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宅建業法とは?不動産会社の義務と仲介手数料の上限

宅建業法とは?不動産会社の義務と仲介手数料の上限

この記事で分かること

  • 宅地建物取引業法とは宅地・建物の取引に関する法律
  • 平成29年の法改正のポイントは「取引の促進」と「建物状況調査」
  • 「建物状況調査」とは、契約成立前に行う建物の構造調査のこと

物件を売買したい、建物の媒介業をしたいといった時にお世話になるのが「宅地建物取引業法」です。ここでは、宅地建物取引業法の基礎から最近の法改正まで、簡単な解説を致します。

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不動産会社とのトラブル、宅建業法を知れば見えてくる

家を買うときも、部屋を借りるときも、家を売るときも、多くの場合、不動産会社が間に入ります。その不動産会社から、説明されていなかった費用を請求された。仲介手数料が高すぎる気がする。契約をやめたいのに、手付金は返せないと言われた。不動産会社とのやり取りで、こうした疑問やトラブルを抱えたことはないでしょうか。

不動産会社の仕事には、宅地建物取引業法、いわゆる宅建業法という法律が適用されます。宅建業法は、不動産の取引に慣れていない一般の人を守るために、不動産会社に対して、さまざまな義務や制限を課しています。免許を持たなければ仕事ができないこと、契約の前に重要な事項を説明しなければならないこと、受け取れる仲介手数料に上限があること、などです。

宅建業法の内容を知っていれば、不動産会社の説明や請求が正しいかどうかを判断でき、トラブルを未然に防ぐことができます。万一トラブルになったときも、どの義務に違反しているのかをはっきりさせることで、交渉や行政への申し出が進めやすくなります。

この記事では、不動産のトラブルの相談を受ける弁護士の立場から、宅建業法の目的と対象、不動産会社の主な義務、仲介手数料の上限、不動産会社が売主になる場合の特別なルール、違反があった場合の対処までを、取引をする人の立場から説明していきます。

宅建業法は、不動産会社のための法律と思われがちですが、実は、取引をする一般の人を守るための法律でもあります。不動産会社がどんな義務を負っているのかを知っておくことは、取引の当事者として、自分の権利を守ることにつながります。

宅建業法とは|不動産取引の公正を守る法律

宅建業法は、正式には宅地建物取引業法といいます。不動産の取引を業として行う者(宅地建物取引業者)に対して、免許の制度を設け、業務の適正な運営を求めることで、取引の公正を確保し、買主や借主などの利益を守ることを目的とした法律です。

宅建業法の成り立ち

宅建業法は、戦後の住宅不足の時代に、悪質な業者による取引のトラブルが相次いだことを受けて、1952年に制定されました。その後、取引の実態に合わせて何度も改正が重ねられ、重要事項の説明や、不動産会社が売主となる取引の制限など、買主や借主を守るための規定が充実してきました。最近では、取引の電子化や、災害のリスクの説明など、時代の変化に対応した改正が続いています。

宅建業法の対象になる取引

宅建業法の対象になるのは、宅地や建物について、次の取引を業として行う場合です。

取引 自ら行う場合 代理・媒介(仲介)の場合
売買 対象になる 対象になる
交換 対象になる 対象になる
貸借 対象にならない 対象になる

ここで注意したいのは、自分が所有するアパートを人に貸す大家は、宅建業法の対象にならないということです。自ら貸借を行うことは、宅地建物取引業にあたらないからです。一方、他人の部屋の賃貸を仲介する不動産会社は、宅建業法の対象になります。

業として行うとは

「業として行う」とは、不特定多数の人を相手に、繰り返し取引を行うことをいいます。個人が自分の住まいを一度売るだけであれば、業にはあたりません。一方、土地を区画に分けて、多くの人に分譲するような場合は、業にあたり、免許が必要になることがあります。

サブリースと宅建業法

アパートを一括で借り上げて入居者に転貸する、いわゆるサブリースの事業は、自ら貸借を行うものとして、宅建業法の対象にはなりません。ただし、サブリースについては、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律により、誇大広告の禁止や、契約の前の重要事項の説明が義務づけられています。家賃の保証をうたう勧誘には、とくに注意が必要です。

