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セクハラで退職…慰謝料は請求できる?責任追及の方法

セクハラで退職…慰謝料は請求できる?責任追及の方法

この記事で分かること

  • セクハラに該当する行為と我慢しなくてよいこと
  • 退職後でも加害者や会社に責任追及ができること
  • 加害者本人と会社それぞれに問える責任の中身
  • 責任追及のために集めておきたい証拠の種類
  • セクハラの責任を追及する具体的な方法と流れ
  • 慰謝料など請求できるものと期間の注意点
  • 一人で抱えないための相談先と進め方

セクハラで退職した後でも、加害者本人と会社の双方に責任を追及することはできます。会社には安全な職場を守る義務があり、放置や不適切な対応があれば責任を問えます。鍵になるのは証拠です。メールやメモ、相談や通院の記録など、断片的なものでも積み重ねれば力になります。請求できる期間には限りがあるため、あなたのせいではないと知ったうえで、まずは早めに専門家へ相談しましょう。

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職場でのセクハラに耐えかねて退職を選んだ。けれど、時間が経っても心の傷は消えず、「なぜ自分が辞めなければならなかったのか」という思いがこみ上げてくる。そんなやり切れなさを抱えている方は、決して少なくありません。まず知っておいてほしいのは、辞めたからといって、泣き寝入りする必要はまったくないということです。あなたには、まだできることが残されています。

この記事では、セクハラを受けて退職した後でも、加害者や会社に責任を問うことができるのか、そのためにどんな準備が必要かを整理していきます。あなたが受けた被害は、あなたのせいではありません。声を上げることをためらう必要はないのです。ここで正しい知識を持つことが、区切りをつけ、次へ進むための力になります。落ち着いて、一つずつ確認していきましょう。

セクハラの被害に遭った方の多くが、「自分にも落ち度があったのではないか」「もっとうまく対応できたのではないか」と、自分を責めてしまいます。しかし、これだけははっきりと申し上げます。悪いのは、加害行為をした側です。被害者が責任を感じる必要は、どこにもありません。この記事を読んでくださっているあなたには、被害を受けた側としての正当な権利があります。その権利を知り、行使するかどうかを、あなた自身の意思で選んでいけばよいのです。

セクハラとは?どんな行為が該当するのか

まず、セクハラとはどのような行為を指すのかを確認しておきましょう。セクハラは、大きく分けて二つのタイプに整理されます。この区別を知っておくと、自分が受けたものがどれに当たるのかが見えてきます。

意外に思われるかもしれませんが、「これはセクハラなのだろうか」と迷うこと自体が、被害を受けている一つのサインでもあります。何も問題がなければ、そもそも悩むことはないからです。まずは、自分が受けた行為がどのタイプに当てはまるのかを、落ち着いて整理してみてください。

一つは、性的な言動に対する拒否や抵抗を理由に、不利益な扱いをするタイプです。誘いを断ったら降格させられた、といったケースがこれに当たります。もう一つは、性的な言動によって職場の環境が害されるタイプです。体に触れる、性的な冗談を繰り返す、しつこく交際を迫るといった行為により、働きづらい環境が作り出された場合が該当します。

ここで大切なのは、セクハラは身体的な接触を伴うものだけではない、ということです。性的な発言や、容姿についての執拗な言及、性的な内容の噂を広める行為なども、立派なセクハラに含まれます。「直接触られたわけではないから」と、被害を軽く見積もる必要はありません。言葉によって尊厳を傷つけられることも、深刻な被害なのです。また、加害者が異性とは限りませんし、被害者も性別を問いません。どのような形であれ、性的な言動によってあなたが苦痛を受けたのなら、それは向き合うべき問題です。

「これくらいで」と我慢する必要はない

被害を受けた方の中には、「これくらいで騒ぐのは大げさだろうか」と、自分を責めてしまう方がいます。しかし、それは違います。あなたが不快に感じ、働く環境が損なわれたのであれば、それは立派なセクハラです。加害者や周囲が「冗談のつもりだった」と言おうと、受けた側の尊厳が傷つけられた事実は変わりません。自分の感覚を、どうか信じてください。

