2019/12/12 423view

刑事事件で示談が重要な理由~加害者にとってのメリットと注意点

刑事事件における示談とは

刑事事件における示談とは、加害者と被害者の当事者で和解することをいいます。和解する際には、被害者が求めている条件(たとえば、慰謝料などの支払い)を加害者側が承諾して履行することを条件とします。

示談交渉後には、トラブルを防ぐ目的のために示談書を作成します。示談書に書かれている内容が履行されたときに、示談が成立することになるのです。

ただし、当事者間で示談が成立した場合であっても、罪を犯した事実には、変わりはありません。そのため、示談が成立していても犯罪の内容によっては有罪となる可能性は十分にありますので注意が必要です。

示談が行われる主な犯罪

示談がよく行われる犯罪としては、窃盗罪、器物損壊罪、暴行罪、傷害罪、迷惑防止条例違反、強制わいせつ罪、詐欺罪、横領罪、強姦罪などがあげられます。

殺人事件など、被害者が死亡しているような重大性が高い事件の示談交渉は難しいです。そのような場合は、示談が成立しても加害者に有効に物事が動くようなことは少ないです。

しかし、刑事事件では被害者との示談を成立させることで加害者側に大きなメリットがある場合が多いですので、刑事事件では示談交渉がとても重要な要素の1つであることは間違いありません。

ワンポイントアドバイス
刑事事件では示談交渉が行われるケースが多く、早期の示談成立は大きなメリットをもたらすケースが多いです。そのため、いち早く刑事事件に強い弁護士に相談をして示談交渉を進めてもらうことが重要です。

刑事事件で示談をするメリット

被害者側との示談交渉をして示談が成立させることができると、そのことは加害者側にとって多くの場合プラスに働きます。どのようなプラス要素があるのかを確認しましょう。

告訴状や被害届を取り下げてもらえる

警察が捜査を行う場合には、被害者側から告訴状や被害届を受け取ってから捜査に入ります。そのため、早い段階で被害者側と示談交渉ができれば、警察の捜査が入る前に告訴状や被害届を取り下げてもらうことができるのです。その結果、逮捕まで至ることを避け、逮捕されたり前科がついたりすることを防げます。

不起訴になる

検察官に起訴されると刑事裁判に進むことになりますが、刑事裁判まで進んだ場合には99.9%が有罪になるといわれていますので刑事裁判に進む前に対処することが重要になります。

逮捕後に起訴されるまでには、警察官による捜査、検察官による判断が行われるのです。示談成立した場合は、釈放されたり、検察官に不起訴と判断されたりする可能性が高まります。そのため、前科がつくことを防ぐことができる場合もあるのです。

刑罪の減刑に影響する

被害者と示談成立しても、罪を犯した事実には変わりありません。そのため、起訴されている場合には、示談を成立させたとしても刑事裁判は進んでいきます。しかし、示談を成立させておくことで、被害者側が重たい罪を望んでいないものとみなされて、刑罰の減刑に影響するケースは多いです。懲役の実刑が見込まれる事件であっても、執行猶予がつくことも多くあります。

示談をするメリットは事件ごとに異なりますので、刑事事件に強い弁護士にまずは相談をしてみることをおすすめします。

ワンポイントアドバイス
刑事事件の加害者側となり逮捕されてしまった場合などには、示談を成立させることで不起訴処分を獲得し前科を付けずに解決できる可能性もあります。まずは弁護士に相談をしてみましょう。

刑事事件の示談交渉の流れ

刑事事件をおこしてしまった場合は、示談交渉が大切なことはここまでに解説してきました。ここでは、示談交渉の流れについて解説します。

被害者と連絡をとる

示談交渉を始まるためにはまず被害者と連絡を取らなければなりませんが、そのときには大抵の場合、弁護士が必要になります。

痴漢の場合などは被害者との面識がないことも多く、このように被害者の連絡先などがわからない場合は、弁護士から警察などに問い合わせをして、被害者側の了承を得られた場合には連絡先を知ることができます。ここで入手した連絡先を使用して、弁護士が被害者側に示談したい旨を説明します。

