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消費者契約法で契約を取り消せる場合|不当な勧誘と無効な条項

消費者契約法で契約を取り消せる場合|不当な勧誘と無効な条項

この記事で分かること

  • 電話勧誘や訪問販売は、不意打ちの勧誘でもあるので注意が必要
  • 強引な勧誘で契約してしまったたら、クーリング・オフの制度がある
  • クーリング・オフができないケースもあるので、事前に把握しておこう

強引な電話勧誘や訪問販売などを断り切れずに、またよく考えずに契約してしまった場合、クーリング・オフ制度で契約を解除する方法があります。手続きは書面で解約する旨を通知すればよく、簡単です。ただし、クーリング・オフができないケースもあるので、クーリング・オフが適用できるかどうか、契約前に確認しておくとよいでしょう。

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「今日契約しないと損をしますよ」と言われ、帰らせてもらえないまま契約書にサインした。「このままだと将来困る」と不安をあおられ、高額な講座に申し込んでしまった。解約しようとしたら、払ったお金のほとんどを違約金として差し引かれると言われた。こうした悩みを解決する手がかりになるのが、消費者契約法です。

消費者契約法は、事業者と消費者の間の知識や交渉力の差を踏まえて、消費者を守るための法律です。不当な勧誘で結んだ契約を取り消したり、消費者に一方的に不利な契約の条項を無効にしたりすることができます。

この記事では、契約トラブルの相談を数多く受けてきた弁護士の立場から、消費者契約法で取り消せる勧誘の種類、取消しができる期間と方法、無効になる契約条項、そして実際に返金を求めるまでの流れを、具体例とともにお伝えします。

消費者契約法とは|すべての消費者契約に使える法律

消費者契約法は、2001年に施行された法律で、消費者と事業者の間で結ばれるほとんどすべての契約に適用されます。訪問販売や電話勧誘など、特定の取引に限って規制する特定商取引法とは違い、店舗での買い物、ネットの契約、サービスの利用契約など、幅広い場面で使えるのが特徴です。

法律ができた背景

事業者は、商品やサービスについて多くの情報を持ち、契約にも慣れています。これに対して消費者は、情報も経験も限られ、その場の説明を信じて契約するしかないことが少なくありません。こうした力の差を放っておくと、消費者は不利な契約を強いられ続けます。消費者契約法は、この差を埋めるため、民法の一般的なルールでは救いきれない消費者を守る目的で作られました。

改正の歩み

時期 主な改正
2017年 過量な契約の取消し、不利益事実の不告知の範囲の見直しなど
2019年 経験不足や恋愛感情などにつけ込む勧誘の取消しなど
2023年1月 霊感などによる勧誘の取消しの範囲の拡大と、取消しの期間の延長
2023年6月 退去困難な場所への同行、相談の連絡の妨害などの取消し、免責の範囲があいまいな条項の無効など

日々の買い物から、住宅の購入、塾や習い事の契約、スマートフォンの契約まで、私たちが事業者と結ぶ契約のほとんどが、この法律の守備範囲に入ります。

対象になる契約

消費者契約法の対象は、個人である消費者と、事業者との間の契約です。ここでいう事業者には、会社だけでなく、個人事業主や、事業として契約を結ぶ個人も含まれます。一方、個人どうしの取引や、事業のために結んだ契約は、原則として対象になりません。

民法の取消しとの違い

民法にも、だまされて結んだ契約(詐欺)や、脅されて結んだ契約(強迫)を取り消す仕組みがあります。ただ、民法の詐欺による取消しでは、相手がだますつもりだったことまで証明しなければならず、消費者にとってハードルが高いものでした。消費者契約法は、事業者の意図にかかわらず、勧誘の中身が不当であれば取り消せるようにしており、消費者がより使いやすい仕組みになっています。

特定商取引法との使い分け

比較 消費者契約法 特定商取引法
対象 消費者と事業者の契約全般 訪問販売、電話勧誘販売、通信販売など特定の取引
主な救済 不当な勧誘による契約の取消し、不当な条項の無効 クーリングオフ、中途解約、取消し
理由のいらない解約 なし クーリングオフの期間内なら理由を問わず解除できる

