余計な税金がかかってしまった、という失敗は避けたいところです。居住用不動産を分与する予定があるなら、手続きの前に、税理士など専門家に相談して、最も有利な進め方を確認しておきましょう。
参考までに触れておくと、婚姻期間が長い夫婦の間で、居住用の不動産やその購入資金を贈与する場合には、贈与税の負担を軽くする特例も別に用意されています。ただし、これはあくまで婚姻中の贈与に関する制度であり、離婚に伴う財産分与とは適用の場面が異なります。どの制度がどの場面で使えるのかは紛らわしいため、自分のケースにどれが当てはまるのかを、専門家に整理してもらうのが安全です。
いずれにせよ、税の特例は、要件を一つでも満たさないと使えないという、厳格な性質を持っています。「使えるはずだ」という思い込みで進めた結果、実際には適用されず、想定外の税金を負担することになった、という例は後を絶ちません。特例を当てにして分け方を決めるのであれば、その前に、本当に適用できるのかを確実に確かめておく。この慎重さが、余計な出費からあなたを守ります。
税負担を抑えるための工夫
財産分与にかかる税金は、進め方を工夫することで、抑えられる場合があります。何も考えずに手続きを進めるのと、税金を意識して段取りを組むのとでは、最終的な負担が変わってくることも珍しくありません。ここでは、税負担を軽くするための基本的な考え方を、手順に沿って見ていきましょう。
大前提として押さえておきたいのは、税金対策は、財産の分け方を決める前から始まっている、ということです。すでに分け方を確定させ、手続きを終えてしまった後では、打てる手はほとんど残っていません。どの財産をどう分けるか、いつ実行するかを検討する、まさにその段階でこそ、税負担を軽くする選択の余地が広がっています。だからこそ、早い段階で専門家に相談しておくことが、結果的に大きな差を生むのです。
- 分与する財産の種類を確認する。現金か、不動産か、有価証券かによって、関わる税金が変わります。
- 不動産を渡す場合は、値上がり益の有無を把握する。譲渡所得税が生じるかどうかの見極めになります。
- 使える特例がないかを調べる。居住用財産の特例などが適用できれば、負担を軽くできます。
- 分与のタイミングを検討する。特例の適用には、離婚成立後に分与するなど、順序が関わることがあります。
- 専門家に相談する。税理士や弁護士の助言を得て、最も有利な進め方を確定させます。
特に重要なのが、財産をどのような形で分けるかという工夫です。たとえば、不動産をそのまま渡すと譲渡所得税がかかる場合でも、いったん売却して現金化してから分ける、という方法もあります。どちらが有利かは、値上がり益の状況や、双方の希望によって変わります。選択肢を知ったうえで比較検討することが、無駄な税負担を避ける近道です。
どちらの方法が有利かは、ケースによって本当にさまざまです。不動産をそのまま渡したほうがよい場合もあれば、売却して現金で分けたほうが結果的に手元に多く残る場合もあります。二人の希望や、住み続けたいかどうか、値上がり益の大きさなど、考慮すべき要素が絡み合うためです。だからこそ、思い込みで一つの方法に決めてしまう前に、複数の選択肢を並べて損得を見比べる姿勢が大切になります。
読者の中には、「税金のことまで考える余裕がない」と感じる方もいるでしょう。離婚の話し合いだけでも大変なのに、税金の計算まで、と気が重くなる気持ちはよくわかります。しかし、ここを専門家に任せてしまえば、負担はぐっと軽くなります。餅は餅屋、という言葉のとおり、税の問題は税の専門家に委ねるのが、結局は最も安心で確実な方法なのです。
税負担を抑える工夫は、分け方だけにとどまりません。分与を実行する時期も、負担を左右する要素になります。前にも触れたように、居住用財産の特例は、離婚が成立してから分与することで使える余地が生まれます。何を、いつ、どの順序で行うか。この段取りを一つ間違えるだけで、負担が大きく変わることがあるのです。だからこそ、行き当たりばったりで進めるのではなく、全体の流れを設計してから動くことが重要になります。
もっとも、税金を抑えることだけを最優先にして、肝心の離婚条件が不利になっては本末転倒です。税負担の軽さと、財産分与の内容そのものの妥当性は、両方をあわせて考える必要があります。目先の節税にとらわれて、本来受け取るべき財産を手放してしまっては元も子もありません。全体を見渡し、何が自分にとって最も得なのかを、冷静に判断していきましょう。
財産分与と一緒に考えたいお金の手続き
財産分与と税金の話を進めるうえで、あわせて考えておきたいことがあります。それは、取り決めた内容を確かな形で残しておくこと、そして財産分与以外のお金の手続きも忘れないことです。税金のことだけに気を取られて、ほかの大切な手続きを見落としては本末転倒です。全体を見渡して進めましょう。
税金は、あくまで財産分与という大きな枠組みの中の一要素にすぎません。税負担を気にするあまり、財産分与そのものの中身や、慰謝料、養育費といったほかの条件がおろそかになっては困ります。離婚に伴うお金の問題は、互いに関連し合っています。一つの側面だけを見るのではなく、全体としてどう決着させるのが自分にとって最善かを考える視点が欠かせません。
