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接見に弁護士を呼ぶには?費用と流れ

この記事で分かること

  • 接見とは何かと弁護士接見と家族面会の違い
  • 早期接見が重要な二つの理由
  • 接見に弁護士を呼ぶ三つの方法
  • 当番弁護士・私選・国選の使い分け
  • 接見当日の流れと家族がすること
  • 接見にかかる費用の考え方
  • 接見で弁護士に伝えるとよいこと

接見とは身柄拘束された人と面会することで、逮捕直後の最大72時間は家族が会えず本人と話せるのは弁護士だけです。接見を呼ぶ方法は当番弁護士(無料)、私選、国選の三つ。費用や急ぎ度合いで使い分けられます。家族が早く動き弁護士を本人のもとへ向かわせることが、孤立した本人を支える最も有効な一手になります。

刑事事件に強い弁護士を探す

家族が突然逮捕された――その知らせを受けたとき、頭が真っ白になってしまう方は少なくありません。会いたい、話したい、何が起きているのか知りたい。けれど警察署に駆けつけても、すぐには会わせてもらえない。そんなもどかしさの中で、多くの方が「弁護士に接見を頼めると聞いたけれど、どうすればいいのか」と検索されます。

接見とは、逮捕・勾留されている人と面会することです。とりわけ逮捕直後は、家族でも面会できない時間帯があり、本人と話せるのは弁護士だけ、という場面があります。この記事では、接見に弁護士を呼ぶ方法、その費用、当日の流れを、弁護士の視点からわかりやすくお伝えします。あわせて、接見で何ができるのか、なぜ早さが大切なのかにも触れていきます。今まさに動かなければならない方が、迷わず一歩を踏み出せるよう、順を追って整理していきます。読み終えるころには、次に何をすればいいかがはっきりと見えているはずです。

急いでいる方へ
逮捕の一報を受けたら、できるだけ早く弁護士に接見を依頼するのが理想です。まずは「接見を頼む方法」の章だけでも先に読んでください。動き出すのが早いほど、打てる手は多く、本人を支えられます。

そもそも「接見」とは何か

まず、言葉の意味を確認しておきましょう。「接見」とは、逮捕・勾留されて身柄を拘束されている人と面会することを指します。一般の方が使う「面会」とほぼ同じ意味ですが、刑事手続の中では「接見」という言葉が使われます。聞き慣れない言葉かもしれませんが、要するに「拘束されている人に会いに行くこと」だと考えてください。誰が、どんな条件で会えるのかが、立場によって変わってくるのがポイントです。

接見には、大きく分けて二つの種類があります。一つは弁護士による接見、もう一つは家族や知人による一般面会です。この二つは、できることもルールも大きく異なります。違いを知っておくことが、適切に動くための第一歩になります。

「家族なのだから、すぐに会えるはずだ」と考えていると、警察署で思わぬ壁にぶつかることがあります。逮捕直後は、家族であっても面会を断られる場合があるのです。せっかく駆けつけても会えずに引き返すことになれば、不安はいっそう募ります。なぜそうなるのか、誰なら会えるのかを知っておくだけで、いざというときに落ち着いて対応できます。

弁護士の接見と家族の面会はどう違うのか

弁護士の接見には、家族の面会にはない大きな特徴があります。立会人なしで話せること、時間や回数の制限が原則ないこと、そして逮捕直後の家族が会えない時間帯でも面会できることです。これらは、被疑者の権利を守るために法律上保障されているものです。逮捕された人には、弁護士という専門家の助けを受ける権利が認められています。その権利を実質的なものにするために、弁護士との接見は手厚く保障されているのです。

一方、家族の面会は、警察官などの立会いのもとで行われ、時間も回数も限られます。さらに、逮捕直後の段階では、そもそも家族の面会が認められないことがあります。だからこそ、この時期に本人と話せる弁護士の存在が、とても大きな意味を持つのです。

立会人がいるかどうかは、想像以上に大きな違いを生みます。立会人のいる面会では、事件の核心に触れる話はしにくく、本人も本音を打ち明けづらいものです。これに対し、弁護士との接見は二人だけで行われるため、本人は安心して事実を話し、率直に不安を相談できます。本人の言い分をきちんと聞き取れるからこそ、弁護士は的確な助言を返せるのです。誰にも聞かれずに本当のことを話せる場が、どれほど本人の支えになるか。これは実際に接見の現場に立つと、強く感じる点です。

