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痴漢で逮捕されたら弁護士に相談を!示談交渉と慰謝料相場まとめ
この記事で分かること
- 痴漢で成立する犯罪は、迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪
- 痴漢で受ける不利益を小さくするには、被害者との示談交渉が重要
- 痴漢の慰謝料の相場は、30~50万円
- 示談交渉を成功させるためには、弁護士に依頼することが有効
痴漢をすると、迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪となり、起訴されて前科が就く可能性があります。不利益を避けるためには、被害者と示談交渉を進めることが大切です。被疑者が自分で被害者と示談交渉をするのは非常に難しいので、刑事事件に強い弁護士に依頼しましょう。
痴漢で成立する犯罪は
電車の中などで、ついつい痴漢行為に及んでしまうことがあります。また、家族が突然痴漢容疑で捕まったという連絡を受けて、動転してしまうこともあるでしょう。痴漢で逮捕された場合、どのような犯罪が成立するのでしょうか?以下で、確認しましょう。
迷惑防止条例
迷惑防止条例が規制する行為
一般的な痴漢事件で成立する犯罪は、「迷惑防止条例違反」です。迷惑防止条例は、各自治体において定められています。詳細は地域によって異なる可能性がありますが、だいたいどこの自治体でも、規制されるのは、以下のような行為です。
迷惑防止条例が規制するのは、公共の場所における行為だけなので、相手が居住している家の中などの私的な空間では、迷惑防止条例による痴漢が処罰されることがありません。
また、迷惑防止条例が適用される対象は、女性だけではなく男性も含まれますし、大人も子どもも含まれます。
迷惑防止条例が適用されるケース
迷惑防止条例が適用されるのは、以下のようなケースです。
- 電車やバスなどの乗物の中で、隣にいた女性の身体に触った
- 居酒屋で、近くで飲んでいた女性の身体に触った
- フェスやライブなど、人がたくさん集まっている場所で、隣にいた女性の身体に触った
迷惑防止条例違反の罰則
迷惑防止条例違反の痴漢行為をすると、当然罰則が適用されます。具体的な刑罰の内容は、各自治体によって異なる可能性がありますが、だいたいどこの自治体でも、以下の通りとなっています。
- 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑
- 常習の場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑
迷惑防止条例は親告罪ではないので、たとえ被害者が刑事告訴していなくても、痴漢の現行犯などで周囲の人に取り押さえられて、そのまま逮捕される可能性があります。
強制わいせつ罪
強制わいせつ罪の成立要件
痴漢をすると、「強制わいせつ罪」が成立してしまうケースもあります。強制わいせつ罪は、刑法上の犯罪行為です(刑法176条)。基本的に、「暴行や脅迫を用いて、相手に対し、わいせつな行為を行った」ときに成立します。
暴行脅迫の意味
このときの「暴行脅迫」は、わいせつ行為と独立している必要がなく、わいせつ行為そのものによって相手を畏怖(恐怖)させた場合も含むと考えられています。そこで、痴漢をするときに、被害者が、「痴漢されている」こと自体に恐怖を感じて抵抗ができなくなってしまった場合にも、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。自分では、相手に暴行を加えたり脅したりしていなくても、強制わいせつ罪に問われる可能性があるということですから、十分注意が必要です。
13歳以下の子どもには、「暴行脅迫」が不要
また、相手が13歳以下の場合には、暴行や脅迫を用いていなくても、強制わいせつ罪が成立します。13歳以下の子どもにわいせつ行為をしたら、相手が合意していても、強制わいせつになってしまうということです。
「公共の場所」という限定はない
強制わいせつ罪については「公共の場所」などの限定がついていません。そこで、被害者の家や自分の家などのプライベートな空間内であっても、わいせつ行為をすると、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。被害者の性別や年齢も限定されていないので、男性に対して痴漢行為をしたときにも、成立します。
強制わいせつが成立するケース
痴漢によって強制わいせつ罪となるのは、痴漢の中でも相当に悪質なケースです。具体的には、以下のような例が考えられます。
- 電車やバスの中で、相手の女性の下着の中まで手を入れて、長時間、執拗に性器などを触った
- 相手の服を脱がせた、または脱がせて身体を触った
- 相手の胸や性器を触っていたところ、相手が13歳以下であった
強制わいせつ罪の法定刑
強制わいせつ罪が成立すると、その法定刑は6ヶ月以上10年以下の懲役刑となります。罰金刑や禁固刑はなく、必ず懲役刑となります。