免許の制度

宅地建物取引業を営むには、免許が必要です。一つの都道府県にだけ事務所を置く場合は都道府県知事の免許、二つ以上の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣の免許を受けます。免許の有効期間は5年で、更新が必要です。免許を受けずに不動産の取引を業として行うことは禁じられています。

不動産会社の店頭や広告には、免許の番号が表示されています。免許の番号の括弧の中の数字は、免許の更新の回数を示していて、数字が大きいほど、長く営業している会社だと分かります。取引の前に、免許の番号を確かめておくと安心です。

業者の登録を確かめる方法

不動産会社が免許を受けているかどうかは、国土交通省や都道府県が公開している業者の情報で確かめることができます。免許の番号、商号、代表者、事務所の所在地などを検索でき、実在する免許かどうかを確かめられます。取引の相手の名刺や広告に書かれた免許の番号が、実際の登録と一致しているかを見ておくと安心です。

無免許の業者との取引

免許を持たない者が不動産の取引を業として行うことは、宅建業法違反として刑罰の対象になります。無免許の業者と取引すると、重要事項の説明や、保証金からの弁済などの保護を受けられません。個人の紹介で持ち込まれた取引や、相場より極端に有利な条件の取引では、相手が免許を持っているかを必ず確かめましょう。

宅地建物取引士の役割

宅建業法の中心にあるのが、宅地建物取引士という資格者の存在です。不動産会社には、宅地建物取引士という国家資格を持つ人を置くことが義務づけられています。事務所ごとに、業務に従事する人の5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。

宅地建物取引士だけができること 内容
重要事項の説明 契約の前に、買主や借主に、物件や取引の条件についての重要な事項を説明する
重要事項説明書への記名 説明の内容を書いた書面に記名する
契約書(37条書面)への記名 契約の成立後に交付する書面に記名する

重要事項の説明をするときは、宅地建物取引士は、相手に宅地建物取引士証を示さなければなりません。説明を受けるときは、説明している人が宅地建物取引士であることを確かめましょう。

宅地建物取引士の証の確認

宅地建物取引士証には、氏名、登録番号、有効期間などが書かれています。説明を受ける際に提示された取引士証の有効期間が切れていないか、写真が本人と一致しているかも見ておきましょう。取引士証の提示を求めても応じない場合は、重要事項の説明の手続きに問題があることになります。

不動産会社の主な義務

宅建業法は、不動産会社に対して、取引の各段階でさまざまな義務を課しています。取引をする側から見れば、これらは自分を守ってくれるルールです。

義務 内容
重要事項の説明 契約の前に、物件の権利関係、法令上の制限、取引の条件などを、宅地建物取引士が書面を交付して説明する
契約書面の交付 契約が成立したら、遅滞なく、契約の内容を書いた書面を交付する
誇大広告の禁止 物件の所在、規模、価格などについて、事実と異なる表示や、実際より著しく優れていると誤解させる表示をしてはならない
重要な事実の不告知の禁止 取引の判断に重要な影響を及ぼす事実を、故意に告げなかったり、事実と違うことを告げたりしてはならない
断定的判断の提供の禁止 「必ず値上がりする」など、利益が確実であると誤解させる断定的な判断を示してはならない
契約の締結の不当な勧誘の禁止 威迫する、長時間しつこく勧誘するなどの行為をしてはならない
守秘義務 業務上知った秘密を、正当な理由なく漏らしてはならない

重要な事実を告げないことの重さ

取引の判断に重要な影響を及ぼす事実を、故意に告げなかったり、事実と違うことを告げたりすることは、宅建業法の中でも重い違反とされ、刑罰の対象にもなります。たとえば、雨漏りがあることを知りながら「雨漏りはない」と説明した、近くに大きな建物が建つ計画を知りながら黙っていた、といった場合です。

