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離婚を考えるとき、気持ちの問題と同じくらい、いえ、それ以上に切実なのが、お金の問題ではないでしょうか。「離婚するのに、どのくらいお金がかかるのだろう」「離婚したら、相手からいくらもらえるのだろう」。こうした不安を抱えて、なかなか一歩を踏み出せない方は少なくありません。離婚後の生活を考えれば、お金のことをきちんと把握しておくのは、とても大切なことです。
この記事では、弁護士の視点から、離婚にまつわるお金を、「かかるお金」と「もらえるお金」の両面から整理してお伝えします。離婚の手続きにどんな費用がかかるのか、そして、財産分与や慰謝料、養育費など、離婚に際して受け取れるお金にはどんなものがあるのか。全体像を知ることで、漠然としたお金の不安が、具体的な見通しへと変わっていきます。順を追って見ていきましょう。
離婚に踏み切れない理由として、「経済的な不安」を挙げる方は非常に多くいます。とくに、結婚を機に仕事を辞めていたり、収入が相手に比べて少なかったりする場合、「離婚したら生活していけるのだろうか」という不安は、切実なものです。しかし、離婚に際して受け取れるお金や、利用できる制度を正しく知れば、その不安の多くは軽くなります。何も知らないまま「お金がないから離婚できない」と諦めてしまうのは、とてももったいないことです。財産分与や年金分割、公的な支援など、あなたが受け取れるもの、頼れるものは、思っている以上にあるかもしれません。この記事で、お金の全体像をつかんでいただければ、離婚後の生活が、決して真っ暗なものではないと分かるはずです。まずは、正しい知識を身につけることから始めましょう。
離婚とお金|全体像を知っておこう
まず、離婚とお金の全体像をつかんでおきましょう。離婚に関わるお金は、大きく二つに分けられます。一つは、離婚を進める過程で「出ていくお金」、つまり費用です。もう一つは、離婚に際して相手から「入ってくるお金」、つまり財産分与や慰謝料などです。この両面を意識しておくことが、離婚後の生活設計の第一歩になります。
お金の話というと、なんとなく後ろめたく感じたり、話し合いを避けたくなったりする方もいるかもしれません。しかし、離婚後にあなたが安定した生活を送るためには、お金のことをきちんと整理しておくことが欠かせません。とくに、感情的な対立からお金の取り決めを曖昧にしてしまうと、離婚後に生活が立ち行かなくなったり、本来もらえるはずのお金を受け取れなかったりすることがあります。
お金のことは、離婚を決める前から、できる範囲で把握しておくことが理想です。とくに、夫婦の財産の状況は、離婚を切り出す前に確認しておかないと、あとで把握しづらくなることがあります。まずは、離婚を進めるうえで「かかるお金」から見ていきましょう。
お金の全体像を考えるとき、一つ意識しておきたい視点があります。それは、「かかるお金」と「もらえるお金」を、切り離さずに、あわせて考えるということです。たとえば、弁護士に依頼すると費用はかかりますが、そのサポートによって、本来受け取れるお金をきちんと確保できたり、有利な条件で離婚できたりすることがあります。つまり、かかる費用以上に、もらえるお金が増えることもあるのです。目先の費用だけを見て「お金がかかるから」と専門家への相談をためらうと、かえって損をしてしまう場合もあります。大切なのは、費用と、それによって得られるものを、総合的に見て判断することです。この視点を持っておくと、お金に関する選択で、後悔しにくくなります。
離婚でかかるお金
離婚を進めるにあたって、どのような費用がかかるのでしょうか。かかるお金は、どの方法で離婚するかによって、大きく変わってきます。話し合いで解決する協議離婚なら費用は抑えられますが、調停や裁判に進むと、その分の費用がかかります。
つまり、離婚にかかる費用を抑えたいのであれば、できるだけ話し合いで解決するのが理想だといえます。夫婦のあいだで冷静に話し合い、条件について合意できれば、裁判所を通す必要がなく、費用も時間も大きく節約できます。もっとも、費用を抑えたいからと、本来決めるべきことを決めずに離婚してしまっては、本末転倒です。安く済ませることばかりを優先して、受け取れるお金を取りこぼしてしまえば、かえって損をします。大切なのは、必要な取り決めはきちんとしたうえで、無駄な費用は抑える、というバランスです。話し合いで解決できるなら費用は抑えられますし、それが難しければ、費用をかけてでも専門家の力を借りて、正当な条件を確保する。状況に応じて、賢く判断していきましょう。