「相手はそんなつもりじゃなかったのかも」「自分が過剰に反応しているだけかも」。そうやって被害を小さく見積もろうとしてしまうのは、多くの被害者に共通する反応です。しかし、その優しさや遠慮が、かえって自分を追い詰めてしまうこともあります。セクハラかどうかを決めるのは、加害者の意図ではありません。受けた側が尊厳を傷つけられたかどうかです。あなたが「つらい」と感じたのなら、その感覚こそが出発点になります。誰かに否定される筋合いはないのです。

セクハラで退職しても責任追及はできる

「もう会社を辞めてしまったから、今さら何も言えないのでは」。そう思って、あきらめかけている方もいるでしょう。しかし、退職したことと、被害の責任を問えるかどうかは、まったく別の問題です。

この誤解のために、本来なら正当な賠償を受けられたはずの方が、泣き寝入りしてしまう。そんなケースが少なくありません。だからこそ、この点はしっかりとお伝えしたいのです。退職は、あなたが被害から逃れるために選んだ、やむを得ない決断だったかもしれません。その決断が、責任追及の権利を奪う理由になるはずがありません。むしろ、辞めなければならなかったという事実こそが、被害の深刻さを示すものなのです。

結論から言えば、退職後であっても、加害者や会社に責任を追及することはできます。むしろ、退職して会社との関係が切れたことで、社内の人間関係を気にせず、落ち着いて行動できるようになる面もあります。在職中は「波風を立てたくない」という思いから動けなかった方も、退職後だからこそ声を上げられる、ということもあるのです。

「辞めた人間が今さら何を言っても相手にされないのでは」と感じるかもしれません。しかし、そんなことはありません。退職したという事実は、あなたが被害の責任を問う権利を失わせるものではないのです。むしろ、セクハラのために辞めざるを得なかったという経緯そのものが、被害の重さを物語る事情になり得ます。「辞めたからもう終わり」ではなく、「辞めた今だからこそ、きちんと決着をつける」という選択肢があることを、覚えておいてください。

実際、セクハラが原因で退職に追い込まれたという事情は、被害の深刻さを示すものでもあります。働き続けられないほどの環境だった、ということだからです。退職を強いられたこと自体を、責任追及の中で問題にできる場合もあります。退職を強要されたと感じるケースについては、こちらの記事も参考になります。

セクハラに耐えかねて自ら退職を選んだ場合でも、その退職が実質的には会社側の落ち度によって強いられたものだと評価できることがあります。「自分で辞めると言ったのだから」と、退職そのものを引け目に感じる必要はありません。あなたを追い詰めた環境こそが問われるべきものであり、そこから逃れるための退職は、むしろ当然の自己防衛だったといえるのです。

誰に責任を問えるのか

セクハラの責任を追及するとき、その相手は一人とは限りません。誰に、どのような責任を問えるのかを整理しておくことが、行動の第一歩になります。

「加害者を訴えるしかないのだろうか」と考えている方もいるかもしれませんが、相手は加害者本人だけではありません。被害を放置した会社にも目を向けることで、解決の道が広がります。それぞれに問える責任の中身を、次のように整理してみましょう。

まず考えられるのが、加害者本人への責任追及です。セクハラという違法な行為によって精神的な苦痛を与えたのですから、加害者は、その損害を賠償する責任を負います。これは、加害者が上司であっても同僚であっても変わりません。

加害者が職場でどれだけ立場のある人物であっても、違法な行為をした責任から逃れられるわけではありません。「相手は上司だから」「会社で力を持っている人だから」とためらう必要はないのです。地位や立場は、加害の責任を免れる理由にはなりません。むしろ、立場を利用して被害を与えたのであれば、その悪質さはより重く受け止められるべきものです。

そして見落とされがちなのが、会社に対する責任追及です。会社には、従業員が安心して働ける環境を整える義務があります。セクハラを防ぐための対策を怠っていた、相談を受けたのに適切に対応しなかった、といった事情があれば、会社自身も責任を問われることになります。