重要事項として説明される主な内容

  • 登記されている権利(所有者、抵当権など)
  • 都市計画法や建築基準法などの法令上の制限
  • 道路との関係、水道・ガス・排水の設備
  • 代金や家賃以外に授受される金銭(手付金、敷金など)
  • 契約の解除、損害賠償の予定、違約金に関する事項
  • 土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、水害のハザードマップにおける位置

2020年8月からは、水害のハザードマップにおける物件の位置も、重要事項として説明されるようになりました。災害のリスクは、住まいを選ぶうえで大切な情報です。

重要事項説明の電子化

2022年5月からは、重要事項説明書や契約書を、相手の承諾を得て、電子書面で交付できるようになりました。重要事項の説明も、テレビ会議などを使ったオンラインで行うことができます。オンラインで説明を受ける場合も、事前に書面が届いているか、画面や音声に問題がないかを確かめてから説明を受けましょう。

不当な勧誘の例

宅建業法は、契約を結ばせるための不当な勧誘を禁じています。たとえば、相手が断っているのに勧誘を続けること、深夜や早朝に電話をかけること、長時間にわたって勧誘して相手を困らせること、「今日決めないと他の人に売れてしまう」などと事実に反して契約を急がせることなどです。こうした勧誘を受けた場合は、はっきり断り、記録を残しておきましょう。

契約書面に書かれること

契約が成立した後に交付される契約書面(37条書面)には、当事者の氏名と住所、物件の特定、代金や家賃の額と支払いの時期、引渡しの時期、移転の登記の申請の時期などが書かれます。重要事項説明書が契約の前の説明のための書面であるのに対し、契約書面は、成立した契約の内容を確認するための書面です。二つの書面の内容に食い違いがないかを確かめておきましょう。

媒介契約の種類

家を売るときに、不動産会社に買主を探してもらう契約を、媒介契約といいます。どの種類を選ぶかで、不動産会社の動き方も変わります。媒介契約には、次の三種類があります。

種類 ほかの会社への重ねての依頼 自分で見つけた買主との取引 不動産会社からの報告
一般媒介 できる できる 義務なし
専任媒介 できない できる 2週間に1回以上
専属専任媒介 できない できない 1週間に1回以上

専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、3か月が上限です。また、不動産会社は、物件の情報を、国土交通大臣が指定した不動産の流通の機構に一定の期間内に登録しなければなりません。

仲介手数料の上限

取引をする人にとって身近なのが、仲介手数料の問題です。不動産会社が受け取れる仲介手数料(報酬)には、国土交通大臣が定めた上限があります。上限を超えて受け取ることは、宅建業法で禁じられています。

仲介手数料を支払う時期

仲介手数料は、売買や賃貸の契約が成立して初めて支払うものです。契約が成立しなかった場合は、原則として支払う必要はありません。売買では、契約の時に半額、引渡しの時に残りの半額を支払う慣行が多く見られます。媒介契約を結ぶときに、支払いの時期を確かめておきましょう。

売買の仲介手数料

売買の代金(税抜き)の部分 上限の割合(税抜き)
200万円以下の部分 5%
200万円を超え400万円以下の部分 4%
400万円を超える部分 3%

代金が400万円を超える場合は、「代金×3%+6万円」に消費税を加えた額が、売主と買主それぞれから受け取れる上限になります。たとえば、代金が3,000万円の場合、上限は96万円に消費税を加えた額です。

なお、代金が800万円以下の低廉な空き家などの売買では、現地の調査などの費用を考慮して、30万円に消費税を加えた額まで受け取れる特例があります。この場合は、依頼者に事前に説明し、合意を得る必要があります。

両手取引とは

一つの不動産会社が、売主と買主の両方から仲介を依頼され、双方から仲介手数料を受け取る取引を、両手取引といいます。宅建業法で禁じられているわけではありませんが、売主と買主の利益は対立するため、不動産会社がどちらの利益を優先しているのかが問題になることもあります。売主の立場では、自社で買主を見つけるために、ほかの会社からの問い合わせを断るといった行為がないか、注意が必要です。

