閉じる

1,912view

債権回収は弁護士に相談を!弁護士に依頼するメリットとデメリット

この記事で分かること

  • 弁護士に依頼すると解決が早くて確実
  • 弁護士はお金がかかる上、強すぎるプレッシャーがデメリットになることも
  • 弁護士が行う手続きの流れや良い弁護士の選び方を知っておこう

法律問題の解決に困ってしまう理由は、間違いなく法知識と経験の不足です。場合によっては取引先との関係性が解決を難しくしているのかもしれません。そこで、経験豊富な弁護士に依頼すれば解決までのスピードが速くなり、債権者の手間が減ります。 ただし、弁護士によってはお金のために強引な債権回収をすることもあるため全員の幸せを考える弁護士を選びましょう。

債権回収を弁護士に依頼するメリット

債権回収は想像以上に解決しづらい問題です。どんなに言っても債務者はこちらの要求を無視し続けるし、かといって実力行使に出ればこちらが暴行や障害、恐喝の罪に問われてしまいます。(自力救済禁止の原則)

どうしても相手が動かない時は法的手続きをしなくてはいけないのですが、債権回収の手続きは簡単でなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。もちろん、慣れていない手続きを行うのは時間がかかるので会社の場合は債権回収のせいで業務効率が落ちることも考えられます。

よって、法律のプロである弁護士に依頼することのメリットは解決の速さと確実性となります。具体的にはこのようなものが挙げられます。

相手にプレッシャーをかけられる

自ら債権回収する場合に比べて、弁護士の名前が出ると債権回収の本気度をアピールできます。債務履行を拒み続けると訴訟や差し押さえに発展することや、直接の話し合いでも下手な言い訳ができないことが予想されますから弁護士を立てた途端に相手が柔軟な対応を見せることがあります。

逆に言えば、弁護士に依頼することで態度を変えるような債務者はそれだけ債権者を軽視しています。今後は取引しない方が良いでしょう。

ひどい時には請求書を出すだけで解決することも

残念ながら、債務者はあなたが思うより余裕があるようで弁護士の名前で内容証明郵便を出すだけで債権回収が終わることもよくあります。

債権回収を巡って債務者と争うことは債権者にとって大きな心理的負担になります。そこから解放されるだけでも大きなメリットと言えます。

優れた実行力

債権回収の実績がある弁護士は、相手が債権を払うためのポイントを心得ています。もちろん弁護士ならではのプレッシャーでたたみ掛けることも一つの手段ですが、相手の状況や事情に合わせた柔軟な解決策も持ち味です。

債権回収で大切なのは回収までのスピードと回収額です。自分で回収できない債権はこだわらず弁護士にお願いしましょう。時には訴訟をはじめとする法的手段が必要となりますが、適切な対応を期待できます。

債権回収できない理由として多いのは、そもそもお金がない場合・お金を払うことを不合理だと考えている場合・意図的に債権を踏み倒そうと目論んでいる場合です。

スムーズな手続きで労力削減

債権回収をするためには、内容証明郵便を送り、自分で交渉し、裁判所に支払督促や訴訟を申し立てるなどやるべきことがたくさんあります。その度に時間を取られていると日常業務に支障がでかねません。

しかも、会社で働く人は法律に関しては素人ですから手続きに必要以上の時間がかかるし書類の不備があればさらに面倒なことになります。

法律問題に詳しい弁護士ならすぐに手続きしてくれるので迅速な対応が可能で、社内の労力削減にもつながります。

債権回収を素早く行うべき理由

債権回収は素早く行わなければいけません。もし、債権回収が遅れてしまうと債務者が財産を使い込む・隠すことが考えられます。多重債務者である場合は債務整理をされることで受け取れる弁済額が大幅に減ってしまうこともあり得ます。

そうなる前に、相手に債務を履行してもらわなければいけません。通常数ヶ月以上かかる訴訟をする場合であっても、訴訟の最中に財産を処分されないよう仮差し押さえが必要です。仮差し押さえとは、裁判で決着がつくまで財産を凍結する制度です。

裁判で勝訴した場合でも、判決を実行する意思がないと判断されればすぐに強制執行しないと債権回収できなくなる恐れがあります。

このような問題に対する判断力も弁護士の腕の見せ所です。

法的手続きを代理してもらえる

弁護士は債権回収を代行してくれる存在ですが、司法書士や債権回収業者にも債権回収宇野依頼が可能です。しかし、司法書士や債権回収業者は弁護士のできる業務の一部しか担えないためやはり弁護士への依頼が望ましいです。

訴訟の代理ができるのは弁護士だけ

弁護士は依頼人に変わって和解交渉や訴訟の代理ができます。場合によってはほとんど弁護士にお任せできるので余計な労力がかかりません。士業のうち訴訟の代理ができるのは弁護士だけで司法書士でさえ請求額140万円までの民事事件に限られています。行政書士などもってのほかです。

司法書士のうち認定司法書士は任意交渉についても請求額140万円までの民事事件に限られます。

あらゆる債権に対応できるのも弁護士だけ

債権回収会社も債権回収の代理をすることができるのですが、債権回収会社が対応できるのは特定金銭債権に限られ回収業務を依頼できる企業の業種も限られています。

ワンポイントアドバイス
債権回収を弁護士に依頼するメリットは弁護士の名前が相手へのプレッシャーになること、法的手段に打って出る時の対応が早くなること、債権回収にかける労力を減らせることなどがあります。自分ではなかなか債務者を納得させられないという場合こそ弁護士の力を借りましょう。弁護士は回収できる債権に制限がなく、訴訟の代理までお任せできます。

