2020/1/23 2,336view

痴漢の示談金相場はどのくらい?痴漢事件示談までの流れと注意点

この記事で分かること
  1. 痴漢は現行犯逮捕が多い
  2. 痴漢で逮捕されたときは示談を成立させることが重要
  3. 不起訴処分になれば前科がつかない
  4. 示談交渉は弁護士に任せることになる
  5. 示談金の相場は10万円から50万円程

示談金の相場は10万円から50万円ほどといわれていますが、痴漢行為の内容や被害者感情、加害者の社会的地位などによっても変動します。痴漢事件では、示談交渉をスムーズに進め示談成立させることで、不起訴処分となり前科がつかない可能性もありますので、示談交渉の経験が豊富な刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。

痴漢で逮捕された場合の流れ

犯罪行為の内容によって適用される罰則は異なりますが、痴漢行為をした場合でも、それ以外の犯罪行為をした場合であっても、逮捕後の手続きや流れに大きな違いはありません。

ただし、その犯罪行為の性質などによって逮捕のされ方には差が出てきます。下で紹介しますが、現行犯逮捕によって逮捕されるのか、通常逮捕によって逮捕されるのかなどといった違いです。まずはこれらの違いを説明し、具体的にどのような流れで事件が扱われるのか紹介します。

現行犯逮捕

逮捕には「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」の3種類がありますが、実際に行われている多くの逮捕は「現行犯逮捕」または「通常逮捕」によるものです。

現行犯逮捕は、犯行をした場においてされる逮捕のことで、警官ではない一般の人であってもすることができます。そのため、電車内で痴漢をした場合、近くにいた一般人に捕まえられ警察に引き渡されるという可能性があります。

痴漢行為で逮捕される場合には、現行犯逮捕が行われることが多いです。

通常逮捕

逮捕は原則令状を用意した上でされなければなりません。そのため、現行犯逮捕は原則的な通常逮捕と比べると例外的な逮捕のやり方と言えます。

通常逮捕の場合、被害者からの被害届・告訴状などをきっかけに令状が出されるため、通常逮捕では、結果的に犯行からしばらく期間が空くことになります。事件が複雑、もしくは行為者の特定に時間がかかれば、その分捕まるまでの期間は長くなります。

逮捕・勾留されると長期間の身柄拘束となる

逮捕されると警察に身柄が拘束され、最大48時間の制限時間のもと取調べを受けることになります。その後も捜査が必要、身柄を拘束する必要があるとみられる場合には検察に身柄が移され、そこで最大24時間過ごすことになります。

検察官は起訴・不起訴を判断することになりますが、必要に応じて勾留請求がなされます。逮捕後は警察での48時間、そして検察での24時間という時間制限があるため、捜査に時間が足りていないこともあります。

そこでさらに10日間身柄拘束を継続するために、裁判官に対して勾留請求を行います。最大10日間の追加もでき、非常に長い期間留置場で拘束される可能性が出てきます。

在宅事件であれば自宅で生活できる

逮捕されたからといって必ずしも拘束されるわけではありません。身柄拘束をするのはその必要性が認められた場合のみです。

犯人が逃走するおそれや、証拠を隠すおそれがあると判断された場合などに限られます。そのため、特に拘束せず、在宅事件として扱い捜査を受けるケースも珍しくありません。その場合、捜査に協力をしていれば自宅でこれまで通りの生活を送れるようになります。

刑事裁判が始まる

最終的に起訴が決まれば刑事裁判が始まることになり、不起訴であれば釈放されます。この裁判で有罪となれば法定刑に基づいて宣告がなされます。

痴漢の場合、主に迷惑行為防止条例違反もしくは強制わいせつ罪にあたることが考えられます。条例に関しては都道府県ごとに差異がありますが、多くは「懲役6か月以下または罰金50万円以下」と定められています。また、迷惑行為防止条例という名前も正式名称ではなく、地域によって名称は違いますので注意しましょう。

強制わいせつ罪の場合「懲役6か月以上10年以下」とされており、条例違反よりも重く設定されています。そのためより悪質な痴漢行為に関しては強制わいせつ罪が適用され、比較的軽微な行為に関しては条例で罰することになります。

この判別には犯行の具体的内容を考慮しなければなりませんが、基本的には下着の中に手を入れて触るかどうかということに着目します。

ワンポイントアドバイス
痴漢で逮捕された場合、強制わいせつ罪になるか迷惑防止条例違反になるかによって大きく結果が異なります。また、痴漢で逮捕されそうな場合には、逮捕される前に刑事事件に強い弁護士に相談することも重要です。

痴漢事件での示談の重要性

示談は痴漢事件において必ず行われるものではありません。また、痴漢事件に固有のものでもありません。まずは、示談とは何か、交渉の流れや、示談を成立させることでどのような効果が期待できるのか、ということを見ていきましょう。

