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相続人が行方不明だと遺産分割は進められない
相続が起きたとき、相続人の中に連絡のとれない人がいると、手続きは思うように進みません。なぜなら、遺産の分け方を決める話し合いは、相続人全員がそろって初めて成り立つからです。一人でも欠けたまま進めた話し合いは、効力を持ちません。行方不明の相続人がいる場合、まずはこの点を理解しておくことが出発点になります。あわてず、順を追って対応していけば、こうした状況でも相続を前に進めることはできます。
遺産分割の話し合いは相続人全員の参加が必要
遺産をどう分けるかを決める話し合いは、相続人全員が参加して合意することが求められます。誰か一人でも参加していなければ、その話し合いは成り立たず、まとめた内容も効力を持ちません。たとえ他の相続人全員が納得していても、行方不明の一人を抜きにして進めることはできないのです。
これは、相続人それぞれが自分の権利にかかわる判断を下す場だからです。連絡がとれないからといって、その人の取り分を勝手に決めてしまうわけにはいきません。だからこそ、行方不明の相続人がいる場合には、その人の権利を守りながら手続きを進めるための方法を考える必要があります。
困るのは、行方不明の相続人を放置していると、相続にかかわる他の手続きまで滞ってしまう点です。遺産分割がまとまらなければ、不動産の名義を変えることも、預貯金を分けることも進みません。中には期限が定められた手続きもあり、行方不明の相続人がいることでその対応が後手に回るおそれもあります。連絡のとれない相続人がいると分かったら、できるだけ早く動き出すことが、結果的に負担を軽くすることにつながります。
「行方不明」と「音信不通」は分けて考えなくてよい
ここでいう行方不明とは、連絡がとれず、どこにいるのかが分からない状態を広く指します。長く音信不通になっている相続人も、居所が分からなければ同じように扱われます。生死そのものが分からない場合もあれば、生きていることは分かっていても居場所がつかめない場合もあります。いずれの場合も、その相続人を加えずに話し合いを進めることはできないという点では共通しています。状況に応じて、後で述べる方法を使い分けていくことになります。
「うちは行方不明というほどではなく、ただ何年も連絡をとっていないだけ」と考える人もいます。しかし、相続の手続きのうえでは、連絡がとれず居所が分からなければ、長年の音信不通も行方不明と同じように扱われます。年賀状のやりとりも途絶え、電話もつながらず、今どこに住んでいるのかも分からない、という状態であれば、まずはその人を探すか、本人に代わる人を立てるかを考える必要があります。軽く考えて放置していると、いざ手続きを進めようとしたときに、思わぬ壁にぶつかることになりかねません。
行方不明・音信不通になるパターン
相続人が行方不明になる事情は、いくつかのパターンに分けられます。どのパターンにあてはまるかによって、その後の進め方が変わってきます。自分のケースがどれにあたるのか、確認してみてください。
連絡先や住所が分からない
もっとも多いのが、連絡先や現在の住所が分からないというパターンです。昔は付き合いがあったものの、長年連絡をとっておらず、今どこに住んでいるのか見当もつかない、というケースです。この場合は、まず相手の居所を突き止めることから始めます。後で述べる方法で調べていけば、連絡先が判明することも少なくありません。
たとえば、若い頃に家を出てそのまま疎遠になったきょうだいや、何十年も会っていない親族が相続人にあたる、というのはよくある話です。ふだんは存在を意識していなくても、いざ相続が起きると、その人を抜きにしては手続きが進まないことに気づきます。こうしたパターンは、連絡先さえ分かれば話し合いに加わってもらえることも多く、まずは居所を調べる手立てを尽くすことが第一歩になります。多くの場合、戸籍をたどることで住所までたどり着けます。
生きていることは分かるが居所がつかめない
生きていることは確かなものの、どこにいるのかがつかめないというパターンもあります。住民票を移さずに転居を繰り返していたり、家族とも距離を置いていたりする場合などです。このパターンでは、居所を探す手立てを尽くしても見つからないことがあります。その場合には、本人に代わって手続きに加わる人を立てる方法を検討することになります。
生死が分からない状態が長く続いている
さらに、生きているのか亡くなっているのか、生死そのものが分からない状態が長く続いているパターンもあります。災害や事故に巻き込まれた可能性がある場合や、家を出たまま長年消息が途絶えている場合などです。このような場合には、法律上の手続きによって、その人が亡くなったものとして扱う方法をとることが考えられます。生死不明の状態が一定の期間続いていることが、この手続きの前提になります。