示談交渉をする

被害者側が、加害者から直接お詫びを聞きたいとなどという特別な要望がない限り、示談交渉は専門家である弁護士が行います。これまでに担当した刑事事件の示談実績から導き出された金額や条件を基にして、被害者と示談交渉を進めていき、被害者の合意を得られれば示談成立となります。

被害者の合意のもと示談書を作成

弁護士は、被害者との示談交渉を経て合意した示談金額や条件などについて記載した示談書を作成します。示談交渉で合意した内容を確定させて、後から発生するトラブルを防止することが目的です。加害者と被害者が署名・押印することで有効な示談書として扱われます。

示談書には、次のような内容を記載します。

  • 加害者と被害者の氏名
  • 事件内容(事件発生日・場所・内容・被害状況)
  • 合意した示談内容(示談金額・支払方法・支払い期限)
  • 月々の支払金額
  • 精算条項(示談書に記載されたもの以外の賠償義務は発生しないこと)
  • 宥恕条項(示談によって被害者は加害者を許したこと)
  • 告訴取消(刑事事件の告訴を取り消してもらうこと)

示談書の内容を履行する

示談書に記載された内容を加害者側が履行します。履行されて、はじめて示談は成立するのです。

示談書を検察官や裁判所へ提出する

示談成立後に、弁護士は検察官や裁判所へ示談書を提出します。検察官や裁判官は受け取った示談書を確認して、加害者に下す処分を判断する際に示談が成立していることを考慮します。

ワンポイントアドバイス
ここで解説したように、刑事事件の示談交渉は被害者と連絡を取るところから弁護士に依頼する必要があります。示談は成立が遅くなると効果がかなり小さくなってしまいますので、なるべく早く刑事事件に強い弁護士へ相談することをおすすめします。

示談交渉が難しい場合

示談交渉を提案したくても、被害者や被害の度合いによって難しくなります。

被害者と面識がない

被害者側と一度も会ったことがなくて、被害のお詫びを伝えたいと申し出ても、被害者は加害者側に連絡先を教えたくないと考えることも多く、警察や検察は個人情報を教えてくれません。さらに被害者に対して危害を加えるのではないかと疑われてしまう可能性もあります。そのため、被害者と面識がない場合は示談の交渉がしづらいです。

しかし、被害者側も第三者的な立場にあたる弁護士に対しては、被害者の連絡先を教えてもいいと考える場合も多くあります。そのため、面識がない相手にお詫び、示談交渉をする場合は弁護士に依頼することがほぼ必須になると考えていいでしょう。

被害が大きい

被害が大きい場合や命に関わる事件を起こしてしまった場合は、被害者の怒りや悲しみはなかなか消えません。そのため、被害者側としても冷静に落ち着いて、示談交渉ができる状況でもないでしょう。このような立場の被害者に対して、示談交渉をすればするほど揉めてしまう危険性があります。

また、複数の被害者がいる場合は、全員と交渉することも不可能ではありませんが、かなりの労力がかかります。

被害者が法人である

法人の場合は、各自で規定が定められていることが多いです。犯罪の被害者になってしまった場合は、示談に応じないと最初から決めている法人もありますし、示談ができたとしても示談金は個人の場合と比べてかなり高額になることも多いです。そのため、法人との交渉は難航しやすいです。

ワンポイントアドバイス
ここで紹介したような示談交渉が困難な場合であっても、弁護士に依頼をすれば示談交渉ができないとは限りません。示談交渉の可否はケースバイケースですので、まずは弁護士に相談をしてみるようにしましょう。

刑事事件で示談交渉をするときの注意点

刑事事件で示談交渉をする場合は、次の点に注意しましょう。

刑事事件の示談交渉はスピードを意識して行動する

刑事事件で前科がついてしまった場合は、社会的信用を失ってしまうなどして、社会生活に大きな影響を与えてしまうということも十分に考えられます。

被害者が警察へ告訴状・被害届を提出すると、警察による捜査などが行われて、場合によっては逮捕され、その後に検察官によって起訴か不起訴か判断されていきます。また、現行犯逮捕の場合には、現場ですぐに逮捕されることになり、その後は同様に検察官による起訴・不起訴の判断が行われることになります。