そこで、執行猶予がつかない場合には、刑務所に行かなければなりません。
強制わいせつ罪は、刑事告訴されないと起訴されない
強制わいせつ罪は、「親告罪」です。親告罪とは、被害者による刑事告訴がない限り、起訴できない類型の犯罪です。そこで、痴漢行為が問題になっても、相手が刑事告訴をしなかったら、逮捕されることはありません。
ただし、事件現場が公共の場所であった場合には、迷惑防止条例が同時に成立する可能性があり、その場合には、迷惑防止条例違反で逮捕されたり起訴されたりする可能性があります。
痴漢で示談交渉が必要な理由
痴漢によって逮捕されてしまったら、被害者と示談をすることが非常に重要です。以下で、その理由を説明していきます。
痴漢で逮捕された後の手続きの流れ
まずは、痴漢で逮捕されたら、その後どのような手続きの流れになるのかを確認しましょう。手続きの流れを理解できたら、自然とどうして示談が重要か、わかるためです。
逮捕される
痴漢で逮捕されるのは、圧倒的に現行犯逮捕が多いです。電車などで痴漢を行い、その場で被害者や周囲の目撃者によって、駅員室に連れて行かれます。そして、警察を呼ばれて逮捕されます。
検察官へ送致される
逮捕されると、その後48時間以内に検察官に送致されます。送致されない場合にはそのまま釈放されます。痴漢の場合、被害者が「犯人を処罰しなくて良い」、と言った場合には、釈放される可能性もあります。
勾留決定が行われる
検察官のもとに送致されると、検察官は、裁判所に勾留請求を行い、裁判所が勾留決定します。勾留決定されると、基本的に、被疑者は10日間警察の留置所に身柄拘束されます。検察官への送致後24時間以内に勾留決定が行われない場合には、被疑者の身柄は釈放されます。痴漢の場合、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れなどがないと判断されたら、勾留が行われずに在宅で捜査が続くこともあります。
勾留延長される
10日の勾留期間が切れると、検察官は、勾留を延長するか、起訴不起訴の判断をします。10日が経過するまでに、被害者との示談が成立していると、検察官は、勾留延長をせずに不起訴処分として、被疑者の身柄を釈放してくれる可能性が高くなります。この場合には、後に、再度同じ罪に問われることがなく、完全な無罪放免ですから、前科がつくこともありません。
10日以内に示談が成立せずに、検察官が勾留延長の請求をすると、勾留期間がさらに10日間、延長されます。
検察官が、処分を決定する
10日間+10日間の合計20日間の勾留期間が切れると、検察官は、最終的な処分を決定する必要があります。再度の勾留延長は認められません。このとき選択される可能性がある処分は、以下のようなものとなります。
- 起訴
- 不起訴
- 起訴猶予(処分保留)
起訴とは
起訴は、刑事裁判を起こすことです。日本では、刑事裁判の有罪率が99.9%以上となっているので、いったん起訴されると、無罪を勝ち取ることが難しいです。迷惑防止条例違反では罰金刑もありますが、強制わいせつ罪になると、懲役刑が適用されることになります。また、どちらの罪になったとしても、一生消えない前科がついてしまうので、大変な不利益があります。
不起訴とは
不起訴は、「刑事裁判にしない」、という決定です。そこで、不起訴になると、すぐに身柄を釈放されますし、裁判の被告人になることもありません。当然、罰金や禁固、懲役などの刑罰が適用されることもありませんし、前科がつくおそれも一切ありません。いったん不起訴になったら、同じ事実で再度逮捕されることもないので、完全な無罪放免となります。
起訴猶予とは
起訴猶予というのは、検察官が起訴すべきかどうかの判断がつかない場合に、とりあえず起訴を見送ることです。この場合にも、身柄は釈放されますが、無罪放免というわけではなく、後に何らかの証拠が出てきたりすると、起訴される可能性が残ります。ただ、実際には、起訴猶予処分となったら、たいていのケースでそのまま不起訴処分となっています。
不起訴処分を勝ち取る必要性
以上のように、痴漢で逮捕された場合、起訴を避けること(不起訴処分にしてもらうこと)が非常に重要です。起訴されなければ、最大23日間(48時間+24時間+10日間+10日間)で、身柄を釈放してもらうことができます。早期に身柄を釈放してもらったら、会社に通勤して言い訳することなどもできるので、解雇などの不利益な処分を避けやすくなります。
痴漢の場合には、在宅捜査になることも多いですが、その場合でも、やはり起訴を避けることが重要です。たとえ在宅事件の場合でも、いったん起訴されたら、前科がついてしまう可能性が高いからです。略式裁判となり、裁判が開かれずに罰金を支払うだけで済んだ場合にも、痴漢の前科は残ってしまいます。不起訴処分を獲得できれば、刑事裁判にもならないので、前科がつく心配もありません。
示談ができると、不起訴になる可能性が高い
痴漢で逮捕されたときには、検察官に「不起訴処分」としてもらう必要があります。それでは、不起訴処分を獲得するために、どのようなことをすれば良いのでしょうか?
