目次[非表示]
児童買春に関する罪とは|まず全体像を知る
「お金を払ってお互いが納得しているなら、問題はないはずだ」。もし、そう考えているとすれば、それは大きな誤りです。相手が十八歳未満であれば、たとえ合意があったように見えても、児童買春として厳しく罰せられる可能性があるからです。
児童買春をめぐる問題は、未成年を性的な搾取や虐待から守ることを目的とした法律によって、厳しく取り締まられています。この法律は、被害に遭った子どもを守るとともに、こうした被害を社会から減らしていくことを目指しています。
ここで何より理解しておくべきなのは、児童買春が、実在する子どもに対する重大な人権侵害だという点です。お金を渡したという事実は、行為を正当化するものではありません。それどころか、子どもの弱みにつけ込んだ証として、むしろ重く受け止められることもあります。むしろ、子どもの弱い立場につけ込んだ行為として、重く受け止められます。守られるべきは、あくまで子どもの側です。対価を払えば許されるという発想は、法律の前ではまったく成り立ちません。
あわせて、逮捕された場合の手続きや、罪に問われたときに弁護士がどう関われるのかについても触れていきます。なお、ここでは具体的な内容には立ち入らず、あくまで法律の枠組みと手続きを中心に説明します。漠然とした不安は、正確な情報を得ることで、ずいぶん和らぐものです。
何が「児童買春」に当たるのか
まず押さえておきたいのが、法律が何を児童買春としているのか、という点です。ここを正しく理解しておかないと、知らないうちに重大な罪に関わってしまうおそれがあります。何が対象になるのかを知ることは、罪を避けるための第一歩です。
法律は、対償を供与し、またはその約束をして、十八歳未満の者に対し性的な行為をすることを、児童買春として処罰の対象としています。ここで鍵になるのが、対償という言葉です。これは現金にかぎりません。物品を渡すことや、何らかの利益を与える約束なども、対償に当たり得るとされています。
つまり、「現金は渡していないから大丈夫」という考え方は通用しません。形を変えた見返りであっても、子どもを性的な被害にさらすことに変わりはないからです。法律は、そうした抜け道を許さないよう、対償の範囲を広くとらえています。「お金は渡していない」という弁解が、いかに通用しにくいかがわかるでしょう。
こうして見てくると、児童買春が、お金や利益のやり取りという外形だけでは判断されないことがわかります。やり取りの有無や形を細かく工夫しても、子どもを被害にさらした事実は消えません。法律は、その一点をまっすぐに見つめています。大切なのは、子どもを性的な被害にさらしたかどうかであり、その本質を、法律は見ています。やり取りの形をどう工夫しても、被害の実質が変わらなければ、責任を免れることはできません。外形を整えれば許される、という考えは捨てるべきです。
対償には何が含まれるのか
対償と聞くと、現金のやり取りだけを思い浮かべるかもしれません。被害を受けた児童の心情に配慮しながら、弁護士が慎重に進めます。
対償は現金に限られず、物品の提供や、後で利益を与える約束であっても該当しうると解されています。金銭を渡していないから罪にならない、という理解は誤りです。
つまり、見返りの形を変えれば許される、というものではありません。食事や物をおごる、便宜をはかる、といった形であっても、それが子どもを性的な被害にさらすための見返りであれば、対償とみなされ得ます。法律は、外形ではなく、その実質を見て判断します。どんな名目をつけても、見返りとして渡されたものであれば、対償とみなされ得ます。言葉の言いかえで責任を逃れることはできません。
相手が誘ってきたとしても罪に問われる理由
「相手のほうから声をかけてきた」「相手も納得していた」。そう主張したくなる方もいるかもしれません。なぜなら、守られるべきは子どもの側だからです。きっかけがどちらにあったかではなく、子どもを被害から守れるかどうかが問われています。
子どもが、自分の身を守るための判断を十分にできるとはかぎりません。だからこそ、社会は、たとえ相手が誘ってきたとしても、大人の側に責任があるという立場をとっています。相手の年齢を確かめ、関わらないという判断をすることが、大人に求められています。
とりわけ重要なのが、相手の年齢に関する認識です。相手が大人びて見えた、年齢を偽っていた、といった事情があっても、それだけで責任を免れられるとはかぎりません。見た目や本人の言葉だけで判断するのは、きわめて危ういことです。確かめる手立てがあったかどうかが、後から厳しく問われることになります。