この「会社の責任」という視点は、被害者にとって心強いものです。というのも、加害者個人だけを相手にする場合、相手に賠償に応じる資力がなかったり、開き直られたりして、思うように解決しない場合があるからです。そこで、環境づくりを怠った会社にも責任を問うことで、より実効的な解決に近づける可能性が出てきます。とりわけ、あなたが勇気を出して相談窓口に訴えたにもかかわらず、会社が握りつぶしたり、真剣に取り合わなかったりしたのであれば、それは会社の重大な落ち度です。加害者と会社、その両方に目を向けることが、被害回復への近道になります。

責任を問える相手 問える責任の内容
加害者本人 違法な行為によって与えた精神的苦痛への賠償
会社 職場環境を守る義務を果たさなかったことへの責任

会社を相手にできるという点は、非常に重要です。加害者個人だけでなく、それを放置した組織にも目を向けることで、被害の回復により近づける場合があるからです。上司からのいじめや嫌がらせに悩んでいる方は、次の記事もあわせてご覧ください。

職場の問題は、セクハラだけにとどまらないことがあります。性的な言動に加えて、日常的ないじめや嫌がらせ、無視といった行為が重なっていたというケースも少なくありません。そうした複合的な被害を受けているなら、それらをまとめて問題にできることもあります。自分が受けてきたことを一つずつ書き出してみると、思っていた以上に深刻な状況だったと気づくこともあるでしょう。

責任追及のために集めておきたい証拠

セクハラの責任を追及するうえで、最も重要になるのが証拠です。「たしかに被害を受けた」という事実を、客観的に示せるかどうかが、結果を大きく左右します。ここが、多くの被害者が苦労する点でもあります。

裁判や交渉の場では、「つらかった」という思いだけでは、残念ながら相手を動かすことは難しいのが現実です。加害者は事実を否定してくるかもしれませんし、会社も責任を認めたがらないかもしれません。そうしたときに、あなたの主張を支えてくれるのが証拠です。逆に言えば、証拠さえ積み重ねられれば、相手がどう言い逃れようと、被害の事実を示していくことができます。だからこそ、証拠集めは責任追及の要になるのです。

セクハラは、密室や一対一の場面で行われることが多く、証拠が残りにくいという難しさがあります。だからこそ、少しでも記録になりそうなものは、大切に保管しておくことが欠かせません。

「決定的な証拠がなければ責任を問えない」と思い込んで、最初からあきらめてしまう方がいます。しかし、それは早計です。一つひとつは小さな記録でも、それらを積み重ねることで、被害の全体像を示せることがあります。加害者からのメッセージ、被害の直後に友人へ送った相談のメッセージ、その日の出来事を書き留めたメモ。こうした断片が組み合わさることで、「たしかに被害があった」という事実が浮かび上がってくるのです。完璧な証拠でなくてかまいません。まずは、手元にあるものを捨てずに集めることから始めましょう。

  • 加害者から送られてきたメールやメッセージ、その画面の記録
  • 被害の状況を書き留めた日記やメモ(いつ、どこで、何をされたか)
  • 被害の直後に、家族や友人へ相談したやり取りの記録
  • 会社の相談窓口に相談した際の記録や、そのときの回答
  • 心身の不調で通院した場合の、診断書や通院の記録
ワンポイントアドバイス
記憶は時間とともに薄れていきます。被害を受けた状況は、覚えているうちに、できるだけ具体的に書き留めておきましょう。日付、時間、場所、そのときの言葉や状況を、思い出せる限り細かく記録しておくことが、後々の大きな支えになります。完璧でなくてかまいません。断片的でも、残しておくことに意味があります。

セクハラによって心身に不調をきたした場合、その治療のために通院した記録は、被害の深刻さを示す重要な資料になります。無理をせず、つらいときは医療機関を頼ってください。心と体を守ることが、何よりも優先されます。

