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空き巣は何罪?住居侵入と窃盗・事後強盗の境目

空き巣は何罪?住居侵入と窃盗・事後強盗の境目

この記事で分かること

  • 空き巣は侵入して盗む行為の総称であること
  • 住居侵入罪と窃盗罪など複数の罪が成立すること
  • 暴行や脅迫があれば強盗罪になること
  • 初犯・再犯・高額被害での刑の傾向
  • 逮捕されるケースとされないケース
  • 後日逮捕される可能性
  • 弁護士ができること

空き巣とは、他人の家などに侵入して金品を盗む行為で、住居侵入罪と窃盗罪など複数の罪が成立するのが通常です。暴行や脅迫があれば強盗罪に問われることもあります。初犯か再犯か、被害の大きさによって刑の見通しは変わります。その場で捕まらなくても後日逮捕されることがあり、被害者との示談や早期の弁護士への相談が結果を左右します。

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この記事で押さえたいこと
空き巣とは、他人の家などに侵入して金品を盗む行為のことです。「空き巣罪」という罪があるわけではなく、侵入と窃盗という複数の罪が成立するのが通常です。状況によっては、より重い罪に問われることもあります。どのような罪が成立するのか、逮捕されるとどうなるのか、後日逮捕の可能性まで含めて、ていねいに整理してお伝えします。

空き巣とはどのような行為か

まず、空き巣という言葉が、法律上どのように扱われるのかを確認しましょう。普段なにげなく使っている言葉ですが、その中身を正確に理解しておくことが、対応を考える出発点になります。

侵入して盗む行為の総称

空き巣とは、他人の家に侵入して、金銭などの財物を盗むことをいいます。実は「空き巣罪」という独立した罪があるわけではありません。「侵入して盗む」という行為を指す言葉であり、複数の罪が同時に成立するのが通常です。盗んだ物の価値の大小にかかわらず、所有者の意思に反して勝手に持ち出せば、犯罪が成立します。

対象は住宅に限られません。店に侵入して商品を勝手に持ち帰る行為なども、同じように扱われます。要するに、人のいない場所に侵入して財物を盗む行為が、広く空き巣と呼ばれているわけです。

空き巣という言葉には、人がいない隙をついて、という意味合いが含まれています。家の人が外出している間や、留守にしているタイミングを狙って侵入する、というのが典型的なかたちです。だからこそ、その場で家の人と鉢合わせすることは少なく、後になって被害が発覚することが多いという特徴があります。とはいえ、人がいないと思って侵入したところに、実は家の人がいた、という事態も起こりえます。そうした場合には、思わぬかたちで罪が重くなることもあるため、注意が必要です。

似た犯罪との違い

空き巣に似た犯罪として、家の人が就寝している間に侵入して盗む行為や、家の人が在宅しているなかで侵入して盗む行為などがあります。これらは、犯罪統計のうえでは、まとめて侵入盗と呼ばれることがあります。空き巣は、こうした侵入盗のなかでも多くを占めるとされる類型です。それだけ身近に起こりうる犯罪だということもできます。そのため、決して他人事ではありません。

いずれにしても、人の家に勝手に侵入し、財物を盗むという点では共通しています。状況によって問われる罪の組み合わせが変わってくるため、自分の事案がどう扱われるのかは、個別に確認する必要があります。

ワンポイントアドバイス
空き巣をはじめとする侵入盗は、捜査機関による検挙が進められている犯罪のひとつです。その場で見つからなかったとしても、捜査の結果、後日になって逮捕されることも少なくありません。「見つからなかったから大丈夫」という考えは通用しないと理解しておきましょう。

空き巣で成立する罪は窃盗罪か強盗罪か

空き巣では、どのような行為に、どの罪が成立するのでしょうか。行為ごとに整理して見ていきましょう。

侵入する行為には住居侵入罪

正当な理由なく他人の住居などに立ち入る行為には、住居侵入罪が成立します。空き巣は、まず人の家に侵入するところから始まりますから、この段階で住居侵入罪が成立するわけです。塀を乗り越えて敷地に入る、窓やドアをこじ開けて室内に入るといった行為が、これに当たります。