示談とは

「示談」とは、事件の賠償金をめぐるトラブルを、当事者間の話し合いで解決するというものです。私法上の紛争に限定されますが、両者の合意により示談は成立します。そのためどちらかが一方的に交渉を進めることはできず、加害者であっても被害者の要求すべてを受け入れる必要はありません。

示談交渉の流れ

示談交渉をする場合は、交渉を始めるタイミングやその方法などは自由です。そのため、加害者から持ち掛けることも、被害者から持ち掛けることも自由で、逮捕される前の段階からも交渉できます。もちろん、逮捕後に示談交渉することもできます。

ただし、よくあるケースは逮捕されてからの交渉です。拘束されている場合には弁護士に依頼して進めるようになるでしょう。在宅事件であれば加害者自ら交渉できるかもしれませんが、連絡先を知らないことも考えられますので、やはり弁護士に頼むことになります。

弁護士に依頼することで、検察官を通して被害者の連絡先を要求することができます。被害者がこれに承諾することで弁護士にのみ連絡先が渡り、交渉が進められていきます。

示談成立による効果

すでに説明した通り、示談で直接の効果があるのは私法上の紛争です。刑事裁判に関して確定的な効果を持つものではありません。しかし、示談が成立しているということは実質的には刑事裁判およびその前段階においても意味があります。

被害者との示談が成立していることで、不起訴を獲得するために有利に働き、不起訴処分獲得の可能性が高まります。ただし、あくまでも示談が成立しているかどうかは起訴・不起訴の判断における一材料でしかありませんので、悪質な行為であった場合や、前科があるようなケースでは起訴を免れることは難しいでしょう。

このことは宣告される刑にも影響してきます。起訴されてしまったとしても、示談を成立させておくことで比較的軽い処罰で済む可能性も高くなります。また、できるだけ早い段階で示談を成立させれば早期釈放も可能性としては考えられます。特に勾留は拘束期間が長くなってしまいますので、その決定前に成立させるのが良いでしょう。

刑事手続に関すること以外にももうひとつ、大きな意味があります。それは将来の民事裁判で訴えられることを防ぐことができるということです。示談交渉をしていない場合、被害者側が刑事裁判とは別に民事裁判を提起し、そこで慰謝料を含む損害賠償の請求をしてくることが考えられます。

結局、示談金としてその分の支払いをするのであれば、示談でも民事裁判でもどっちでもいいように思うかもしれません。しかし民事裁判を進めることへの労力や、刑事裁判への効果も合わせて期待できることを考慮すればやはり早期に示談を成立させておくことが望ましいでしょう。

ワンポイントアドバイス
痴漢で逮捕された場合であっても、不起訴処分を勝ち取ることで前科をつけずに解決できる可能性があります。そのために重要なことが示談を成立させることですが、示談交渉は実質的に弁護士に依頼することがほぼ必須になります。また、刑事事件の示談交渉ではスピートがとても重要になりますので、刑事事件に強い弁護士をなるべく早く探して相談するようにしましょう。

痴漢事件の示談金の相場

痴漢で逮捕され示談交渉を進める場合、示談金の額は気になるポイントだと思います。示談は当事者間の合意によって成立するため、基本的には金額設定も自由です。しかし、相場があることも確かですので目安のひとつとして知っておくと良いでしょう。

10万~50万円が相場

結論から言うと、痴漢事件における示談金の相場は10万~50万円です。ただしこれはあくまで目安であることに注意しましょう。痴漢事件の具体的内容によってはまったく異なる金額になる可能性もあります。また、10万円から50万円という広い範囲があるものの、30万円を超えるケースは痴漢事件としてはやや高額であるとも言われています。

示談金が100万円以上になることも

比較的軽微な事件では100万円を超えるケースはレアであると言えるでしょう。しかし、迷惑防止条例違反ではなく強制わいせつ罪に該当し、さらに非常に悪質な行為をはたらいていた場合には100万円以上になることも考えられます。

相場は民事裁判の例による

示談金のこのような相場は、民事裁判で請求される損害金の額が関係しています。示談が成立しなかった場合、被害者が請求を諦めなければ民事裁判上で損害賠償の回収が図られます。

そのため、被害者の提示した金額が民事裁判で認められる金額よりあまりにも高い場合、加害者としては示談を成立させるより民事裁判をした方がいいだと考えるでしょう。その結果、示談金の相場が民事裁判で請求できる金額と近いものになってくるのです。

痴漢事件の示談金を決定づける要因

痴漢事件の示談金の具体的な金額は、主に以下の内容を考慮して決定されます。

  • 痴漢をしたその行為の悪質性
  • 被害者の持つ処罰感情の強さ
  • 被害の程度
  • 加害者の経済力
  • 加害者の社会的地位

加害者の経済力が大きいほど示談金が大きく設定される可能性は高くなり、社会的地位に関しても同様にやや比例関係にあると言えるでしょう。ただし、これらが必ずしも考慮され、定額で加算されるようなことではありません。