両方の法律が使える場面では、どちらか有利なほうを選んで主張することができます。クーリングオフの期間が過ぎてしまった場合でも、消費者契約法による取消しが使えることがあります。

取り消せる勧誘1|誤解させて契約させた場合

事業者の説明によって、消費者が誤解したまま結んだ契約は、取消しの対象になります。法律は、次の3つの類型を定めています。

類型 内容 具体例
不実告知 重要な事項について、事実と異なることを告げた 「この浄水器を使わないと水道水で病気になる」
断定的判断の提供 将来の不確実なことについて、確実だと告げた 「この株は必ず値上がりします」
不利益事実の不告知 有利なことだけを告げ、不利なことを故意または重大な過失で告げなかった 「眺望が良い」と言いながら、隣に高い建物が建つ予定を隠した

「重要な事項」とは

不実告知や不利益事実の不告知が認められるには、事業者の説明が「重要な事項」に関するものである必要があります。商品の品質や用途、価格や支払いの条件といった契約の中身に関わる事項のほか、契約しないと生命や財産に損害が生じるといった、契約を必要とする事情に関する事項も含まれます。

いずれの場合も、事業者の説明と、消費者が誤解して契約したこととの間に、結びつきがあることが必要です。

不実告知

契約の目的となる商品の品質や価格、契約の条件など、契約するかどうかの判断に影響する重要な事項について、事実と違うことを告げられた場合です。事業者が、それがうそだと知っていたかどうかは問われません。

事業者の説明が、誰の目にも明らかな大げさな宣伝文句にすぎない場合は、不実告知にあたらないこともあります。どこまでが宣伝で、どこからが事実の告知なのかは、具体的な説明の内容によって判断されます。

断定的判断の提供

将来の値上がりや、受け取れる金額など、本来は確実とはいえないことについて、「絶対に」「確実に」と言い切って勧誘した場合です。投資や資産運用に関わる勧誘で、よく問題になります。

誤解による取消しで大切なのは、「その説明を聞かなければ契約しなかった」と言えるかどうかです。説明と契約の決断とのつながりを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

不利益事実の不告知

消費者にとって有利な点だけを強調し、それと関連する不利な事実を隠した場合です。事業者がわざと隠した場合だけでなく、重大な不注意で伝えなかった場合も含まれます。

隠されやすい不利な事実

不利益事実の不告知が問題になりやすいのは、住宅や土地の売買、リフォーム、通信の契約などです。日当たりや眺望の良さを強調しながら近くの建設計画を伏せる、月額料金の安さを強調しながら解約時の高額な違約金を伝えない、といった場面が典型です。有利な説明を聞いたときは、その裏にある条件も尋ねてみましょう。

ある高齢男性のケース

一人暮らしの70代の男性の家に、業者が訪ねてきて「屋根の瓦がずれていて、このままでは雨漏りで家が傷む」と告げました。男性は心配になり、その場で高額な修理を契約しました。後日、家族が別の業者に見てもらうと、屋根に問題はありませんでした。この場合、業者の説明は重要な事項についての事実と異なる告知にあたり、契約を取り消せる可能性があります。

取り消せる勧誘2|帰さない、帰らせないなどで困らせた場合

消費者を困らせて、冷静に判断できない状態にしたうえで契約させた場合も、取り消すことができます。

  • 自宅や職場から「帰ってほしい」と言ったのに、事業者が帰らなかった(不退去)
  • 勧誘の場所から「帰りたい」と言ったのに、帰らせてくれなかった(退去妨害)
  • 勧誘であることを告げずに、自分から出て行くのが難しい場所に連れて行った
  • 家族などに相談するため連絡したいと言ったのに、威圧的な言動で妨げた

こうした状況では、消費者は冷静に考える余裕を奪われ、その場から逃れたい一心で契約してしまいます。法律は、そうして結ばれた契約を消費者の本当の意思によるものとは見ないのです。