ここで強く伝えておきたいのは、年齢を確かめる手立てがあったにもかかわらず、それを怠ったのであれば、知らなかったという言い分は通りにくいということです。少しでも疑わしいなら、関わらないという判断こそが、自分を守る唯一の方法になります。曖昧なまま関わることが、いかに危ういかを理解しておく必要があります。確かめずに進めてしまえば、後でどれほど後悔しても取り返しがつきません。迷ったら立ち止まる。それが鉄則です。
なぜ大人の側にだけ責任があるのか
大人の側にだけ責任が問われることに、納得できない思いを抱く方もいるかもしれません。しかし、これは未成年を一方的に守るというより、大人としての当然の務めだといえます。子どもの弱さにつけ込まないことが、社会のルールです。
子どもは、目の前の利益にひかれて、自分の身に何が起こるのかを十分に考えられないことがあります。その判断の未熟さを利用してはならない、というのが法律の立場です。そのため、きっかけが相手にあったとしても、それは免罪符にはなりません。
児童買春と他の罪とのつながり
児童買春は、しばしばほかの罪と重なり合います。一つの行為が、複数の角度から評価されることもあるため、関連する罪についても知っておくと、自分の状況を正しくつかみやすくなります。
たとえば、児童買春の場面で、子どもの姿態を記録するような行為があれば、児童ポルノに関する罪にも問われ得ます。一つの出来事が、児童買春の問題であると同時に、別の重い罪にもつながっていくことがあります。そうなると、責任はそれだけ重くなっていきます。自分の行為がどこまで及んでいるのか、早めに見極めておく必要があります。
また、国の法律で定める児童買春には当たらない場合であっても、各都道府県が定める条例によって処罰の対象となることがあります。多くの自治体には、青少年の健全な育成を目的とした条例が置かれており、青少年に対するみだらな行為などが禁じられています。法律と条例が、二重に子どもを守る仕組みになっています。しかも、条例の内容は地域によって少しずつ異なります。「前にいた場所では問題なかった」という感覚が、思わぬ落とし穴になることもあります。
このように、児童買春をめぐっては、いくつもの法律が関わってきます。すり抜けられると考えること自体が、すでに危ういのだと心得てください。それだけ、子どもを守る仕組みは幾重にも張りめぐらされています。安全な関わり方は、そもそも関わらないことに尽きます。
少年が罪に問われた場合はどうなるのか
罪に問われた側が未成年である場合には、少年事件として、成人とは異なる手続きで扱われます。
本人の将来を守るためにも、適切な対応が求められます。
あっせんや勧誘などはさらに重く扱われる
児童買春そのものだけでなく、それを助けたり、広げたりする行為も、厳しく取り締まられています。被害を生み出す仕組みに関わる行為だからです。直接手を下していなくても、被害を支える役割を担えば、重い責任を問われ得るのです。
たとえば、児童買春をあっせんする行為や、子どもを児童買春の相手方となるよう勧誘する行為は、独立した罪として処罰の対象とされています。こうした行為は、被害を組織的に生み出し、広げてしまうものとして、重く扱われます。
さらに、こうした行為を繰り返し業として行った場合には、罪はいっそう重くなります。利益を得る目的で子どもを食い物にする行為として、きわめて厳しい目が向けられます。被害を生み出して利益にかえる行為は、最も悪質なものの一つとされます。そこに関わることの重さを、決して見くびってはなりません。
こうして見てくると、児童買春に関する罪が、関わり方の深さに応じて、段階的に重くなっていく構造になっていることがわかります。直接の行為だけでなく、その周辺で被害を支える行為もまた、重く問われます。どの立場であれ、子どもを食い物にする仕組みに加担しないことが大切です。
どの罪が適用されるかは状況によって変わる
ここまで見てきたように、児童買春をめぐっては、児童買春の罪、児童ポルノに関する罪、地域の条例など、いくつもの法律が関わってきます。では、実際にどの罪が適用されるのかというと、それは一概には言えません。
どの組み合わせになるかは、専門家でなければ見通しが立てにくいものです。この点から、自分の置かれた状況を正しく把握するには、専門家の助けが欠かせません。自己判断で軽く考えるのは、とても危険なことです。
逮捕された場合の手続きの流れ
ご家族が突然逮捕され、何が起きているのかわからないまま時間が過ぎていく。何が起きているのかわからないという不安は、人を強く動揺させます。全体の流れを知るだけでも、少し冷静になれるはずです。
- 検察官が勾留を請求し、裁判官がこれを認めると、身柄の拘束がさらに続きます。勾留の期間は、原則として最大で二十日間です。
この流れの中で、どの段階にいるかによって、できることは変わってきます。
なお、この種の事件では、逮捕されずに在宅で捜査が進むこともあります。
児童買春と関連する罪