刑事事件では起訴されると有罪率が99.9%と言われていますので、検察官が起訴と判断する前までに、被害者の方と示談交渉を進めて示談成立させることによって、不起訴になり前科がつかずに刑事事件を終わらせることができる可能性も高まります。

このように、起訴されるのを防ぐためにも、早い段階で被害者と示談交渉をすることが重要になります。刑事事件の場合の示談交渉には、スピードが大切になりますので専門家である弁護士に相談をするようにしましょう。

示談交渉では誠意や反省した態度を見せる

示談交渉で、被害者の求める慰謝料を支払うことも大切ですが、お金で解決しようと思ってはいけません。刑事事件をおこした場合は、再度事件をおこさないのか、検察官によって見極められます。そのため、犯罪をおこしたことに関して深い反省の色を態度で示すことが重要です。示談金で解決しようとする姿勢は見破られてしまい、示談を成立させても十分な効果は得られないかもしれません。

また、被害者側としてもお金で解決しようという姿勢が透けて見えているような場合には、悪印象を与えてしまい示談交渉が進まなくなってしまう可能性も十分に考えられます。

ワンポイントアドバイス
刑事事件の示談交渉はスピードがとても重要になります。そのため、できる限り早期に刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。

示談が成立できずに前科がついた場合のデメリット

示談成立ができずに、前科がついた場合のデメリットには次のようなことがあげられます。

就業できる職種が限られてしまう

起訴されて処罰が与えられてしまった際には、保有している国家資格によっては取り上げられてしまう可能性があります。医師や薬剤師など資格が必要な仕事をしている場合には、資格を取り上げられてしまうと職を失ってしまうことにもなりますので、別の新しい職業に就かなくてはいけなくなることもあります。

また、国家資格試験などを受ける際に前科がついていると受験資格がもらえないこともあります。このように、前科が一度でもついてしまった場合は、就業できる職種が限られてしまうのです。

社会的信用問題にもつながる

刑事事件を起こしてしまった場合には、社会的信用を損なうことにつながります。

たとえば、警察に逮捕されてしまったことから、現在の職場を辞めることになってしまったとします。そして、新しく就職する際に、前科について知られてしまった場合には大きく不利になってしまうでしょう。通常であれば、前科について知られることはありませんが、ネット上などに事件についての情報が掲載されているような場合などには、就職先に前科について知られる可能性はありますし、面接で前科の有無を確認されるような場合もあります。

ワンポイントアドバイス
示談が成立できなかった場合には、前科が付くなどのさまざまなデメリットが生じる可能性があります。示談成立の可能性を少しでも上げるためにも、刑事事件に強い弁護士に早く相談するようにしましょう。

刑事事件の示談金の相場について

ここでは、犯罪の種類による大まかな示談金の相場について紹介します。刑事事件の示談金の相場は、犯罪の内容や大きさ、被害者が求めている処罰の希望、加害者の経済力などの状況によって変動します。そのため、ここでの金額は参考程度にして、具体的な刑事事件についての示談金額は弁護士に相談することをおすすめします。

暴行罪

暴行罪は、暴行の内容によって示談金の相場が大きく変動しますが、暴行罪の示談金の相場は10万円~30万円程度となります。

傷害罪

傷害罪では、暴行罪と異なり被害者が怪我をしていますので、治療費や入院期間に生じた損害賠償金などの支払いも加わります。そのため傷害罪の示談金の相場は、20万円~100万円程度となります。

窃盗罪

盗んだものの金額を弁償した上で、賠償金を支払います。被害者が複数人いる場合は、示談が難航してしまうでしょう。窃盗罪の示談金の相場は、10万円~20万円となります。

詐欺罪

騙し取ったものの金額を弁償した上で、賠償金を支払います。窃盗罪と同様に、被害者が複数人いる場合も多くありますので、そのようなケースでは示談交渉が難航してしまうでしょう。示談金の相場は、10万円~20万円となります。

痴漢

強制わいせつ罪などの犯罪としても扱われる痴漢の示談金の相場は、10万円~100万円です。この程度の金額を支払えばよいのだから、示談交渉したほうが面倒ではないということも、痴漢冤罪は増えている要因の1つとなっているようです。