ここで、キーとなるのが被害者との「示談」です。刑事手続では、被害者の被害感情や被害者への民事賠償金の支払が、重要な情状となります。同じ犯罪行為でも、被害者の怒りの程度が小さかったり、被害者にきちんと賠償金の支払いを済ませていたりすると、刑事処分が軽くなります。このことは、検察官が起訴不起訴の判断をするときも同じです。そこで、検察官が、起訴不起訴の決定をするまでの間に、被害者と示談ができていると、不起訴になる可能性が一気に高まります。
強制わいせつ罪なら、必ず不起訴になる
痴漢の場合、迷惑防止条例か強制わいせつ罪が成立する可能性がありますが、強制わいせつ罪になった場合には、さらに示談が重要です。強制わいせつ罪は、親告罪だからです。
通常、示談が成立したときには、相手から刑事告訴を取り下げてもらうことになります。痴漢で強制わいせつ罪に問われているとき、示談が成立して刑事告訴を取り下げてもらうことができると、100%不起訴になります。
強制わいせつ罪では略式裁判がないので、いったん起訴されると、必ず通常の刑事裁判手続きになって裁判官の面前で裁かれることになりますし、裁判が進むと、必ず懲役刑になります。このことを考えると、被害者との示談によって、不起訴になることの重要性を理解できると思います。
示談の期限
痴漢で被害者と示談交渉を行うとき、期限があることに注意が必要です。検察官が、起訴・不起訴の決定をするまでに、示談を成立させなければなりません。いったん起訴されてしまったら、その後示談が成立しても、起訴を取り下げてもらうことはできないからです。起訴されて裁判が始まった後に示談ができた場合、刑が軽減される効果はありますが、無罪や起訴の取り下げ、公訴棄却(起訴が却下されること)などの効果はないのです。いったん起訴されてしまったら、何らかのかたちで前科がついてしまう可能性が非常に高まります。
検察官が起訴・不起訴の決定をするまでの期間は、身柄事件か在宅事件かによって、異なります。身柄事件の場合には、上記でも説明した通り、逮捕から最終的に勾留期間が切れるまでの23日間です。この23日間を超えると、示談をしても、起訴を免れることが難しくなります。
在宅事件の場合、このような期限はありません。ただ、痴漢事件の数ヶ月後などに、検察官がいきなり被疑者取り調べを行って起訴してしまうことがあるので、やはり、早めに被害者と示談しておくに越したことはありません。
在宅捜査の場合にも、被害者との示談書と示談金の支払いを示す証拠を提示すれば、検察官は不起訴の決定をしてくれます。
痴漢の示談交渉の進め方
痴漢で逮捕されたときに、被害者と示談交渉を進めるためには、どのような手続きをとれば良いのでしょうか?以下で、痴漢の示談交渉の進め方をご説明します。
まずは、被害者の連絡先を入手する
痴漢をしたときには、被疑者は被害者の連絡先を知らないことが多いです。たとえば、電車で痴漢をして現行犯逮捕された場合などには、被害者の顔すらほとんど見ないまま、身柄拘束が続いてしまうことになります。警察から、被害者の身元を明らかにしてもらうことはできません。
そこで、示談交渉を進めるためには、まずは被害者の連絡先を入手することが必要です。被疑者が示談交渉を進めようとするとき、この時点でつまずいてしまうことが多いです。
被害者に連絡して、謝罪する
被害者の連絡先がわかったら、被害者に連絡を入れます。ただ、痴漢の被害者は非常に立腹していることが多く、被疑者に対して恐れを抱いていることも多いです。そこで、被疑者が連絡をしても、受け付けてもらえない可能性が高いです。下手に連絡をすることで、被害者の気持ちを逆なでしてしまうおそれもあります。
被害者の気持ちを開いてもらうためには、心から謝罪を行う必要がありますが、謝罪する機会すら与えてもらえないことも多いですし、謝罪しても受け入れられないことが多いでしょう。