| 行為 | 成立しうる罪 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 18歳未満と対償を供与して性交等をする | 児童買春罪 | 5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
| 児童買春の周旋(あっせん) | 児童買春周旋罪 | 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または併科 |
| 児童買春の勧誘 | 児童買春勧誘罪 | 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または併科 |
| 18歳未満に淫行をさせる | 児童福祉法違反 | 10年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科 |
| 16歳未満との性的な行為 | 不同意わいせつ罪・不同意性交等罪 | 6か月以上10年以下/5年以上の拘禁刑 |
| 18歳未満との条例違反となる行為 | 青少年保護育成条例違反 | 条例による(2年以下の拘禁刑など) |
2023年の改正で、性交同意年齢が13歳から16歳に引き上げられました。13歳以上16歳未満の相手に対しては、行為者が5歳以上年長であれば、同意があっても不同意性交等罪などが成立します。対償の有無や相手の同意にかかわらず、年齢によって重い罪が成立しうることになります。
相手の年齢を知らなかった場合
「年齢を知らなかった」という主張は、事件の成否を分ける重要な争点です。児童買春罪では、相手が18歳未満であることの認識が必要とされます。ただし、実務では、外見、学生であるという発言、出会った経緯、やり取りの内容などから、年齢を知りえたかどうかが厳しく判断されます。
「知らなかった」と主張するだけでは足りず、年齢を確認した事実や、相手が年齢を偽っていた経緯などを具体的に示す必要があります。相手の年齢を確認しなかったこと自体が、落ち度として評価されることもある点に注意が必要です。
児童買春事件の捜査と発覚の経緯
児童買春事件は、次のような経緯で発覚することが多くあります。
- 相手の保護者が気づき、警察に相談する
- 相手が補導され、事情を聞かれる中で判明する
- やり取りの記録や送金の履歴から特定される
- 別の事件の捜査の過程で発覚する
捜査が始まると、スマートフォンやパソコンが押収され、やり取りの記録が解析されます。メッセージを削除しても、復元や通信記録の照会によって内容が明らかになることが多く、証拠を隠そうとする行為は、身柄拘束の理由になるだけです。
児童買春事件の処分の傾向
| 事案 | 処分の傾向 |
|---|---|
| 初犯、相手との示談が成立している | 不起訴や罰金となることもある |
| 初犯だが示談が成立していない | 起訴され、拘禁刑に執行猶予がつくことが多い |
| 繰り返している、複数の相手がいる | 実刑の可能性が高まる |
| あっせんや勧誘に関与した | 組織性が問われ、実刑となることが多い |
| 相手が低年齢である | より重い罪が成立し、処分も重くなる |
児童買春罪には罰金の定めがあるため、初犯で被害が比較的軽微な場合には、略式手続きによる罰金で終わることもあります。ただし、相手が16歳未満であれば不同意性交等罪などが成立し、罰金の選択肢がなくなります。
被害者側への対応
児童買春の事件では、相手の児童とその保護者が被害者の立場になります。保護者の処罰感情は非常に強いことが多く、示談の交渉は容易ではありません。加害者本人や家族が直接連絡を取ることは、事態を悪化させるだけです。
弁護士を通じて、まず謝罪の意思を伝え、被害者側が受け入れる意向を示した場合にのみ、示談の話し合いに進みます。被害者の心情に配慮し、相手の生活を乱さない形で進めることが、交渉の前提になります。
逮捕から処分までの流れ
- 相手や保護者の相談、補導などをきっかけに捜査が始まる
- やり取りの記録や送金の履歴が調べられる
- 呼び出しを受けて取調べに応じる、または逮捕される
- 相手への接触のおそれから、勾留されることが多い
- 勾留中に示談が成立すれば、不起訴となる可能性がある
- 起訴されれば公判が開かれ、判決が言い渡される
児童買春事件では、被害者への接触を防ぐため、接見禁止がつくこともあります。家族も面会できない状態が続くことがあり、本人と連絡を取れるのは弁護士だけになります。
再発防止に向けた取り組み
児童買春の事件では、性的な関心の対象が児童に向いていることが背景にある場合があります。この場合、本人の意思だけで再発を防ぐことは難しく、専門的な治療が有効です。
- 性依存症や性嗜好障害の治療を行う医療機関を受診する
- 認知行動療法などのプログラムに継続して参加する
- 自助グループに参加し、同じ課題を持つ人と支え合う
