2019/2/25 121view

住宅ローンを払えないとどうなる?返済できない場合の実態と対処法

この記事で分かること
  1. 住宅ローンを払えなくなった人は、平成29年は25人に1人の割合
  2. 住宅ローンが払えなくなると最終的に家は競売で売却される
  3. デメリットが多い競売より、任意売却ならより有利に家を売れる

住宅ローンを払えない人は急増しているといわれます。ローンが支払えなくなった際には、早急に対処しないと家は競売で売却されることになります。この記事では、ローンを支払えなくなった人の割合や理由、家が競売で売却されるまでの流れ、およびローンが払えなくなった場合に家を売る方法について解説します。

住宅ローンを払えない人が急増している!

「住宅ローンを払えない人が急増している」といわれます。最初に、住宅ローンを払えない人の割合、払えない理由をみていきましょう。

住宅ローンを払えない人の割合

住宅金融支援機構は毎年、同機構が貸出を行っている住宅ローンが払えなくなった人の統計データを「リスク管理債権」として発表しています。平成29年度のリスク管理債権データを見ると、

  1. 破綻先債権 …「破綻先」に区分された住宅ローン
  2. 延滞債権 …「実質破綻先」および「破綻懸念先」に区分された住宅ローン
  3. 3ヶ月以上延滞債権 …3ヶ月以上延滞している住宅ローンのうち(1)(2)に該当しないもの
  4. 貸出条件緩和債権 …支払ができなくなったため、金利の減免や利息の支払い猶予、元金の支払猶予などを行った住宅ローンのうち(1)(2)(3)に該当しないもの

の、支払いができなくなった4種類の住宅ローンの合計金額は、「9,198億円」とされています。住宅金融支援機構による住宅ローンの貸出残高の合計は233,259億円ですので、住宅ローンの支払いができなくなった人の割合は、「3.94%」、だいたい「25人に1人」の割合であることがわかります。

住宅ローンを払えない理由

住宅ローンが払えなくなった理由は、

  • 収入の減少
  • 支出の増加
  • 住宅の資産価値の下落

の、大きく分けて3つのようです。それぞれを詳しくみていきましょう

収入の減少

収入が減少する理由には、次のようなものがあげられるようです。

  • 会社の業績不振によりリストラされた
  • あるはずの昇給がなくなった
  • ボーナスがカットされた
  • 病気やケガにより長期入院を余儀なくされた
  • 妻が妊娠や出産によりしていた仕事を退職した
  • 親が倒れ介護しなければならなくなった

など。

支出の増加

支出が増加する理由には、次のようなものがあげられるようです。

  • 子供が私立の学校に進学して教育費が増加した
  • 離婚や別居などにより養育費を支払わなければならなくなった
  • 起業することになり準備資金が必要になった
  • 変動利率で借入をしたために、利率が上がって住宅ローンの支払額が増えた

など。

住宅の資産価値の下落

住宅の資産価値が下落する理由には次のようなものがあげられるようです。

  • 南側にマンションが建設されたため日当たりが悪くなった
  • 災害などがあったために地域の地価が低下した
ワンポイントアドバイス
住宅ローンを払うのが苦しくなってきた際には、早急に手を打たなければなりません。まずは、住宅ローンの取扱いをしている銀行などの金融機関に相談をしてみましょう。相談により、金融機関が金利の減免や利息の支払い猶予、元金の支払猶予などをしてくれることがあります。

住宅ローンを払えないと家は競売にかけられる

住宅ローンを滞納するとどうなるのでしょうか?滞納が始まって約6ヶ月後に競売が決定され、1年後には家は強制的に売却されてしまいます。ここでは、住宅ローンの滞納が始まってから家が競売で売却されるまでの流れをみていきましょう。

1. 滞納初期(滞納して1~3ヶ月)

住宅ローンを滞納すると、ローンの債権者である銀行から、「○月分の返済がされていませんので返済金と遅延損害金を○月○日までに支払ってください」などの「催告書」が届きます。催告書が届いても支払いをしないでいると、2~3ヶ月して今度は「督促状」が届きます。

督促状は、「このまま支払いをしないでいると滞納している住宅ローンならびに遅延損害金を一括返済してもらうことになります」と、催告書と比べてより厳しい内容になっています。

2. 代位弁済期(滞納して3~6ヶ月)

滞納が始まって3~6ヶ月が経過すると、「期限の利益の喪失通知」が銀行から届きます。「期限の利益」とは「借金の返済を分割して行ってよい」の意味です。期限の利益の喪失通知は、住宅ローンを分割で支払う権利を失い、残額を一括して支払うしか方法がなくなることを意味します。

住宅ローンの残額を期限までに一括して支払うことができなかった場合には、今度は「代位弁済通知」が届きます。代位弁済とは、支払いができなくなった住宅ローンの利用者に代わり、ローン残額の一括返済を銀行に対して保証会社が行うことです。

代位弁済が行われた後には、銀行から保証会社に住宅ローンの債権が移ります。保証会社から、「住宅ローンの残額および遅延損害金を一括返済せよ」と、非常に厳しい内容の催告書が届くようになります。