まず、協議離婚の場合、夫婦の話し合いで合意できれば、基本的に大きな費用はかかりません。取り決めた内容を公正証書にする場合には、その作成費用がかかる程度です。一方、調停や裁判に進む場合には、裁判所に納める費用がかかります。そして、これらの手続きを弁護士に依頼する場合には、弁護士費用も必要になります。弁護士費用は、依頼する内容や事務所によって幅がありますが、事前に見積もりを確認できます。
| 離婚の方法 | かかる費用の目安 |
|---|---|
| 協議離婚 | 基本的に少額。公正証書を作る場合はその費用 |
| 調停離婚 | 裁判所に納める費用。弁護士に依頼すればその費用も |
| 裁判離婚 | 裁判所に納める費用と、弁護士費用が中心 |
このほか、離婚に伴って、引っ越しや新生活の準備にかかる費用も見込んでおく必要があります。弁護士費用が心配な方もいるかもしれませんが、費用の仕組みや見通しは、依頼する前に確認できます。あらかじめ、どのくらいかかりそうかを把握しておけば、安心して手続きに臨めます。弁護士費用の考え方については、次の記事も参考になります。
弁護士費用について、もう少し補足しておきます。「弁護士に頼むと高そう」というイメージから、依頼をためらう方は多いものです。しかし、実際の費用は、依頼する内容や、事案の難しさによってさまざまです。まずは相談だけしてみて、自分のケースではどのくらいの費用がかかりそうか、見積もりを聞いてから判断することもできます。多くの場合、依頼する前に、費用の総額や、どのような場合に追加の費用が発生するのかを、きちんと説明してもらえます。ですから、「いくらかかるか分からなくて不安」という理由だけで相談を避けるのは、もったいないことです。費用の見通しが立てば、依頼するかどうかを、落ち着いて判断できます。費用が心配なときこそ、まずは相談して、具体的な数字を確認してみることをおすすめします。
離婚でもらえる・請求できるお金
次に、離婚に際して受け取れるお金、相手に請求できるお金について見ていきましょう。ここを知らないでいると、本来受け取れるはずのお金を見逃してしまうことになりかねません。離婚で受け取れるお金には、いくつかの種類があります。
代表的なものが、夫婦で築いた財産を分ける財産分与です。これは、離婚の理由に関係なく、原則として受け取れるものです。次に、相手に不貞やDVなどの不法な行為があった場合に請求できる慰謝料があります。子どもがいる場合には、養育費も、子どもを育てるために欠かせないお金です。さらに、婚姻期間中の年金を分ける年金分割や、別居中の生活費にあたる婚姻費用など、状況に応じて受け取れるお金があります。
- 財産分与|夫婦で築いた財産を分ける
- 慰謝料|相手の不法な行為への賠償
- 養育費|子どもを育てるためのお金
- 年金分割|婚姻期間中の年金を分ける
- 婚姻費用|別居中の生活費
これらは、それぞれ性質が異なり、受け取れる条件も違います。自分のケースでどのお金を受け取れるのかを整理しておくことが、損をしないために大切です。とくに、これらを曖昧にしたまま離婚を急いでしまうと、あとで請求するのが難しくなることもあります。話し合いの進め方に不安がある方は、次の記事も参考になります。
ここで、受け取れるお金について、大切な考え方をお伝えします。それは、これらのお金は、あなたが「もらって当然」の正当な権利である、ということです。離婚のお金の話をするとき、「お金の話をするのは、がめついと思われないか」「相手に悪いのではないか」と、遠慮してしまう方がいます。しかし、財産分与は夫婦で築いた財産を分けるものですし、養育費は子どものために必要なお金、慰謝料は相手の行為への正当な賠償です。これらを求めることは、決してがめついことでも、恥ずかしいことでもありません。むしろ、これらを遠慮して受け取らずにいると、あなた自身や子どもの離婚後の生活が苦しくなってしまいます。自分と子どもの生活を守るために、受け取れるお金は、堂々と請求してよいのです。この意識を持つことが、お金で損をしないための、大切な第一歩になります。
財産分与|夫婦の財産を分ける
離婚で受け取れるお金のなかでも、多くの方に関わるのが財産分与です。財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚の際に公平に分けることをいいます。これは、離婚の原因がどちらにあるかとは関係なく、原則として認められるものです。
財産分与は、離婚のお金のなかでも、とくに多くの方に関わる、基本となるものです。専業主婦や専業主夫として家庭を支えてきた方のなかには、「収入を得ていたのは相手だから、財産は相手のものではないか」と考える方がいます。しかし、これは誤解です。夫婦の財産は、たとえ一方が外で働いて稼いだものであっても、もう一方が家庭を支えたからこそ築けたものと考えられます。ですから、家事や育児で家庭を支えてきた方も、夫婦の財産の半分程度を受け取る権利があるのが原則です。名義が相手になっているからと諦める必要はありません。財産分与は、あなたが家庭に貢献してきたことへの、正当な評価でもあるのです。