- 家族が生活を見守り、再発の兆候に早く気づける体制を作る
- 通院や参加の記録を、処分や裁判の資料として提出する
治療への取り組みは、再犯を防ぐだけでなく、更生の意思を示す具体的な事情として、処分や判決でも考慮されます。「もうしません」という言葉ではなく、実際の行動で示すことが求められます。
前科がもたらす影響
有罪が確定すれば、前科として記録に残ります。ここを軽く考えてはいけません。
そうであれば、入り口の段階で踏みとどまることが何より大切です。
被害者側に直接連絡してはいけない理由
加害者とされた側やその家族が、自分たちで被害者側に謝罪しようと考えることがあります。
とりわけ、被害者が子どもである場合、その心のケアは何よりも優先されなければなりません。よかれと思った行動が、かえって相手をさらに傷つけてしまう。だからこそ、被害者側への対応は、すべて弁護人を通じて行うべきです。
家族が事件を知ったとき
家族が児童買春で逮捕されたと知らされると、強い衝撃と混乱に襲われます。怒りや失望を感じるのは当然ですが、本人を責め立てるだけでは、事件の解決にも再発の防止にもつながりません。
家族にできるのは、弁護士に接見を依頼して状況を確かめること、示談金の準備を検討すること、本人が治療につながるよう働きかけること、そして本人の生活を見守る体制を整えることです。家族が監督する体制を具体的に示せるかどうかは、身柄の解放や処分の判断にも影響します。
同時に、家族自身の生活も守らなければなりません。報道された場合の対応、職場や学校への説明、精神的な負担への対処など、家族が抱える問題についても、弁護士に相談することができます。
取調べで気をつけたいこと
児童買春事件の取調べでは、相手の年齢を知っていたか、どのような経緯で知り合ったか、対償の内容は何かといった点が詳しく聞かれます。これらは、罪の成否や重さに直結します。
とくに、相手の年齢についての認識は、事件の見通しを左右します。記憶があいまいなまま「知っていたと思う」と答えれば、そのとおりの調書が作られます。反対に、明らかに知りえた状況で「知らなかった」と強弁すれば、反省していないと受け取られます。事実をありのままに、正確に伝えることが大切であり、そのためにも取調べの前に弁護士と打ち合わせをしておくことをおすすめします。
被害の重大さと被害者保護の観点
この種の事件で、決して忘れてはならないのが、被害を受けた子どもの存在です。
児童買春の被害は、その場かぎりのものではありません。性的な被害は、子どもの心に深い傷を残し、その後の成長にも影響を及ぼすことがあります。本人がそのときは平気そうに見えても、時間がたってから苦しみが表れることも少なくありません。被害の重さは、その場では計り知れません。お金を渡したからといって、対等な関係だったことにはなりません。大人と子どものあいだには、もともと大きな力の差があるからです。その差を利用した行為であることを、決して見落としてはなりません。表面的なやり取りの裏にある、力の不均衡に目を向ける必要があります。
しかし、この種の事件では、示談を進めること自体に大きな難しさがあります。被害者は子どもであり、その家族は強い不安や怒りを抱えていることがほとんどです。加害者側が直接連絡を取ろうとすれば、かえって相手を傷つけ、事態を悪化させてしまいます。子どもにとっては、加害者から連絡が来ること自体が、大きな恐怖の種になります。そのため、対応には何重もの配慮が必要です。
この点から、被害者側への対応は、弁護人を通じて、細心の注意を払いながら進める必要があります。何より優先されるべきは、被害を受けた子どもの安心と回復です。その視点を、決して忘れてはなりません。
相手が同意していた場合でも罪になる
「相手も納得していた」「断られなかった」という認識があっても、児童買春罪は成立します。18歳未満の児童は、性的な行為について適切な判断をする力が十分でないと考えられており、法律は児童を保護する立場から、対償を伴う性的な行為を一律に禁じています。
相手から誘われた場合も同じです。誘いに応じた事実は、罪の成立を妨げません。相手の同意や積極性を理由に責任を軽く見る主張は、反省していないと受け取られ、処分を重くすることにもなります。事件と向き合う際は、まずこの点を正しく理解することが出発点になります。
示談が成立した場合の効果
| 段階 | 示談成立の効果 |
|---|---|
| 勾留中 | 勾留が取り消され、釈放されることがある |
| 起訴前 | 不起訴となる可能性が高まる |
| 起訴後 | 執行猶予や刑の軽減につながる |
児童買春は被害者のいる犯罪であり、示談の成否が処分を大きく左右します。ただし、被害者側が示談に応じないことも多く、その場合は、謝罪文を預ける、贖罪寄付をする、治療に取り組むといった方法で誠意を示すことになります。
