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買ったばかりの家電が、数日で動かなくなった。ネット通販で届いた家具に、最初から大きな傷があった。子どものおもちゃの部品が外れて、けがをしそうになった。商品に欠陥があったとき、「交換してもらえるのか」「お金は戻ってくるのか」と悩む方は多いものです。
商品に欠陥があった場合、買った人には、修理や交換、代金の減額、契約の解除、損害賠償といった権利が法律で認められています。欠陥によってけがなどの被害が生じた場合は、製造したメーカーに直接責任を問える制度もあります。
この記事では、商品の欠陥をめぐる相談を受けてきた弁護士として、欠陥品を買ったときに販売店に求められること、2020年の民法改正で整理された契約不適合責任の仕組み、メーカーの責任を問う製造物責任法、中古品や個人間の取引での注意点、そして実際の対応の手順までを分かりやすくお伝えします。
欠陥品を買ったときにまずやること
商品に欠陥が見つかったら、まず次のことを行ってください。
- 商品の欠陥の状態を、写真や動画で記録する
- 購入したときのレシート、納品書、保証書を確認する
- 商品の箱や説明書、付属品を捨てずに保管する
- 販売店に、欠陥の内容と、どうしてほしいかを連絡する
- けがや物の損害が生じた場合は、その記録も残す
ある会社員のケース
ある会社員は、購入して3か月のノートパソコンが、突然起動しなくなりました。メーカーの保証期間内だったため、無料で修理を受けられましたが、修理から戻った後も、同じ症状が繰り返し起きました。三度目の故障をきっかけに販売店へ申し出ると、新しい本体に取り替えてもらえました。故障のたびに、日付と症状を記録していたことが役立ちました。
欠陥の種類
商品の欠陥には、製造の過程で生じた不良品、設計そのものに問題がある場合、取扱いの説明や警告が不十分な場合など、いくつかの種類があります。どの種類の欠陥かによって、同じ製品のほかの購入者にも同じ問題が起きているかどうかが変わってきます。
欠陥の記録は、欠陥がよく分かる角度から、日付が分かるように撮影しておくと、後の交渉で説得力が増します。動かない、音がするといった不具合は、動画で残しておきましょう。
欠陥に気づきやすいタイミング
欠陥は、商品が届いた直後や、使い始めてすぐに見つかることが多いものです。届いたらすぐに箱を開けて、中身と説明書を見比べ、傷や不足がないかを確かめる習慣をつけておくと、早い段階で対応できます。
使い続けない
欠陥のある商品を使い続けると、被害が広がったり、「使い方が悪かった」と言われたりするおそれがあります。とくに、発煙や発熱、異音などがある家電は、すぐに使うのをやめ、電源を抜いておきましょう。
箱や付属品を捨てない理由
交換や返品に応じてもらう際、販売店から箱や付属品をそろえて返すよう求められることがあります。また、欠陥の原因を調べるときに、製造の番号やロットの番号が書かれた箱が手がかりになることもあります。欠陥に気づいたら、すべてそのままの状態で保管しておきましょう。
家電の場合は、型番や製造の番号が書かれたラベルの写真も撮っておくと、メーカーへの問い合わせで役立ちます。
早めに連絡する
欠陥に気づいたら、できるだけ早く販売店に連絡しましょう。後で説明するように、欠陥を知ってから一定の期間内に通知しないと、権利を主張できなくなることがあります。
販売店とメーカーのどちらに連絡するか
欠陥が見つかったとき、販売店とメーカーのどちらに連絡すべきか迷う人は多いものです。商品そのものの修理や交換、返金を求めるなら、まずは契約の相手である販売店に連絡するのが基本です。けがや物の損害まで出ているなら、メーカーにも知らせておきましょう。
販売店に求められること|契約不適合責任
商品の欠陥について、まず責任を負うのは、その商品を売った販売店です。2020年4月に施行された改正民法では、売った商品が契約の内容に合っていない場合の販売店の責任を、契約不適合責任として整理しました。
2020年の改正で変わったこと
