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親権と戸籍の関係|離婚後の子供の戸籍や扶養はどうなる?

親権と戸籍の関係|離婚後の子供の戸籍や扶養はどうなる?

この記事で分かること

  • 親権と戸籍が別の制度である理由
  • 離婚後に子どもの戸籍が動かない仕組み
  • 子どもを自分の戸籍に入れる方法
  • 親権と扶養の関係
  • 戸籍を移さない場合の不都合

親権と戸籍は別の制度のため、親権者になっても子どもの戸籍は自動的には移らず、原則として元の配偶者の戸籍に残ります。自分の戸籍に入れるには、家庭裁判所で子の氏の変更の許可を得たうえで役所に届け出る手続きが必要です。税や健康保険の扶養も戸籍とは連動せず、別の基準で扱われます。戸籍を移す場合と移さない場合それぞれの影響や、離婚後に慌てないための正しい手続きの順序を、弁護士の視点でわかりやすく解説します。

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離婚を考えるとき、多くの方が「親権を取れば、子どもは自分の戸籍に入るのだろう」と考えます。ところが、これは大きな誤解です。親権と戸籍は、実はまったく別の仕組みで動いています。親権者になったからといって、子どもが自動的に自分の戸籍に移るわけではないのです。この違いを知らないまま離婚してしまい、あとで戸籍のことで戸惑う方が後を絶ちません。

この記事では、弁護士の視点から、親権と戸籍の関係を分かりやすく整理してお伝えします。離婚後に子どもの戸籍がどう扱われるのか、自分の戸籍に入れるにはどうすればよいのか、そして扶養との関係はどうなるのか。仕組みを理解しておけば、離婚後に慌てることなく、必要な手続きをスムーズに進められます。

そもそも、なぜ親権と戸籍がこれほど混同されやすいのでしょうか。それは、どちらも「子どもが誰のもとにいるか」を表しているように感じられるからです。親権を取ったら子どもは自分のものになり、当然に自分の戸籍に入る。そう考えるのは、感覚としてはごく自然なことです。ところが法律の世界では、この二つはまったく別の目的で作られた、別々の仕組みなのです。親権は子どもを育てる権利と義務、戸籍は身分関係を記録する台帳、と役割がはっきり分かれています。この記事を読み終えるころには、その違いがすっきり整理され、離婚後に自分が何をすべきかが明確になっているはずです。まずは基本の考え方から、ていねいに見ていきましょう。

親権と戸籍は別のもの

まず、いちばん大切なことをお伝えします。親権と戸籍は、それぞれ別の制度です。親権とは、子どもを育て、財産を管理し、子どもに代わって法律的な判断をする、親としての権利であり義務です。一方、戸籍は、身分関係を公的に登録する制度で、誰と誰が親子であるか、どの家族が同じ戸籍に属しているかを記録するものです。両者は目的も役割も異なります。

ですから、離婚して親権者になったとしても、それによって子どもの戸籍が自分の戸籍に移るわけではありません。親権を持つことと、子どもが自分と同じ戸籍にいることは、それぞれ別に考える必要があるのです。ここを混同していると、「親権を取ったのに、子どもの戸籍が元の配偶者のほうに残っている」という事態に直面して、驚くことになります。

身近なたとえで考えてみましょう。会社での役職と、社員名簿への記載を思い浮かべてみてください。あなたがある部署の責任者に任命されたとしても、それによって社員名簿の並び順が自動的に変わるわけではありません。役職は「あなたが何をする立場か」を示すもの、名簿は「誰がどこに属しているか」を記録するもので、それぞれ別に管理されているからです。親権と戸籍も、これと似た関係にあります。親権は、あなたが子どもに対してどんな立場にあるかを示すもの。戸籍は、誰と誰が同じ家族として登録されているかを記録するもの。だからこそ、親権を取っても、名簿にあたる戸籍を動かすには、別の手続きが必要になるのです。この対比を頭に入れておくと、以降の説明がぐっと分かりやすくなります。

まず押さえたいこと
親権と戸籍は別の制度です。親権者になっても、子どもの戸籍が自動的に自分の戸籍へ移るわけではありません。子どもを自分の戸籍に入れたい場合は、別に手続きを取る必要があります。この違いを知っておくことが、離婚後の戸籍を整えるうえで欠かせません。