債権回収を弁護士に依頼するデメリット

債権回収を弁護士に依頼するメリットはたくさんあるのですが、もちろんデメリットもあります。この点も踏まえて望ましい選択肢を取りましょう。

お金がかかる

弁護士に依頼すると、どうしても弁護士費用がかかります。初回相談料のかからない弁護士事務所は少なくありませんが、債権の額に問わずある程度の着手金がかかるので少額での利用はためらわれます。

「いくらの債権を取り返すために、どれだけの費用を費やすか」を事前に考えておきましょう。例えば、少額の債権でも内容証明を送るだけで解決すればそこまでの痛手になりません。ところが少額訴訟まで代理してもらうと費用倒れになりかねないです。

一方で債権の額が数1000万円や億単位になるような場合であれば高い債権回収率を実現できるなら高額報酬も痛くないはずです。

取引先との関係が悪化する

弁護士の存在は相手に大きなプレッシャーを与える一方で、相手との良好な関係を悪化させてしまうことがあります。債権者に非はないにも関わらず債務者が感情的になることで継続的な取引が終わってしまうことも考えられます。

ただ、相応の事情がない限り「債権回収が必要な時点で良好な関係と言えない」と考えるべきではないでしょうか。取引の継続を考えられるくらいなら誠実な話し合いで解決できるかもしれません。

取引先とは常に対等の立場であること

取引先の態度が悪くても関係を継続しなければいけない場合があると思います。しかし、このような状態は債権者にとって望ましくありません。順調なときでも常に良い取引先を探し、どこか1社に依存する状態を脱すると強気の交渉が可能になります。

ワンポイントアドバイス
弁護士に依頼するデメリットは関係悪化と費用の問題ですが、関係がすでに悪化しているから弁護士に依頼することを忘れないでください。費用の問題については、期待できる回収額と法的手段の兼ね合いで決めましょう。ここを良心的に説明してくれる弁護士はあなたの強い味方になります。

債権回収の流れと良い弁護士の選び方

こちらでは実際に弁護士へ依頼した場合の債権回収の流れを紹介します。多くの部分を弁護士に代行してもらえるのですが、当事者として適切な選択ができるよう覚えておきましょう。

合わせて良い弁護士を選ぶためのポイントも紹介します。

弁護士への相談と委任契約

まずは弁護士へ相談します。初回相談料が無料である場合は30〜60分まで無料で相談できます。相談料が有料である場合は30分5000〜10000円かかります。弁護士が対策を立てやすいよう債権の金額や滞納の状態、弁護士に依頼するまでの経緯などを詳細に話しましょう。

弁護士は相談を受けた内容や依頼者の希望をもとに債権回収の方法を提案します。その内容で合意できれば、弁護士に代理するための委任契約を結びます。余談ですが、弁護士への代理は委任契約に分類されます。

着手金が前払い制であるときはここで支払います。

内容証明郵便で請求書を送る

内容証明郵便で請求書を送ります。これは自分でも可能ですが弁護士の名前がある場合とない場合では相手に与える印象がまるで違います。内容証明郵便を使う理由は送達したという事実が残ること、そして債権の消滅時効を6ヶ月間停止できることにあります。

もちろん、請求書は裁判で証拠として使えるよう正しい書き方を求められます。ここで依頼人がつまづかないようにするのも弁護士の務めです。

任意交渉する

債権者が交渉に応じた場合は弁護士が代理で交渉を行います。当事者同士では感情論の応酬となってしまうところにも弁護士が入ることで円滑な解決ができます。債権者が怒りのあまり債務者に手を出して逆に訴えられるケースもあるので、交渉を代理してもらえることは意外と大きなメリットになります。

法的手段に打って出る

話し合いで解決できない場合は法的手段を用います。債権回収についての法的手段は通常訴訟や少額訴訟の他、裁判を飛ばして差し押さえができる支払督促があります。支払督促は相手が異議を申し立てれば通常訴訟に移行します。

判決が出た後にそれを履行しない債務者に対しては強制執行を行います。

良い弁護士を選ぶために

債権回収を円滑に行うためには交渉力が高く臨機応変に動ける弁護士を選びたいです。ほとんどの手続きを弁護士にお任せする以上、債権回収の成否は弁護士の腕にかかってると言っても過言ではないからです。

また同じ弁護士でも債権回収に強くない、債務者との話し合いが苦手、すぐに裁判するよう持ちかけてくるなど問題をかえってややこしくする場合があります。知名度だけでなく実際の評判もチェックしておきましょう。

ワンポイントアドバイス
弁護士はあなたの相談内容をもとに適切な債権回収の策を立てます。相談するときは具体的に話すようにしてください。弁護士は委任契約をもとに代理をします。報酬は着手金と成功報酬がかかります。中には完全成功報酬の弁護士事務所もありますが必ずしも安価というわけではありません。

良い弁護士とは依頼人の希望に沿った解決のできる柔軟かつ実行力ある存在です。あなたの話を親身に聞いてくれる人を選びましょう。

債権回収は弁護士に頼った方が早くて確実。メリットとデメリットを踏まえてベストな選択肢をとろう

債権回収において弁護士は素早い解決と取りっぱぐれの防止というメリットがあります。それに対してデメリットは費用の大きさくらいですから、依頼人に無理をさせない弁護士に依頼すれば安心です。

債権回収で最も避けるべき結末は弁護士費用を惜しんで債権を何も回収できなくなること。支払うべき費用と取り戻せるお金をシビアに比較して最適な選択を心がけてください。

債権回収を弁護士に相談するメリット
  • 状況にあわせた適切な回収方法を実行できる
  • 債務者に<回収する意思>がハッキリ伝わる
  • スピーディーな債権回収が期待できる
  • 当事者交渉に比べ、精神的負担を低減できる
  • 法的見地から冷静な交渉が可能
  • あきらめていた債権が回収できる可能性も
上記に当てはまるなら弁護士に相談