「帰りたい」と言葉にしていなくても

退去妨害は、はっきり「帰りたい」と言った場合だけでなく、時計を気にする、席を立とうとするなど、帰りたいという意思が態度で示されていた場合にも認められることがあります。長時間にわたって引き止められた経緯は、できるだけ具体的に記録しておきましょう。

困惑による取消しの具体例

20代の女性が、街頭でアンケートに答えたところ、近くの事務所に案内され、美容器具の購入を勧められました。何度も「帰りたい」と伝えたのに、担当者に出口の前に立たれ、3時間以上説得されました。女性は疲れ果てて、分割払いの契約書にサインしました。このような場合は、退去妨害として契約を取り消せる可能性が高いといえます。

連れて行かれた場所での勧誘

2023年6月に施行された改正で、勧誘であることを告げずに、自分の意思で出て行くことが難しい場所に連れて行って勧誘する行為も、取消しの対象に加わりました。車に乗せて山の中の施設に連れて行くような場面が想定されています。

電話や店舗での勧誘

困惑による取消しは、訪問販売の場面だけに限りません。店舗での勧誘で帰してもらえなかった場合や、長時間の電話で断ることを許されなかった場合も、状況によっては対象になります。どんな状況で、どのくらいの時間、どのように引き止められたのかを、できるだけ具体的に説明できるようにしておきましょう。

相談させない勧誘

契約するかどうかを家族に相談したいと言ったのに、「今決めないと無効になる」と怒鳴ったり、電話をかけさせなかったりした場合も、取消しの対象になりました。大切な契約ほど、誰かに相談したいと思うのは自然なことです。それを妨げる事業者は、それだけで信頼できない相手だと考えてよいでしょう。

取り消せる勧誘3|不安や人間関係につけ込んだ場合

2018年と2022年の改正で、消費者の弱みにつけ込む勧誘も、取消しの対象として明文化されました。

類型 典型的な場面
社会生活上の経験不足につけ込み、不安をあおる 就職活動中の学生に「この講座を受けないと就職できない」と言う
恋愛感情などにつけ込む 好意を抱かせたうえで「契約しないと関係が終わる」とほのめかす
加齢や病気による判断力の低下につけ込む 高齢者に「このままでは生活が立ち行かなくなる」と不安をあおる
霊感などの特別な能力を示して不安をあおる 「先祖の因縁で不幸になる。この壺を買えば避けられる」と言う
契約前に義務の内容を実施する 頼んでいないのに先に工事を始め、「もう元に戻せない」と契約させる
過量な契約 一人暮らしの高齢者に、使い切れない量の布団を売る

就職活動中の学生を狙う勧誘

社会に出る前の若者は、将来への不安を抱えやすく、その不安をあおる勧誘に弱い面があります。「この資格がないと就職で不利になる」「今始めないと出遅れる」と告げて高額な講座や教材を契約させる行為は、経験不足につけ込む勧誘として取消しの対象になり得ます。

契約前に作業を始める手口

「見積もりのために調べるだけ」と言って家に上がり、頼んでもいないのに床下の工事を始めてしまう。そのうえで「もう元に戻せないので契約してほしい」と迫る。このように、契約する前に事業者が義務の内容を実行し、断りにくくしてから契約させる行為も、取消しの対象です。

必要以上の量を売りつける

一人暮らしの高齢者に、何十枚もの布団や何年分もの健康食品を売りつけるような契約は、過量な契約として取り消せる場合があります。事業者が、その量が消費者にとって通常必要な量を大きく超えると知りながら勧誘したことが要件になります。

恋愛感情を利用した勧誘

いわゆるデート商法では、異性として好意を抱かせ、その感情を利用して高額な商品を買わせます。勧誘者が、消費者も自分に好意を抱いていると知りながら、「契約しなければ関係が壊れる」と告げた場合は、契約を取り消せます。

高齢の親が、訪ねてきた業者と契約していたことに後から気づく家族は少なくありません。契約書や領収書が見つかったら、契約の日付と内容を確認し、早めに相談しましょう。

霊感などによる勧誘

霊感などの特別な能力を示して、不安をあおって契約させる勧誘については、2023年1月の改正で取消しができる範囲が広げられ、取り消せる期間も長くなりました。開運の商品や、高額な祈とう、除霊の契約などで被害を受けた場合は、時間が経っていても取り消せる可能性があります。