「そんなにややこしいのか」と感じるかもしれません。けれども、仕組みさえ理解すれば、やるべきことは決して難しくありません。次の項目から、離婚後に子どもの戸籍が具体的にどう扱われるのか、順を追って見ていきましょう。子どもの戸籍全般の扱いについては、あわせて次の記事も参考になります。

離婚後の戸籍は、自分自身の戸籍と子どもの戸籍という二つの視点で考えると、頭のなかが整理しやすくなります。まず自分がどの戸籍に入るのかを決め、そのうえで子どもをどうするかを考える。この二段構えを意識しておくと、次に見ていく手続きの流れがすっと理解できるはずです。焦って一度に全部を考えようとせず、一つずつ順番に押さえていきましょう。

離婚しても子どもの戸籍は自動では動かない

離婚をすると、婚姻の際に姓を変えた側は、原則として結婚前の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作ることになります。多くの場合、母親が旧姓に戻り、自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る、という流れをたどります。ここで見落とされがちなのが、子どもの戸籍の扱いです。

親が離婚して新しい戸籍を作っても、子どもの戸籍はそれに連動して移動しません。子どもは、これまで所属していた戸籍、つまり多くの場合は元の配偶者を筆頭者とする戸籍に、そのまま残るのが原則です。母親が親権者になり、実際に子どもと一緒に暮らしていても、戸籍のうえでは子どもが父親の戸籍に残ったまま、という状況が生じるのです。

この状態のままだと、子どもの姓が元の配偶者の姓のままになるなど、日常生活で不都合を感じる場面が出てくることがあります。親権者として一緒に暮らしているのに、戸籍や姓が別というのは、感覚的にも落ち着かないものです。この食い違いを解消するには、子どもを自分の戸籍に入れるための手続きを、あらためて取る必要があります。次の項目で、その方法を具体的に見ていきましょう。

戸籍が別のままでも、住民票を同じ住所にすることはできるため、実際の同居生活そのものに支障が出るわけではありません。ただ、住民票上は一緒に暮らしていても、戸籍のうえでは別々というねじれた状態は残ります。この状態を放っておくと、たとえば子どもが自分の戸籍に関する書類を必要とする場面で、思いがけず手間が生じることがあります。日々の生活では意識しにくいぶん、いざ書類が必要になったときに初めて気づく、というケースも少なくありません。だからこそ、時間に余裕のあるうちに、戸籍をどう整えるかを一度考えておくことをおすすめします。

ここで、多くの方が抱く疑問に触れておきます。「離婚届に子どもの親権者を記入したのに、それで戸籍も一緒に処理されないのはなぜ」というものです。確かに、離婚届にはどちらが親権者になるかを記入する欄があります。しかし、そこに記入するのはあくまで親権者を定めるためのものであって、子どもの戸籍を動かす手続きとは別なのです。親権者の欄に自分の名前を書いたからといって、子どもの戸籍が自分のほうに移るわけではありません。この点はとくに誤解されやすいので、しっかり区別しておいてください。離婚の届出と、子どもの戸籍を整える手続きは、別々のタイミングで、別々に行うものだと理解しておくと安心です。

子どもを自分の戸籍に入れるには

子どもを自分の戸籍に入れるには、いくつかの手続きを順番に踏む必要があります。ここが親権と戸籍の関係でつまずきやすいポイントなので、しっかり押さえておきましょう。ポイントは、子どもの姓を親権者と同じ姓にそろえたうえで、自分の戸籍に入れる、という流れになる点です。

まず必要になるのが、家庭裁判所に対する子の氏の変更を許可してもらう手続きです。子どもの姓を、親権者である自分の姓に変えるために、この許可を得ます。そして許可が下りたら、その許可にもとづいて役所に届出をすることで、子どもを自分の戸籍に入れることができます。親権を持っているだけでは、この手続きは自動的には進まないため、自分で動く必要があります。

