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アルバイトも不当解雇を争える?予告なし解雇の対処法

アルバイトも不当解雇を争える?予告なし解雇の対処法

この記事で分かること

  • 解雇に関するルールは雇われ方の名称にかかわらず同じように及ぶ
  • 予告なしで辞めさせられたなら手当を請求できる可能性がある
  • 契約期間の途中で終わらせるには正社員の解雇より重い理由が要る
  • 残っていた期間について賃金を請求できる立場になることがある
  • 何度も更新されてきたなら雇止めにも合理的な理由が求められる
  • 通算五年を超えて更新されれば期間の定めのない契約に転換できる
  • シフトをゼロにされた場合も働けたはずの分を請求できる余地がある

アルバイトやパートであっても、解雇に関するルールは正社員と同じように及びます。雇われ方の名称によって、法律の保護が薄くなることはないからです。とりわけ、契約期間の途中で終わらせるには、正社員を解雇するよりも重い理由が求められます。シフトをゼロにされて働けなくなった場合も、その分を請求できる余地が残っています。まずは雇用契約書を開いて、期間の定めがあるかどうかを確かめてください。

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バイトだから仕方ないと言われていませんか

店長から、明日から来なくていいと言われた。理由を聞いても、人が余っているからとしか返ってこない。何年も働いてきたのに、それだけで終わりだと言われる。

その場で言い返せなかったことを、あとから悔やんでいる方も多いでしょう。ですが、その場で反論できなかったからといって、受け入れたことにはなりません。むしろ、感情的に言い返さずに済んだことは良い判断でした。言われた直後に何も返せないのは、誰でも同じです。準備の時間が持てたと考えてください。

あるいは、来月からシフトに入れないと告げられた。辞めろとは言われていない。けれども勤務がゼロになれば、収入も途絶えます。

学費の支払いがある方、生活費をこの収入で賄っている方にとっては、来月の予定が立たなくなるということです。

次を探すにしても、それまでのつなぎがありません。だからこそ、早く状況を整理する必要があります。

そして、整理してみると請求できるものが残っている場合があります。当面をしのぐ支えになるかもしれません。

周りに相談しても、バイトだから仕方ないよ、という言葉が返ってくる。そう言われると、自分の感じている理不尽さのほうが間違っているように思えてきます。

けれども、その感覚は正しいものです。長く働いてきたのであればなおさら、扱われ方に納得がいかないのは当然のことです。

職場では代えのきかない存在として頼りにされていたのに、辞めさせるときだけ簡単に扱われる。その落差に傷ついている方もいるでしょう。その気持ちは、争うかどうかとは別に大切にしてよいものです。

ここではっきりお伝えします。アルバイトやパートであっても、解雇に関するルールは正社員と同じように及びます。雇われ方の名称によって、法律の保護が薄くなることはありません。

会社が好きなときに切れる立場だと思っているのなら、それは思い違いです。現に、効力を否定された例はいくつも積み上がっています。

会社の側に悪意があるとは限りません。単純に制度を理解していないだけ、という職場も少なくありません。それでも、失われた収入は戻ってきません。

ですから、悪い会社かどうかを見極めることに労力を使う必要はありません。確かめるべきは、法律上どう扱われるかという一点です。

ただし、契約に期間が定められているかどうかで、考え方が変わる部分はあります。ここを整理しておかないと、話が噛み合いません。

期間があるのかないのか。あるとして、その途中なのか満了時なのか。この二段階の整理が出発点になります。ここを間違えると、まったく違う土俵で議論することになってしまいます。

この記事では、アルバイトにも解雇のルールが及ぶこと、期間の有無による違い、期間の途中で辞めさせられた場合、期間満了で更新されなかった場合、シフトを削られる形での追い出し、そして動き方をお話しします。

法律の言葉はできるだけ使わずに書きました。細かな規定を覚える必要はありません。どこを確かめればよいのかが分かれば、それで十分です。

学生の方、掛け持ちで働いている方、家計を支えるために働いている方。立場はさまざまでしょうが、確かめるべき点は共通しています。働いている時間が短いからといって、保護が薄くなることはありません。