住居侵入罪は、たとえ何も盗まなかったとしても、侵入した時点で成立します。つまり、盗む前の段階であっても、すでに罪に問われうるということです。空き巣の事案では、この住居侵入罪が、後で述べる窃盗罪などとあわせて問題になります。

たとえば、盗むつもりで他人の家に侵入したものの、何も盗らずに立ち去った、という場合であっても、侵入した事実そのものによって住居侵入罪に問われることがあります。盗みが未遂に終わったとしても、侵入した行為は残るからです。このように、空き巣は、盗むという結果が生じる前から、すでに罪に問われうる行為だということを理解しておく必要があります。

金品を盗む行為には窃盗罪

他人の財物を、その意思に反して勝手に持ち去る行為には、窃盗罪が成立します。空き巣の中心となるのが、この窃盗罪です。家に侵入して金銭や貴重品を盗めば、住居侵入罪に加えて窃盗罪が成立することになります。

窃盗罪は、盗んだ物の価値の大小を問いません。少額であっても、他人の物を勝手に持ち去れば成立します。空き巣の事案では、侵入と窃盗という二つの罪が、セットで問題になるのが一般的です。「たいした物は盗っていないから罪は軽いはずだ」と考える方もいますが、金額が小さくても窃盗罪は成立し、さらに住居侵入罪もあわせて問われることになります。

暴行や脅迫があれば強盗罪

もし、盗む過程で、家の人などに暴行や脅迫を加えた場合には、窃盗罪ではなく、より重い強盗罪が問題になることがあります。たとえば、侵入したところを家の人に見つかり、抵抗されたために暴行を加えて金品を奪った、といった場合です。強盗罪は、窃盗罪に比べてはるかに重い罪です。

このように、同じ空き巣であっても、暴行や脅迫があったかどうかによって、問われる罪の重さは大きく変わります。盗むだけのつもりだったとしても、その場の状況によって、より重い罪に発展してしまうことがあります。

とくに注意したいのは、盗みに入ったところを見つかり、逃げようとして、あるいは捕まるまいとして、とっさに暴行を加えてしまうケースです。このような場合には、当初は盗むだけのつもりであっても、結果として強盗に当たる罪に問われることがあります。窃盗と強盗とでは、法定刑の重さがまったく異なります。一瞬の判断が、その後の見通しを大きく左右してしまいます。この点から、空き巣の事案では、どのような経緯で何が起きたのかを正確に整理し、適切に主張していくことが重要になります。

注意したいこと
盗むだけのつもりが、見つかってとっさに暴行を加えてしまうと、窃盗ではなく強盗として、はるかに重い罪に問われる可能性があります。強盗罪は法定刑が重く、その後の見通しも大きく変わってきます。状況によって罪が重くなりうるという点は、しっかり理解しておく必要があります。

複数の罪が成立する場合の扱い

空き巣では、住居侵入罪と窃盗罪のように、複数の罪が同時に成立するのが通常です。このように複数の罪が成立する場合、それぞれの刑が単純に足し合わされるわけではありません。一定のルールに従って、全体としての刑が決められることになります。

空き巣の事案で問題になりうる主な罪を整理すると、次のとおりです。

  • 住居侵入罪:正当な理由なく他人の住居などに侵入した場合
  • 窃盗罪:他人の財物を、その意思に反して勝手に持ち去った場合
  • 強盗罪:盗む過程で暴行や脅迫を加えた場合

どの罪が成立するかは、その事案で実際にどのような行為があったかによって変わります。多くの空き巣では住居侵入罪と窃盗罪が問題になりますが、状況によってはさらに重い罪に発展することもあります。

具体的にどう扱われるかは、成立する罪の組み合わせや、事案の内容によって変わります。自分の事案でどの罪が成立し、全体としてどのくらいの刑になりそうかは、専門的な検討を要する部分です。正確な見通しを知りたい場合は、弁護士に確認するのが確実です。