まず、財産分与の内容が固まったら、それを書面にしておくことが欠かせません。誰が、どの財産を、いつまでに、どのように受け取るのか。税金の負担を誰が持つのかも含めて、明確に定めておきます。口約束のままでは、後から解釈をめぐって争いになりかねません。特に不動産のように大きな財産が絡む場合は、書面化を怠らないでください。
書面には、税金の負担を誰が持つのかを明記しておくことが、とりわけ大切です。たとえば、不動産を渡す側に譲渡所得税がかかる場合、その負担を分与の条件にどう反映させるのか。取得する側の登記費用は誰が持つのか。こうした点を書面に落とし込んでおかないと、後から負担をめぐって蒸し返される恐れがあります。お金に関わることだからこそ、あいまいさを残さず、はっきりと定めておきましょう。
また、財産分与と混同されがちですが、年金分割という別の制度もあります。これは、婚姻期間中の厚生年金の記録を、夫婦で分け合える仕組みです。手続きには期限があるため、財産分与とあわせて、忘れずに確認しておく必要があります。将来受け取る年金に関わる大切な手続きですので、見落とさないようにしましょう。
話し合いで財産分与の条件がまとまらない場合には、家庭裁判所の手続きを利用することになります。当事者だけでは折り合えないときも、調停の場で第三者を交えれば、冷静に整理できることがあります。財産や税金が絡む複雑なケースこそ、専門家や裁判所の力を借りて、着実に進めていくのが賢明です。
財産分与の税金に関するよくある質問
財産分与でもらったお金は確定申告が必要ですか
通常の範囲の財産分与でお金を受け取った場合、それは贈与や所得とは扱われないため、受け取った側が確定申告をする必要は原則としてありません。ただし、不動産を分与された後にそれを売却した場合など、別の場面で申告が必要になることはあります。また、分与した側が不動産を渡して譲渡所得が生じた場合は、渡した側に申告が必要になります。自分のケースで申告が必要かどうかは、専門家に確認しておくと確実です。
なお、確定申告が必要かどうかは、受け取った財産の種類や、その後にその財産をどう扱ったかによって変わります。単に現金を受け取っただけであれば申告は不要でも、不動産が絡むと話は別です。判断に迷う場合に自己流で済ませてしまうと、申告漏れを指摘されたり、逆に必要のない申告をしてしまったりということが起こり得ます。少しでも不安があれば、税務署の相談窓口や税理士に確かめておくのが安心です。
なぜ財産を渡す側に税金がかかるのですか
不思議に感じるのももっともですが、これは譲渡所得税の仕組みによるものです。不動産などを財産分与で渡す行為は、税務上、その財産を時価で譲渡したものとみなされます。購入時より価値が上がっていれば、その値上がり益に対して税金がかかる、という考え方です。お金をもらうわけではないのに税負担が生じるため、見落とされやすい点です。不動産を渡す予定がある方は、特に注意しておきましょう。
離婚のタイミングで税金の額は変わりますか
変わることがあります。特に居住用不動産の特例は、相手が配偶者でなくなってから分与することで使える余地が生まれるなど、離婚の成立と分与の順序が税負担に影響します。焦って離婚前に財産を移してしまうと、使えたはずの特例が適用できなくなることもあります。大きな財産を分ける場合は、タイミングも含めて、事前に専門家と相談しながら進めるのがよいでしょう。
分与で受け取った不動産を売るときに税金はかかりますか
財産分与で受け取った不動産を、後で売却する場合には、その売却によって値上がり益が出れば、売った側に譲渡所得税がかかることがあります。この場合、いつ取得したものとして扱うか、取得にかかった費用をどう計算するかによって、税額が変わってきます。居住用として住んでいた場合には、特例が使える可能性もあります。売却を考えているなら、その前に税務上の扱いを確認しておくと、思わぬ課税に慌てずに済みます。
税金の相談は誰にすればよいですか
税金の具体的な計算や、特例が使えるかどうかといった相談は、税務署や税理士が専門になります。一方、財産分与そのものの進め方や、離婚条件全体の取り決めについては、弁護士が力になります。税金と法律の両面が絡む複雑なケースでは、弁護士に相談しながら、必要に応じて税理士とも連携して進めるのが理想的です。まずは離婚全体の窓口として、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
ここまで見てきたように、財産分与の税金は、一見すると難解で、落とし穴の多い分野です。しかし、要点を押さえてしまえば、恐れる必要はありません。受け取る側は原則として贈与税の心配が要らないこと、注意すべきは不動産を渡す側の譲渡所得税であること、そして居住用財産には特例が用意されていること。この三つを軸に、大きな財産を分けるときほど、事前に専門家へ相談すること。これだけ意識しておけば、思わぬ税負担で離婚後の生活を圧迫される事態は、十分に避けられます。安心して次の一歩を踏み出すために、税金の視点を忘れずに準備を進めてください。
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慰謝料の相場目安
100万円 〜 300万円
判例の中央値:200万円
※ 過去の裁判例に基づく相場の目安です。実際の慰謝料額は個別事情により大きく変動します。性格の不一致のみでは慰謝料請求が認められない場合が多い点にご注意ください。