週に一日だけの勤務であっても、法律の適用に違いはありません。まずは、自分の契約がどうなっているかを見るところから始めてください。

手元に書面がなくても構いません。給与明細や勤務の実績から読み取れることは数多くあります。そして、書面が渡されていないこと自体が、会社にとっては不利な事情になります。

アルバイトにも解雇のルールは同じように及ぶ

まず、前提を確かめておきましょう。ここを誤解したまま進めると、そもそも争えないと思い込んでしまいます。

実際、その思い込みのために何もしないまま終わってしまう方が大半です。この記事にたどり着いた時点で、その大半からは一歩抜け出しています。

働く人を守る法律は、雇われ方の名称で線を引いていません。正社員、契約社員、パート、アルバイト。呼び方が違っても、賃金をもらって指揮のもとで働いているのであれば、同じように適用されます。

むしろ、名称は会社が便宜的に付けているにすぎません。法律が見ているのは、実際にどう働いているかという中身のほうです。

週に何日出ているか、時給か月給か、どう呼ばれているか。こうした違いは、保護の有無を左右しません。ですから、解雇について定められた制限も、そのまま及びます。

就業規則にアルバイトについての定めがない、という職場もあります。しかし、定めがないからといって自由に辞めさせてよいことにはなりません。

むしろ、定めがないのであれば、どの規定を根拠に処分したのかを会社は説明できないことになります。

解雇には、客観的に合理的な理由があり、社会通念に照らして相当と認められることが必要です。これを欠く解雇は、権利の乱用として無効になります。

合理的な理由というのは、誰が見てもそれなら仕方ないと思えるような事情のことです。会社の一存で決められるものではありません。

そして、その理由があったことを説明する責任は会社の側にあります。あなたが自分に非がないことを証明する必要はありません。人が余っているから、気に入らないから、という程度の理由で辞めさせることはできません。

店長と折り合いが悪かった、意見を述べたことがあった。そうした事情が背景にあるのなら、なおさら争う余地が生まれます。

解雇を告げられる前に何があったかを思い返してみてください。時期の重なりが、本当の理由を語ることがあります。

辞めさせる前の通知についても同じです。あらかじめ猶予を置いて知らせるか、その猶予に代わる手当を支払うかが求められます。

三十日前に予告があれば手当は発生しませんが、予告が足りなければ、その不足する日数分の手当が必要になります。通知が一度もなかったのなら、猶予の期間まるごとに相当する額が対象です。

ただし、働き始めて間もない場合など、予告の定めが適用されない場面はあります。とはいえ、その期間を超えて働いているのであれば、当然に適用されます。

何年も働いてきた方であれば、この点で悩む必要はありません。予告か手当のいずれかは必ず必要になります。

辞めさせられたこと自体を受け入れる場合でも、ここだけは別に求められます。当座をしのぐ支えになるはずです。

補足
日雇いや、ごく短い期間の契約で働き始めたばかりの場合には、予告の定めが及ばないことがあります。もっとも、実際には契約が繰り返し更新されている、あるいは期間の定めなく働いているという方がほとんどです。自分がどの状態にあるかを確かめてみてください。

有給休暇についても同じです。一定期間続けて勤務し、決められた割合以上出勤していれば、アルバイトでも付与されます。

週に働く日数が少ない方の場合は、その日数に見合った分だけが与えられる仕組みです。ゼロになるわけではありません。もらえないと言われて信じてしまう方が多いのですが、それは正しくありません。

辞めることになった場合でも、残っている有給を使える場合があります。日数を確かめておいてください。

付与されていること自体を知らされていない方も少なくありません。会社に残日数を尋ねて構いません。

契約に期間があるかどうかで話が変わる

ここからが、整理しておきたい部分です。少しややこしく感じるかもしれませんが、二つに分けるだけの話です。

労働契約には、期間が定められているものと、定められていないものがあります。この違いによって、辞めさせられ方の呼び名も、判断の枠組みも変わります。

アルバイトだから当然に期間があるというわけでもありません。期間の定めなく働いている方も数多くいます。入るときに期間の話をされた記憶がないのであれば、定めがない可能性があります。