このパターンは、これまでの二つとは性格が異なります。連絡先が分からないだけ、あるいは居所がつかめないだけであれば、本人は生きているという前提で対応します。しかし、生死そのものが分からないとなると、本人を生きているものとして扱い続けるのか、亡くなったものとして整理するのかという、より重い判断が必要になります。長い年月にわたって消息が途絶え、本人が現れる見込みも薄いという場合には、後で述べる失踪宣告という方法を検討することになります。どのパターンにあてはまるのかによって、とるべき手続きが大きく変わってくるため、まずは自分のケースを正しく見極めることが大切です。
行方不明の相続人を探す方法
行方不明の相続人がいる場合、まずはその人を探すことから始めます。やみくもに探すのではなく、順を追って調べていくことが大切です。代表的な方法を見ていきましょう。
戸籍をたどって住所を調べる
もっとも基本となるのが、戸籍をたどって相手の住所を調べる方法です。戸籍には家族関係が記録されており、関連する書類をたどることで、相手が今どこに住民票を置いているのかを確認できる場合があります。長年連絡をとっていなかった相続人でも、この方法で住所が判明することは少なくありません。まずはここから着手するのが定石です。
戸籍をたどる作業は、亡くなった人の家族関係を順に追っていくものです。相続人が誰なのかを確定する作業とも重なるため、行方不明の相続人を探すうえでの土台になります。住民票の動きを示す書類までたどれば、相手が現在どこに住んでいるのかが分かることもあります。ただし、書類をそろえるには手間がかかり、家族関係が複雑だと読み解くのも容易ではありません。自分で進めるのが難しいと感じたら、この段階から専門家に任せることもできます。相続人を探すことと、相続人の範囲を確定することは表裏一体なので、あわせて整理しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
親族や知人に確認する
戸籍からたどるのと並行して、共通の親族や知人に心当たりがないか確認してみることも有効です。意外なところから、相手の近況や連絡先がつかめることもあります。法律上の手続きに頼る前に、まずは人のつながりをたどってみるのも一つの手です。身近なところに手がかりが残っていることは、決して珍しくありません。
たとえば、本人と付き合いのあった親戚や、昔の友人が、引っ越し先や勤め先を知っていることもあります。戸籍をたどる方法とあわせて、こうした人づてのつながりを当たってみることで、思いがけず連絡がつくこともあります。手続きにかかる手間や費用を考えると、まずは身近なところから情報を集めるに越したことはありません。連絡先さえ分かれば、本人に話し合いへの参加を呼びかけることもでき、その後の手続きが一気に楽になります。
専門家の制度を活用する
自分たちで調べても居所がつかめない場合には、専門家が利用できる照会の制度を活用する方法もあります。弁護士に依頼すれば、一定の手続きを通じて相手の居所を調べられる場合があります。自分では手の届かない範囲の調査ができることもあるため、行き詰まったときには専門家に相談してみるとよいでしょう。探す手立てを尽くしても見つからない場合に、次の段階へ進む判断もしやすくなります。
個人で調べられる範囲には限りがあります。戸籍をたどり、親族や知人にあたっても居所がつかめない、というところで手詰まりになることは少なくありません。そうしたときに、専門家ならではの手段で調査を進められることがあります。また、探す努力を尽くしたという事実は、不在者財産管理人の選任を申し立てる際にも意味を持ちます。家庭裁判所に対して、できるだけのことはやったと示せるようにしておくことも大切です。どこまで調べれば次の手続きに進めるのか、判断に迷う場合にも、専門家に相談しておくと安心です。
不在者財産管理人を立てて進める方法
探す手立てを尽くしても相続人が見つからない場合、その人に代わって手続きに加わる人を立てる方法があります。それが、不在者財産管理人を選任する方法です。
不在者財産管理人とは
不在者財産管理人とは、行方が分からない人に代わって、その人の財産を管理する人のことです。相続人が行方不明で連絡がとれない場合、その人を加えずに遺産分割を進めることはできません。そこで、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人を選び、その人が行方不明の相続人に代わって話し合いに加わることで、手続きを進められるようにします。本人の権利を守りながら相続を進めるための仕組みだといえます。