被害を受けた後、眠れなくなったり、気分が落ち込んだり、体調を崩したりするのは、決してあなたが弱いからではありません。それだけつらい経験をしたということです。そうしたときに専門の医療機関を受診することは、自分をいたわるための大切な行動であり、同時に、被害の重さを客観的に示す記録にもなります。まずは自分の回復を第一に考えてください。責任追及は、そのうえで進めていけばよいのです。

セクハラの責任を追及する方法と流れ

では、実際にどのように責任を追及していくのでしょうか。方法はいくつかあり、被害の状況や、あなたが何を望むかによって、適した進め方は変わってきます。全体の流れを知っておきましょう。

大切なのは、あなたが「何を求めるのか」をはっきりさせておくことです。加害者に謝罪してほしいのか、金銭的な賠償を求めたいのか、会社にきちんと対応させたいのか。目指すゴールによって、進め方も変わってきます。もちろん、その気持ちは一つに絞らなくてもかまいません。ただ、大まかな方向性を持っておくだけで、専門家に相談する際にも話がスムーズに進みます。自分の望みに正直になってよいのです。次に、責任追及の一般的な流れを見ていきましょう。

  1. まず、これまでの経緯を整理し、集められる証拠を確認します。何があったのかを時系列でまとめておきます。
  2. 加害者や会社に対して、被害の事実を示し、謝罪や賠償を求める意思を伝えます。書面で行うのが一般的です。
  3. 相手が応じない場合には、話し合いによる解決や、第三者を交えた手続きを検討します。
  4. それでも解決しない場合には、労働審判や訴訟といった法的な手続きに進むことになります。

いきなり大きな手続きを起こすのではなく、まずは相手に責任を認めさせ、話し合いで解決を図ることから始めるのが一般的です。もっとも、加害者や会社が事実を否定したり、誠実に対応しなかったりする場合には、法的な手続きへと進む必要が出てきます。こうした手続きは、一人で進めるには負担が大きいため、専門家の力を借りることを検討したい場面です。

法的な手続きと聞くと、それだけで身構えてしまうかもしれません。しかし、必ずしも最初から裁判を起こすわけではありません。まずは書面で相手に請求し、相手の反応を見ながら、話し合いでまとまるかどうかを探っていく。それでも折り合わないときに、労働審判や訴訟へと段階を上げていく、というのが自然な流れです。どの段階でも、被害者であるあなたが無理をして矢面に立つ必要はありません。専門家に任せられる部分は任せながら、自分のペースで進めていけばよいのです。焦らず、しかし着実に。それが、納得のいく解決への道筋になります。

請求できるものと知っておきたい注意点

責任追及によって、被害者は何を求められるのでしょうか。中心となるのは、精神的な苦痛に対する賠償、いわゆる慰謝料です。しかし、請求できるものはそれだけではありません。

セクハラの被害は、心を深く傷つけるだけでなく、生活そのものにも影響を及ぼします。働けなくなって収入が途絶えたり、治療のために出費がかさんだり。そうした具体的な損害についても、賠償を求めていくことができます。慰謝料という「心の傷」への賠償だけでなく、被害によって生じた実際の損失にも目を向けることが大切です。

セクハラによって働けなくなり、収入が減ってしまった場合には、その減収分についても賠償を求められることがあります。また、心身の不調を治療するためにかかった費用なども、請求の対象になり得ます。もっとも、慰謝料をはじめとするこれらの金額は、被害の内容や程度によって大きく変わるため、一律にいくらとは言えません。自分のケースがどう評価され得るのかは、証拠をもとに個別に検討する必要があります。

金額の水準は、被害の期間や頻度、行為の悪質さ、それによって受けた心身への影響など、さまざまな事情を踏まえて判断されていきます。同じ「セクハラ」という言葉でくくられても、その中身は一つとして同じものはありません。だからこそ、インターネットで見かける金額をそのまま自分に当てはめて期待するのは禁物です。大切なのは、あなたが実際にどのような被害を受け、それをどう証拠で示せるか。そこを丁寧に積み上げていくことが、正当な賠償につながります。この見極めは、経験のある専門家が特に力を発揮する部分でもあります。