期間の定めがない場合は、正社員と同じ扱いです。会社が一方的に終わらせるのであれば、それは解雇にあたります。

この場合、正社員と同じ物差しで判断されます。バイトだからという理由で緩められることはありません。

勤務の時間が短いことは、判断の際に多少考慮される場面はあります。しかし、それは程度の問題であって、保護そのものがなくなるわけではありません。

期間の定めがある場合は、少し複雑になります。期間の途中で終わらせるのか、期間が満了したところで更新しないのか。この二つは別の話です。どちらにあたるのかで、会社が示すべき理由の重さがまったく変わります。前者が解雇にあたり、後者は雇止めと呼ばれます。それぞれ判断の物差しが違います。

会社の説明のなかで、この二つが混同されていることもあります。契約期間の途中なのに更新しないと言われた、というような場面です。

その場合は、期間の途中の打ち切りとして扱われることになります。会社が使った言葉ではなく、実際にいつ終わらせようとしているかで判断してください。ですから、まず確かめるべきは、自分の契約に期間が定められているかという点です。

意外にも、自分がどちらなのか分かっていない方がほとんどです。ここを押さえるだけで、話の筋道が見えてきます。相談の場でも、まずこの点から確かめていくことになります。

雇用契約書か労働条件通知書を見てください。契約の期間という欄に、いつからいつまでと書かれているでしょうか。期間の定めなし、と書かれているのであれば、その時点で答えは出ています。

逆に、契約の期間という欄が空欄のままという書面もあります。その場合も、期間の定めがないものとして扱われる可能性があります。

書面を受け取っていないという方もいるはずです。会社には、労働条件を書面などで明示する義務があります。渡されていないのであれば、それ自体が問題です。

とくに、契約の期間、勤務の場所と内容、始業と終業の時刻、賃金、そして辞めるときのきまりについては、明示が求められています。これらが書面で渡されていないのであれば、行政の窓口に持ち込める事柄になります。

その場合でも、諦める必要はありません。求人の内容、給与明細、実際の勤務の状況から、契約の中身を組み立てていくことができます。

応募したときの求人情報が残っていないか探してみてください。勤務の条件が書かれていることが多く、有力な手がかりになります。

掲載先によっては、後から取り寄せられることもあります。応募時のやり取りが残っていないかも確かめてみてください。

期間の途中で辞めさせるには重い理由が要る

期間が定められている契約について、その途中で会社が終わらせようとする場合の話です。結論から言えば、この場合の制限はとりわけ厳しいものです。

多くの方が逆に理解しています。期間があるのだから途中でも終わらせやすい、と思い込んでしまいます。会社の側にも同じ誤解があることが多く、そのために安易な打ち切りが起きています。

期間を定めて契約したということは、その期間は働くこと、働かせることを互いに約束したということです。それを一方的に破るのですから、相応の理由が求められます。

逆の立場で考えると分かりやすいでしょう。働く側が期間の途中で勝手に辞めることも、原則としてはできないとされています。約束は双方を縛ります。その縛りを一方だけが好きに外せるのであれば、期間を定めた意味がなくなってしまいます。

やむを得ない事由がある場合でなければ、期間の途中で終わらせることはできないとされています。

この事由は、期間の定めがない場合の解雇よりも重いものが必要だと考えられています。つまり、正社員を解雇するより難しい、ということです。

ここは覚えておいてください。期間が定められていることは、会社にとって都合のよい仕組みではありません。期間の途中で人員を調整したいのであれば、会社はそれ相応の理由を用意しなければなりません。