改正の前は、買った物に隠れた欠陥があった場合の責任を、瑕疵担保責任と呼んでいました。改正によって、欠陥が隠れていたかどうかではなく、契約の内容に合っているかどうかが基準になり、買った人が求められることも、修理や交換、代金の減額などに広がりました。2020年4月より前に結んだ契約には、改正前のルールが適用されます。
「契約の内容」には、契約書に書かれたことだけでなく、商品の説明、広告の表示、値段、その種類の商品に通常期待される品質なども含まれます。
住宅の設備や家具の欠陥
住宅に取り付けた給湯器やエアコン、備え付けの家具などの欠陥は、取り付けの工事の問題なのか、製品そのものの問題なのかによって、責任を問う相手が変わります。工事を請け負った業者、製品を売った販売店、メーカーの関係を整理してから、それぞれに求めることを考えましょう。
契約の内容に適合しないとは
契約不適合とは、引き渡された商品が、種類、品質、数量について、契約の内容に合っていないことをいいます。たとえば、新品として買ったのに傷があった、説明どおりに動かない、注文した数より少なかった、といった場合です。
欠陥が軽いものでも、契約の内容と違っていれば、責任を問うことができます。ただし、どの程度の傷や不具合が契約の内容と違うといえるかは、商品の種類や値段、説明の内容などによって判断されます。
買った人が求められる4つのこと
| 権利 | 内容 |
|---|---|
| 追完の請求 | 修理、代わりの商品との交換、不足分の引渡しを求める |
| 代金の減額の請求 | 追完がされない場合などに、欠陥の程度に応じて代金を減らすよう求める |
| 損害賠償の請求 | 欠陥によって生じた損害の賠償を求める |
| 契約の解除 | 欠陥が重大な場合などに、契約を解除して代金の返還を求める |
販売店が別の方法を示した場合
買った人が交換を求めても、販売店は、買った人に不相当な負担をかけないのであれば、修理など別の方法で対応することができるとされています。修理で十分に元の状態に戻るなら、交換ではなく修理になることもあります。
損害賠償の範囲
損害賠償では、欠陥によって通常生じる損害が対象になります。たとえば、冷蔵庫の欠陥で中の食品が傷んだ場合の食品の代金などです。欠陥について販売店に落ち度がない場合は、損害賠償は求められませんが、修理や交換、代金の減額、解除は、落ち度の有無にかかわらず求められます。
まずは修理や交換を求める
基本的には、まず販売店に修理や交換を求め、それに応じてもらえない場合に、代金の減額や契約の解除を求めるという順番になります。ただし、修理や交換が不可能な場合や、販売店がはっきり拒んだ場合は、すぐに代金の減額などへ進んで構いません。
販売店に連絡するときは、「どこに、どんな欠陥があるのか」と「修理、交換、返金のどれを望むのか」をはっきり伝えましょう。欠陥の状態を撮影した写真を添えると、販売店も状況を把握しやすくなります。やり取りは、メールや書面など記録が残る方法で行うと安心です。
権利を主張できる期間
契約不適合責任には、期間の制限があります。
欠陥を知ってから1年以内に通知する
商品の種類や品質が契約に合っていない場合、買った人は、その欠陥を知った時から1年以内に、販売店にそのことを通知しなければなりません。通知しないと、原則として、修理や交換、損害賠償などを求められなくなります。通知の段階では、欠陥の内容を伝えれば足り、損害額まで示す必要はありません。
期間の数え方の注意
1年の期間は、商品を買った日からではなく、欠陥に気づいた日から数えます。買ってから時間が経っていても、最近になって欠陥に気づいたのであれば、まだ通知できる可能性があります。
欠陥に気づいた日を書き留めておくことが、後で期間を確かめるときの助けになります。
通知の方法
通知は、口頭でもできますが、後で「聞いていない」と言われないよう、メールや書面で行いましょう。いつ、どんな欠陥に気づき、いつ販売店に伝えたのかを記録しておくことが、権利を守ることにつながります。
期間を過ぎてしまったと思っても、販売店が欠陥を知っていた場合など、例外にあたる可能性があります。あきらめる前に、相談してみてください。