手続きの段階 内容
家庭裁判所への申立て 子どもの姓を親権者の姓に変えることの許可を求める
許可の取得 裁判所が許可すると、氏の変更が認められる
役所への届出 許可にもとづき届け出て、子どもを自分の戸籍に入れる

手続きの名前だけを聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、流れ自体は明確です。順番に進めれば、子どもを自分の戸籍に入れ、姓もそろえることができます。手続きに必要な書類や進め方に不安がある場合は、自己判断で迷い込む前に、専門家に確認しておくと安心して進められます。

この子の氏の変更という手続きの名前を聞くと、「子どもの名前を変えるの」と身構えてしまう方がいますが、ここでいう氏とは名字、つまり姓のことです。下の名前を変えるわけではありません。母親が旧姓に戻ったケースでは、この手続きによって子どもの姓を母親の姓にそろえ、同じ戸籍に入れることになります。なぜこの許可が必要かというと、子どもの姓を変えることは子どもの身分に関わる大切なことなので、家庭裁判所が関与して慎重に判断する仕組みになっているからです。とはいえ、親権者が子どもと一緒に暮らし、姓をそろえたいという事情であれば、手続き自体は特別に難しいものではありません。必要な書類をそろえて申し立て、許可を得たら役所に届け出る。この一連の流れを踏めば、子どもを自分の戸籍に入れられます。

この手続きを進めるうえで、いくつか知っておくと役立つことがあります。申立てには、離婚が記載された戸籍に関する書類など、いくつかの資料が必要になります。何を用意すればよいかは、あらかじめ確認しておくと、窓口で二度手間になるのを防げます。また、子どもが複数いる場合には、それぞれについて手続きが必要になる点にも注意しておきましょう。きょうだいをまとめて自分の戸籍にそろえたいときは、全員分の手続きを進めることになります。こうした細かな点でつまずかないためにも、事前に流れを把握しておくか、専門家に段取りを整理してもらうと、落ち着いて手続きに臨めます。

手続きの順序を確認
子どもを自分の戸籍に入れるには、まず家庭裁判所で子の氏の変更の許可を得て、その後に役所へ届け出るという順序を踏みます。親権を持っているだけでは戸籍は移らないため、この手続きを忘れないようにしましょう。

親権と扶養の関係

親権と戸籍に加えて、もう一つ混同されやすいのが扶養です。扶養にはいくつかの意味がありますが、ここでは税金の面での扶養や、健康保険の面での扶養を指して考えてみましょう。これらもまた、親権や戸籍とは別の枠組みで扱われます。

たとえば、子どもを税金の面で扶養に入れるかどうかや、健康保険でどちらの親の被扶養者にするかは、戸籍がどちらにあるかとは直接には結びつきません。実際に子どもを養っている実態などをもとに判断される部分があります。ですから、「戸籍が父親のほうにあるから、扶養も父親側でなければならない」ということには必ずしもなりません。この点も、それぞれ別に考える必要があるのです。

子どもを一人で育てていく場合、扶養に関する手続きや、利用できる公的な支援は、生活を支える大切な要素になります。戸籍のことばかりに気を取られていると、こうした扶養や支援の面での手続きが後回しになりがちです。親権、戸籍、扶養は、それぞれ別の手続きが必要になると理解し、漏れなく整理していくことが、離婚後の生活を安定させる鍵になります。

もう少し具体的に、扶養にまつわる場面を考えてみましょう。会社員として働いている方であれば、勤務先に子どもを健康保険の被扶養者として届け出る場面が出てきます。この届出は、戸籍がどちらにあるかを直接の基準とするのではなく、実際に子どもの生計を主に支えているのは誰かといった観点から扱われることになります。つまり、母親が親権者として子どもを育てているなら、戸籍が父親のもとに残っていても、母親側の健康保険で扶養に入れられる場合があるということです。税金の面での扶養についても、同じように別の基準で判断されます。このように、戸籍と扶養は連動していないため、それぞれの手続きを個別に進める意識が欠かせません。片方を済ませたからといって、もう片方が自動的に整うわけではないのです。