どのような罪に問われ、どのくらいの刑になりそうかは、罪ごとの量刑の相場を知っておくと見通しが立てやすくなります。

空き巣で逮捕された場合の刑

空き巣で逮捕された場合、どのくらいの刑が科されるのでしょうか。初犯か再犯か、また被害の大きさなどによって、見通しは変わってきます。

初犯の場合

初犯であって、被害がそれほど大きくなく、被害者との示談が成立しているような場合には、不起訴や、比較的軽い処分にとどまる可能性があります。前科がなく、反省の態度を示し、被害を回復していれば、それらが有利な事情として考慮されるためです。

もっとも、初犯であれば必ず軽く済む、というわけではありません。被害が大きい場合や、態様が悪質な場合には、初犯であっても起訴され、相応の刑が科されることもあります。初犯だからと油断せず、できる限り有利な事情を整えていくことが大切です。

初犯の場合に軽い処分を得るためには、被害者との示談が大きな意味を持ちます。盗んだ物を返し、被害を弁償し、被害者が許してくれれば、それが有利な事情として強く考慮されるからです。逆に、被害が回復されないまま手続が進めば、初犯であっても起訴される可能性は高まります。つまり、初犯であることそのものよりも、その後にどう対応するかが、結果を大きく左右するといえます。そうであれば、できるだけ早い段階で、被害者との示談を含めた対応を進めることが重要になります。

再犯の場合

過去に窃盗などの前科がある場合には、量刑が重くなる傾向があります。同じような罪を繰り返しているとみなされれば、再び罪を犯さないようにするために、より重い処分が必要だと判断されやすくなるためです。前科の有無は、量刑を左右する大きな要素のひとつです。

再犯の事案では、初犯の場合よりも、不起訴や軽い処分を得るのが難しくなります。それでも、被害者との示談や、立ち直りに向けた具体的な取り組みを示すことで、少しでも有利な結果につなげる余地はあります。あきらめずに対応することが欠かせません。

被害が高額な場合

盗んだ金品が高額である場合には、それだけ被害が大きいとみなされ、量刑も重くなる傾向があります。被害の大きさは、刑を判断するうえで重視される事情のひとつだからです。とはいえ、被害が大きい事案であっても、被害者との示談が成立し、被害が回復されれば、それが有利な事情として考慮されることもあります。

つまり、被害が高額であっても、示談によって被害を回復することには大きな意味があります。被害者との間で解決を図る努力は、どのような事案であっても、結果を良い方向に動かしうるものです。

被害が大きい事案では、被害者の処罰を求める気持ちも強くなりやすいものです。だからこそ、誠実に謝罪し、被害を回復しようとする姿勢を示すことが、いっそう重要になります。たとえ一度にすべてを弁償するのが難しい場合でも、できる範囲で被害の回復に努め、その姿勢を示すことには意味があります。被害が大きいからとあきらめるのではなく、できる限りの対応を尽くすことが、結果を左右します。こうした交渉は、専門的な知識を持つ弁護士に任せることで、より適切に進めることができます。

不起訴を獲得するために何ができるのかを、あらかじめ知っておくと見通しが立てやすくなります。

逮捕されるケースと逮捕されないケース

空き巣をめぐっては、逮捕される場合と、必ずしも逮捕されない場合があります。その違いを順に説明します。

逮捕される場合

犯行のその場で見つかった場合には、現行犯として逮捕されることがあります。また、その場では捕まらなくても、防犯カメラの記録や、現場に残された痕跡などから犯人が特定され、後日になって逮捕されることもあります。逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合などには、身柄を拘束されることになります。

逮捕されると、一定の時間、身柄を拘束されます。その後、勾留という手続によって、さらに拘束が続くこともあります。身柄を拘束されれば、仕事や日常生活への影響も大きくなります。

逮捕されると、すぐに自由に外部と連絡を取ることが難しくなります。家族であっても、本人とどのように連絡を取ればよいのか分からず、不安に感じることが多いものです。こうした段階でこそ、弁護士の存在が大きな意味を持ちます。弁護士であれば、身柄を拘束されている本人と面会し、状況を確認したうえで、今後の方針を一緒に考えることができます。逮捕されたという知らせを受けたら、できるだけ早く弁護士に相談することが、その後の対応の出発点になります。