数量の不足の場合
注文した数より少なかった場合も、契約不適合として、不足分の引渡しを求めることができます。数量の不足については、1年以内の通知の制限は適用されず、時効の期間の中で請求できます。
権利の時効
通知をした後も、権利そのものには時効があります。権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年を過ぎると、時効によって権利が消えることがあります。
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 欠陥を知ってから1年以内 | 販売店に欠陥を通知する |
| 権利を行使できると知ってから5年 | 時効で権利が消える |
| 権利を行使できる時から10年 | 時効で権利が消える |
期間の制限は、請求の権利を失わないために、とても重要なポイントです。欠陥に気づいた日をメモしておきましょう。
販売店が欠陥を知っていた場合
販売店が、売るときに欠陥を知っていた場合や、重大な不注意で知らなかった場合は、1年以内に通知しなかったとしても、責任を問うことができます。
メーカーの責任を問う製造物責任法
商品の欠陥によって、けがをしたり、ほかの物が壊れたりした場合は、製造物責任法によって、メーカーに直接賠償を求めることができます。
欠陥による事故は、けがをした本人だけでなく、家族や周りの人にも被害が及ぶことがあります。
製造物責任法の特徴
製造物責任法では、メーカーに過失があったことを証明しなくても、製品に欠陥があり、その欠陥によって損害が生じたことを示せば、賠償を求めることができます。販売店との契約の関係がなくても、メーカーに直接請求できる点も特徴です。
| 比較 | 契約不適合責任 | 製造物責任法 |
|---|---|---|
| 請求する相手 | 販売店 | メーカー、輸入業者など |
| 対象となる損害 | 商品そのものの欠陥 | 欠陥によって生じた人の生命、体、ほかの財産への損害 |
| 過失の証明 | 不要 | 不要(欠陥の存在を示す) |
製造物責任法は、消費者だけでなく、事業者が製品の欠陥で被害を受けた場合にも使える法律です。
製造物にあたるもの
製造物責任法の対象となる製造物は、製造や加工がされた動産です。家電、自動車、食品の加工品、医薬品などが含まれます。一方で、加工されていない農産物や、不動産、ソフトウェアそのものは、原則として対象になりません。
食品の欠陥
加工された食品に異物が混入していた、食べたら体調を崩した、といった場合も、製造物責任法の対象になります。食品は、残りを捨てずに保存し、購入したときの包装やレシートも保管しておきましょう。体調を崩した場合は、医療機関を受診し、保健所にも相談してください。
欠陥による事故の情報は、消費者庁や製品評価技術基盤機構が集めて公表しています。同じ製品の事故の情報がないかを調べると、欠陥の存在を示す手がかりになることがあります。
対象にならない損害
製造物責任法の対象は、欠陥によって生じた、人のけがや、ほかの物への損害です。欠陥のある商品そのものが壊れただけで、ほかに被害がない場合は、製造物責任法の対象になりません。この場合は、販売店に契約不適合責任を問うことになります。
輸入品の場合
海外で作られた製品を輸入して販売した場合は、輸入業者がメーカーと同じ責任を負います。製品にメーカーの名前が書かれていない場合でも、輸入業者に賠償を求めることができます。
子どもの製品の事故
子ども用の製品、たとえばベビーカーやチャイルドシート、おもちゃなどの欠陥による事故は、子どもの命に関わる重大なものになりがちです。事故が起きたら、製品を保管し、メーカーと消費生活センターに知らせてください。同じ製品を使っているほかの家庭の事故を防ぐことにもつながります。
欠陥の立証
製造物責任法でメーカーに賠償を求めるには、製品に欠陥があったこと、損害が生じたこと、欠陥と損害とのつながりを示す必要があります。事故の後の製品は、そのままの状態で保管し、メーカーに勝手に持ち帰らせないでください。製品を渡す場合は、調査の結果を報告してもらう約束をしておきましょう。