売主と買主の双方から仲介を依頼されている場合、不動産会社は、売主と買主のそれぞれから、上限の範囲内で手数料を受け取ることができます。依頼を受けていない側から手数料を受け取ることはできないので、自分がその不動産会社に仲介を依頼しているのかどうかも確かめておきましょう。

賃貸の仲介手数料

一方、賃貸の仲介手数料は、貸主と借主から受け取る合計で、家賃の1か月分に消費税を加えた額が上限です。住宅の賃貸では、依頼者の一方から受け取れるのは、原則として家賃の0.5か月分までとされ、依頼者の承諾を得た場合に限り、1か月分まで受け取ることができます。

注意
仲介手数料の上限は、あくまで上限です。上限いっぱいの額を支払わなければならないわけではなく、不動産会社と交渉して、より低い額で合意することもできます。また、広告の費用などを、依頼者が特別に頼んだものでないのに、仲介手数料とは別に請求することは原則としてできません。

不動産会社が売主になる場合の特別なルール

新築の分譲マンションや建売住宅のように、不動産会社が自ら売主となり、不動産会社ではない一般の人が買主となる売買では、買主を守るために、宅建業法で特別な制限が設けられています。

制限 内容
クーリング・オフ 事務所など以外の場所で申込みや契約をした場合、書面で告げられた日から8日以内であれば、無条件で申込みの撤回や契約の解除ができる
手付の額の制限 手付金は、代金の2割を超えてはならない。手付は解約手付とされ、買主は手付を放棄して契約を解除できる
損害賠償の予定の制限 違約金と損害賠償の予定の合計は、代金の2割を超えてはならない
手付金などの保全 一定額を超える手付金などを受け取る場合は、保証などの保全の措置をとらなければならない
契約不適合責任の特約の制限 通知の期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効
他人の物の売買の制限 自分の物でない不動産を売る契約は、原則としてできない

手付金等の保全の意味

未完成の新築マンションなどを買う場合、引渡しの前に手付金や中間金を支払うことがあります。その間に売主の不動産会社が倒産すると、支払ったお金が戻ってこないおそれがあります。そこで、一定額を超える手付金などを受け取る場合は、銀行などの保証や保険によって、買主に返せるようにする措置が義務づけられています。高額な手付金を支払う前に、保全の措置がとられているかを確かめましょう。

手付の放棄による解除

手付を解約手付とする場合、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を返して、契約を解除できます。ただし、相手が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできません。不動産会社が売主の場合は、手付を解約手付としなければならず、買主に不利な特約は無効とされます。

違約金の上限の意味

不動産会社が売主の売買で、買主が契約を守らなかった場合に払う違約金や損害賠償の予定の額は、合計で代金の2割が上限とされています。これを超える定めをしても、超えた部分は無効になります。買主が一般の人である場合に、過大な違約金で不当に不利な立場に置かれることを防ぐためのルールです。

クーリング・オフが使える場面

クーリング・オフが使えるのは、喫茶店やレストラン、買主の勤務先など、不動産会社の事務所やモデルルーム以外の場所で、買受けの申込みをした場合です。買主が自ら自宅や勤務先での説明を申し出た場合などは、使えないこともあります。また、物件の引渡しを受け、代金の全額を支払った後は、クーリング・オフはできません。クーリング・オフは、必ず書面で行います。

違反があった場合の対処

不動産会社に宅建業法の違反がある場合、取引をした人は、次のような手段をとることができます。一つだけでなく、組み合わせて使うこともあります。

手段 内容
行政への申し出 免許を出した都道府県や国土交通省の担当部署に、違反の事実を申し出る。調査のうえ、指示や業務の停止、免許の取消しなどの処分が行われることがある
保証協会への苦情の申し出 不動産会社が加入している保証協会に苦情を申し出る。協会が解決のための調整を行う
損害賠償の請求 説明義務違反などで損害を受けた場合、不動産会社に賠償を求める
弁済業務の利用 不動産会社との取引で生じた債権について、営業保証金や保証協会の弁済業務保証金から弁済を受ける