逮捕されない場合

一方で、逃亡や証拠隠滅のおそれが小さいと判断された場合などには、逮捕されず、在宅で捜査が進められることもあります。在宅であっても、捜査が行われ、起訴される可能性があることに変わりはありません。逮捕されなかったからといって、事件が終わったわけではありません。

逮捕されるかどうかは、事案の内容や、本人の対応などによって変わってきます。身柄の拘束を避けたい場合には、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、対応を進めることが重要です。

逮捕されずに在宅で捜査が進む場合であっても、油断はできません。在宅であっても、捜査が続けられ、最終的に起訴される可能性は残っているからです。逮捕されなかったことで、つい安心してしまい、何も対応しないまま時間を過ごしてしまう方もいますが、それは避けたいところです。在宅の場合でも、被害者との示談を進めたり、有利な事情を整えたりすることは、不起訴や軽い処分につながります。逮捕の有無にかかわらず、捜査の対象になっている以上は、早めに対応を始めることが肝心です。

空き巣は後日逮捕されることもある

空き巣で特に知っておきたいのが、犯行のその場で捕まらなくても、後日になって逮捕されることがある、という点です。

後日逮捕とはどのようなものか

後日逮捕とは、犯行のその場ではなく、捜査が進んだ後になって逮捕されることをいいます。空き巣のような事案では、その場で見つからなかったとしても、捜査の結果、犯人が特定されれば、後日になって逮捕されることがあります。「その場で捕まらなかったから大丈夫」とは言えません。逮捕は、犯行から数日後のこともあれば、もっと後になってからのこともあります。

捜査機関は、防犯カメラの記録や、現場に残された痕跡、関係者からの情報などをもとに、犯人を特定していきます。時間が経ってから、突然警察が訪ねてくる、ということも起こりえます。

近年は、街なかや住宅周辺に防犯カメラが数多く設置されるようになっています。そのため、犯行の様子や、現場に出入りする姿が記録に残っていることも少なくありません。こうした記録は、犯人を特定するための有力な手がかりになります。その場では誰にも見られていないと思っていても、後から映像によって犯人が割り出される、ということは十分に起こりうるのです。「見つからなかったから大丈夫」という考えが通用しないのは、こうした事情によります。心当たりがあるなら、捜査が進む前に、早めに対応を考えることが必要です。

後日逮捕されるケース

後日逮捕されるのは、捜査によって犯人が特定され、なおかつ逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されたような場合です。逆に、これらのおそれが小さいと判断されれば、逮捕されずに在宅で捜査が進むこともあります。いずれにしても、捜査の対象になっている以上、起訴される可能性は残っています。

大切なのは、後日逮捕や起訴のおそれがあると感じた段階で、早めに対応を始めることです。捜査が進んでから動き出すよりも、その前から備えておくほうが、取れる選択肢は多く残されます。たとえば、被害者との示談に向けた準備を早く始めれば、それだけ有利な状況を整えやすくなります。

放置するとどうなるか
その場で捕まらなかったからと安心して何もせずにいると、捜査が進み、後日逮捕されてしまうことがあります。逮捕されれば身柄を拘束され、生活への影響も大きくなります。心当たりがあるなら、放置せず、早めに弁護士に相談して対応を考えることが大切です。

空き巣事件で弁護士ができること

空き巣の事案では、弁護士の関わりが結果を大きく左右します。弁護士がどのような役割を果たすのかを整理します。

被害者との示談を進める

空き巣の事案で特に重要になるのが、被害者との示談です。盗んだ物を返したり、被害を弁償したりして、被害者が許してくれれば、不起訴や軽い処分につながる可能性が高まります。被害が回復され、当事者間で解決がついているとみなされるためです。

ただし、被害者との示談を加害者本人やその家族が直接進めるのは、感情的な対立から難しいことが多いものです。弁護士が間に入ることで、冷静な話し合いが可能になり、適切な解決に近づきます。示談は、結果を左右する重要な取り組みです。

刑事事件における示談がなぜそれほど重要なのか、その意味と進め方をくわしく解説しています。

身柄の拘束を避けるための活動

逮捕や勾留による身柄の拘束を避けたい、あるいは早く解放されたいという場合には、弁護士の働きかけが重要になります。逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを具体的な事情で示し、身柄を拘束する必要がないことを訴えていきます。こうした活動は、早ければ早いほど意味を持ちます。