3. 競売開始決定期(滞納して6ヶ月~8ヶ月)

代位弁済が行われた後にも何も対策を講じないままでいると、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。これは、保証会社から申し立てを受けることにより裁判所が競売の開始を決定したこと、および家が担保として差し押えられたことを意味します。

4. 現状調査期(滞納して8ヶ月~10ヶ月)

競売の開始が決定されると、「現況調査」が行われます。現況調査とは、競売を行うために、間取りの確認や自宅前の道路などの周辺調査、家の状況についてのヒアリングや写真撮影、近隣への聞き取りを、裁判所の執行官と不動産鑑定士が行うものです。

現況調査の結果にもとづき、売却価格やスケジュールなどの競売の詳細が決まります。現況調査の日はあらかじめ通知がありますが、もし調査の当日に不在にしていても、執行官と不動産鑑定士は、強制的に解錠して調査を行う権限が裁判所より与えられています。

5. 期間入札開始期(滞納して10~12ヶ月)

現況調査ののち、「期間入札決定通知書」が裁判所から届きます。「期間入札」とは、ある期間を定め、競売にかけられた物件の購入希望者が、価格を提示して購入申込みをすることです。入札期間は1週間~1ヶ月程度が一般的です。入札期間が終了すると、入札金額が最高額だった購入希望者が物件を落札します。

家が競売で落札されると、購入代金が裁判所に納付され、購入者に対して所有権が移転されます。競売による購入代金は、住宅ローンの債権を所有している保証会社に落札費用を差し引いたうえで支払われます。所有権が移転してしまいましたので、新しい所有者が定める期限にしたがい立ち退きをしなくてはなりません。

6. 競売後

住宅ローンの残額が競売による売却代金より下回っている場合には、家の競売に関する手続きは以上で終了です。しかし、住宅ローンの残額が競売による売却代金を上回り、競売後も残債がある場合は、保証会社は残債の債権を債権回収会社に譲渡します。それから以後は、債権回収会社と交渉のうえ契約を締結し、分割で残債を支払っていくことになります。

ワンポイントアドバイス
競売は「最終手段」というべき家の売却方法です。デメリットが多いため、競売後の新生活に支障をきたすことがあります。住宅ローンが払えなくなった場合は、下で解説する通り、競売によらない方法で家を売ることを試みましょう。家を売る方法は、不動産が専門の弁護士に相談します。

住宅ローンを払えない場合に家を売るための方法

以上のように、住宅ローンが払えなくなった場合には、最終的に家は競売で売却されます。しかし、競売には様々なデメリットがあるために、より有利な条件で家を売ることができる「任意売却」を行うことがおすすめです。最後に、任意売却とは何なのか、および任意売却のメリットについてみていきましょう。

任意売却とは?

任意売却とは、住宅ローンが払えなくなった家を競売によるのでなく、貸主が自ら売却することです。任意売却は競売と比較して有利な条件で家を売ることができます。住宅ローンが全額支払われない限り家の売却を通常は認めない金融機関も、弁護士が交渉することにより売却を認めるケースが多くなります。

任意売却のメリットは?

任意売却のメリットは以下の通りです。

1. 競売に比べて高値で売却できる

競売で家を売却する際の売却価格は、市場価格の半額から6割程度となるのが一般的です。それに対して任意売却の場合には、市場価格と基本的に同じ価格で売却できます。任意売却によってより高値で売却すれば、その分、住宅ローン残債を減らすことができます。

2. 引越し時期などで希望が通りやすい

競売では、家を落札した新たな所有者から、即刻での退去を求められるのが一般的です。それに対して任意売却では、通常の売却と同様に引渡しの時期を買主と交渉することができます。それにより、家の売却後の新生活を無理なくスタートさせることができます。

3. 引越し代などの手元資金を残すことができる場合がある

競売では、新所有者から退去のみを求められ、引越し代などの支払いを受けることができないのが一般的です。それに対して任意売却では、引越し代などの新生活のための手元資金を残すことができる場合が多くなります。

4. 近所の人にローンの滞納を知られない

競売は、官報やインターネットで公告され、地域の多数の不動産業者が物件を見に来るために、近所の人に「住宅ローンを滞納して競売にかかった」と知られる可能性が高くなります。それに対して任意売却は通常の売却と同じですので、ローンを滞納したことを近所の人に知られる可能性は低くなります。

ワンポイントアドバイス
任意売却をする際には、販売活動を少しでも長く行い家を高価格で売るために、一刻も早く手続きを開始しなくてはなりません。競売の期間入札が開始されると、もう任意売却をすることはできなくなります。住宅ローンの滞納が始まったらすぐ、弁護士に相談するのがおすすめです。

住宅ローンを払えない場合は弁護士に相談しよう

生活が苦しくなり住宅ローンが払えないのは、精神的にもつらくなるでしょう。しかし、つらくても、家を少しでも有利な条件で売るための手続きは進めなくてはなりません。

そんな時、法律の専門知識と高度な交渉力とを持ち、物心両面で親身に相談に乗ってくれる弁護士の存在は、大変心強いものとなるでしょう。

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