申し出の前に準備すること

行政や保証協会に申し出る前に、取引の経緯を時系列でまとめ、契約書、重要事項説明書、広告、担当者とのやり取りの記録などをそろえておきましょう。どの義務に違反しているのかを具体的に示すと、調査が進みやすくなります。申し出は、損害の賠償を求める手続きではないので、賠償を求める場合は、別に交渉や訴訟の手続きが必要です。

行政の処分と民事の責任は別

行政の処分は、不動産会社の違反に対して、業務の改善や停止を命じるもので、取引をした人の損害を直接償うものではありません。一方、損害賠償は、取引をした人が受けた損害を償ってもらうための民事の手続きです。行政に申し出るだけでは損害は取り戻せないので、賠償を求める場合は、交渉や訴訟を別に進める必要があります。

営業保証金と保証協会

不動産会社は、営業を始める前に、主たる事務所について1,000万円、その他の事務所について1か所ごとに500万円の営業保証金を供託するか、保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納めなければなりません。不動産会社との取引で損害を受けた人は、一定の条件のもとで、この保証金から弁済を受けることができます。不動産会社が倒産した場合などに役立つ仕組みです。

損害賠償の請求の考え方

不動産会社の説明に誤りがあって損害を受けた場合は、不動産会社に損害賠償を求めることができます。認められる損害は、説明が正しければ契約しなかった、あるいはもっと安い価格で買えたといった事情に応じて判断されます。説明の誤りと損害との因果関係を示す必要があるので、どの説明が誤っていて、それによってどんな判断をしたのかを整理しておくことが大切です。

保証協会の苦情解決の流れ

保証協会に苦情を申し出ると、協会は、申し出た人と不動産会社の双方から事情を聞き、解決のための助言やあっせんを行います。費用はかからず、訴訟より手軽に利用できるのが利点です。ただし、協会には強制力がないので、不動産会社が応じなければ、解決に至らないこともあります。

監督処分の種類

  • 指示処分:業務の改善を命じるもの
  • 業務停止処分:1年以内の期間を定めて、業務の全部または一部の停止を命じるもの
  • 免許取消処分:悪質な違反や、業務停止処分に違反した場合などに、免許を取り消すもの

処分を受けた不動産会社の情報は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで確かめることができます。取引の前に、過去に処分を受けていないかを確かめておくのもよいでしょう。

不動産会社と取引するときの自衛策

宅建業法は不動産会社に多くの義務を課していますが、取引をする側も、自分を守るための基本を押さえておくことが大切です。

  1. 不動産会社の免許の番号と、過去の処分の有無を確かめる。
  2. 媒介契約を結ぶ前に、仲介手数料の額と支払いの時期を確かめる。
  3. 重要事項の説明は、契約の日より前に受け、説明書を事前にもらって読んでおく。
  4. 分からない点や気になる点は、説明の場で質問し、回答をメモしておく。
  5. 契約書と重要事項説明書の内容が一致しているかを確かめる。
  6. 取引に関する書類は、取引の後も大切に保管する。
ワンポイントアドバイス
重要事項の説明は、契約の当日に、契約の直前に行われることが多いのですが、その場で初めて説明書を読んでも、内容を十分に理解するのは難しいものです。数日前に説明書の写しを送ってもらい、事前に読んで質問を用意しておくと、納得して契約に臨めます。

複数の会社を比べる

家を売るときは、一つの不動産会社だけでなく、複数の会社に査定を依頼して比べるのがおすすめです。査定額だけでなく、販売の方法、担当者の説明の丁寧さ、仲介手数料の条件なども比べることで、信頼できる会社を選びやすくなります。高すぎる査定額を示して媒介契約を結ばせ、後から値下げを求める会社もあるので、査定額の根拠を尋ねてみましょう。

口頭の約束は書面に残す

不動産会社の担当者が口頭で約束したこと、たとえば「引渡しまでに雨どいを直しておきます」「この値段なら仲介手数料を下げます」といった約束は、必ず書面に残してもらいましょう。口頭の約束は、後で言った、言わないの争いになりやすく、担当者が異動や退職をすると、確かめることも難しくなります。