戸籍を移さないとどんな不都合がある

では、子どもの戸籍を自分のほうに移さず、元の配偶者の戸籍に残したままにすると、どんな不都合があるのでしょうか。まず分かりやすいのが、姓の問題です。子どもの戸籍が元の配偶者のもとにあると、子どもの姓もそのままになります。母親が旧姓に戻っている場合、親子で姓が異なることになり、学校生活や日常の場面で説明を求められるなど、気を使う場面が出てくることがあります。

また、戸籍に関する書類が必要になったときにも、手間が生じることがあります。子どもの戸籍が別のところにあると、書類を取り寄せる際に元の配偶者の戸籍を参照する必要が出てくる場合があるからです。離婚した相手との関わりをできるだけ減らしたいと考えているなら、こうした点も戸籍を整える動機になるでしょう。

  • 親子で姓が異なり、日常生活で説明が必要になることがある
  • 戸籍に関する書類の取得で手間が生じる場合がある
  • 子どもが成長したときに、自分の身分関係に疑問を持つことがある
  • 元の配偶者の戸籍を参照する必要が残ることがある

もちろん、さまざまな事情から、あえて戸籍を移さないという選択をする方もいます。何が正解かは、それぞれの家庭の状況によって異なります。大切なのは、戸籍を移す場合と移さない場合で、それぞれどんな影響があるのかを理解したうえで、自分と子どもにとって望ましい形を選ぶことです。判断に迷うときは、専門家に相談して整理してもらうとよいでしょう。

戸籍を移すかどうかを考えるとき、子ども自身の気持ちに配慮することも忘れないでください。子どもがある程度の年齢になっていると、姓が変わることに戸惑いを感じたり、学校での呼び名が変わることを気にしたりすることがあります。親としては早く戸籍や姓をそろえたいと思っても、子どもにとっては大きな環境の変化に感じられる場合があるのです。だからこそ、子どもの年齢や気持ちも踏まえて、いつどのように手続きを進めるのがよいかを考えることが望ましいといえます。急ぐべき事情がある場合は別ですが、子どもと話し合える年齢であれば、本人の思いも聞きながら進めていくと、子どもの心の負担を軽くできます。戸籍を整えることは手続きの問題であると同時に、子どもの生活に関わることでもあるのです。

逆に、あえて戸籍を移さないという判断が合理的な場合もあります。たとえば、いずれ再婚を考えていて、その際にまた戸籍を整え直す可能性があるなら、いったん現状のままにしておくという選択もあり得ます。何を優先するかは、それぞれの家庭の事情によって変わります。大切なのは、周りがそうしているからと流されるのではなく、自分と子どもの状況をよく見て、納得のいく判断をすることです。迷ったときは、それぞれの選択がもたらす影響を専門家に整理してもらい、そのうえで決めると後悔が少なくなります。

親権者と戸籍が違うとどうなる

親権者と子どもの戸籍が異なる状態は、実務上はしばしば見られます。この状態でも、親権者としての権利や義務がなくなるわけではありません。親権者は、戸籍がどこにあるかにかかわらず、子どもを育て、必要な判断をする立場にあります。戸籍が別だからといって、親権が弱まるということはないのです。

この点は、離婚後に不安を感じやすいところなので、はっきりさせておきましょう。「子どもの戸籍が相手のほうに残っていると、いざというときに相手に親権を主張されてしまうのでは」と心配する方がいます。しかし、親権者が誰かは、離婚の際にきちんと定められています。戸籍がどこにあるかによって、その親権者の立場が揺らぐことはありません。子どもの進学や医療といった重要な場面で判断をするのは、あくまで親権者です。ですから、戸籍がまだ移せていない段階でも、親権者としての役割を果たすうえで支障が生じるわけではありません。とはいえ、姓の違いなど日常の不都合は残るため、落ち着いたタイミングで戸籍を整えておくと、より安心して過ごせます。

ただし、注意しておきたいのは、面会交流や養育費といった、離婚後の子どもをめぐる取り決めとの関係です。これらは親権や戸籍とはまた別の問題として扱われますが、いずれも子どもの利益を中心に考える必要がある点は共通しています。親権、戸籍、面会、養育費と、離婚後には整理すべきことが複数あり、それぞれが別の手続きや取り決めを必要とします。全体を見渡して、漏れのないように進めていくことが大切です。