注意
セクハラの被害には、請求できる期間に限りがあります。時間が経つほど、証拠が集めにくくなるだけでなく、請求そのものができなくなってしまうこともあります。「落ち着いてから」と先延ばしにしているうちに、期限が迫ってしまうことも。責任を問いたいと考えているなら、早めに動き出すことが大切です。

不当解雇の場合に会社へ請求できる慰謝料の考え方は、セクハラの慰謝料を考えるうえでも参考になります。関心のある方は、こちらの記事もご覧ください。

慰謝料がどのように考えられるのかを知っておくと、自分のケースで何を主張していけばよいのかが見えてきます。金額そのものよりも、「どういう事情が賠償額を左右するのか」という考え方を押さえておくことが大切です。被害の重さを正しく評価してもらうために、自分が受けた苦痛を具体的に整理しておきましょう。

一人で抱えないために―相談先と進め方

ここまで読んで、「自分にもできるかもしれない」と少し前を向けたなら、それは大きな一歩です。ただ、セクハラの問題を一人で抱え込むのは、あまりにもつらいものです。適切な相談先を頼ることを、どうか忘れないでください。

被害を受けた方の多くが、誰にも打ち明けられずに苦しんでいます。恥ずかしさ、周囲の目、そして「自分にも非があったのでは」という思い。さまざまな感情が絡み合って、声を上げることをためらわせます。しかし、抱え込んでいる限り、状況は変わりません。あなたを支えるための相談先は、確かに存在します。まずはその扉を叩いてみることが、重い荷物を下ろす第一歩になります。

労働問題や、ハラスメントの問題にくわしい弁護士に相談すれば、あなたのケースで責任追及が可能か、どんな証拠が必要か、どう進めればよいかを、専門的な立場から助言してもらえます。何より、加害者や会社との交渉を代わりに担ってもらえることは、精神的な負担を大きく減らしてくれます。つらい相手と直接やり取りしなくて済む、というだけで、心が軽くなる方は多いのです。

セクハラの被害は、時間が経っても、ふとした瞬間によみがえって心を苦しめることがあります。一人で抱え込んでいると、その苦しみから抜け出せなくなってしまうこともあるでしょう。だからこそ、信頼できる誰かに話すことが大切です。専門家に相談することは、単に法的な手続きを進めるためだけではありません。自分の受けた被害を言葉にし、それが不当なものだったと確認してもらう。その過程そのものが、心の整理につながることもあるのです。まずは話を聞いてもらうところから、始めてみてはいかがでしょうか。

妊娠や出産を機にしたマタニティハラスメントも、セクハラと同じく、決して許されない行為です。こうした被害に心当たりがある方は、次の記事も参考にしてください。

ハラスメントは、性的なものに限りません。妊娠や出産、育児をめぐる嫌がらせも、働く人の尊厳を傷つける重大な問題です。もし、セクハラと並行して、あるいは退職の前後にこうした扱いも受けていたのなら、それらもあわせて向き合うべき問題として整理していくとよいでしょう。

また、産休や育休をめぐって不当な扱いを受けた場合の対応については、こちらの記事がくわしく解説しています。あわせてご覧ください。

働く人を守るための権利は、思っている以上にたくさんあります。自分が受けた被害がどの権利の侵害にあたるのかを知ることは、責任を追及するうえで大きな助けになります。一つの記事だけで抱え込まず、関連する情報にも目を通しながら、自分の状況を多角的に捉えていきましょう。

賃金の未払いなど、ほかの権利侵害も同時に受けている場合には、それらもまとめて相談するとよいでしょう。給与の未払いへの対応については、こちらの記事が役立ちます。

ハラスメントが横行する職場では、残業代が支払われない、約束された給与が支払われないといった、別の問題も抱えていることがあります。せっかく専門家に相談するなら、こうした複数の問題をまとめて相談したほうが効率的です。自分が置かれている状況を一度棚卸しして、気になることを整理してから相談に臨むと、より実りある助言が得られます。

