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離婚にかかるお金ともらえるお金【費用と請求の全知識】

この記事で分かること

  • 離婚手続き(協議・調停・裁判)ごとにかかる費用の具体的な相場がわかる
  • 財産分与・慰謝料・養育費・婚姻費用など、離婚時に請求できるお金の種類と条件がわかる
  • シングルマザーとして受け取れる公的支援制度の全容がわかる
  • 弁護士費用を抑える方法と、費用以上の効果が期待できる理由がわかる

「お金がないから離婚できない」と悩んでいる方でも、この記事を読めば費用の全体像をつかみ、 自分に有利な選択肢を選ぶための判断軸が身につきます(約200文字の要旨: 離婚には手続きに応じた費用がかかる一方、財産分与・慰謝料・養育費・各種公的支援など 受け取れるお金も多数あります。弁護士に相談することで費用以上の利益を得られるケースも多く、 お金がないことを理由に離婚をあきらめる必要はありません)。

離婚するのにかかるお金・もらえるお金の全体像

「お金がないから離婚できない」そう感じている方は少なくありません。しかし実際には、離婚手続きにかかるお金は思いのほか抑えられるケースが多く、一方で財産分与や慰謝料などもらえるお金のほうが大きく上回ることも珍しくありません。

特に専業主婦(主夫)の場合、離婚後の新生活のために手元資金を最大化することが重要です。まずは「かかるお金」と「もらえるお金」に分けて全体像を把握しましょう。

かかるお金の3つのカテゴリ

🏛️①裁判所への費用協議離婚ならほぼ無料 調停・裁判に進むと印紙代・切手代が発生します。金額は数千円〜数万円程度。
⚖️②弁護士費用協議〜裁判の段階に応じて30万〜70万円程度が相場 費用以上の利益を得られるケースが多いです。
🚚③引越し・生活費引越し費用・物件の初期費用・新生活の準備費用など 条件によって大きく異なります。

もらえるお金の4つのカテゴリ

  • 婚姻費用……別居中の生活費として収入の多い側から受け取れる
  • 財産分与……婚姻中に共同で築いた財産を原則2分の1ずつ分割
  • 慰謝料……不貞行為やDVなど有責行為がある場合に請求可能
  • 養育費……子どもが成熟するまで非親権者から毎月受け取れる

さらにシングルマザーになった場合には、児童手当・児童扶養手当・医療費助成などの公的支援も加わります。次のセクションから、それぞれの具体的な金額と手続きを詳しく解説します。

離婚手続き別!裁判所にかかる費用の相場

離婚の方法は大きく「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類に分かれます。裁判所に支払う費用は手続きの種類によって大きく異なります。

離婚手続き別費用比較表

▲ 離婚の種類別・費用の目安比較(裁判所費用+弁護士費用)

協議離婚の費用

協議離婚とは、夫婦が話し合いで離婚条件を決め、離婚届を提出する方法です。裁判所を介さないため、基本的に費用はほぼかかりません

ただし、後々のトラブルを防ぐために離婚条件を公正証書にしておくことが推奨されます。公正証書の作成には内容の複雑さにもよりますが、5,000円〜2万円程度の費用がかかります。公正証書にしておくと、養育費の不払いが起きた際に強制執行が可能になるため、作成コストに見合う効果が得られます。

📌 公正証書作成のポイント

養育費・財産分与・慰謝料など金銭的な取り決めを公正証書に記載し「強制執行認諾条項」を入れておくことで、不払いが起きた際に裁判なしで相手の給与や財産を差し押さえることができます。

調停離婚の費用

調停離婚とは、家庭裁判所の調停委員(裁判官1名+調停委員2名)が間に入って話し合いを進める手続きです。夫婦間での協議が難しい場合に申し立てます。

裁判所に納める費用は、申立時の印紙代1,200円+郵便切手代(裁判所により異なるが概ね1,000円程度)と非常に低額です。費用面のハードルは高くありません。

費用の種類 金額の目安 備考
申立印紙代 1,200円 離婚調停申立1件あたり
郵便切手代 約1,000円 裁判所により異なる
合計(裁判所費用) 約2,200円〜 弁護士費用は別途