被害者と示談交渉を行う
被害者が話し合いの席についてくれる場合には、被害者と示談交渉を行います。示談交渉では、慰謝料の金額と支払方法を決めます。痴漢の示談の慰謝料相場は、次の項目でも説明しますが、だいたい30万円~50万円です。ただ、事案によって異なりますし、被害者が100万円でないと示談しないと言ったら100万円の支払が必要になることもあります。被害者があまりに高額な金額を希望した場合や、被疑者の方に支払能力が無い場合などには、示談交渉をしても決裂してしまうこともあります。
示談書を作成する
被害者との間でようやく示談が成立したら、その内容を示談書にしなければなりません。示談書には、示談金の金額や支払方法、示談によって、痴漢の民事賠償問題がすべて解決すること、被害者が被疑者への寛大な処分を希望すること、被害者が被疑者への刑事告訴を取り下げることなどを、漏れなく書き込んでおく必要があります。
示談書は2通作成し、被害者と被疑者の双方が署名押印をします。そして、被害者が1通、被疑者が1通所持することとなります。
嘆願書を書いてもらう
被害者との間で示談書を取り交わすとき、一緒に「嘆願書」も書いてもらうことが一般的です。嘆願書とは、検察官や裁判所に対し、被害者から「被疑者への寛大な処分をお願いします」と記載する書類です。
嘆願書があるということは、被害者が「単に被疑者を許している」だけではなく、「被疑者への寛大な処分を積極的に希望している」ということになるので、被疑者の情状が非常に良くなります。単に「示談が成立してお金が支払われている」、というだけの状態より、さらに不起訴処分になる可能性が高くなります。
示談金を支払う
示談が成立したら、速やかに被害者に対し、示談金を支払う必要があります。刑事手続で、被害者との示談を有利に斟酌してもらうためには、単に示談が成立しているだけではなく、支払を終えていることまで必要になるためです。そこで、痴漢の示談金の支払方法は、分割払いではなく一括払いにする必要がありますし、支払期限についても、1ヶ月後などではなく、即時に支払う必要があります。
告訴を取り下げてもらう
示談ができて、示談金を支払ったら、速やかに被害者から刑事告訴を取り下げてもらいます。このことは、示談時にあらかじめ約束しておき、示談書にも書き込んでおく必要があります。刑事告訴を取り下げてもらえたら、検察官に連絡をして、示談書と示談金を振り込んだ証拠(振込証や領収証等)、嘆願書を提出します。すると、検察官が不起訴処分にしてくれます。
痴漢の慰謝料相場
痴漢の示談交渉を行うとき、示談金の相場はだいたい30万円~50万円程度です。ただ、これはあくまで相場であり、実際の金額は、個別のケースによって変わってきます。軽い迷惑防止条例の事案であれば、これより安く10万円程度になることもありますし、被疑者に資力がない場合にも、示談金が安くなる傾向があります。
反対に、悪質な強制わいせつ罪の場合には、100万円、200万円を超える示談金が必要になることがありますし、被疑者の地位や収入が高い場合には、示談金が高額になることが多いです。痴漢事件で、適切な示談金の金額を知りたい場合には、これまでに痴漢事件を多く解決してきた弁護士に確認する必要があります。
痴漢の示談交渉を弁護士に依頼すべき理由
痴漢で捕まったとき、被害者と示談交渉を進めるときには、弁護士に依頼する必要性が高いです。以下で、その理由をご説明します。
被害者の連絡先を入手できる
示談交渉を進めるときには、被害者の連絡先を入手しないとどうにもなりません。ただ、被疑者は被害者の連絡先を知らないことが多いですし、警察や検察官に聞いても教えてもらえることはありません。被疑者が被害者を威迫するおそれがありますし、被害者の個人情報を保護しなければならないからです。