項目 弁護士の接見 家族の面会
立会人 なし 原則あり
時間・回数 原則制限なし 制限あり
逮捕直後 面会できる できないことがある

なぜ早期の接見が重要なのか

「少し落ち着いてから弁護士を頼もう」と考える方がいます。気持ちはよく分かります。家族が逮捕されて混乱しているなかで、すぐに弁護士を探すのは簡単なことではありません。けれど、刑事事件において接見は早ければ早いほど意味があります。落ち着くのを待っている間にも、手続は刻々と進んでいくからです。その理由を、二つの角度からお伝えします。

取調べは逮捕直後から始まる

逮捕されると、取調べはすぐに始まります。そこで作成される供述調書は、その後の手続で重要な証拠として扱われます。法的な知識がないまま、不安と緊張の中で話した内容が、意図しない形で記録に残ってしまうことがあるのです。この調書は、検察官が起訴・不起訴を判断する際の重要な材料にもなります。だからこそ、取調べが本格化する前に弁護士の助言を受けられるかどうかが、その後を大きく左右します。

弁護士が早い段階で接見すれば、黙秘権という権利の使い方や、取調べでどう対応すべきかを本人に伝えられます。一人で取調べに臨むのと、見通しを持って臨むのとでは、心の余裕がまるで違います。最初の対応が、後の結果を左右することは現実にあります。

たとえば、取調べでいったん署名してしまった供述調書は、後から「あれは違った」と覆すのが容易ではありません。その場の勢いや誤解で事実と異なる内容を認めてしまうと、それが後々まで影響することがあるのです。だからこそ、調書に署名する前の段階で、内容を確認し、納得できないところは訂正を求めるという基本的な姿勢を、弁護士が本人に伝えておく必要があります。こうした権利は、知らなければ使えません。早期の接見は、本人にその知識を届ける機会でもあるのです。

家族が会えない72時間を埋める

逮捕されてから、検察官が勾留を請求するかどうかを判断するまでの最大72時間は、家族であっても面会できないのが原則です。この間、本人は外の情報から切り離され、強い不安の中に置かれます。弁護士の接見は、この空白の時間に本人と外をつなぐ唯一の手段になります。

72時間というと短く感じるかもしれません。けれど、留置場の中で外と完全に切り離されて過ごす本人にとって、その時間はとてつもなく長いものです。これからどうなるのか分からない、家族はどうしているのか分からない。そうした不安が募るなかで、唯一会いに来てくれる弁護士の存在は、本人の心を大きく支えます。見通しを伝えてもらえるだけで、人は落ち着きを取り戻せるのです。逆に、誰とも話せないまま放置されれば、冷静さを失い、不利な対応をしてしまいかねません。接見は、本人を守る防波堤の役割も果たします。

「家族は味方だと伝えてほしい」「落ち着いて対応してほしい」――こうした家族の思いを本人に届け、本人の様子を家族に伝える。この橋渡しが、孤立した本人をどれだけ支えるか、現場にいると痛感します。

さらに、被害者がいる事件では、早い段階で示談に向けて動き出せるかどうかが結果を左右します。接見を通じて本人の意向を確認し、被害者対応の準備を進められるのも、早期接見の大きな価値です。

身柄を拘束されている本人に代わって、外で動けるのは弁護士だけです。だからこそ、早く接見し、早く動き出すことに意味があります。被害者への謝罪も、証拠の確認も、家族との連絡調整も、本人は留置場の中からは進められません。その役割を担えるのが弁護士なのです。一日の遅れが、打てる手の数を減らしてしまうこともあります。

弁護士の視点
逮捕直後の本人は、想像以上に追い詰められています。「認めれば早く出られる」と言われ、事実と違っても認めてしまう。そんな事態を防ぐためにも、早い接見には大きな価値があります。最初に正しい見通しを持てるかどうかが、その後を左右します。