この方法が向いているのは、行方不明の相続人が生きていることは分かっているものの、居所がつかめないという場合です。生きている以上、その人の相続人としての権利は守られなければなりません。かといって、本人がいなければ話し合いは進みません。この板挟みを解くのが、不在者財産管理人という仕組みです。本人に代わって財産を管理し、話し合いに加わる人を立てることで、行方不明の相続人の権利を守りつつ、相続全体を前に進められるようになります。失踪宣告のように、本人を亡くなったものとして扱うわけではない点が、大きな違いです。
選任の申立て手続き
不在者財産管理人を立てるには、家庭裁判所への申立てが必要です。手続きを始める前に、行方不明の相続人を探す手立てを尽くしておくことも大切です。おおまかな流れは次のとおりです。
- 相続人が行方不明であること、探す手立てを尽くしたことを確認します。
- 家庭裁判所に対し、不在者財産管理人の選任を申し立てます。
- 家庭裁判所が、行方不明の相続人の財産を管理するのにふさわしい人を選びます。
- 選ばれた不在者財産管理人が、本人に代わって遺産分割の話し合いに加わります。
遺産分割に加わる際の注意点
不在者財産管理人が遺産分割に加わるときには、注意したい点があります。不在者財産管理人は、行方不明の本人の利益を守る立場にあります。そのため、本人の取り分を不当に少なくするような分け方には、簡単には応じられません。また、本人にとって重大な意味を持つ内容については、家庭裁判所の関与が必要になることもあります。行方不明だからといって、その人の取り分を自由に決められるわけではない、という点を理解しておきましょう。
ときどき、行方不明の相続人がいるなら、その人の取り分を最小限にして話をまとめてしまおう、と考えられることがあります。しかし、不在者財産管理人は本人の利益を守るために選ばれた立場ですから、そうした分け方をそのまま受け入れることはできません。残された相続人としては、行方不明の人にも相応の取り分を確保したうえで話し合いをまとめる必要があります。この点を理解しておかないと、話し合いが思うように進まず、戸惑うことになりかねません。不在者財産管理人を立てれば手続きは進められますが、行方不明の相続人の権利が守られる仕組みである点は、あらかじめ押さえておきましょう。
失踪宣告で相続を進める方法
もう一つの方法が、失踪宣告という手続きです。これは、生死が分からない状態が続いている相続人について、法律上、亡くなったものとして扱う手続きです。
失踪宣告とは
失踪宣告とは、生死が分からない状態が長く続いている人について、家庭裁判所の手続きを通じて、亡くなったものとして扱う制度です。これによって、その人をめぐる相続などの手続きを進められるようになります。行方が分からないだけでなく、生死そのものが不明な場合に検討される方法です。不在者財産管理人を立てる方法とは、性格が大きく異なります。
不在者財産管理人が、本人を生きているものとして扱い、その権利を守りながら手続きを進めるのに対し、失踪宣告は、本人を亡くなったものとして扱う点に大きな違いがあります。本人が亡くなったものとして扱われれば、その人をめぐる相続も進められるようになります。たとえば、行方不明の相続人が亡くなったものとされれば、さらにその人の相続人が手続きに加わる、といった形で整理が進むこともあります。生死が分からない状態が長く続き、本人が現れる見込みが薄い場合に、検討される方法だといえます。重い意味を持つ手続きであるだけに、選択にあたっては慎重な判断が求められます。
二つの種類
失踪宣告には、二つの種類があります。一つは、生死が分からない状態が長期間続いている場合に使われるもので、一定の年数にわたって消息が途絶えていることが前提になります。もう一つは、災害や事故など、命にかかわる危難に巻き込まれた人について使われるもので、より短い期間で認められます。どちらにあたるかは、その人が行方不明になった事情によって変わります。
前者は、家を出たまま長年消息がつかめない、といったケースで使われます。長い年数にわたって生死が分からない状態が続いていることが条件となるため、行方不明になってすぐに使えるものではありません。後者は、大きな災害や事故、遭難など、命にかかわる出来事に巻き込まれ、その後の消息が分からない場合に使われます。こちらは、危難が去った後、比較的短い期間で認められる点に特徴があります。自分のケースがどちらにあたるのかによって、必要となる期間や手続きの進め方が変わってくるため、まずはどちらの種類に該当するのかを確認することが大切です。
手続きの流れと期間
失踪宣告を求めるには、家庭裁判所に申し立てます。申立てを受けた家庭裁判所は、本人を捜したり、関係者に知らせたりする手続きを経て、最終的に失踪宣告を行います。こうした手続きを順に踏んでいくため、宣告に至るまでには相応の時間がかかります。手続きにかかる費用や期間は、事情によって変わるため、見通しを立てたい場合は専門家に確認しておくとよいでしょう。すぐに結論が出るものではない点を理解しておくことが大切です。