セクハラの責任追及に関するよくある質問

ここでは、セクハラの責任追及についてよく寄せられる疑問にお答えします。自分の状況と重ね合わせながら読んでみてください。同じ悩みを抱える方は、あなたが思うよりも多くいます。

退職してから時間が経っていますが、まだ責任を追及できますか。

請求できる期間には限りがあるため、時間が経つほど難しくなる面はあります。ただし、期限内であれば、退職から時間が経っていても追及できる可能性は残されています。まずは、自分のケースがまだ間に合うかどうかを含めて、早めに専門家に相談してみることをおすすめします。

「もう何年も前のことだから無理だろう」と自己判断であきらめてしまうのは、もったいないことです。期限がいつまでなのかは、被害の内容や状況によって変わってきます。自分では手遅れだと思っていても、実はまだ間に合うということもあり得ます。だからこそ、迷ったらまず確認することが大切なのです。

決定的な証拠がありません。それでも責任を問えますか。

証拠が乏しくても、あきらめる必要はありません。メールやメモ、相談の記録、通院の記録など、断片的な資料を組み合わせることで、被害を示せる場合があります。どんな材料が使えるかは、専門家と一緒に整理していくのがよいでしょう。まずは、手元に残っているものを確認してみてください。

意外なものが証拠として役立つこともあります。当時つけていた日記、家計簿の余白のメモ、友人とのやり取りの中の何気ない一言。自分では「こんなものは証拠にならない」と思っていた記録が、被害を裏づける材料になることもあるのです。まずは捨てずに集めて、専門家に見てもらうことをおすすめします。

加害者ではなく、会社の対応にも納得できません。会社を相手にできますか。

できます。会社には従業員が安全に働ける環境を守る義務があり、それを怠っていた場合には、会社自身の責任を問えます。相談したのに対応してもらえなかった、防止策がまったくなかった、といった事情があれば、会社を相手にした責任追及を検討できます。

むしろ、被害を訴えても会社が動かなかったという経緯は、会社の責任を裏づける重要な事情になります。勇気を出して相談したのに、「気のせいではないか」と取り合われなかった、加害者をかばうような対応をされた。そうした二次的な被害もまた、あってはならないものです。加害者への追及と併せて、会社の対応そのものを問題にすることを、ぜひ検討してみてください。

会社に相談窓口はありましたが、使いませんでした。不利になりますか。

窓口を使わなかったこと自体が、ただちに不利になるわけではありません。窓口が形だけで機能していなかった、相談しづらい雰囲気だった、といった事情もあるでしょう。大切なのは、実際に何が起きたかです。過去の対応を悔やむより、今できることに目を向けていきましょう。

「あのとき相談していれば」「もっと早く動いていれば」と、過去を悔やむ気持ちが湧いてくるのは自然なことです。しかし、当時のあなたは、そのときできる精一杯の対応をしていたはずです。窓口を使えなかったことにも、必ず理由があったでしょう。自分を責める必要はありません。過ぎたことを悔やむエネルギーを、これから何ができるかに向けていく。それが、前へ進むための現実的な一歩になります。

加害者と直接やり取りするのが怖いです。どうすればよいですか。

その不安は当然のものです。だからこそ、弁護士などの専門家に間に入ってもらうことをおすすめします。代理人を立てれば、加害者や会社と直接顔を合わせたり、やり取りしたりする必要がなくなります。あなたが安全な場所にいながら、責任を追及していくことができるのです。

セクハラの被害から立ち直り、前を向いて歩き出すことは、決して簡単な道のりではありません。それでも、あなたには声を上げる権利があり、責任を問う道が残されています。ここまで読んでくださったことが、その一歩を踏み出すきっかけになればと願っています。無理をする必要はありません。ただ、一人で抱え込まないでください。あなたを支えてくれる仕組みも、専門家も、確かに存在します。まずは相談することから、次の一歩を始めてみてはいかがでしょうか。

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