メーカーが責任を免れる場合
製品を引き渡した当時の科学や技術の知識では、欠陥があることを知ることができなかった場合などは、メーカーが責任を免れることがあります。ただし、こうした例外が認められることはまれです。
請求できる期間
製造物責任法に基づく請求は、損害と賠償すべき者を知った時から3年(人の生命や体を害した場合は5年)、製品が引き渡された時から10年を過ぎるとできなくなります。
発火や感電など、命に関わるおそれのある欠陥の場合は、同じ製品を使っている人にも被害が広がる危険があります。メーカーに連絡するとともに、消費生活センターにも情報を寄せてください。すでにリコールが出ていないかも、メーカーや消費者庁の情報で確かめましょう。
中古品や個人間の取引の注意点
中古品や、フリマアプリなどでの個人間の取引では、欠陥をめぐる扱いが新品の購入とは異なることがあります。
中古品やリサイクル品、フリマでの購入は、新品に比べて安く買える反面、欠陥をめぐるトラブルの扱いが複雑になりがちです。
レンタルやリースの場合
レンタルやリースで借りている商品に欠陥があった場合は、貸した事業者に修理や交換を求めることができます。欠陥のために使えなかった期間の料金について、減額を求められることもあります。
中古品の場合
中古品は、ある程度の傷や劣化があることが前提です。そのため、どの程度の状態が契約の内容だったのかが問題になります。販売店が説明した状態と大きく違っていれば、契約不適合責任を問えます。
中古品を売る事業者は、商品の状態について、できるだけ正確に説明する必要があります。説明と実際の状態が大きく違えば、事業者の責任が問われます。
「現状渡し」「ノークレーム・ノーリターン」の扱い
販売店が消費者に対して、「一切の責任を負わない」とする定めは、消費者契約法によって無効とされる場合があります。事業者と消費者の取引では、「ノークレーム・ノーリターン」と書かれていても、契約不適合責任を完全に免れることはできないことが多いのです。
中古品の欠陥をめぐっては、どこまでが通常の劣化で、どこからが欠陥なのかの線引きが難しいため、購入のときの説明や、商品の状態の記録が大切になります。
中古車の購入
中古車は、走行距離や修復の歴の有無など、状態の説明が重要な商品です。販売店が修復の歴を隠していた、走行距離が改ざんされていた、といった場合は、契約不適合責任や、うその説明を理由とする契約の取消しを求めることができます。
個人どうしの取引
フリマアプリなどでの個人どうしの取引では、消費者契約法が使えないため、「ノークレーム・ノーリターン」の定めが有効とされることもあります。ただし、売り手が欠陥を知っていながら告げなかった場合は、責任を免れることはできません。
販売店やメーカーとの交渉のしかた
販売店やメーカーに連絡しても、思うように対応してもらえないこともあります。
販売店の担当者も、法律の細かい仕組みを知らないことがあります。感情的にならず、法律に基づく責任を具体的に伝えることで、対応が変わることは少なくありません。
よくある販売店の言い分
| 販売店の言い分 | 考え方 |
|---|---|
| 「メーカーに言ってください」 | 契約不適合責任を負うのは販売店。販売店に請求できる |
| 「使い方が悪かった」 | 通常の使い方をしていたなら、欠陥の責任は販売店にある |
| 「保証期間が過ぎている」 | メーカーの保証とは別に、法律上の責任を問える場合がある |
| 「セール品なので返品できない」 | 欠陥がある場合は、セール品でも責任を問える |
こうした言い分に対しては、法律の考え方を示しながら、落ち着いて販売店に対応を求めましょう。
メーカーの保証と法律上の責任
多くの家電には、メーカーの保証書が付いています。保証期間内であれば、保証書に沿って無料で修理を受けられます。ただし、メーカーの保証はメーカーが独自に定めたサービスで、販売店の法律上の責任とは別のものです。保証期間が過ぎていても、購入の時点から欠陥があったのであれば、販売店に契約不適合責任を問える可能性があります。