調停が成立した場合には「調停調書」が作成され、確定判決と同等の法的効力を持ちます。養育費の取り決めを調停調書に記載することで、後の強制執行も可能になります。

裁判離婚の費用

調停が不成立に終わった場合、家庭裁判所に離婚訴訟を提起できます。特に親権・財産分与・慰謝料について大きな意見の相違がある場合に選択されます。

裁判所に納める印紙代は、離婚および親権者指定を求める場合で13,000円。財産分与・養育費・慰謝料など付帯処分を求めるごとに、それぞれ1,200円が加算されます。訴訟に要する期間は半年〜2年以上になることもあるため、早期解決のためにも弁護士との連携が重要です。

ワンポイントアドバイス
裁判離婚は費用よりも時間的コストが大きい手続きです。訴訟が長引くほど精神的・経済的な負担が増します。できる限り調停段階での合意成立を目指し、万一訴訟になった場合でも弁護士と連携して効率的に進めることが重要です。

離婚で支払う弁護士費用の相場と抑え方

弁護士費用は多くの方が気になるポイントです。しかし「弁護士に払う費用<弁護士によって獲得できる財産」となるケースが多いため、費用対効果の観点から依頼を検討することが大切です。

協議離婚の弁護士費用

配偶者との感情的な対立が激しい場合や、親権・財産分与などの条件交渉が複雑な場合は、協議離婚であっても弁護士に仲介を依頼することで話し合いをスムーズに進められます。

協議離婚を弁護士に依頼した場合の費用相場は約30万円(獲得金額の10〜20%)が目安です。事務所や交渉内容によって大きく差があります。

調停離婚の弁護士費用

調停手続きは弁護士なしでも参加できますが、法律の専門家が同席することで調停委員への伝え方や証拠の提示が格段に有利になります。

協議離婚 〜30万円
調停離婚 40〜70万円
裁判離婚 30〜40万円

調停離婚の弁護士費用の相場は40万〜70万円です。財産分与で数百万円を獲得できるケースでは、弁護士費用を差し引いても大きなプラスになります。

裁判離婚の弁護士費用

訴訟段階では相手方も弁護士を立てることが一般的です。法廷での主張・立証・尋問対応には専門知識が必要なため、弁護士なしで有利な判決を得ることは非常に困難です。

裁判離婚の弁護士費用の相場は30万〜40万円(着手金・報酬金など込み)です。訴訟期間が長くなるほど費用が追加されるケースもあるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

弁護士費用を抑える3つの方法

💡無料相談・着手金無料を活用

初回相談無料や着手金無料を設けている事務所が増えています。複数の事務所を比較しましょう。

🏢法テラスを利用する

収入・財産が一定基準以下の場合、国の機関「法テラス」が弁護士費用を立て替える制度を利用できます。

📝成功報酬型を選ぶ

着手金を低く抑え、財産分与や慰謝料の獲得額の一定割合を報酬とする契約形態もあります。

ワンポイントアドバイス
弁護士費用が心配な場合は、まず法テラス(日本司法支援センター)への相談をおすすめします。収入・資産が一定基準以下であれば弁護士費用の立替制度が利用でき、毎月分割で返済する形になります。費用面を理由に法的なサポートをあきらめる前に、制度の活用を検討しましょう。

離婚でもらえるお金①:婚姻費用

婚姻費用とは、離婚が成立する前の別居期間中に、収入の多い側が少ない側に支払う生活費のことです。夫婦は互いに扶養する義務があり、別居中でもその義務は続きます。

離婚でもらえるお金の種類

▲ 離婚時に受け取れるお金の種類と概要

婚姻費用の金額の決め方

婚姻費用の金額は、夫婦双方の収入・子どもの人数・子どもの年齢などをもとに、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を参考に決定されます。月額で数万円〜十数万円になるケースが多いです。

婚姻費用の請求方法

別居後、相手が生活費を渡さなくなった場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てることができます。離婚調停と同時に申し立てることも可能です。

重要なのは「請求した月から」支払い義務が生じるという点です。別居を開始したら、できるだけ早めに請求手続きをとることをおすすめします。

📌 婚姻費用は離婚成立まで受け取れる

婚姻費用は離婚が成立するまでの期間、毎月受け取ることができます。離婚交渉が長引く場合でも、生活費を確保しながら手続きを進められます。

離婚でもらえるお金②:財産分与

財産分与は、婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産を、離婚時に分け合うことです。名義が夫であっても妻であっても、婚姻中に形成された財産は原則として共有財産とみなされます。

財産分与の3種類

① 清算的財産分与

最も一般的な財産分与です。婚姻中に蓄積した共有財産を離婚時に分割します。預貯金・不動産・退職金・保険などが対象となります。

② 扶養的財産分与

専業主婦など、離婚直後にすぐ収入を得る見込みがない側に対して、一定期間の生活費を支払う約束をする財産分与です。例えば「離婚後2年間、毎月10万円を支払う」といった形で取り決めます。