接見に弁護士を呼ぶ方法

では、実際にどうすれば弁護士に接見へ来てもらえるのでしょうか。意外と知られていませんが、方法は一つではありません。主な手段を三つ整理します。費用や急ぎ度合いに応じて、自分の状況に合うものを選んでください。どれを選んでも、本人のもとへ弁護士を向かわせることができます。

方法①|当番弁護士を呼ぶ

逮捕された本人やその家族は、「当番弁護士」を呼ぶことができます。当番弁護士は、各地の弁護士会が運営している制度で、逮捕された人のもとへ一度、無料で接見に来てくれます。本人が警察官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えるか、家族が弁護士会に連絡することで利用できます。費用のことを心配せずに、まず専門家の助言を受けられるのが、この制度の大きな利点です。逮捕されてどうすればいいか分からないとき、最初の一歩として覚えておくと心強いでしょう。

当番弁護士による接見は無料ですが、来てくれるのは原則一回限りです。その後も継続して弁護を依頼したい場合は、あらためて契約を結ぶことになります。まずは状況を相談したい、というときに役立つ入り口です。

当番弁護士の制度は、どんな人でも逮捕直後に弁護士の助言を受けられるように設けられたものです。「弁護士に頼むお金があるか分からない」「そもそも誰に頼めばいいか分からない」という段階でも、まず一度、専門家と話せる。この最初の接点があるかないかで、その後の動き方は大きく変わります。当番弁護士に来てもらったうえで、継続して依頼するかをじっくり考えればよいのです。

方法②|私選弁護人に依頼する

自分で弁護士を選んで依頼するのが「私選弁護人」です。家族が刑事事件に詳しい法律事務所に連絡し、接見を依頼すれば、弁護士が本人のもとへ向かいます。私選であれば、逮捕直後の早い段階から、継続して弁護活動を任せられるのが大きな利点です。当番弁護士のように一回で終わることなく、最初から最後まで同じ弁護士が本人に寄り添えます。

「すぐに動いてほしい」「経験豊富な弁護士に最初から最後まで任せたい」という場合は、私選弁護人への依頼が有力な選択肢になります。多くの事務所が、夜間や休日の緊急対応にも応じています。

私選の大きな利点は、逮捕直後という最も重要な時期から、同じ弁護士が一貫して関わってくれることです。当番弁護士のように一回限りではなく、接見、取調べへの助言、被害者との示談交渉、身柄解放に向けた活動まで、切れ目なく任せられます。刑事事件を数多く手がけている事務所であれば、難しい局面での対応にも経験があります。本人にとって最良の結果を目指すなら、早い段階で信頼できる私選弁護人に依頼することを検討してください。

方法③|国選弁護人を待つ

三つ目は国選弁護人です。勾留が決まった段階以降、経済的に弁護士を依頼するのが難しい場合には「国選弁護人」がつきます。費用は国が負担するため、経済的な不安がある方にとっては心強い制度です。ただし、自分で弁護士を選ぶことはできず、つくタイミングも勾留後になります。逮捕直後の対応を重視するなら、まずは当番弁護士や私選弁護人を検討するとよいでしょう。

国選と私選には、それぞれ向き不向きがあります。国選は費用面の安心がある反面、弁護士を選べず、つくのも勾留後です。私選であれば、刑事事件の経験が豊富な弁護士を自ら選び、逮捕直後から切れ目なく依頼できます。早期の示談や身柄解放を重視するなら私選を、費用を最優先にするなら国選を、といった具合に、状況に合わせて選ぶとよいでしょう。どちらが自分に合うか分からないときも、まずは当番弁護士に相談すれば、制度の使い分けについて助言をもらえます。

接見当日の流れ

弁護士に接見を依頼したあと、実際にはどのように進むのでしょうか。初めてのことばかりで、何がどう進むのか想像しづらいと思います。家族の立場から見た一連の流れを、順番に追ってみましょう。流れが分かれば、落ち着いて対応できます。

  • 家族が法律事務所または弁護士会に連絡し、接見を依頼する
  • 本人がどこの警察署に留置されているかを伝える
  • 弁護士が留置先の警察署へ向かい、本人と接見する
  • 接見後、弁護士から家族へ本人の様子や今後の見通しが共有される
  • 継続して依頼する場合は、委任契約を結んで弁護活動を開始する