財産分与の対象になるのは、預貯金や不動産、自動車、退職金など、婚姻期間中に夫婦で築いた財産です。名義がどちらであるかは関係なく、夫婦の協力によって得られた財産であれば、分与の対象になります。一方、結婚前から持っていた財産や、相続で得た財産などは、原則として対象外です。財産分与は、離婚後の生活基盤に直結する重要なものですから、対象となる財産を漏れなく把握することが大切です。
財産分与を進めるうえで、注意しておきたいのが税金の問題です。財産分与のやり方や、分与される財産の種類によっては、税金がかかる場合があります。思わぬ税負担で損をしないためにも、税金の扱いをあらかじめ理解しておくことが大切です。財産分与にまつわる税金については、次の記事が参考になります。
財産分与について、もう一点、気をつけたいことがあります。それは、相手が財産を隠しているケースへの注意です。財産分与は、夫婦の財産を正確に把握できて初めて、公平に分けられます。ところが、離婚を有利に進めようとして、相手が預貯金や資産を隠したり、少なく申告したりすることがあります。相手が財産を隠したまま財産分与の話をまとめてしまうと、あなたは本来受け取れるはずの財産を受け取れないことになります。こうした事態を防ぐには、離婚を切り出す前に、夫婦にどんな財産があるのかを、できる範囲で把握しておくことが有効です。相手が財産を隠している疑いがある場合には、専門家に相談することで、財産を明らかにする方法が見つかることもあります。財産分与で損をしないためには、財産の全体像をしっかりつかむことが何より大切です。
慰謝料・養育費|相手に請求できるお金
財産分与と並んで大切なのが、慰謝料と養育費です。これらは、財産分与とは性質が異なるお金で、それぞれ受け取れる条件があります。混同されがちですが、別々のものとして理解しておく必要があります。
慰謝料と養育費を混同してしまうと、思わぬ誤解が生まれます。たとえば、「慰謝料をもらうから、養育費はいらない」とか、逆に「養育費をもらうから、慰謝料は請求できない」といった考え方は、正しくありません。この二つは、まったく別の根拠にもとづくお金だからです。慰謝料を受け取れるケースであれば、それに加えて養育費も受け取れますし、慰謝料が発生しないケースでも、養育費は当然に受け取れます。それぞれを別のものとして、きちんと整理して考えることが大切です。自分のケースで、どのお金を、どういう根拠で受け取れるのかを、一つずつ確認していきましょう。
慰謝料は、相手の不貞やDVなど、不法な行為によって受けた精神的な苦痛に対する賠償です。したがって、相手にそうした行為があった場合に請求できるもので、性格の不一致など、どちらか一方が悪いとはいえない理由での離婚では、原則として発生しません。一方、養育費は、子どもを育てるために、離れて暮らす親が負担すべきお金です。こちらは、離婚の理由に関係なく、子どもがいれば取り決めるべきものです。慰謝料は相手の行為への賠償、養育費は子どものためのお金、というように、役割がまったく違います。
養育費は、子どもが健やかに育つために欠かせないお金です。口約束ではなく、金額や支払方法、支払う期間を明確にし、書面に残しておくことが大切です。とくに、養育費は長期にわたって支払われるものですから、途中で支払いが滞らないよう、確実な形で取り決めておくことをおすすめします。慰謝料も養育費も、あなたと子どもの生活を支える大切なお金ですから、しっかり取り決めておきましょう。
養育費について、とくに強調しておきたいことがあります。それは、養育費は「子どもの権利」だということです。離婚したあと、親どうしの関係が悪化していると、「あんな相手からお金をもらいたくない」という気持ちから、養育費を請求しない方がいます。しかし、養育費は、離れて暮らす親と子どもをつなぐ、大切なお金です。親の感情とは切り離して、子どものために、きちんと受け取るべきものなのです。また、養育費は、いったん取り決めても、途中で支払いが止まってしまうことが少なくありません。そうした事態に備えて、取り決めた内容を、単なる口約束ではなく、後から支払いを求めやすい確実な形にしておくことが大切です。子どもの成長を長く支えるお金だからこそ、最初の取り決めを、しっかりしたものにしておきましょう。
年金分割・婚姻費用・公的支援
財産分与や慰謝料、養育費のほかにも、離婚に際して受け取れるお金や、利用できる制度があります。これらは見落とされがちですが、離婚後の生活を支える大切なものです。忘れずに確認しておきましょう。