判断力の低下につけ込む勧誘

加齢や認知症などで判断力が落ちている人に対して、生活や健康への不安をあおり、その不安を解消するために契約が必要だと告げた場合も、取り消すことができます。家族が高齢の親の契約に気づいたときは、この規定が使えないか検討してみてください。

取消しができる期間と方法

消費者契約法による取消しには、期間の制限があります。期間を過ぎると取り消せなくなるため、注意が必要です。

取消しの理由 取り消せる期間
霊感などによる勧誘以外 取り消せることに気づいた時(追認できる時)から1年、契約から5年
霊感などによる勧誘 追認できる時から3年、契約から10年

期間はいつから数えるか

1年の期間は、「追認できる時」から数えます。誤解させられた場合は誤解に気づいた時、困惑させられた場合はその状況から抜け出した時が目安です。契約してから時間が経っていても、うそに気づいたのが最近であれば、まだ取り消せることがあります。ただし、契約から5年を過ぎると、気づいた時期にかかわらず取り消せなくなります。

期間が過ぎていても諦めない

消費者契約法での取消しの期間が過ぎていても、民法の詐欺や強迫を理由にした取消しが使える場合があります。民法では、取り消せる期間がより長く定められています。また、事業者の行為が違法であれば、不法行為として損害賠償を求める道も考えられます。

取消しの伝え方

取消しは、事業者に対して「契約を取り消します」と意思を伝えることで効力が生じます。口頭でも有効ですが、伝えたことを証明できるよう、内容証明郵便など記録が残る方法で通知するのが確実です。

  1. 契約書、勧誘の資料、やり取りの記録を集める
  2. どの類型の不当な勧誘にあたるかを整理する
  3. 取消しの期間内であることを確認する
  4. 事業者に、取消しの意思と返金の請求を書面で通知する
  5. 応じなければ、消費生活センターのあっせんや訴訟を検討する

通知書の書き方の例

通知書には、契約した日、契約の内容、事業者の名称、取り消す理由、返金を求める金額と振込先を書きます。たとえば、「私は、〇年〇月〇日に貴社と締結した〇〇の売買契約について、貴社の担当者から『必ず値上がりする』との説明を受けて契約しました。これは消費者契約法の断定的判断の提供にあたるため、本書面により同契約を取り消します。支払済みの代金〇〇円を、下記の口座に返金してください」といった内容です。

ワンポイントアドバイス

取消しの主張で最も苦労するのは、勧誘の場で何を言われたかを証明することです。事業者は「そんなことは言っていない」と反論してくることが多いからです。勧誘された日のうちに、言われた言葉や、その場の状況をメモしておきましょう。家族や友人に話した内容も、後で証言してもらえることがあります。

無効になる契約の条項

消費者契約法は、不当な勧誘だけでなく、契約書に書かれた条項そのものが消費者に一方的に不利な場合にも、その条項を無効にしています。

こうした条項は、事業者が作った契約書やネットの利用規約の中に、目立たない形で紛れ込んでいることがあります。署名や同意のボタンを押したからといって、すべての条項に従わなければならないわけではありません。

事業者の責任を免除する条項

「当社は一切責任を負いません」のように、事業者が損害賠償の責任を全部免れる条項は無効です。事業者に故意や重大な過失があった場合に責任の一部を免れる条項も、無効になります。2023年6月からは、「法令に反しない限り」のように、責任を免れる範囲をあいまいにする条項も無効とされるようになりました。

「平均的な損害」とは、同じ種類の契約が解約された場合に、事業者に通常生じる損害の額のことです。事業者は、解約料の算定の根拠について、消費者から説明を求められたら、説明に努めなければならないとされています。

高すぎる解約料の条項

契約を途中で解約したときの違約金や解約料について、同じ種類の契約で事業者に生じる平均的な損害を超える部分は無効です。「解約した場合は、支払った代金を一切返金しません」といった条項も、平均的な損害を超える部分については、返金を求められる可能性があります。