もし本人がどこに留置されているか分からない場合でも、逮捕の連絡があった警察署に問い合わせれば確認できることがあります。情報が少なくても、まずは弁護士に相談すれば、必要な確認を一緒に進められます。一人で抱え込まず、頼ってください。

接見を依頼してから弁護士が本人に会うまでの時間は、留置先の場所や時間帯によって変わります。それでも、家族が動けない時間帯であっても、弁護士は本人のもとへ向かえます。接見を終えた弁護士からは、本人がどんな様子だったか、健康状態は問題ないか、今後どのような手続が予想されるかといった情報が共有されます。会えない不安の中にいる家族にとって、本人の生の様子が伝わることは、何よりの安心材料になるはずです。

注意
「もう少し様子を見てから」と数日待つうちに勾留が決まり、身柄拘束が長期化することがあります。いったん勾留されると、原則10日、延長でさらに10日も拘束が続きます。逮捕の一報を受けたら、その日のうちに動くのが理想です。迷っている時間が惜しいのです。

接見にかかる費用の考え方

気になるのは費用のことだと思います。弁護士を頼むとなると、いくらかかるのか不安になるのは当然です。費用が分からないせいで相談をためらってしまう方も少なくありません。接見にかかる費用は、当番弁護士・私選・国選のどの方法を選ぶかによって大きく変わります。それぞれの考え方を整理しておきましょう。

当番弁護士は無料、私選は契約による

当番弁護士による最初の接見は無料です。費用の心配なく、まずは弁護士と話せます。これは、逮捕された誰もが利用できる仕組みです。一方、私選弁護人に継続して依頼する場合は、接見だけでなく、その後の弁護活動全体に対して費用がかかります。継続的に弁護を任せるぶん、当番弁護士の一回限りの接見とは費用の性質が異なるのです。

刑事事件の弁護士費用は、一般に「着手金」「報酬金」「実費」「日当」で構成されます。着手金は依頼時に支払う費用、報酬金は不起訴や執行猶予といった成果に応じて支払う費用です。金額は事件の内容や事務所によって幅があるため、具体的な額は依頼前に必ず確認してください。きちんとした事務所であれば、費用の見通しを丁寧に説明してくれます。

大切なのは、費用の総額と内訳、そしてどんな成果に対して報酬が発生するのかを、契約前にきちんと確認しておくことです。後から想定外の請求に驚くことのないよう、不明な点は遠慮せず質問してください。きちんとした事務所なら、見積りや委任契約書で費用の見通しを示してくれます。費用の説明を丁寧にしてくれるかどうかは、信頼できる弁護士を見極める一つの目安にもなります。

弁護士費用の構成着手金+報酬金+実費+日当

費用が心配なときの選択肢

経済的な負担が大きい場合には、国選弁護人や、国が費用を立て替える法テラスの制度を利用できることがあります。「費用が払えないから弁護士を頼めない」とあきらめる前に、まずは当番弁護士に相談し、使える制度を確認してください。入り口は、思っているより開かれています。

費用を理由に相談そのものをためらってしまうと、動けるはずだった時間を失うことになりかねません。当番弁護士の最初の接見は無料ですから、まずはそこで状況と費用の見込みを聞き、そのうえで継続の依頼を判断すればよいのです。お金の不安は、正面から確認することで初めて解消されていきます。一人で抱え込まず、まずは制度の入り口を叩いてみてください。

接見で弁護士に伝えるとよいこと

弁護士が接見に行く際、家族から事前に情報を伝えておくと、接見がより充実したものになります。限られた時間を有効に使うためにも、最初に伝えておきたいことを整理しておきましょう。もちろん、すべてを完璧にそろえる必要はありません。分かる範囲で構いません。

たとえば、本人の健康状態や持病、服用している薬のこと。事件についてわかっている範囲の事情。被害者がいる場合は、その関係性。本人や家族が特に心配していること。こうした情報があれば、弁護士は接見でより的確に本人を支えられます。もちろん、わかる範囲で構いません。すべてを把握していなくても問題はありません。情報が断片的でも、弁護士が必要なことを整理してくれます。