③ 慰謝料的財産分与

一方の有責行為(不貞行為など)が離婚原因の場合に、慰謝料相当額を財産分与に含めて支払う形式です。慰謝料と財産分与をまとめて解決したい場合に活用されます。

財産分与の対象となる財産・ならない財産

財産分与の対象と対象外チェックリスト

>▲ 財産分与の対象となる財産・ならない財産の一覧

財産分与の対象となる財産

財産の種類 ポイント・注意点
現金・預貯金 名義にかかわらず対象。妻のへそくりも対象となる
積立型生命保険 解約返戻金がある商品が対象。学資保険も同様
株券・出資金 時価評価額が対象。取得時の価格ではない
不動産(家・土地) 時価で評価。ローン残高がある場合は差引計算
退職金 既払い分はもちろん、支給見込みがある将来分も対象

財産分与の対象とならない財産(特有財産)

  • 独身時代に貯めた預貯金や購入した資産
  • 親からの遺産・贈与(嫁入り道具なども含む)
  • 別居後に一方が独自に築いた財産
  • 一方名義の個人的な借金(サラ金など)
  • 年金(別途「離婚時年金分割制度」で対応)
ワンポイントアドバイス
財産分与を有利に進めるためには、婚姻中から財産の把握をしておくことが重要です。相手が財産を隠している疑いがある場合は、弁護士を通じて「財産開示請求」や「照会手続き」を活用できます。早めに弁護士に相談し、財産調査と評価を並行して進めましょう。

財産分与の割合

財産分与の割合は、原則として双方が2分の1ずつです。裁判所での判断も基本的にこの割合が採用されます。

ただし、夫婦間の協議・調停で決める場合は割合を自由に取り決めることができます。一方が専業主婦(主夫)であっても、家事・育児などの「貢献」を考慮して2分の1を下回らないのが通常の扱いです。

離婚でもらえるお金③:慰謝料

慰謝料とは、相手の有責行為によって精神的苦痛を受けたことへの損害賠償です。離婚の原因が相手側にある場合に請求できます。

慰謝料が請求できる主なケース

  • 不貞行為(浮気・不倫)が発覚した
  • DV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていた
  • 長期にわたるセックスレスの強制
  • 悪意の遺棄(生活費を渡さない、家を出て行ったきり戻らないなど)
  • 精神的なモラルハラスメント

慰謝料の金額の相場

離婚原因 慰謝料の相場 主な考慮要素
不貞行為(浮気・不倫) 200万〜300万円 期間・頻度・証拠の強さ・婚姻期間
DV・暴力 100万〜300万円 行為の程度・期間・傷害の有無
モラルハラスメント 50万〜200万円 立証の難易度・精神的被害の程度
悪意の遺棄 100万〜300万円 期間・生活への影響

慰謝料を請求するためには、有責行為を立証できる証拠が不可欠です。写真・メッセージ履歴・診断書・録音データなど、証拠として有効なものを確保してから請求手続きに進みましょう。

📌 証拠収集のタイミングが重要

証拠は離婚を相手に告げる前に収集しておくことが大切です。告げた後では相手が証拠を隠滅・削除するリスクがあります。どのような証拠が有効かは弁護士に相談することをおすすめします。

離婚でもらえるお金④:養育費

養育費とは、未成熟の子どもがいる場合に、親権者とならなかった側の親が子どもの養育のために支払うお金です。子どもの権利であり、父母どちらが再婚しても支払い義務は原則継続します。

養育費の金額の目安

養育費の金額は、裁判所の「養育費算定表」をもとに、双方の収入・子どもの人数・年齢などから算出されます。一般的には月額数万円程度が多いですが、年収の高い親の場合はそれ以上になることもあります。

養育費の支払期間

原則として、子どもが成人(18歳)するまでが支払期間とされることが多いですが、大学進学を想定して22歳まで、あるいは大学卒業まで、といった取り決めも可能です。離婚協議書や調停調書に明確に記載しておくことが重要です。

養育費の不払いへの対応

  • 公正証書や調停調書に記載しておくことで強制執行が可能になる
  • 養育費保証サービス(民間)を活用する
  • 地方自治体による養育費確保の支援制度を利用する
  • 弁護士を通じて履行勧告・強制執行の申立てを行う
ワンポイントアドバイス
養育費の取り決めは必ず書面に残すことが鉄則です。口頭での約束は後から「言った・言わない」のトラブルになりがちです。公正証書を作成しておけば、不払いが起きたときに給与の差押えなどの強制執行をすぐに申し立てることができます。