家庭裁判所は、本当に本人の生死が分からないのかを慎重に確認します。本人を捜す手続きや、関係者に申し出を求める手続きには、一定の期間が設けられています。これらを経て、ようやく失踪宣告に至ります。そのため、申立てをしてから宣告が出るまでには、それなりの時間を見込んでおく必要があります。相続を急いで進めたい場合には、この時間のかかり方が悩みどころになることもあります。手続きにかかる負担や期間は個々の事情によって変わるため、自分のケースでの見通しを早めに専門家に確認しておくと、計画を立てやすくなります。
本人が生きて現れた場合
失踪宣告を受けた人が、後になって生きて現れることもあります。その場合には、家庭裁判所の手続きを通じて、宣告を取り消してもらうことができます。ただし、いったん進めた相続の手続きとの関係で、複雑な問題が生じることもあります。こうした事態に備える意味でも、失踪宣告を選ぶ際には、慎重な検討が欠かせません。
たとえば、失踪宣告を前提に遺産を分け終えた後で本人が現れると、すでに行われた相続の扱いをどうするかが問題になります。本人の権利と、その間に手続きを進めた人たちの立場との調整が必要になり、話が込み入ることもあります。もちろん、本人が現れる可能性が低いと考えられる場合に選ばれる方法ではありますが、絶対に現れないとは言い切れません。だからこそ、失踪宣告は不在者財産管理人と比べても重い手続きであり、選ぶ前に十分な検討が求められます。本人が現れる見込みをどう評価するかも含めて、専門家に相談しながら判断するのが安心です。
不在者財産管理人と失踪宣告のどちらを選ぶか
行方不明の相続人がいる場合、不在者財産管理人と失踪宣告のどちらを選ぶべきか、迷うこともあるでしょう。それぞれの特徴をふまえて、考え方を整理しておきます。
状況による使い分け
大まかにいえば、生きていることは分かっているが居所がつかめない場合には、不在者財産管理人を立てる方法が向いています。一方、生死そのものが分からない状態が長く続いている場合には、失踪宣告を検討することになります。どちらの方法が自分のケースに合うのかは、相続人が行方不明になった事情によって変わります。次のような観点で考えると、整理しやすくなります。
たとえば、住所は分からないものの、本人が元気にしているらしいと人づてに聞いている、という状況であれば、失踪宣告はなじみません。本人が生きている以上、亡くなったものとして扱うことはできないからです。この場合は、不在者財産管理人を立てて手続きを進めるのが筋になります。逆に、何十年も生死が分からず、本人が現れる見込みも乏しいという状況であれば、失踪宣告を検討する余地があります。このように、本人が生きているかどうかの見込みが、二つの方法を分ける大きな分かれ目になります。迷う場合は、自分のケースがどちらに近いのかを整理したうえで、専門家に相談するとよいでしょう。
- 相続人が生きていることが分かっているか、生死が不明か
- 行方が分からなくなってからどれくらいの期間が経っているか
- 相続を急いで進める必要があるか、時間をかけられるか
- 本人が現れる可能性をどう見込むか
判断に迷うときは
どちらの方法にもそれぞれ特徴があり、手続きの内容や、その後の相続への影響も異なります。自分のケースでどちらが適しているのかを見極めるのは、簡単ではありません。判断に迷うときは、相続に詳しい専門家に相談することで、自分の状況に合った進め方が見えてきます。手続きを始めてから方針を変えるのは負担が大きいため、最初の段階でよく検討しておくことが大切です。
方法を選ぶ際には、本人が生きている見込み、行方不明になってからの期間、相続を急ぐ必要があるかどうかなど、いくつもの要素を総合して考える必要があります。これらをひとりで判断するのは難しく、選び方を誤ると、かえって遠回りになってしまうこともあります。早い段階で専門家に相談しておけば、自分のケースに合った方法を見極めたうえで、無駄なく手続きを進められます。迷ったまま動き出すより、まず全体像を整理してから進めるほうが、結果的に時間も労力も節約できます。
行方不明の相続人がいるときに弁護士へ相談すべき理由
相続人が行方不明のケースは、通常の相続よりも手続きが複雑になりがちです。探す段階から、その後の進め方まで、専門的な判断が必要になる場面が多くあります。こうした場合に弁護士へ相談することには、いくつかの利点があります。自分たちだけで進めようとすると、どこから手をつければよいか分からず、時間ばかりが過ぎてしまうこともあります。
調査から手続きまで一貫して任せられる