近年は、離婚後の子育てのあり方についての制度も見直しが進んでいます。両親が離婚後も子育てに関わっていく形が広がるなかで、親権のあり方も変わりつつあります。こうした変化のなかでも、親権、戸籍、扶養がそれぞれ別の仕組みであるという基本は変わりません。制度が動いているからこそ、自分のケースで何をどう手続きすればよいのかを、正確に把握しておくことが重要になります。

ここで、面会交流や養育費との関係についても少し補っておきます。子どもと離れて暮らす親が子どもと会う面会交流や、子どもの養育のために支払われる養育費は、親権や戸籍とは切り離して取り決めるものです。親権者であっても、相手が子どもと会うことや、相手から養育費を受け取ることは、それぞれ別に話し合って決めます。戸籍を自分のほうに移したかどうかは、これらの取り決めに直接影響しません。つまり、戸籍が父親のもとに残っていても、母親が親権者として養育費を請求できますし、面会交流の取り決めも別に進められます。離婚後には整理すべきことが複数あるからこそ、どれがどの手続きに属するのかを分けて考えることが、混乱を避けるコツになります。

整理のために、離婚後に関わってくる主なものを並べてみましょう。子どもを育てる立場を定めるのが親権、身分関係を記録するのが戸籍、生計上の扱いに関わるのが扶養、離れて暮らす親が子どもと会うのが面会交流、子どもの養育のために支払われるのが養育費です。これらはすべて別々の仕組みで、それぞれに応じた手続きや取り決めが必要になります。一覧にして眺めてみると、何をどこまで済ませたのかが見えやすくなり、抜け漏れを防げます。頭のなかだけで整理しようとすると混乱しがちなので、紙に書き出してみるのも一つの方法です。書き出すことで、優先して取り組むべきものと、後回しにできるものの区別もつきやすくなります。

子どもの戸籍を整える手順

ここまでの内容を踏まえて、離婚後に子どもの戸籍を整えるまでの流れを整理しておきましょう。順序を意識しておくだけで、手続きで迷うことが少なくなります。親権を取ったあとに戸籍のことを考える、という流れになる方が多いので、忘れずに進めてください。

この手順で意識したいのは、離婚のタイミングと、子どもの戸籍を整えるタイミングは、必ずしも同時でなくてよいということです。離婚の届出をするときは、慰謝料や財産分与、親権者の指定など、決めることが山ほどあります。そのうえで子どもの戸籍まで一度に整えようとすると、負担が大きくなりがちです。子どもの戸籍を移す手続きは、離婚が成立した後に落ち着いて進めることもできます。もちろん、姓をそろえる必要が急がれる事情があるなら早めに動くべきですが、そうでなければ、まず離婚を成立させ、その後に戸籍を整えるという段取りでも問題ありません。自分の状況に合わせて、無理のない順序で進めていきましょう。

  1. 離婚にあたり、自分の戸籍をどうするか(元の戸籍に戻るか新しく作るか)を決める。
  2. 子どもの戸籍が元の配偶者のもとに残る点を理解し、自分の戸籍に入れるか検討する。
  3. 入れる場合は、家庭裁判所で子の氏の変更の許可を得る。
  4. 許可にもとづいて役所へ届け出て、子どもを自分の戸籍に入れる。
  5. 扶養や公的支援など、戸籍とは別の手続きもあわせて整理する。

これらの手続きは、離婚が成立した後でも進められますが、放置していると子どもの姓や身分関係の面で不都合が続くことになります。子どもの生活のためにも、早めに整えておくのが望ましいでしょう。親権者の変更など、離婚後に事情が変わった場合の手続きについては、次の記事も参考になります。

戸籍を整える手続きにかかる期間は、状況によって変わりますが、あらかじめ余裕をもって取りかかると安心です。新学期や進学のタイミングに合わせて姓をそろえておきたいといった希望がある場合は、逆算して早めに動き出すとよいでしょう。手続きの見通しが立たず不安なときは、専門家に相談すれば、どのくらいの期間で何を用意すればよいのかを具体的に教えてもらえます。段取りが分かっていれば、慌てることなく計画的に進められます。