弁護士であれば、被害者の連絡先を把握することができます。弁護士が検察官に連絡をして「被疑者が示談をしたいと言っているので、被害者の連絡先を教えてほしい」と言います。すると、検察官が被害者の意思確認を行い、被害者が「弁護士にのみ、連絡先を教えて良い」と言った場合には、検察官が弁護士に被害者の連絡先を通知してくれます。
このように、弁護士に依頼すると、被害者の連絡先を入手できる可能性があり、示談交渉を開始する糸口をつかむことができます。
被害者の感情を逆なでしない
痴漢の被害者は、非常にナイーブになっているので、示談交渉を進めるときには、慎重に進める必要があります。被疑者やその家族が被害者に連絡をすると、それだけで被害者が感情的になったり恐れたりするので、示談どころではなくなることが多いです。
弁護士であれば、被害者も安心して冷静に話をすることができますし、弁護士の側も、プロとして、被害者の気持ちにも配慮しながら話を進めることができるので、示談交渉がスムーズに進みます。
このように、被害者の感情を逆なですることがない点も、弁護士に示談交渉を依頼する大きなメリットとなります。
示談交渉テクニックを持っている
示談を成立させるためには、テクニックも重要です。相手があまりに大きな金額を要求してきたら、それを減額することも必要です。ただ、やみくもに減額すると、「反省していない」「払う気がないなら、連絡してくるな」などと言われて、示談が決裂してしまいます。そこで、支払える範囲に調整して、上手に被害者を納得させることが必要となるのです。
このようなことは、高等な示談のテクニックを持った弁護士にしかできないことです。
必要十分な対応ができる
痴漢の被害者と示談するときには、単に慰謝料の支払いの約束を取り付けたら終わり、ということにはなりません。同時に「嘆願書」を書いてもらったり「刑事告訴を取り下げる約束」もしてもらったりする必要があります。被疑者が自分で交渉をしていると、こういったことを忘れてしまうこともありますし、こういった要求をしたときに、被害者から「厚かましい。そこまでできない。そんなに言うなら示談しない」などと言われたりして、対応に窮してしまうことがあります。
弁護士であれば、そのような事態に陥ることなく、必要十分な対応ができるので、確実に不起訴処分を獲得することができます。
スピーディに対応できる
痴漢で示談交渉をするときには、とにかく迅速に対応することが重要です。特に身柄事件の場合、23日以内に示談を成立させて、慰謝料を支払い、刑事告訴の取り下げまで行ってもらう必要があります。
被疑者が自分で対応すると、そのようなスピーディな対応ができないことが多いですが、弁護士であれば、初動から示談成立まで速やかに手続きを進めることができます。
痴漢の示談交渉に強い弁護士の探し方
最後に、痴漢の示談交渉に強い弁護士の探し方をご説明します。
痴漢の示談交渉を依頼するには、刑事弁護に積極的に取り組んでいる弁護士を探す必要があります。中でも、痴漢や盗撮などのわいせつ系の事件の取扱い実績、解決実績が高い弁護士を探して、依頼しましょう。弁護士の特徴は、各法律事務所のホームページを見ると、だいたいわかります。刑事事件の流れや痴漢事件の対処方法などの記載のある弁護士事務所を選ぶと良いでしょう。
逮捕された後は時間との勝負なので、とにかく早く連絡を入れて、相談をすることが重要です。
刑事事件に巻き込まれたら弁護士へすぐに相談を
- 逮捕後72時間、自由に面会できるのは弁護士だけ。
- 23日間以内の迅速な対応が必要
- 不起訴の可能性を上げることが大事
- 刑事事件で起訴された場合、日本の有罪率は99.9%
- 起訴された場合、弁護士なしだと有罪はほぼ確実