弁護活動の進め方
- 接見して事実関係と本人の言い分を確認する
- 相手の年齢の認識など、争点を整理する
- 捜査機関を通じて、被害者側の意向を確認する
- 謝罪と示談の申し入れを、被害者の負担にならない形で行う
- 治療や家族の監督体制など、再発防止の準備を進める
- 検察官に不起訴を求める意見書と資料を提出する
身柄を拘束されている場合、これらをすべて勾留の期間内に進める必要があります。限られた時間の中で動くためにも、できるだけ早い依頼が欠かせません。
児童買春の事件は、社会的な非難が強く、報道されれば職を失うこともあります。事件の初期から適切に対応することが、本人の人生を守るうえでも、被害を受けた児童への責任を果たすうえでも重要です。呼び出しを受けた、逮捕されたという段階で、すぐに弁護士に相談してください。
相談の際は、事件の経緯、相手とのやり取りの状況、これまでの前科や前歴の有無を整理して伝えてください。家族からの相談にも対応しています。
児童買春は、児童の心身に深い傷を残す犯罪です。処分を軽くすることだけを考えるのではなく、被害を受けた児童にどう向き合うか、二度と繰り返さないために何をするかを、事件を通じて真剣に考えることが求められます。
罪に問われたときに弁護士ができること
では、実際に罪に問われたとき、弁護士はどのような役割を果たせるのでしょうか。
事実関係に争いがある場合
身に覚えのない疑いをかけられている、あるいは事実関係に食い違いがある。とりわけ、相手の年齢に関する認識など、争点になりやすい部分を整理し、言い分があれば適切な形で主張していきます。
取り調べへの向き合い方
取り調べでは、緊張のあまり、自分の意図とは違う説明をしてしまうことがあります。取り調べで述べたことは、その後の手続きに影響します。
反省し、再発防止と解決を目指す場合
行為を認め、二度と繰り返さないと決めたのであれば、その気持ちを形にしていくことが欠かせません。弁護人は、被害者側への対応の橋渡しをするとともに、二度と同じ過ちを犯さないための具体的な手立てを一緒に考えます。そこが見られています。本気で生き方を変える覚悟を、形にしていくことが肝心です。
子どもを守るために大人が心がけたいこと
最後に、被害をこれ以上生まないという観点から、大人の側に求められることを整理しておきます。これは、自分や身近な人を守ることにもつながります。
少しでも迷う場面があれば、関わらないという判断をすることが何より大切です。その違和感を、見過ごさないでください。こんな場面では、専門家の判断を仰ぐのが近道です。
- 曖昧なまま進めないことが基本です。
- 対償を渡すかどうかにかかわらず、子どもとの性的な関わりは避けること。形を変えても問題は消えません。
- 子どもを相手とする行為をあっせんしたり、勧めたりしないこと。被害を広げる重い行為になります。
- 不安や疑問があれば、早めに専門家や相談窓口に頼ること。一人で抱え込まないことが必要です。
そして、その責任を果たすことが、結果として自分自身を守ることにもつながります。一人ひとりが正しい知識を持ち、関わらないという判断を積み重ねていくことが、被害を生まない社会につながっていきます。
よくある質問
相手が成人だと言っていた場合でも罪になりますか
相手の言葉をうのみにしただけでは、責任を免れにくい場合があります。年齢を確かめる手立てがあったのに、それを怠ったと判断されれば、知らなかったという弁解は通りにくくなります。
お金を渡していなければ問題ないのですか
そうとはかぎりません。対償は現金にかぎらず、物品や利益を与える約束なども含まれ得ます。また、対償がなくても、各都道府県の条例や、刑法上の罪に問われることがあります。お金のやり取りの有無だけで、安全だと考えるのは危険です。「お金を渡していないから」という理屈は、被害の実質を見落とした考え方です。形がどうであれ、子どもとの関わりそのものを避けることが大切です。
相手から誘われたのに、なぜ自分だけが罰せられるのですか
守られるべきは子どもの側だからです。たとえ相手から誘ってきたとしても、大人には、関わらないという判断をする責任があります。相手の立場の弱さを利用しない、という考え方が根底にあります。きっかけが相手にあったかどうかは、責任を軽くする理由にはなりません。誘いに応じないという判断こそが、大人に求められています。相手の立場の弱さを、決して利用してはなりません。
家族が逮捕されました。すぐにできることはありますか
まず、できるだけ早く弁護士に相談してください。
逮捕されず在宅で捜査されています。放っておいてよいですか
放置はおすすめできません。
児童買春に関する問題は、子どもに深い傷を残す重大な事柄であり、関わった側にとっても人生を大きく左右します。正しい知識と適切な対応が、これからを変える力になります。