意外に思われるかもしれません。しかし、約束した期間を守るという考え方からすれば、自然な結論です。期間が短いから軽く扱ってよい、という発想は法律にはありません。

ですから、契約の期間がまだ残っているのに辞めさせられたのであれば、争える可能性は高いと言えます。

会社の側も、この点を理解していないことがよくあります。指摘されて初めて気づく、という場面も珍しくありません。

ですから、正面から伝えるだけで態度が変わることもあります。まずは根拠を示して話してみてください。

加えて、残りの期間について賃金を請求できる立場になることもあります。働けたはずの分が失われたからです。

残っていた期間が長いほど、その額は大きくなります。契約期間の終わりがいつだったかは、必ず確かめてください。自分の契約期間がいつまでだったかを確かめてください。ここが出発点になります。

契約書が手元になければ、会社に写しを求めてください。交付を受けていないのであれば、それ自体が問題として扱われます。

期間満了での雇止めにも制限がある

次に、契約の期間が満了したところで更新されなかった場合です。私たちのもとに届く相談で、いちばん件数が多いのがこの型です。そして、諦められてしまうことがもっとも多い場面でもあります。

契約が終わるのだから当然だ、と思われるかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。

会社の側も、契約期間が終わるだけだから問題ないと考えていることが少なくありません。しかし、それは正確ではありません。これまで何度も更新されてきた、あるいは更新が当然のこととして扱われてきた。

期間の定めがあるとはいえ、実際には続いていくものとして扱われてきた。そうした実態があるのなら、その信頼は保護されるべきだという考え方です。

会社の都合で期間を区切っておきながら、必要なときだけ期間を盾にする。そうした扱いは認められない、ということでもあります。その場合、更新しないという扱いには、解雇と同じように合理的な理由と相当性が求められます。

つまり、期間が終わったというだけでは足りず、更新しないことの理由を会社が説明しなければならないということです。その理由が、人が余っているから、という程度であれば、合理的だとは言いにくいでしょう。

判断の材料になるのは、次のような点です。更新の回数、通算して働いてきた期間、更新の手続きが形式的だったか、担当者から今後も続けてほしいと言われていたか。

あわせて、業務の内容が臨時的なものだったのか、それとも恒常的に必要とされる仕事だったのかも見られます。ずっと同じ仕事を続けてきたのであれば、それは後者にあたります。

季節限定の販売や、期間の決まった催しのための採用であれば話は別です。しかし、店舗の日常業務を担ってきたのであれば、臨時的とは言えないでしょう。

更新のたびに新しい契約書を交わしていたのか、それとも何も言われないまま続いていたのか。ここも見られます。

更新の意思を確かめる面談があったか、書面にいつ署名したか。細かな点のようですが、判断に効いてきます。

実際には、契約書の更新すら行われないまま何年も働いてきた、という方が少なくありません。そうした運用は、期間の定めが形だけのものだったことを示す材料になります。

更新の時期になっても何も言われず、気づいたら次の期間に入っていた。そういう職場であれば、会社自身が期間を重視していなかったことになります。

もうひとつ知っておいてほしいのが、通算して五年を超えて更新された場合の仕組みです。本人が求めれば、期間の定めのない契約に転換することができます。

この求めは、会社が拒めるものではありません。条件を満たしているのであれば、申し込むだけで成立します。ただし、期間が終わってしまってからでは間に合いません。時期を見て動く必要があります。

この仕組みがあるために、五年に達する前に雇止めにする会社があります。そうした意図がうかがえる場合には、それ自体が争う材料になります。

更新の回数に上限を設ける定めを、途中から突然設けてきた。そうした場合も同じです。いつからその運用になったのかを確かめてください。

採用のときには何も言われていなかったのに、あとから条件が付け加えられた。その経緯が示せれば、有力な材料になります。

契約の形ごとに、辞めさせるときのルールを整理します。

場面 ルール 根拠
期間の定めがない契約での解雇 合理的な理由と社会的な相当性が必要 労働契約法16条
期間の途中での解雇 やむを得ない事由が必要で、正社員の解雇よりさらに厳しい 労働契約法17条
期間満了での雇止め 更新が繰り返されている、更新を期待させる言動があったなどの場合は、解雇と同じように理由が問われる 労働契約法19条
通算5年を超えて更新された契約 本人が申し込めば、期間の定めのない契約に転換される 労働契約法18条