とくに、婚姻費用については、意外と知られていないため、あらためて説明しておきます。離婚に向けて別居を始めると、収入の少ない側は、当面の生活費に困ることがあります。このとき、収入の多い相手に対して、離婚が成立するまでの生活費として、婚姻費用を請求できることがあります。夫婦は、別居していても、離婚が成立するまでは、お互いの生活を支え合う義務があるためです。この婚姻費用を知らずに、別居中の生活費をすべて自分で抱え込んで苦しんでいる方も少なくありません。別居から離婚成立までには、時間がかかることもあります。その間の生活を支えるためにも、婚姻費用を請求できることを、ぜひ知っておいてください。別居を考えている場合には、この点を早めに確認しておくとよいでしょう。
まず、年金分割です。これは、婚姻期間中に夫婦が納めた年金の記録を分け合う制度で、将来受け取る年金額に関わります。とくに、婚姻期間が長い場合には、大きな意味を持つことがあります。次に、婚姻費用です。離婚に向けて別居している間、収入の少ない側は、相手に対して生活費にあたる婚姻費用を請求できることがあります。離婚が成立するまでの生活を支える、大切なお金です。さらに、ひとり親家庭を対象とした公的な支援制度もあります。
年金分割について、少し補足しておきます。年金分割は、将来受け取る年金に関わるため、今すぐお金が入ってくるわけではありませんが、長い目で見ると、老後の生活を支える大切なものです。とくに、専業主婦や専業主夫として家庭を支えてきた方の場合、自分自身の年金だけでは、老後の生活が心もとないことがあります。年金分割を行うことで、婚姻期間中の相手の年金記録の一部を、自分のものにできる可能性があります。手続きには期限などの条件があるため、離婚の際には、忘れずに確認しておきたいところです。目先のお金だけでなく、こうした将来にわたるお金にも目を向けておくことが、長期的な生活の安定につながります。ひとり親を対象とした公的な支援については、次の記事も参考になります。
これらの制度は、自分から手続きをしないと受け取れないものも多くあります。制度があることを知らずに、本来受け取れるはずのお金や支援を逃してしまうのは、非常にもったいないことです。離婚を進める際には、こうした制度についても、利用できるものがないか確認しておきましょう。とくに、ひとり親として子どもを育てていく場合には、公的な支援を上手に活用することが、生活の安定につながります。
お金で損をしないための進め方
ここまでの内容を踏まえて、離婚のお金で損をしないための進め方を整理しておきましょう。ポイントは、かかるお金ともらえるお金の全体像を把握し、受け取れるものを漏れなく確保することです。
- 離婚を切り出す前に、夫婦の財産の状況を把握する。
- 自分が受け取れるお金の種類を整理する。
- 年金分割や公的支援など、見落としがちなものも確認する。
- 取り決めた内容は、必ず書面に残す。
- お金の交渉に不安があれば、専門家に相談する。
離婚のお金の問題は、あなたの離婚後の生活を大きく左右します。感情的になって「お金のことはもういい」と投げ出してしまうと、あとで生活に困ることになりかねません。受け取れるお金は、あなたと子どもが新しい生活を築いていくための、大切な土台です。遠慮したり、あきらめたりせず、正当に受け取れるものは、きちんと受け取りましょう。お金の交渉は感情的になりやすく、当事者だけでは難しいこともあります。そうしたときは、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることを検討してください。
離婚に伴うお金の問題は、複雑で分かりにくいものです。しかし、全体像を理解し、一つずつ整理していけば、必ず見通しが立ちます。お金の不安が軽くなれば、離婚という決断にも、前向きに向き合えるようになります。この記事が、あなたが安心して新しい一歩を踏み出すための、手がかりになれば幸いです。
最後に、あらためて要点をまとめておきます。離婚に関わるお金は、離婚を進めるためにかかる費用と、財産分与や慰謝料、養育費など、相手から受け取れるお金の二つに分けて考えることが大切です。かかる費用は方法によって変わりますが、弁護士費用も含めて、事前に見通しを立てられます。受け取れるお金には、財産分与、慰謝料、養育費のほか、年金分割や婚姻費用、公的支援など、さまざまなものがあります。これらを漏れなく確認し、正当に受け取ることが、離婚後の生活を支える土台になります。お金のことを遠慮したり、諦めたりせず、あなたと子どもの新しい生活のために、受け取れるものはきちんと受け取ってください。分からないことや不安なことがあれば、一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。