交渉の記録を残しておけば、消費生活センターに相談するときや、法的な手続きに進むときにも役立ちます。
交渉が長引くとき
販売店とメーカーが互いに責任を押し付け合い、話が進まないこともあります。その場合は、販売店に対して、契約不適合責任に基づいて対応するよう書面で求め、期限を区切って回答を求めましょう。
メーカーの相談窓口
メーカーには、製品についての問い合わせや苦情を受け付ける窓口があります。製品の名前や型番、製造の番号、購入した日などを伝えると、話がスムーズに進みます。メーカーから、製品を送るよう求められた場合は、調査の結果を知らせてもらうよう約束してもらいましょう。
欠陥の原因の調べ方
欠陥の原因がはっきりしない場合は、国民生活センターや消費生活センターに相談すると、商品のテストを行ってもらえることがあります。業界ごとに設けられた相談の窓口も利用できます。
欠陥品をめぐる事例
実際の相談から、よくある事例を紹介します。
いずれも、よくある相談をもとにした事例です。
冷蔵庫が冷えない事例
30代の夫婦が、家電量販店で新品の冷蔵庫を購入しました。届いた翌日から冷凍室の温度が上がらず、中の食品が溶けてしまいました。販売店に連絡すると、最初は「メーカーの修理の窓口に連絡してほしい」と言われましたが、夫婦が「購入した店として対応してほしい」と求めたところ、同じ機種の新品と交換してもらえました。溶けて傷んだ食品の分については、損害として請求することも考えられる事例です。
電気ストーブの発火の事例
70代の女性が使っていた電気ストーブから煙が出て、近くのカーテンが焦げました。けがはありませんでしたが、女性の家族が消費生活センターに相談したところ、同じ製品で同様の事故が報告されていたことが分かりました。メーカーは製品の回収を始め、カーテンの損害については、製造物責任法に基づいてメーカーが賠償に応じました。
事故の情報がメーカーや行政に集まることで、リコールにつながり、次の被害を防げることもあります。
ネット通販の家具の事例
20代の男性が、ネット通販で組み立て式の本棚を購入したところ、板の一部が割れていて組み立てられませんでした。ショップの表示には「返品不可」と書かれていましたが、男性が写真を添えて連絡すると、割れた部品の交換に応じてもらえました。返品の特約は、欠陥がある場合の責任まで否定するものではありません。
事例から分かること
どの事例でも、欠陥の状態を記録し、販売店やメーカーに具体的に求めることで解決につながっています。最初に断られても、法律に基づく責任を伝えれば、対応が変わることは少なくありません。
ネット通販で欠陥品が届いた場合
ネット通販で購入した商品に欠陥があった場合も、基本的な考え方は同じです。
通信販売の返品の特約と欠陥
ネット通販には、クーリングオフの制度はありません。ショップが「返品不可」と表示していることもあります。しかし、この返品の特約は、気に入らないなどの理由による返品についての決まりで、商品に欠陥がある場合の責任とは別のものです。欠陥がある場合は、返品不可の表示があっても、交換や返金を求めることができます。
海外の通販サイトで買った場合
海外の通販サイトで買った商品の欠陥は、ショップとのやり取りが外国語になったり、返送の費用が高くついたりして、解決が難しいことがあります。国民生活センターの越境取引の相談窓口に相談すると、海外の事業者との交渉の助言を受けられます。
ネット通販では、商品を見て確かめてから買うことができないため、届いてから欠陥に気づくことがよくあります。
ショップとの連絡
届いた商品に欠陥があったら、受け取ってすぐに、ショップに写真を添えて連絡しましょう。ショップの規約で、到着から数日以内の連絡を求めていることもあるため、届いたらすぐに中身を確かめる習慣をつけておくと安心です。
弁護士に相談するメリット
欠陥品をめぐる行き違いの大半は、販売店との話し合いや相談窓口の助言で片がつきます。ただ、以下に当てはまるときは、弁護士の関与が役に立ちます。
- 欠陥によって、けがや大きな財産の損害が生じた