予告なしの解雇には、アルバイトでも30日分以上の解雇予告手当が必要です(日雇いや2か月以内の短期契約などの例外を除く)。

シフトを削られるという形の追い出し

アルバイトの相談で非常に多いのが、この形です。解雇と言われないぶん、争いにくいと感じてしまう。会社もそれを見越していることがあります。ですが、扱われ方の実質を見れば、辞めさせようとしていることは明らかです。

解雇とは言われない。契約も終わっていない。けれども、シフトに入れてもらえなくなる。結果として収入がゼロになる。

週五日入っていたのが週一日になり、やがてゼロになる。段階的に減らされていくことも多く、気づいたときには生活が立ち行かなくなっています。減らされ始めた時期を特定できるよう、過去のシフト表や給与明細を並べておいてください。

会社としては、辞めさせたわけではないという建前を保てます。本人が自分から辞めるのを待つ、という進め方です。

生活が立ち行かなくなれば、辞めざるを得なくなります。それを分かったうえで行われているのであれば、悪質だと言わざるを得ません。本人から辞めると言わせることが目的なのですから、その手に乗らないことが大切です。

しかし、これは実質的に働く機会を奪う行為です。放置してよいものではありません。形の上で解雇でないからといって、失われた収入が戻ってくるわけではないからです。

まず確かめたいのは、契約でどれだけの勤務が予定されていたかという点です。週にどれだけ、あるいは月にどれだけ働くと定められていたでしょうか。ここが定まっていれば、減らされた分を数字で示せます。

労働条件通知書に、始業と終業の時刻、勤務する日数が書かれているはずです。そこに書かれた水準を大きく下回っているのであれば、契約に反する扱いということになります。

週三日、一日五時間といった形で書かれていることが多いでしょう。その記載と、実際のシフトを並べてみてください。差が大きければ大きいほど、契約に反する扱いだと言いやすくなります。

この場合、働けたはずの分について賃金を請求できる余地があります。会社の都合で働かせなかったのですから、その責任は会社が負うべきものです。

働いていないのに賃金を求められるのか、と疑問に思うかもしれません。しかし、働けなかった原因が会社の側にあるのなら、その負担を働く人に押しつけるべきではありません。

ただし、もともと勤務日数が確定していない契約であれば、話は難しくなります。それでも、これまでの実績から一定の水準が前提になっていたと主張できる場合はあります。

過去数か月から一年ほどの勤務実績を並べて、平均でどれだけ働いていたかを出してみてください。その水準が、事実上の前提だったと示す材料になります。

給与明細に勤務時間が記載されていれば、そこから拾えます。手元にない月は、口座の入金額からおおよそを逆算することもできます。

注意
シフトに入れないまま何も言わずに時間が過ぎると、自分から辞めたものとして扱われかねません。働く意思があることを、形に残る方法で会社に伝えてください。メールやメッセージで、勤務を希望する旨を送っておくだけでも意味があります。

おかしいと感じたときの動き方

ここからは実際の手順です。順を追ってお話しします。難しい手続きから始める必要はありません。手元の書類を並べるところからです。今日中にできることばかりです。

最初にすることは、書面をそろえることです。雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、シフト表。手元にあるものを集めてください。

職場の設備のなかにしかないものは、もう手が届かないかもしれません。それでも、自分宛てに届いた書類や、手元のメッセージは残っているはずです。

次に、辞めさせる理由を文書にするよう会社へ申し入れます。理由を記した証明書の発行は、働く側から請求できるものとされています。

求めるときは、口頭ではなく書面やメッセージで行ってください。求めた事実そのものが記録になります。この求めは、アルバイトであっても同じようにできます。会社は応じなければなりません。

