2020/6/26 2,715view

支払督促は弁護士に相談を!督促から弁護士に依頼するメリットと費用の相場

この記事で分かること
  1. 支払督促だけなら弁護士費用は高くない
  2. 支払督促について弁護士ができるのは書類作成だけ
  3. 弁護士費用の着手金や成功報酬は事案によって異なります。
  4. 本当に弁護士の力が必要となるのは支払督促に付随する論点

債権回収は手当たり次第に行動するよりも素早く確実性の高い方法を選ぶことで成功率を高めます。債権回収に慣れた弁護士に相談することができれば適切なタイミングでの支払督促ができる上、支払督促よりも最適な方法が提案されることもあります。 支払督促をする上で気をつけるべき論点は裁判所の管轄や督促異議申し立ての可能性で、そういったものを無視すると自宅から数100km以上離れた場所で裁判することになる場合があります。こんなことにならないよう、法的手続きは弁護士とともに行いましょう。

支払督促を弁護士に依頼した場合の流れ

支払督促とは、裁判所に申し立て債務者に支払督促をする手続きのことです。支払督促は債務者との話し合いが無いため簡便な手続きである一方、督促異議申し立てによって理由を問わず効果を失います。

支払督促を弁護士に依頼した場合、弁護士が代わりに手続きを行ってくれます。具体的には支払督促の申し立て書作成と仮執行宣言の申し立てという2つのプロセスをお願いできます。

また、支払督促の前後も含めるとこのような流れです。

  1. 相談
  2. 支払督促
  3. 訴訟あるいは強制執行

支払督促が通れば仮執行宣言がされて強制執行可能となります。債務者が督促異議申し立てをすれば訴訟に移行します。

債権回収は実際にお金を取り戻すまで終わらないため、支払督促だけで解決できなければそれ以降の弁護士費用も発生します。

ワンポイントアドバイス
支払督促は自分で行うことも可能ですが、書類作成に自信がなければ弁護士に依頼した方が良いです。

支払督促にかかる弁護士費用の相場

支払督促は、手続き自体は簡単で法的知識の乏しい素人でも独力で行うことができます。しかし前述の通り、必要書類も多く、慣れていないとその作成を負担に感じることもあるでしょう。弁護士に依頼すれば、書類作成等を全て一任できます。ここでは支払督促を弁護士に依頼した場合の費用について解説します。
支払督促にかかる弁護士費用には、弁護士への相談料と事件に着手する際の着手金、うまくいった時に支払う成功報酬、そして実費があります。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬
  • 実費

相談料の相場

支払督促に限らず弁護士に法律相談をする場合は、相談料がかかるのが基本です。交通事故や債務整理など個人向けの法務で無料相談をうたっている法律事務所も多数ありますが、債権回収は法人やビジネスとしての相談事例が中心となることから費用は発生するものと考えておいた方が良いでしょう。
費用は1時間10,000円程度が一般的な相場です。

着手金の相場

着手金の相場は債権額の0.5〜2%です。

支払い督促における弁護士の着手金相場
経済的利益が300万円以下  当該額の2%程度
経済的利益が300万円~3000万円   当該額の1%程度 
経済的利益が300万円~3億円 当該額の0.5%程度

着手金の比率は債権額が高くなるほどに下がります。支払督促自体はそこまで難しい手続きでないことから、費用も他の手続きに比べて安めです。
中には着手金をゼロとしている法律事務所や、10万円、15万円と定額を定めている法律事務所もあります。

また、支払督促だけで解決しなかった場合は他の手段についても着手金が発生します。

成功報酬の相場

成功報酬は弁護士事務所によって異なりますが、金額が大きいほど高くなります。比率だけなら15〜20%が相場です。しかし実際に返ってきた金額なのか、債務名義に書かれた金額なのか、母数を確認することが大事です。
成功の定義はトラブルになりやすいので気を付けましょう。

実費の相場

申し立て費用は裁判をする場合の半額ほど、その他切手代などが必要となります。こちらは裁判所によって決まるため弁護士事務所の違いはありません。
詳細は次の章で解説します。