解約料をめぐるよくあるトラブル

結婚式場の予約の取消し、スポーツジムや語学学校の退会、ネットの定期購入の解約などで、高額な解約料を請求されるトラブルがよくあります。たとえば、結婚式の1年以上前に予約を取り消したのに、多額のキャンセル料を求められた場合は、事業者にそれほどの損害が生じているとは考えにくく、平均的な損害を超える部分は無効になる可能性があります。

消費者の解除権を奪う条項

事業者に契約違反があっても消費者は解除できない、と定める条項も無効です。消費者が後見を受けたことだけを理由に、事業者が契約を解除できるとする条項も、無効とされています。

消費者の利益を一方的に害する条項

このほか、消費者の権利を制限したり義務を重くしたりする条項で、信義に反して消費者の利益を一方的に害するものも無効とされます。

条項が無効になると

契約書の一部の条項が無効になっても、契約全体がなくなるわけではありません。無効になった条項だけがなかったものとされ、ほかの部分は有効なまま残ります。たとえば解約料の条項が一部無効になれば、平均的な損害の範囲で解約料を払えば解約できる、ということになります。

取り消した後の返金

取消しが認められれば、その契約ははじめから無効だったものとして扱われます。事業者は受け取った代金を返さなければならず、消費者も受け取った商品を返すのが原則です。

返金を求めるときは、いつ、いくら支払ったのかを示す領収書や明細を用意しておきましょう。

使ってしまった商品の扱い

消費者契約法では、取り消した契約で受け取った商品などについて、消費者は現に利益を受けている範囲で返せばよいとされています。たとえば、すでに食べてしまった健康食品について、その代金を支払い直す必要は原則としてありません。

サービスを受けてしまった場合

エステや講座などのサービスを一部受けた後に取り消す場合も、受けたサービスの代金をそのまま払う必要があるとは限りません。どこまでの返還が必要かは、受けたサービスの内容や、取消しの理由によって判断が分かれます。

クレジットで支払った場合

クレジットで支払っている場合は、事業者との契約を取り消したうえで、クレジット会社に対しても支払いを拒む旨を伝えることができる場合があります。支払いが続いていると、取り消した後もお金を払い続けることになるため、早めにクレジット会社に連絡してください。

事業者が返金に応じないとき

取消しを通知しても、事業者が返金に応じないことがあります。その場合は、消費生活センターにあっせんを依頼したり、裁判所の少額訴訟や通常の訴訟で支払いを求めたりします。60万円以下の支払いを求める場合は、原則として1回の審理で結論が出る少額訴訟を使うこともできます。

適格消費者団体と被害回復の制度

一人ひとりの消費者が事業者と争うのは、時間も費用もかかります。消費者契約法は、消費者団体が消費者に代わって行動できる仕組みも用意しています。

こうした団体の活動によって、多くの事業者の不当な契約条項が改められてきました。

団体の活動を知る方法

適格消費者団体の名前や活動の内容は、消費者庁のサイトで公表されています。団体によっては、ウェブサイトで消費者からの情報提供を受け付けており、どの事業者に対してどんな申入れをしたかも公開しています。

差止請求

国から認定を受けた適格消費者団体は、不当な勧誘や不当な契約の条項を使い続けている事業者に対して、その行為をやめるよう求めることができます。

団体が手続きを始めた場合、被害を受けた消費者は、後から手続きに加わって返金を受けることができます。自分で訴訟を起こすより、費用や手間の負担を大きく抑えられます。

被害回復の裁判手続

さらに、特定適格消費者団体は、多数の消費者に共通する被害について、消費者に代わって事業者を訴え、返金などを求める裁判手続を行うことができます。同じ被害に遭った人が多いときは、この制度が使われていないか調べてみるとよいでしょう。

団体に情報を寄せる

被害を受けた事業者の勧誘や契約の条項が不当だと感じたら、消費生活センターや適格消費者団体に情報を寄せることも役に立ちます。同じような被害の情報が集まれば、団体が差止めを求めたり、被害回復の手続きを始めたりするきっかけになります。