とくに被害者がいる事件では、その後の示談交渉の見通しを立てるうえでも、関係性の情報が役立ちます。接見で本人の意向を確認し、不起訴を目指すうえで何ができるかを早い段階から検討できるのです。

こうして接見で得た情報をもとに、弁護士は今後の方針を組み立てていきます。最初の接見は、その後の弁護活動の出発点になるのです。本人の言い分、事件の状況、被害者との関係――これらを踏まえて、不起訴を目指すのか、身柄解放を優先するのか、どこに力を注ぐべきかが見えてきます。だからこそ、家族からの情報提供は、弁護活動全体を支える土台になります。

伝えておくと役立つこと
本人の健康状態・持病・服薬/事件について分かっている事情/被害者との関係/家族が特に心配していること。こうした情報は、弁護士が接見で本人を支えるうえで役立ちます。断片的でも構いません。話せる範囲で伝えてください。

よくある質問

夜間や休日でも接見を頼めますか?

対応している事務所であれば、夜間・休日でも接見が可能です。逮捕は時間を選ばないため、緊急連絡に応じてくれる事務所を選ぶと安心です。深夜に逮捕の連絡を受けて途方に暮れる前に、対応時間を確認しておくと、いざというとき迷わず動けます。

家族ではなく友人でも当番弁護士を呼べますか?

本人が警察官に依頼すれば呼べます。家族以外の方が弁護士会へ連絡して手配することもできますので、まずは弁護士会に問い合わせてみてください。本人と連絡が取れない状況でも、周囲の人が動くことで弁護士の接見につなげられる場合があります。

接見の内容を家族が聞くことはできますか?

接見そのものは弁護士と本人だけで行われますが、接見を終えた後に、弁護士から本人の様子や今後の見通しを聞くことができます。本人が話した事件の詳しい内容については、本人の意向もあるため、すべてがそのまま家族に伝えられるとは限りません。それでも、健康状態や全体的な見通しなど、家族が知っておくべきことは共有されます。

一度当番弁護士を呼んだら、必ず依頼しなければなりませんか?

いいえ。当番弁護士の接見を受けたあと、継続して依頼するかどうかは自由に決められます。話を聞いたうえで判断して構いません。当番弁護士に依頼せず、別の事務所に私選で依頼することもできます。まずは見通しと費用の説明を受け、納得できる弁護士に依頼するのがよいでしょう。最初の接見は、本人が弁護士に相談できる、大切な最初の場でもあるのです。

まとめ|接見の一歩が、本人を支える

家族が突然逮捕されたとき、自分にできることなど何もないように感じてしまうかもしれません。連絡も取れず、面会もできず、何が起きているのかも分からないまま、ただ時間だけが過ぎていく。その無力感や焦りは、実際に経験した人にしか分からない、重く苦しいものです。けれど、弁護士に接見を依頼するという一歩は、確かに本人を支える具体的な行動です。逮捕直後の会えない時間を埋め、取調べへの対応を支え、外にいる家族の思いを本人に届ける。それらはいずれも、本人と立会人なしで自由に面会できる、弁護士という専門家だからこそできることなのです。外にいる家族にできる最も有効な一手が、まさにこの接見の依頼だと言ってもよいでしょう。

当番弁護士なら無料で一度、私選弁護人なら継続して、本人のもとへ弁護士を向かわせることができます。費用や手続のことで迷う気持ちは当然ですが、迷っている間にも、手続は刻一刻と進んでいきます。とくに逮捕直後の最初の72時間は、原則として家族でも面会できない、本人が最も孤立しやすい時間です。この最初の時間をどう過ごすかによって、その後の展開そのものが変わってくることもあるのです。だからこそ、この時期に弁護士が動けることの意味は大きいといえます。

まずは弁護士に連絡してみてください。手元の情報が少なくても、何から始めればいいか分からなくても、構いません。刑事事件に詳しい弁護士が、あなたと一緒に、次の一歩を考えてくれます。完璧に状況を整理してから動こうと思う必要はありません。分からないことだらけのまま相談していただいて構いません。家族であるあなたが早く動くこと、それ自体が、留置場の中で不安を抱える本人にとって、何よりの支えになります。接見という一歩は、留置場にいる本人に必ず届きます。どうか、一人で抱え込まないでください。

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