ワンポイントアドバイス
支払督促の費用は安めですが、「支払督促だけで解決するケースは少ない」ということを念頭に全体でどれだけ弁護士費用がかかるか計算しておくことがお勧めです。また、弁護士事務所によって費用の形態は異なるため、複数の弁護士で比較をする際は必ず、それぞれの弁護士事務所から見積もりをもらうことが重要です。

支払督促の手続きにかかる費用

ケースによって幅はあるものの、支払督促にかかる費用は裁判と比較して随分と安く済みます。手続きにはどんな費用が必要なのか見ていきましょう。

申立て手数料

支払督促の申立ての際に、裁判所に納める収入印紙代が必要になります。その額は訴訟における手数料の半額で、請求する金額に応じて以下の通りに算出されます。詳細については裁判所ホームページに手数料早見表があります。http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf

参考:別表(民事訴訟費用等に関する法律別表第1(第3条,第4条関係))
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/20161001minsohiyouhoubeppyou1.pdf

100万円以下  10万円につき500円
100万円~500万円 20万円につき500円
500万円~1000万円 50万円につき1000円
1000万円~10億円 100万円につき1500円
10億円~50億円  500万円につき5000円
50億円以上  1000万円につき5000円

なお、支払督促に異議申立てがなされ通常訴訟に移行した場合には、申立て費用が訴訟費用に充当されることになります。従って申立て費用が無駄になることはないので、その点は心配要りません。

支払督促正本送達費用

支払督促正本を債務者に送達するために裁判所収める郵便切手代です。債務者の数×1,082円がかかります。

支払督促発付通知費用

支払督促の発付結果の通知を受けるため費用です。郵便切手代82円がかかります。

申立書作成及び提出費用

申立書を作成するためにかかった費用や申立書を提出する費用です。申立書の枚数や提出方法、提出に伴う出費の有無及びその額に関わりなく一律800円です。

資格証明手数料

当事者が株式会社等の法人の場合、代表者の資格を証明する書類が必要になりますが、その資格証明書の取得にかかった費用です。原則600円ですが、オンライン請求の場合480円で請求できます。

ワンポイントアドバイス
支払督促は手続きも簡単で、手続き費用も裁判の半額程度と安く済みます。

支払督促の弁護士費用を安く済ませるには

弁護士費用の相場を見てもわかるとおり、弁護士に支払督促の手続きを依頼するのは、決して安い金額とは言えません。
お金を取り戻すために安くないお金を支払うことに、抵抗を感じる人もいるでしょう。では弁護士費用を少しでも安く済ませるにはどうしたら良いでしょうか。

自分で督促を送る

自分で簡易裁判所に申し立てて、支払督促を送ることは可能です。
ただし、支払督促のルール上、督促異議の申立を受けた場合は、そのまま通常裁判に進みます。仮に、債務者に督促異議を受けた場合は1人で対応することは現実的に難しいです。
ある程度、金額の大きい支払督促であれば、はじめから弁護士に相談した方が、通常裁判になった場合もそのまま任せられるため、対応としてはスムーズでしょう。

なお、簡易裁判所を通さず、自分から直接督促状を送っても、法的な有効性は認められません。当然、自分で送った督促状を根拠に、強制執行を行うこともできません。

無料相談の活用

相談料は前述の通り1時間1万円が相場です。しかし近年は弁護士過剰の時代と言われ、弁護士が激増しています。その影響から弁護士同士の顧客獲得争いもし烈になってきていて、結果として初回の相談が無料の事務所も増えているのです。もちろん、2回目以降は通常料金がかかりますが、そうした事務所を選べばコストを抑えることが可能なのです。

個人事務所に依頼する

また大手の法律事務所に依頼した場合、どうしても費用が高くつくことになってしまいます。ですからコストカットするには大手は避け、個人事務所に依頼するのが良いでしょう。