ワンポイントアドバイス
ここで紹介した示談金の相場はあくまでも一般的なものです。実際のケースごとの示談金の目安については刑事事件の経験豊富な弁護士が詳しいですので相談をしてみましょう。

刑事事件の示談交渉を任せる弁護士の選び方

刑事事件で被害者との示談をスムーズに成立させるためには、法律の専門家である弁護士に相談する必要があることはここまでの解説でも理解いただけたと思います。

弁護士は法律の専門家ではありますが、得意分野・不得意分野があるのです。また、法律事務所によって運営方針が異なっています。では、多くの法律事務所の中から、刑事事件に強い法律事務所はどのように選べばいいのでしょうか。

弁護士選びは、結果にも大きく影響してきますので、刑事事件に強い優秀な弁護士に弁護依頼をしたいと考えるのは当然のことでしょう。ここでは、刑事事件に強い弁護士の選び方を紹介します。

刑事事件の経験が豊富である

前項でも説明しましたが、弁護士にも得意分野と不得意分野があります。弁護士になっている時点で、刑法、刑事訴訟法などの知識については十分ありますが、実務という点では経験が重要になります。

刑事事件に関する弁護経験が豊富な弁護士に依頼することで、経験を活かしてスムーズに対応してくれるでしょう。法律事務所のホームページなどでは、過去の実績などが記載されていることもあります。刑事事件の経験が豊富な弁護士を見つけて相談してみましょう。

対応スピードが速い

刑事事件では、スピード重視で示談成立に向けて動いていくことが大切です。刑事事件の実績が豊富な弁護士なら、スピードが大切であることは理解しているでしょう。

弁護士によっては抱えている案件があります。案件を抱え過ぎて動けないという弁護士もいます。迅速に対応してくれる弁護士かどうかを、相談のアポイントをすぐ取れるかどうかなどからできるだけ見極めましょう。

また、土日や夜間の対応もしている事務所などはスピード対応をしてくれることも多いので、法律事務所を選ぶときにはその営業時間にも注目することをおすすめします。

信頼ができる人柄である

刑事事件の弁護活動をしてもらう際には、とてもデリケートな話をしなくていけません。人に打ち明けられない内容も、話さなければいけないので、本当に信頼ができる人柄の弁護士かどうかも重要になってきます。

ここで重要になるのは、弁護士との相性となります。この人になら、どのようなことも打ち明けられると思える弁護士を見つけましょう。疑問や不安に感じたことを質問した際に、誠実に答えてくれる弁護士がおすすめです。

弁護活動と意義についての説明をしてくれる

刑事事件の流れや加害者の今後の処遇について説明する義務は基本的な義務です。弁護士として、実際にどのような弁護活動をしてくれるのか、その弁護活動によってどのような効果が期待できるのか詳しく説明してくれる弁護士を選びましょう。

刑事事件は弁護士が何もしなくても、着々と進んでいきます。そのため、弁護士による全力のサポートは必要不可欠です。弁護活動や意義に関して言及したがらない弁護士は、全力を出してくれないでしょう。刑事事件の判決は、加害者側の将来にも大きく影響してくるので、全力を尽くしてくれると感じられる弁護士に相談するようにしましょう。

インターネットで刑事事件に強い弁護士を検索する

刑事事件について相談する弁護士の選び方について解説しましたが、刑事事件に強い弁護士を自力で探し出すというのは簡単なことではありません。

そのため、インターネットで刑事事件に強い弁護士を検索するなどして、「刑事事件に強い」と明記されているような法律事務所の弁護士に相談することをおすすめします。

示談交渉ではスピードが重要です。もし刑事事件の加害者となった場合は、なるべく速やかに交通事故に強い弁護士へ相談しましょう。

刑事事件はスピードが重要!
刑事事件に巻き込まれたら弁護士へすぐに相談を
逮捕後72時間、自由に面会できるのは弁護士だけ。
23日間以内の迅速な対応が必要
不起訴の可能性を上げることが大事
刑事事件で起訴された場合、日本の有罪率は99.9%
起訴された場合、弁護士なしだと有罪はほぼ確実
上記に当てはまるなら弁護士に相談