弁護士に相談すれば、行方不明の相続人を探す段階から、その後の家庭裁判所での手続きまで、一貫して支援を受けられます。自分たちでは手の届かない範囲の調査ができることもありますし、複雑な手続きを正しく進めるうえでも心強い存在です。どの方法を選ぶべきかの判断も含めて相談できるため、見通しを立てやすくなります。
行方不明の相続人がいる相続は、探す、選ぶ、進めるという複数の段階を踏む必要があり、それぞれに専門的な判断が求められます。戸籍をたどる作業や、不在者財産管理人と失踪宣告のどちらを選ぶかの判断、家庭裁判所への申立てなど、慣れない人には負担の大きい場面が続きます。これらをひとつずつ自分で進めるのは大変ですが、弁護士に任せれば、全体を見渡したうえで道筋を示してもらえます。途中で方針に迷うこともなくなり、無駄な遠回りを避けられます。とくに、どの方法が自分のケースに合うのかを早い段階で見極められるのは、大きな利点だといえます。
他の相続人との関係も整理しやすい
行方不明の相続人がいる相続では、残された相続人どうしの間でも、進め方をめぐって意見が分かれることがあります。誰がどの手続きを担うのか、費用をどう分担するのかといった点で、もめてしまうこともあります。弁護士が間に入ることで、こうした関係を整理しながら、冷静に手続きを進めやすくなります。一人で抱え込まず、早めに相談することを検討してみてください。
たとえば、行方不明の相続人を探す手間や、家庭裁判所への申立てにかかる負担を、誰がどこまで引き受けるのかで、相続人どうしの足並みがそろわないことがあります。手続きが長引くほど、こうした不満がたまりやすくなります。第三者である弁護士が関わると、それぞれの立場を整理しながら、感情的な対立になりにくい形で話を進めやすくなります。行方不明の相続人への対応という、ただでさえ負担の大きい場面で、残された相続人どうしまでもめてしまうのは避けたいものです。早めに専門家を間に入れておくことが、結果的に円滑な解決につながります。
よくある質問
最後に、相続人が行方不明のケースについてよく寄せられる質問にお答えします。自分の疑問に近いものがないか確認してみてください。
行方不明の相続人を抜きにして遺産分割はできますか
できません。遺産分割の話し合いは相続人全員の参加が必要で、一人でも欠けたまま進めた話し合いは効力を持ちません。行方不明の相続人がいる場合は、その人を探すか、不在者財産管理人を立てるか、失踪宣告を行うなどして、本人の権利を守りながら手続きを進める必要があります。連絡がとれないからと焦って話を進めても、後でやり直しになっては元も子もありません。
探しても見つからない場合はどうすればよいですか
探す手立てを尽くしても見つからない場合には、不在者財産管理人を立てる方法や、生死が不明であれば失踪宣告を検討する方法があります。どちらが適しているかは、相続人が行方不明になった事情によって変わります。判断に迷うときは、専門家に相談して、自分のケースに合った方法を確認するとよいでしょう。見つからないからといって、その人を抜きにして話を進めることはできない点に注意が必要です。
不在者財産管理人は誰が選ばれますか
不在者財産管理人に誰が選ばれるかは、家庭裁判所が判断します。行方不明の相続人の財産を適切に管理できる立場の人が選ばれることになり、親族が選ばれることもあれば、弁護士などの専門家が選ばれることもあります。事情に応じて、ふさわしい人が選任されます。なお、行方不明の相続人と利益が対立する立場の人は、その人を代理するのにふさわしくないため、中立な立場の人が選ばれることもあります。
失踪宣告にはどれくらい時間がかかりますか
失踪宣告は、本人を捜したり関係者に知らせたりする手続きを経て行われるため、宣告に至るまでには相応の時間がかかります。すぐに結論が出るものではありません。かかる期間や費用は事情によって変わるため、見通しを立てたい場合は専門家に相談しておくと安心です。相続を急いで進めたい場合には、この時間のかかり方も考えに入れて、どの方法をとるかを判断するとよいでしょう。
どこに相談すればよいですか
行方不明の相続人がいる相続は、探す段階から手続きまで専門的な検討が必要になります。進め方に迷ったときは、相続に詳しい弁護士に相談するのが確実です。自分の状況に応じて、どの方法が適しているか、どう進めればよいかを整理してもらえます。早めに相談しておくことで、その後の手続きを落ち着いて進められます。一人で悩み続けるより、まず専門家に状況を伝えてみることが、解決への近道になります。
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基礎控除額
4,200万円
課税対象額
800万円
相続税の総額(概算)
80万円
申告が必要です
※ 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を考慮しない概算です。実際の税額は個別事情により異なります。