弁護士に相談するメリット

消費者契約法による取消しや条項の無効は、法律の要件に当てはまるかどうかの判断が必要です。

消費者契約法は、条文の言葉が抽象的で、実際の事案に当てはまるかどうかの判断が難しいことがあります。

使える規定の見極め

弁護士は、勧誘の経緯や契約書の内容を聞き取り、消費者契約法、特定商取引法、民法など、どの法律のどの規定が使えるかを判断します。一つの規定で難しくても、別の規定で救済を受けられることは少なくありません。

費用の考え方

取り戻したい金額が少ない場合は、消費生活センターのあっせんを先に利用するほうが、費用をかけずに解決できることがあります。金額が大きい場合や、事業者が不誠実な対応を続ける場合に、弁護士に依頼する意味が大きくなります。

事業者との交渉と訴訟

事業者が返金に応じない場合は、弁護士が代理人として交渉し、必要なら訴訟を起こします。事業者の側も、弁護士が出てくると、法的な責任を意識して対応を改めることがあります。

相談するタイミング

取消しの期間には限りがあるため、不当な勧誘だったと気づいた時点で、早めに相談してください。まだ代金を払っていない段階であれば、支払いを止めることで被害を防げることもあります。

よくある質問

契約書を受け取っていません

契約書がなくても、契約そのものが成立していることはあります。取消しの主張もできます。支払いの記録や、事業者とのやり取りを集めて相談してください。訪問販売などであれば、書面が交付されていないことがクーリングオフの期間を延ばす理由にもなります。

契約を取り消すと、事業者から損害賠償を求められませんか

正当な理由に基づく取消しであれば、そのことを理由に事業者から損害賠償を求められることはありません。事業者が請求してきても、応じる必要はないのが通常です。

契約してから何年も経っています

契約から5年以内であれば、取消しの期間が残っている可能性があります。霊感などによる勧誘なら、契約から10年以内です。5年を過ぎていても、民法の取消しや損害賠償が使える場合もあるため、あきらめずに相談してください。

契約書に「取消しはできない」と書かれていますが、取り消せますか

消費者契約法による取消しの権利は、契約書の定めで奪うことはできません。不当な勧誘にあたる事情があれば、契約書にそう書かれていても取り消せます。

自分でサインしたのに、取り消せるのですか

サインしたこと自体は、取消しの妨げになりません。消費者契約法は、事業者の不当な勧誘によって、消費者が本来なら結ばなかった契約を結んでしまった場合に、それを取り消せるようにする法律です。

口頭の説明しかなく、証拠がありません

勧誘の場での説明を記録していなくても、諦める必要はありません。パンフレットや広告の記載、事業者とのメールのやり取り、契約した後に家族に話した内容など、さまざまな事情を組み合わせて主張していくことになります。

事業者に取消しを伝えたら、脅されました

取消しを伝えた消費者を脅したり、しつこく連絡したりする事業者もいます。脅しの内容は記録しておき、ためらわずに警察か消費生活センターへ知らせましょう。弁護士が代理人になれば、事業者との連絡をすべて引き受けることができます。

ネットで申し込んだ契約にも使えますか

使えます。ネット上の表示でうその説明をされた場合や、解約料の条項が不当な場合など、ネットでの契約でも消費者契約法は適用されます。

事業者から「消費者契約法は関係ない」と言われました

消費者として個人で結んだ契約であれば、事業者の言い分にかかわらず、消費者契約法は適用されます。事業者の説明をうのみにせず、消費生活センターや弁護士に確認してください。

事業者が「すでに商品を発送した」と言っています

商品が発送された後でも、取消しの主張はできます。取り消した場合は、届いた商品を返すことになりますが、送料などの負担は、取消しの理由によっては事業者に求められることがあります。

家族が結んだ契約でも取り消せますか

取消しは、契約した本人が行うのが原則です。本人の判断力が十分でない場合は、成年後見人が本人に代わって取り消すことができます。家族が本人と一緒に相談に行くのもよいでしょう。

どこに相談すればよいですか

まずは消費者ホットライン(188)に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。事業者との交渉がまとまらない場合や、金額が大きい場合は、弁護士に相談してください。

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