また、これらとは異なる観点で金額が変わることもあります。それは交渉を行うタイミングです。すでに説明した通り、示談は刑事手続においてできるだけ早い段階で成立させておくことに意味があります。そのため被害者側としては起訴前など、早い段階であれば強気で交渉でき、高額に設定することもあるでしょう。加害者側も、少し相場より高いと感じても、これに応じる価値はあると言えます。

示談金は被害者側の指定により渡し方が決まる

無事成立したとして、示談金はどのように渡すことになるでしょうか。

在宅事件であれば直接手渡しも可能でしょう。しかし実際は相手の指定する銀行口座に振り込むという方法がよく採られています。身柄拘束の有無を問わず、弁護士を通して示談することが多いため、振り込みに関しても弁護士にお金を預けて支払ってもらうということが行われています。

ただし、銀行口座への支払いというのは決まりではなく、合意によって定められるものです。被害者側がこれを指定することがほとんどで、心情的にも加害者側とはできるだけ会いたくないということもあり口座への振り込みという方法が多く採られています。

ワンポイントアドバイス
痴漢事件の示談金相場は10万円〜50万円程度ですが、痴漢行為の内容だけでなく、被害者の感情や加害者の社会的地位によっても示談金の金額は異なります。不起訴処分との兼ね合いなども含めて経験がなければ難しいことも多いため、示談交渉は経験豊富な弁護士に任せることをおすすめします。

示談交渉で注意すべきこと

示談は当事者双方にメリットがありますが、前科をつけたくないと考える加害者には特に重要になってきます。そこでできるだけ効果的に示談を行うためにも以下のことに注意しましょう。

示談書を作成すること

示談が成立した場合、その内容を「示談書」にまとめるようにしましょう。示談書は証拠にもなりますので、必須ではないものの、示談が成立した場合には、通常は示談書が作成されます。これによって、将来のトラブルを防止することもできるでしょう。

示談書には痴漢が起こった日時や場所、当事者の氏名などを記載し、事件の内容が特定できるようにしなければなりません。ほかにも支払う金額やその方法、サイン、分割払いにする場合にはその旨などを記載することになります。これらをミスなく行うためにも、そして、そもそも示談の成功率を上げるためにも弁護士を依頼するようにしましょう。

早期に交渉を行うこと

早期に示談交渉をすることは不起訴獲得などに効果があると言いましたが、示談交渉を被害者側に持ちかけてから成立するまでに時間がかかることもありますので、そういった意味でも早めに着手しておく必要があると言えます。

たとえば、示談交渉を持ちかけたあと、相手がこれになかなか合意せず、数日から十数日かかってしまうこともあるでしょう。その間に起訴処分となってしまうかもしれません。

支払いまで素早く済ませること

示談を成立させるだけではいけません。支払いまできっちりと済ませておかなければ期待する効果が得られません。

示談交渉が終わっているにもかかわらず、そして支払い能力があるにもかかわらずおろそかにしていると、痴漢行為についてもあまり反省していないように見られてしまうおそれもあります。

示談金の振り込みをした場合などには、そのことが示せるようにしてもらいましょう。

ワンポイントアドバイス
これらの示談交渉時の注意点は、弁護士に示談交渉などを任せれば問題になることはないといえるでしょう。スムーズに示談を成立させるためにも、示談交渉は弁護士に依頼するようにしましょう。

痴漢の示談交渉・示談金については弁護士に相談!

示談とは私法上の紛争を、当事者間の話し合いによって解決することを言います。痴漢被害に対する慰謝料等を、民事裁判を経ることなく回収することができます。そして刑事裁判に関しても一定の効果があり、加害者としては不起訴が獲得できる可能性が高くなること、刑が軽くなることなどが期待できます。

示談金の相場は10万円から50万円ほどといわれていますが、迷惑条例違反に該当する程度の行為はなく強制わいせつ罪に該当する程度であれば10万円から50万円よりも高額になる傾向があります。ただし、事件を総合的に捉えたうえで、当事者間の交渉で示談金は決められますので、非常に悪質な場合や被害が大きい場合などには100万円を超すこともあるでしょう。

示談交渉をスムーズに進め示談成立させることで、不起訴処分となり前科がつかない可能性もありますので、まずは弁護士に相談することが重要です。また、弁護士に相談するときには、刑事事件の経験豊富な「刑事事件に強い弁護士」に相談することをおすすめします。

刑事事件はスピードが重要!
刑事事件に巻き込まれたら弁護士へすぐに相談を
逮捕後72時間、自由に面会できるのは弁護士だけ。
23日間以内の迅速な対応が必要
不起訴の可能性を上げることが大事
刑事事件で起訴された場合、日本の有罪率は99.9%
起訴された場合、弁護士なしだと有罪はほぼ確実
上記に当てはまるなら弁護士に相談