そのため、早い段階で弁護士に相談し、対応を進めることが欠かせません。

とくに、逮捕された直後の時間は、その後の見通しを左右する重要な局面です。この段階で弁護士が関わり、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを的確に示すことで、勾留を避けられたり、早期に身柄が解放されたりする可能性が高まります。逆に、何もしないまま時間が過ぎてしまうと、身柄拘束が長引き、生活への影響もそれだけ大きくなってしまいます。家族としても、できることは限られていると感じるかもしれませんが、弁護士に相談すれば、本人とどう連絡を取り、どのような方針で臨むのかを一緒に考えてもらえます。一人で抱え込まず、早めに専門家の力を借りることをおすすめします。

弁護士に相談することで期待できること
被害者との示談を、本人に代わって適切に進められる/身柄の拘束を避けるための働きかけができる/不起訴や軽い処分に向けた活動ができる/今後の見通しを早く立てられる。

空き巣で成立する罪と刑罰

状況 成立する罪 法定刑
留守宅に侵入して金品を盗んだ 住居侵入罪+窃盗罪 窃盗は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
侵入したが何も盗らずに出た 住居侵入罪(窃盗未遂になることも) 3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
家人に見つかり、暴行を加えて逃げた 事後強盗罪 5年以上の有期拘禁刑
家人にけがをさせた 強盗致傷罪 無期または6年以上の拘禁刑
留守宅と知らずに侵入し、家人と鉢合わせた 状況により住居侵入罪、強盗罪など 行為の内容による

空き巣は、住居侵入罪と窃盗罪の両方が成立し、牽連犯として重いほうの窃盗罪の刑で処断されます。家人に見つかって逃げる際に突き飛ばしただけでも、事後強盗として5年以上の刑が科されうる点が、空き巣の最も恐ろしいところです。

空き巣事件の捜査と処分

  1. 被害届を受けて、現場の指紋や足跡、防犯カメラが調べられる
  2. 余罪の有無を含めて捜査が進み、逮捕される
  3. 証拠隠滅や共犯者との口裏合わせを防ぐため、勾留されることが多い
  4. 被害額の弁償と示談の成否が、処分に大きく影響する
  5. 常習性があれば、常習累犯窃盗として重い刑が科されることもある

空き巣事件の処分の傾向

空き巣は、住居に侵入するという点で被害者に強い不安を与える犯罪であり、単純な万引きなどに比べて処分は重くなります。初犯で被害額が小さく、示談が成立していれば、執行猶予がつくことが一般的です。一方、複数の家に侵入している、被害額が大きい、同種の前科があるといった場合は、実刑となる可能性が高くなります。

被害者は、自宅を知られていることに強い恐怖を感じています。示談交渉では、被害額の弁償だけでなく、二度と近づかないことの約束や、防犯設備の費用の負担を提案することもあります。加害者本人や家族が被害者宅を訪ねるのは絶対に避け、弁護士を通じて進めてください。

余罪の捜査と処分への影響

空き巣事件では、押収された物や指紋から、ほかの事件との関連が調べられます。同じ手口の未解決事件が複数ある場合、余罪として立件されることがあります。余罪が増えれば、被害額が膨らみ、常習性が認められて処分も重くなります。

余罪について取調べを受ける際は、記憶があいまいなまま認めてしまわないよう注意が必要です。身に覚えのない事件まで認めれば、その分だけ刑が重くなります。余罪の追及は、否認と自白の判断がとくに難しい場面なので、弁護士と相談しながら対応してください。

盗んだ物を返せない場合

盗んだ物をすでに売却してしまった、使ってしまったという場合は、同等の金額を弁償することになります。中古品として売却していたとしても、弁償の基準は被害者が失った価値です。購入時の価格や、同種の品の市場価格を参考に、金額を決めていきます。

被害者は、金銭的な損害だけでなく、思い出のある品を失った悲しみや、家に侵入されたことへの恐怖を抱えています。金額の交渉に終始するのではなく、その気持ちに向き合う姿勢を示すことが、示談の成立につながります。弁護士は、被害者の意向を確かめながら、条件を調整していきます。