これが手元にあると、会社は途中で言い分を差し替えにくくなります。交渉でも手続きでも効いてくる一枚です。

三つめに、経緯を時系列で書き出します。いつ、誰から、何を言われたのか。シフトが減り始めたのはいつからか。

その前に何かなかったかも思い出してみてください。勤務の条件について意見を述べた、体調を崩して休んだ、有給を申し出た。そうした出来事との時期の重なりは、有力な手がかりになります。権利を使ったことへの報復であれば、それ自体が別の問題として扱われます。四つめに、働く意思があることを伝えます。争うつもりがあるのなら、この点は欠かせません。

そろえておきたいものを整理しておきます。

  • 雇用契約書と労働条件通知書。契約の期間と勤務の日数が書かれています。
  • 給与明細。これまでどれだけ働いてきたかが分かります。
  • シフト表。減らされ始めた時期を示せます。
  • 解雇の理由が書かれた証明書。会社に交付を求めてください。
  • 店長や責任者とのやり取り。メッセージのやり取りが残っていれば有力です。
  • 経緯をまとめたメモ。いつ何を言われたかを時系列で。

すべてがそろわなくても構いません。あるものから順に確保していってください。

そのうえで、外部に相談する段階です。予告や手当が支払われていない、労働条件が書面で示されていない。こうした点は、条文に照らして判断できる事柄ですから、行政の窓口が扱いやすい領域です。行政の窓口は費用がかかりませんし、まずはそこから動くという選び方には合理性があります。

一方で、解雇そのものが不当かどうかという争いは、当事者間の問題として扱われます。この部分は交渉や裁判所の手続きに進むことになります。

働く人の争いごとには、早期の決着を目指す専用の手続きも設けられています。腰を据えた長い戦いになるとは限りません。

まずは事情を話して見通しを聞くだけでも構いません。聞いたうえで動かない、という判断をしても無駄にはなりません。

辞めるよう言われたら、次の順で動いてください。

  1. 雇用契約書や労働条件通知書で、契約期間と更新の定めを確かめる。
  2. 解雇の理由を書面で出すよう求める。
  3. シフト表や給与明細など、働いた実績を保存する。
  4. 労働基準監督署や労働局、弁護士に相談する。

アルバイトの解雇に関するよくある質問

明日から来なくていいと言われました。何を求められますか

まず、解雇の理由を記載した証明書の交付を会社に求めてください。アルバイトであっても同じように求められますし、会社は応じなければなりません。次に、予告に関する扱いを確かめます。原則として三十日前の予告か、それに代わる手当が必要ですので、即日で辞めさせられて何も支払われていないのであれば、その部分を請求できる可能性があります。そのうえで、解雇そのものが不当かどうかを検討することになります。人が余っているからという程度の理由では、合理的な理由があるとは言いにくいでしょう。書面と経緯の記録を集めてから相談してください。

契約期間が残っているのに辞めさせられました

争える可能性が高い場面です。期間を定めて契約したということは、その期間について互いに約束を交わしたということですから、途中で一方的に終わらせるには、やむを得ない事由が必要とされています。この事由は、期間の定めがない場合の解雇よりも重いものが求められると考えられています。つまり、正社員を解雇するより難しいということです。加えて、残りの期間について働けたはずの賃金を請求できる立場になることもあります。まずは雇用契約書で契約期間を確かめ、いつまでの約束だったのかを整理してください。

契約更新をしないと言われました。これは仕方ないのですか

そうとは限りません。こうした事情があれば、更新されると期待することに理由があると評価されます。更新の回数、通算して働いてきた期間、契約書の交わし方などが判断の材料になりますので、これまでの経緯を整理してみてください。契約書の更新すら行われないまま続いていたのであれば、期間の定めが形だけだった可能性もあります。

シフトをゼロにされました。解雇ではないのでしょうか

解雇と言われていなくても、実質的に働く機会を奪う行為ですから、放置してよいものではありません。まずは労働条件通知書を確かめ、勤務する日数や時間がどう定められているかを見てください。そこに書かれた水準を大きく下回っているのであれば、契約に反する扱いということになり、働けたはずの分について賃金を請求できる余地があります。あわせて、働く意思があることを形に残る方法で会社に伝えてください。何も言わないまま時間が過ぎると、自分から辞めたものとして扱われかねないからです。

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