おとり広告に注意

実際には取引できない物件や、存在しない物件を広告に出して客を集める、いわゆるおとり広告は、宅建業法や業界の規約で禁じられています。問い合わせたら「その物件はもう決まった」と言われ、別の物件を勧められる場合は、おとり広告の可能性があります。同じことが繰り返される場合は、行政や業界団体に相談しましょう。

広告の内容を保存しておく

物件を探すときに見た広告は、画面の写しなどで保存しておきましょう。広告に書かれていた条件と、実際の物件や契約の条件が違っていた場合、誇大広告の禁止に違反していることを示す証拠になります。とくに、日当たり、駅からの距離、リフォームの内容など、判断に影響する表示は、確かめておくことが大切です。

具体例で考える|重要事項の説明が不十分だったケース

実際の相談をもとにした例を見てみましょう。ある夫婦が、不動産会社の仲介で、中古の一戸建てを購入しました。購入後、建て替えを検討したところ、その土地は道路に接する幅が足りず、今の法令では建て替えができない土地であることが分かりました。重要事項の説明では、このことは説明されていませんでした。

夫婦は弁護士に相談しました。弁護士は、重要事項説明書を確認し、建築基準法の接道の義務についての記載が不正確であったことを確かめました。建て替えができるかどうかは、住宅の購入の判断に大きく影響する事項であり、不動産会社には、正確に説明する義務がありました。

弁護士は、不動産会社に対して、説明義務違反による損害賠償を求めました。あわせて、夫婦は、免許を出した都道府県の担当部署に、事実を申し出ました。不動産会社は当初、責任を否定しましたが、交渉の結果、建て替えができないことによる土地の価値の下落分に相当する額を支払うことで和解が成立しました。

この例のように、重要事項の説明に誤りや漏れがあった場合は、仲介した不動産会社に責任を問えることがあります。重要事項説明書は、取引の後も大切に保管しておきましょう。

この例では、夫婦が重要事項説明書を保管していたことで、説明の内容を確かめることができました。取引の書類は、住み続ける限り、そして売却するときにも必要になるものです。整理して保管しておきましょう。

不動産会社との間でトラブルになったら、感情的に担当者を責めるより、どの説明が不十分だったのか、どの書面の記載が誤っていたのかを冷静に確かめることから始めましょう。宅建業法の義務と照らし合わせることで、相手の責任を具体的に示せるようになります。

重要事項の説明の誤りに気づいたら、できるだけ早く行動することも大切です。説明義務違反による損害賠償の請求にも時効があり、時間がたつほど、当時の説明の内容を確かめることも難しくなります。

宅建業法に関するよくある質問

個人が自分の家を売る場合も、宅建業法は関係ありますか

個人が自分の家を一度売るだけであれば、業として行うものではないので、宅建業法の対象にはなりません。ただし、仲介を依頼した不動産会社には、宅建業法が適用されるので、売主としても、不動産会社の義務の内容を知っておくことは役に立ちます。

大家が自分で入居者を募集するのに、免許は必要ですか

自分の物件を自ら貸す場合は、宅地建物取引業にあたらないので、免許は必要ありません。ただし、他人の物件の賃貸を仲介することを業として行う場合は、免許が必要です。

重要事項の説明を受けないまま契約してしまいました

重要事項の説明は、契約の前に行わなければならないものです。説明を受けずに契約した場合は、不動産会社の宅建業法違反になります。説明されていなかった事項によって損害を受けた場合は、損害賠償を求めることも考えられます。まずは、行政の担当部署や弁護士に相談してください。

不動産会社から、しつこく勧誘されて困っています

長時間の勧誘や、断っているのに何度も電話をかけてくる行為は、宅建業法で禁じられています。はっきり断っても勧誘が続く場合は、免許を出した行政の担当部署に相談しましょう。投資用のマンションの勧誘などでは、消費生活センターに相談することもできます。

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