お金の不安は、離婚を考える多くの方にとって、最も重くのしかかる問題です。しかし、その不安の正体は、多くの場合、「よく分からない」ことからくる漠然としたものです。何にいくらかかり、何がいくらもらえるのか。その全体像が見えてくれば、不安は、対処できる具体的な課題へと変わります。この記事でお伝えした内容が、その第一歩になれば幸いです。そして、より詳しいことや、自分のケースでの具体的な見通しについては、ぜひ専門家に相談してみてください。あなたが経済的な不安に押しつぶされることなく、前を向いて新しい生活を始められるよう、心から願っています。
離婚後の生活は、確かにお金の面で大変なこともあります。けれども、受け取れるお金をきちんと確保し、使える制度を上手に活用すれば、道は開けます。そして、たとえ最初は厳しくても、時間をかけて生活を立て直していくことは、十分に可能です。大切なのは、正しい知識を持ち、諦めずに、受け取れるものを受け取ることです。お金の不安を一つずつ解消しながら、あなたらしい新しい生活を、着実に築いていってください。困ったときは、いつでも専門家という心強い味方がいることを、どうか忘れないでください。
お金の問題は、一人で抱え込むと、実際以上に重く感じられるものです。誰かに相談し、見通しを一緒に立てるだけで、心はずいぶん軽くなります。あなたには、安定した生活を送る権利があります。その権利を守るために、受け取れるものはきちんと受け取り、頼れるものは遠慮なく頼ってください。あなたの新しい生活が、経済的にも、心の面でも、穏やかで安定したものになることを、心から願っています。まずは、できることから一つずつ始めていきましょう。その一歩一歩の積み重ねが、あなたの安心につながっていきます。
よくある質問
離婚にはどのくらいお金がかかりますか?
かかる費用は、離婚の方法によって大きく変わります。話し合いで解決する協議離婚なら、基本的に大きな費用はかかりません。調停や裁判に進むと、裁判所に納める費用や、弁護士に依頼する場合はその費用がかかります。弁護士費用は事務所によって幅がありますが、事前に見積もりを確認できるので、まず相談してみるとよいでしょう。
また、費用がかかっても、専門家のサポートによって、本来受け取れるお金をきちんと確保できたり、有利な条件で離婚できたりすることがあります。目先の費用だけでなく、それによって得られるものも含めて、総合的に判断することが大切です。
離婚で相手からもらえるお金には何がありますか?
代表的なものが、夫婦で築いた財産を分ける財産分与で、離婚の理由に関係なく原則として受け取れます。相手に不貞やDVがあれば慰謝料も請求でき、子どもがいれば養育費も受け取れます。さらに、年金分割や、別居中の婚姻費用、ひとり親向けの公的支援などもあります。自分が受け取れるものを漏れなく確認することが大切です。
これらのお金は、それぞれ受け取れる条件が異なります。財産分与は原則として受け取れますが、慰謝料は相手に不法な行為があった場合に限られます。自分のケースでどれを受け取れるのかを一つずつ確認し、取り決めから漏れないようにしましょう。
財産分与と慰謝料は違うものですか?
はい、まったく別のものです。財産分与は、夫婦で築いた財産を公平に分けるもので、離婚の原因に関係なく受け取れます。一方、慰謝料は、相手の不貞やDVなど不法な行為への賠償で、そうした行為があった場合に請求できます。慰謝料が発生しないケースでも、財産分与は受け取れるので、それぞれ別に考えることが大切です。
この二つを混同すると、「うちは相手が悪いわけではないから、何ももらえない」と誤解してしまうことがあります。しかし、相手に非がなくても、夫婦で築いた財産があれば、財産分与は受け取れます。慰謝料の有無と、財産分与の有無は、まったく別の話だと理解しておきましょう。
お金のことを決めずに離婚してしまっても大丈夫ですか?
お金のことを曖昧にしたまま離婚を急ぐのは、おすすめできません。財産分与や慰謝料などは、離婚後に改めて請求するのが難しくなることがあります。本来受け取れるはずのお金を逃さないためにも、離婚が成立する前に、受け取れるお金をきちんと整理し、取り決めておくことが大切です。不安な場合は、専門家に相談しましょう。
とくに、相手と別れたい一心で「お金はいらないから早く離婚したい」と考えてしまう方がいますが、これは慎重に考えるべきです。離婚後の生活は、想像以上にお金がかかります。あとで「あのとき、きちんと取り決めておけばよかった」と後悔しないよう、感情に流されず、受け取れるものは確保しておきましょう。
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慰謝料の相場目安
100万円 〜 300万円
判例の中央値:200万円
※ 過去の裁判例に基づく相場の目安です。実際の慰謝料額は個別事情により大きく変動します。性格の不一致のみでは慰謝料請求が認められない場合が多い点にご注意ください。