シングルマザーが受けられる公的支援

離婚後にシングルマザー(ひとり親)になった場合、国や地方自治体からさまざまな経済的支援・公的給付を受けることができます。離婚前にあらかじめ確認しておくことで、離婚後の生活設計が立てやすくなります。

支援制度 概要 申請窓口
生活保護 生活が困窮している場合に最低限度の生活を保障する制度 市区町村の福祉事務所
児童手当 中学校卒業まで月5,000〜15,000円を支給 市区町村の役所
児童扶養手当 ひとり親家庭に支給される月額最大4万円超の手当 市区町村の役所
児童育成手当 都道府県・市区町村独自の手当。内容は自治体により異なる お住まいの市区町村
母子家庭等住宅手当 住宅費の一部を補助する自治体独自の制度 お住まいの市区町村
ひとり親家庭等医療費助成 子どもや親の医療費を自治体が助成する制度 お住まいの市区町村

📌 申請しなければ受け取れない制度がほとんど

これらの支援は、自動的に受け取れるものではありません。離婚後に各窓口で申請手続きを行う必要があります。役所の窓口(生活福祉課・子育て支援課など)に相談すれば、受けられる支援の一覧を案内してもらえます。

お金の問題は弁護士への相談が最善策

離婚にまつわるお金の問題——財産の洗い出し、評価、分割交渉、慰謝料の証拠収集、養育費の取り決め——これらすべてを自力でこなすことは非常に困難です。

弁護士に依頼することで以下のようなメリットが得られます。

  • 💼交渉を代理してもらえる
    感情的になりがちな配偶者との交渉を、法的根拠に基づいて冷静に進めてもらえます。
  • �財産の隠蔽を防げる
    相手が財産を隠している場合も、弁護士を通じた照会や調査で実態を明らかにできます。
  • 📄書類作成を任せられる
    公正証書・離婚協議書・申立書など、法的に有効な書面を正確に作成してもらえます。
  • ⚡手続きを迅速に進められる
    手続きの流れを熟知した弁護士が対応することで、無用な長期化を防ぐことができます。

弁護士費用<獲得できるお金になることが多い

弁護士費用は決して安くはありませんが、財産分与・慰謝料・養育費などを適切に請求することで、弁護士費用を差し引いても経済的なプラスになるケースが多いです。特に長期の婚姻期間がある場合や、不動産・退職金などの大きな資産がある場合は効果が顕著です。

まず無料相談から始めよう

多くの弁護士事務所では初回無料相談を実施しています。依頼するかどうかは相談後に決めれば良いので、まずは気軽に話を聞いてみることをおすすめします。相談だけで方向性が明確になり、自力で対応できる部分とそうでない部分が整理できます。

ワンポイントアドバイス
「お金がないから弁護士に頼めない」と思っている方ほど、実は弁護士への相談が必要なケースが多いです。財産分与や慰謝料を適切に請求できれば、弁護士費用以上の経済的利益を得られる可能性が高いからです。まずは無料相談や法テラスを活用して、自分のケースで何がもらえるかを確認しましょう。

💬 離婚のお金の悩み、一人で抱えないでください

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まずは離婚に強い弁護士に無料で相談してみましょう。

まとめ

📌 この記事のポイントまとめ

  • 離婚にかかる費用は手続きの方法によって大きく異なり、協議離婚ならほぼ無料で進めることも可能
  • 調停離婚の裁判所費用は約2,200円と低額だが、弁護士費用は40〜70万円が相場
  • 弁護士費用は無料相談・着手金無料・法テラスの活用で抑えることができる
  • 婚姻費用・財産分与・慰謝料・養育費など、離婚時にもらえるお金は多岐にわたる
  • 財産分与の対象は「婚姻中に共同で築いた財産」で、原則2分の1ずつの割合
  • 慰謝料の請求には証拠の確保が最重要。不貞行為の場合は200〜300万円が相場
  • シングルマザーになった場合は、児童扶養手当・医療費助成など各種公的支援を積極的に活用する
  • お金の問題を有利に解決するには、早めに弁護士に相談することが最善策

「お金がないから離婚できない」という不安は、正確な知識と適切なサポートがあれば乗り越えられます。離婚後の新生活を安心してスタートするために、まずは一歩を踏み出してみてください。

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