示談が成立すれば、初犯であれば執行猶予がつく可能性が高まります。被害者が複数いる場合は、全員との示談を目指すことになり、時間も費用もかかります。早い段階から準備を進めてください。

空き巣の被害に遭った側の対応

自宅が空き巣に入られた場合は、室内の物に触れずに110番通報してください。指紋や足跡が重要な証拠になるため、片付けは警察の現場検証が終わってからにします。被害品のリストを作り、通帳やカードが盗まれていれば、金融機関に連絡して利用を止めます。

火災保険や共済に、盗難補償が付いていることもあります。保険会社への連絡には、警察に被害届を出した際の受理番号が必要になることが多いため、控えておいてください。防犯対策としては、補助錠の設置や、窓ガラスの防犯フィルムなどが有効です。

加害者側から示談の申し入れがあった場合、応じるかどうかは被害者の判断です。金額や条件に納得できなければ、応じる必要はありません。判断に迷ったら、被害者の立場でも弁護士に相談できます。

空き巣と似た犯罪の呼び方

呼び方 内容
空き巣 留守の住居に侵入して盗む
忍び込み 就寝中の住居に侵入して盗む
居空き 在宅中に、家人の目を盗んで侵入し盗む
事務所荒らし 事務所や店舗に侵入して盗む
出店荒らし 閉店後の店舗に侵入して盗む

いずれも法律上は住居侵入罪や建造物侵入罪と窃盗罪の組み合わせで処理されます。ただし、家人が在宅している中での侵入は、鉢合わせによる強盗への発展の危険が高く、悪質と評価されやすくなります。

空き巣で逮捕された場合、余罪の捜査が続くこともあり、身柄拘束が長引く傾向があります。家族は、弁護士と連絡を取りながら、示談金の準備や身元引受の体制を整えてください。

家族や友人が空き巣で逮捕されたら弁護士に相談を

ここまで、空き巣で成立する罪と、逮捕された場合の見通しを見てきました。空き巣は、侵入と窃盗という複数の罪が成立し、状況によってはより重い罪に問われることもある、決して軽くない事件です。さらに、その場で捕まらなくても、後日逮捕されることがあります。

けれども、被害者との示談や、身柄の拘束を避けるための働きかけ、不起訴に向けた活動によって、結果は大きく変わりうるものです。

家族や友人が空き巣で逮捕されたとき、あるいは後日逮捕のおそれがあるときは、できるだけ早く弁護士に相談することをすすめます。一人で、あるいは家族だけで抱え込まず、まずは状況を専門家に伝えることから始めてみてください。

早めの相談が結果を変える
不起訴になるか、起訴されるか。示談交渉や身柄拘束を避けるための働きかけは、時間が経つほど取れる手段が限られていきます。

具体的な見通しや、取るべき行動については、刑事事件に強い弁護士に直接相談するのが確実です。

よくある質問

その場で捕まらなければ大丈夫ですか?

そうとは限りません。空き巣のような事案では、その場で捕まらなくても、捜査によって犯人が特定され、後日になって逮捕されることがあります。防犯カメラの記録や現場の痕跡などから犯人が割り出されることも少なくありません。心当たりがあるなら、放置せず、早めに弁護士に相談して対応を考えることをおすすめします。

少額しか盗んでいなくても罪になりますか?

盗んだ物の価値の大小にかかわらず、他人の財物を勝手に持ち去れば窃盗罪が成立します。少額だから罪にならない、ということはありません。また、侵入した時点で住居侵入罪も成立します。金額が小さくても、複数の罪に問われる可能性があるという点を理解しておく必要があります。

家族が空き巣で逮捕されたら、まず何をすべきですか?

まず、できるだけ早く刑事事件に詳しい弁護士に相談することを検討してください。捜査の早い段階での対応が、その後の結果を大きく左右します。とくに、被害者との示談や、身柄の拘束を避けるための働きかけは、早く動くほど効果的です。動揺するなかでも、一人で抱え込まず、専門家の力を借りてください。

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