知人の弁護士を利用する

その他にも知人の弁護士を利用する、あるいは直接的な知り合いでなくとも友人や取引先から紹介してもらう等すれば幾らかは安くすることが可能です。

ワンポイントアドバイス
弁護士費用の相場は相談料が1時間1万円ですが、着手金や成功報酬は事案によって異なります。依頼したい法律事務所に費用をあらかじめきちんときくようにしましょう。

支払督促について弁護士に相談するメリット

支払督促を弁護士に相談することで次のメリットが得られます。

書類作成を代行してもらえる

弁護士は支払督促の書類作成や申し立ての代行ができます。支払督促の手続きがシンプルとはいえ申立書を書き慣れている人は少ないです。余計な時間をかけるくらいならプロに依頼することをお勧めします。

適切な手段を考えられる

支払督促が必要かどうか、適切な判断で行われているとは限りません。実績豊富な弁護士であれば単に依頼を受けるだけでなく相談者の問題を解決するために最も適切な方法をこちらに提案してくれます。

支払督促には債務者の管轄地へ申請し、督促異議申し立てがあれば債務者の管轄地にある裁判所で訴訟が行われるというデメリットがあります。この点も含めてしっかり考えましょう。

支払督促が失敗した場合のリスクヘッジができる

支払督促は督促異議申し立てがあれば効果を失います。そのまま通常訴訟に移行するため意味のない支払督促は手間を増やすだけです。また、悪どい債務者は時間稼ぎのためだけに異議申し立てをすることが考えられます。

こういった事態に備えて弁護士に相談しておくことも有効です。訴訟の準備は一苦労です。

合理的な取捨選択ができる

債権回収が必要な時点で、相手が債権回収が容易な状態でないことが予想されます。したがって時には「満額請求を諦める」こともあります。

どのラインで妥協することが利益を最大化するかを的確に判断できることも経験豊富な弁護士ならではです。この論点については単純な方的知識だけでは語れません。

ワンポイントアドバイス
弁護士は債権回収のために最善を尽くしてくれます。そのため支払督促で解決しづらい事案でも次の手は出てくるものです。とくに支払督促を自己判断でやって訴訟に移行すると、本人訴訟になれていなければ面倒なことになります。

支払督促について弁護士に相談すべきケースとは?

支払督促を弁護士に相談すべきなのは「支払督促についてよくわからないことがある全ての場合」 です。

弁護士は支払督促が最適かを含めて判断しアドバイスをくれる

示談や訴訟についてはある程度タイミングや使い分けがあるものの、無効になりやすい支払督促が最善となるケースは非常に限られます。
なぜ支払督促なのか?この点についてご自身の考えを纏められないなら、迷わず弁護士に相談してください。そうすれば現在の状況に合わせた手段と債権回収完了までの流れを提示してくれます。

強いて支払督促をするのに最適なケースを紹介するならば、 相手が債務の内容に同意していて、かつ債務不履行からそこまで時間が経っていない時です。これなら督促異議申し立てのメリットが少なく財産も残っている可能性があります。

ワンポイントアドバイス
支払督促に問わず、よく知らない、効果やデメリットを理解していない手続きは自己判断で行うことが望ましくありません。とにかく、あなたが切れるカードの枚数と種類を把握しましょう。

支払督促は必ず弁護士に相談を!債権回収は早ければ早いほど効果的です

支払督促を申し立てる前に、お近くの弁護士へご相談ください。支払督促は簡単な手続きの内容と裏腹にデメリットが大きいので拙速な判断が禁物です。とはいえ債権回収自体は早いに越したことありません。

債務者の居所と財産の所在が分かるうちに債権回収を済ませてしまいましょう。

債権回収を弁護士に相談するメリット
状況にあわせた適切な回収方法を実行できる
債務者に<回収する意思>がハッキリ伝わる
スピーディーな債権回収が期待できる
当事者交渉に比べ、精神的負担を低減できる
法的見地から冷静な交渉が可能
あきらめていた債権が回収できる可能性も
上記に当てはまるなら弁護士に相談