- 高額な商品で、販売店やメーカーが責任を認めない
- 住宅の設備やリフォームなど、欠陥の判断に専門的な知識が必要
費用の考え方
代金が小さい品なら、専門家に頼むと割高になりかねません。最初は相談窓口で方向を確かめ、けがを負うなど損害が大きい場面で依頼を検討すれば十分です。
とくに、けがの治療費や休業による損害、後遺症などが問題になる場合は、損害の算定に専門的な判断が必要になります。
責任の追及と損害の算定
弁護士は、契約不適合責任や製造物責任法など、どの法律で誰に責任を問えるかを整理し、損害の額を算定して、販売店やメーカーと交渉します。必要なら、専門家の意見を得て訴訟を起こします。
よくある質問
レシートをなくしてしまいました
レシートがなくても、クレジットカードの明細や、ネット通販の注文の履歴など、購入を示す記録があれば、請求できます。記録が何もない場合でも、販売店に購入の記録が残っていることがあります。
使っているうちに壊れたのか、最初から欠陥があったのか分かりません
購入してからの期間や、使い方、壊れ方などから判断されます。短い期間で、通常の使い方をしていたのに壊れたのであれば、最初から欠陥があった可能性が高いといえます。
欠陥品でけがをしました。どこに相談すればよいですか
まずは医療機関を受診し、診断書をもらっておきましょう。そのうえで、メーカーと消費生活センターに連絡し、けがの程度によっては弁護士に相談してください。
欠陥品の情報はどこで調べられますか
消費者庁のリコールの情報のサイトや、製品評価技術基盤機構の事故の情報で、同じ製品の不具合や事故の報告を調べることができます。
説明書どおりに使ったのに壊れました
説明書どおりに使っていたのに壊れたのであれば、欠陥の可能性が高いといえます。使い方の記録や、壊れたときの状況をメモしておくと、販売店との話し合いで役立ちます。
欠陥品を買ったお店がつぶれてしまいました
販売店が倒産している場合は、販売店に責任を問うのは難しくなります。メーカーの保証が残っていれば、保証による修理を受けられます。けがを負ったり家財が傷んだりしたのなら、作ったメーカーに製造物責任を問う道が残っています。
商品を返品したら、送料は誰が負担しますか
欠陥が原因で返品や交換をする場合、送料は販売店が負担するのが一般的です。着払いで送ってよいか、事前に販売店に確認しておきましょう。
欠陥品を自分で修理してしまいました
自分で修理すると、欠陥の原因が分からなくなったり、「改造したから壊れた」と言われたりするおそれがあります。修理の前に、販売店に連絡して対応を相談するのが安全です。すでに修理してしまった場合は、修理の前の状態の写真や記録を探してみてください。
セール品やアウトレットの商品でも交換できますか
セール品やアウトレットの商品でも、事前に知らされていない不具合が見つかれば、販売店の責任を追及できます。ただし、「傷あり」などと説明されて安く売られていた場合は、その傷については責任を問えないのが一般的です。
保証書に販売店の印がありません
保証書に販売店の印や購入日が書かれていないと、メーカーの保証を受けられないことがあります。購入の記録となるレシートや明細を保証書と一緒に保管しておけば、購入日を示すことができます。
修理に出したら、また同じ故障が起きました
修理の後に同じ故障が繰り返し起きる場合は、修理では欠陥が直らないと考えられます。販売店に対して、交換や代金の減額、契約の解除を求めることを検討してください。故障の記録を残しておくことが大切です。
リコールの対象の製品を使っていました
リコールの対象になった製品は、メーカーが無償で修理や交換、回収を行うのが一般的です。メーカーの案内に従って手続きをしてください。リコールの製品による事故で損害を受けた場合は、メーカーに賠償を求めることもできます。
プレゼントでもらった商品に欠陥がありました
販売店に責任を問えるのは、原則として契約をした購入者です。贈ってくれた人に事情を伝えて、販売店に連絡してもらいましょう。欠陥によってけがなどの被害を受けた場合は、使っていた人がメーカーに直接、製造物責任を問うことができます。