親権と戸籍の関係は、一見すると複雑に思えますが、それぞれが別の制度であることを理解すれば、決して難しいものではありません。親権を取ることと、子どもの戸籍を整えることは別だと知っておくだけで、離婚後に慌てずにすみます。分からないことがあれば、一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、子どもにとって望ましい形を整えていってください。

あらためて振り返ると、この記事でお伝えしたかったことは、とてもシンプルです。親権、戸籍、扶養は、それぞれ別の仕組みであり、別の手続きが必要になる、ということ。この一点さえ押さえておけば、離婚後に「親権を取ったのに戸籍が動いていない」と慌てることも、扶養の手続きを見落とすこともなくなります。手続きの一つひとつは、順序さえ分かっていれば決して難しいものではありません。大切なのは、それぞれが別物だと知り、必要なものを漏れなく整えていくことです。あなたと子どもが、新しい生活を安心して歩み出せるよう、この記事が手続きの見取り図として役立てば幸いです。

離婚後の手続きは、種類が多くて気が重くなるものですが、一つひとつを分けて考えれば、必ず整理できます。親権は親権、戸籍は戸籍、扶養は扶養と切り分けて、必要なものから順に片づけていく。そうやって着実に進めていけば、いつの間にか離婚後の生活の土台が整っているはずです。分からないことや不安なことは、そのままにせず、専門家や窓口に相談してください。一歩ずつ進んでいけば、あなたと子どもの暮らしは、きっと落ち着きを取り戻していきます。どんなに複雑に思える手続きも、正しい順序を知り、一つずつ片づけていけば、必ず乗り越えられます。この記事が、その第一歩を踏み出すための手がかりになれば、これほどうれしいことはありません。あなたと子どもの新しい毎日が、穏やかで実りあるものになることを心から願っています。困ったときには、いつでも専門家を頼ってください。

よくある質問

親権を取れば、子どもは自動的に私の戸籍に入りますか?

いいえ、入りません。親権と戸籍は別の制度のため、親権者になっても子どもの戸籍は自動的には移りません。子どもは原則として元の配偶者の戸籍に残ります。自分の戸籍に入れたい場合は、家庭裁判所で子の氏の変更の許可を得たうえで、役所に届け出る手続きが必要です。

離婚届の親権者欄に自分の名前を記入しても、それだけでは子どもの戸籍は移りません。親権者を定めることと、戸籍を動かすことは別の手続きだからです。この点を誤解していると、離婚後に戸籍を確認して驚くことになるため、しっかり区別しておきましょう。

子どもを自分の戸籍に入れるにはどうすればよいですか?

まず家庭裁判所に子の氏の変更を許可してもらう手続きを行い、子どもの姓を親権者である自分の姓に変えます。その許可にもとづいて役所へ届け出ることで、子どもを自分の戸籍に入れることができます。手続きの順序が決まっているので、迷ったら専門家に確認しながら進めると安心です。

なお、この氏の変更でいう氏とは名字のことで、下の名前を変えるものではありません。母親が旧姓に戻っている場合に、子どもの姓を母親の姓にそろえるための手続きだと理解しておくとよいでしょう。

戸籍を移さないと親権に影響がありますか?

戸籍を移さなくても、親権そのものに影響はありません。親権者は、子どもの戸籍がどこにあるかにかかわらず、子どもを育て、必要な判断をする立場にあります。ただし、親子で姓が異なることによる日常生活上の不都合はあるため、戸籍を整えるかどうかは、その影響を理解したうえで判断しましょう。

また、戸籍が別のままでも、健康保険の扶養に入れることや、公的な支援を受けることは、別の基準で判断されるため妨げられません。戸籍と扶養は連動しないという点も、あわせて覚えておくと、離婚後の手続きで迷いにくくなります。

扶養は戸籍と関係がありますか?

税金や健康保険の面での扶養は、戸籍がどちらにあるかと直接には結びつきません。誰が実際に子どもを養い、生活を支えているかといった事情をもとに判断される場面があります。親権、戸籍、扶養はそれぞれ別の枠組みで扱われるため、離婚後はこれらを別々に整理して手続きを進めることが大切です。

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